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2020年 06月 07日
5日、横田滋さんが川崎市内の病院で老衰のため亡くなった。87歳だった。心からご冥福をお祈りしている。
このブログでは拉致問題について何回も取り上げているのだが。拉致被害者の家族会の代表も務め、被害者救済のために懸命に活動して来た滋さんが、拉致から40年以上もの間、めぐみさんに会えぬまま亡くなったことは、本当に残念でならない。(ノ_-。)
そして、安倍首相をはじめ、被害者に期待を抱かせながらも何もできなかった政治家たちに「一体、何をやって来たのか」「政治利用しただけで終わるのか」と恨み言をぶつけたい気持ちにもなっている。<最後に載せるが、蓮池透さんの言葉は強烈なものがあった。>
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1977年11月、横田滋さんと妻・早紀江さん(84)夫妻とその家族が新潟に居住している時に、長女・めぐみさん(当時13歳・中1)が学校帰りに失踪。当初は一般の誘拐事件として捜査されていたが、後に少しずつ北朝鮮に誘拐、拉致された可能性が強まることに。
97年になって、全国で北朝鮮により拉致の被害にあったと思われる人々の家族が集まり、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)が設立された。
滋さんは日本銀行に勤務しており、93年に定年退職。97年に設けられた家族会の代表として活動した。2002年に小泉首相が訪朝した際に、北朝鮮側は日本人13人を拉致したことを認め、生存者5人を一時帰国させた。<5人はそのまま日本に残り、家族も呼び寄せて日本で生活する。>
北朝鮮側は横田めぐみさんは死亡したと報告。それをきいた滋さんは会見の際に涙を止められなかったものの、妻の「生きていると信じて待つ」という言葉に同調。04年に北朝鮮側がめぐみさんのものとして渡した遺骨もDNA鑑定で偽物だと判明したことから、尚更にめぐみさんは生きているとの思いを強くして、拉致被害者救済の活動を続けて来た。
滋さんは体調不良のため07年に家族会の代表を退くも、その後も全国を回り続け、計1400回も講演を行なったという。
とても温厚な人柄で、周囲への配慮を忘れず、言葉を慎重に選んで話す人で。家族会のメンバーは口々に「滋さんが会長でなければ会は続かなかった。全国の人に拉致問題を知ってもらえなかった」と言う。<でも、自民党の石破茂氏が「『自分が、自分が』ということは一切言わない。内に秘めた強靭さ、強い思いを持った人だった」と言っていたように、芯はすごく強いものを持っていた人だと思う。>
北朝鮮側は、めぐみさんは86年に結婚し、87年に娘キム・ヘギョンさんを出産したが、翌年に自殺したと伝えていた。同国は02年にまだ中学生のキム・ヘギョンさんを公開している。
キム・ヘギョンさんは祖父母に会いたいとメッセージを発していたのだが、横田夫妻が長い間、会うのを我慢していた。本人たちも警戒していたが、それより周囲が「北朝鮮のペースに乗せられてはいけない」「会ったらめぐみさんの死も認めたことになる」などと忠告(圧力がけ?)していたからだ。
しかし、2014年になって、横田夫妻はモンゴルを訪問。そこで、キム・ヘギョンさんとひ孫に当たるヘギョンさんの娘(赤ちゃん)に会う。夫妻はTVカメラの前では、あまり喜びをあらわにしないように気遣っていたのだが、滋さんの顔からは嬉しさがこみ上げて来るのがわかった。
<早紀江さんも、あとで「ひ孫がめぐみの赤ちゃんの時と似ている」と喜んで話していたときいた。>孫とひ孫に会えたのは、せめてもの救いだったのではないかと思う。
でも、結局、滋さんは愛する娘と再会することができず。今年2月には有本恵子さんの母も亡くなり、今、拉致被害者の親で健在なのは、横田早紀江さんと有本恵子さんの父・明弘さんの2人だけになってしまったとのこと。それこそ被害者の方も高齢化しつつあるので、1日も早い解決が必要なのである。(**)
mewは、安倍晋三氏に一つだけ感謝していることがある。それは安倍氏が父親の秘書だった1988年、まだ拉致かどうか明らかではなかった頃、失踪者とされてた有本恵子さんの両親と会って、相談に乗ってくれたことだ。<晋三氏は、もともと心根はやさしい人だと思うのよね。>
80年代からチラホラと、北朝鮮によるカップルなどの誘拐がなされているのではないかという話が出てはいたのだが。当時は、警察にその話をしても相手にされず。社会党や共産党など北朝鮮にパイプのあるところにきいても無視されるだけで、被害者の家族は本当に困っていたという。
それゆえ、安倍晋三氏をはじめ、何人かの議員が話をきいてくれたことは、被害者家族にとって大きな救いになっただろうし。彼らが「北朝鮮による拉致かも」と本気で疑ってくれたことが、2002年の5人の被害者の帰国につながったと評価している。(・・)
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ただ、彼らが「北朝鮮なら拉致しかねない」と思った大きな要因として、彼らが中朝韓を敵視、嫌悪している超保守派だったことがある。
彼らが結成した「拉致被害者の救出を求める議員連盟」(拉致議連)は、あまりに北朝鮮を敵視する思想が強いあまりに、拉致被害者の家族の気持ちや希望に寄り添うことができず。救出より北朝鮮批判の方が優先されることに。政治利用する人も増えて行った。
彼らは、基本的に「北朝鮮が犯罪を犯したのだから、自ら謝って被害者を返すのが筋だ」と主張。北朝鮮に様々な圧力をかけて(兵糧攻めも行なって?)、北朝鮮を降参させることが一番の解決方法だと考えたのだ。<まあ、正論と言えば正論なんだけど。北朝鮮が彼らの思い通りに動くはずがないんだよね。(-"-)>
小泉純一郎首相(当時)は2002年に、北朝鮮を訪れて、金正日総書記と日朝首脳会談を行なって、13人の拉致を認めさせた上、その後、5人の被害者の帰国を実現するのだが。当時、小泉陣営が正式なルートは使わず、北朝鮮側のミスターXなる人物や他国経由のルートを用いて交渉を行なっていたとか、最大1兆円の金銭や多量の食料その他の物資を支援したというウワサが流れていた。
安倍氏は06年、小泉氏の後継として首相になったのだが。超保守派の陣営は「北朝鮮とは正式ルートを通じてしか交渉しない」「拉致問題解決のために金銭や物資の支援は行なわない」と固く決めて、同国との交渉に当たろうとしたこともあって、うまく行かず。
<彼らの中には、北朝鮮を経済的or軍事的に潰すことしか考えていない人が多いし。公の場でそのような発言をして人がいるので、北朝鮮側は安倍首相&仲間たちは信頼していないと思う。>
家族会の中にも、やや右寄りの姿勢の人が出て来て、「拉致問題を優先して、北朝鮮に譲歩するような言動はしてはならじ」という風潮のようなものがも生まれた。
12年末に首相に復帰してからも、拉致問題を最大の課題に挙げながら、有効な交渉が行なえず。最近は、米トランプ大統領を通じて金正恩労働党委員長と何とか会えないかと、米国の力に頼るしかないような状況にある。(-_-;)
家族会のメンバーの中には、安倍晋三氏が首相に復帰して、拉致問題の解決のために今度こそ意欲的に北朝鮮と交渉してくれるのではないかと期待していた人もいたと思うのだが。<mewもこの件だけは、安倍首相を応援していた。>安倍首相は、この7年半、メンバーの期待を裏切り続けて来たのである。
横田滋さんの訃報を受けて、関係者は口々に滋さんの人柄や活動を評価していたのだが。同時に、政府が何もしてくれないことへのイラ立ちをあらわにする人も少なからずいた。
安倍首相は、横田滋さんの訃報を受けて、このように語ったという。
『安倍晋三首相は5日夜、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの帰国を果たせないまま、父滋さんが死去したことを受け、「断腸の思いだ。本当に申し訳ない思いでいっぱいだ」と述べた。
その上で「拉致被害者の帰国を実現するため、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していかなければならない」と改めて決意を示した。東京都内の私邸前で記者団に語った。
首相は「滋さんとは本当に長い間、ともに闘ってきた」と述懐。2002年の拉致被害者5人の帰国時を振り返り、「写真を撮っていた滋さんの目から涙が流れていたことを今でも思い出す。滋さんがめぐみさんを抱きしめることができる日が来るよう全力を尽くしたが、首相として実現できなかった」と悔やんだ。(時事通信20年6月6日)』
自民党の石破茂氏は、『横田滋さんが逝去したことに関して「『自分が、自分が』ということは一切言わない。内に秘めた強靭(きょうじん)さ、強い思いを持った人だった」と悼んだ。産経新聞の取材に答えた。(産経新聞20年6月6日)』
『「横田さんがいたから、運動も、ここまでずっとやってこられた」(有本恵子さんの父、明弘さん)
「何もしてない最中に、こういうことになった。総理をはじめ、各担当が強く認識して、今後につなげてフォローしていっていただきたい。家族がだんだん減ってきている中で、次はうちかなという思いを皆持っている」(拉致被害者家族会代表 飯塚繁雄さん)
「北朝鮮に対して、なんで親子の再会をここまで阻もうとするのかと、同時に日本政府はなんでもっと早く、もっと大胆に動けなかったのかなと、悔しさ、悲しさ、いろいろ混じっています」(拉致被害者 蓮池 薫 さん)(TBS20年6月6日)』
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拉致被害者だった蓮池薫さんの兄は、当初、家族会の幹部を務めていた蓮池透さんは、5日、ツイッターにこのように書いていた。
『【横田滋さんの訃報を受けて】いつか、この日が来るのは分かっていたし、怖かった。
滋さんは、公には政治家に対しても、右派的思想家に対しても決して異論を唱えることのないジェントルな人だった。しかし、プライベートではお酒が好きで、日ごとにその量は増えていった。その時に発する言葉は耳を疑うような内容だった。ある人を大きな声でストレートに批判する姿には、日ごろの悲しみ、怒り、苛立ち、苦しみ、焦りなど全ての感情が込められていると推察するのは容易だった。どちらが真の滋さんか?間違いなく後者だ。ただ、めぐみさんに会いたいだけ。だから宥和的にことを進めるべき、経済制裁には反対。本心はそうだったのだ。(中略)
「断腸の思い」と繰り返した安倍首相。「申し訳ない」は付け足したが。自分たちの無為無策を棚に上げて、拉致問題が進展しないのは国民の関心が薄れているせいだ、と平気で言う政府。
みなさん、いい加減気付いてください。安倍首相は拉致被害者を救出するなどという気はさらさらないのです。この期に及んで「早期」救出とか言っているではありませんか。今こそ、安倍首相責任を取ってください!と叫ばなくてはなりません。そうでなくては、滋さんのご冥福を祈ることはできません。』
もはや安倍首相には全く期待していないが。首相が誰であっても、政府関係者も与野党議員も、北朝鮮にパイプのある人たちも、何とか1日も早く拉致被害者が帰って来るように力を尽くして欲しいし。私たち国民がしっかりと後押し&圧力がけしなければ、と思うmewなのだった。(@_@。
THANKS
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