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石破氏が衝撃発言 改めて震撼する前法相夫妻巡る国家犯罪
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/274114
2020/06/04 日刊ゲンダイ
丸抱えだった(自民党参院選比例公認証書授与式での安倍首相と河井案里参院議員、2019年6月)/(C)日刊ゲンダイ
国会の会期末まで2週間を切り、「Xデー」に注目が集まっている。国会が閉じたら、河井克行前法相と妻の案里参院議員が公選法違反事件(買収)で逮捕されるのかどうか。
河井夫妻の容疑については、広島地検と東京地検特捜部が捜査を進めている。昨年7月の参院選で地元の首長や県議らに現金を配った容疑だが、最大のポイントはその原資だ。
自民党が参院選の候補者に配る選挙資金は通常1500万円だというが、河井陣営には、相場の10倍に当たる1億5000万円もの巨額資金が振り込まれていた。これが買収の原資になったと検察がみているのは間違いない。自民党本部の職員や元職員を任意で事情聴取したことも明らかになった。
「自民党本部の関係者からも聴取したとなると、検察当局の本気度を感じて、首相官邸は震え上がったはずです。この先、安倍首相の周辺にも捜査の手が伸びる可能性がある。焦点は1億5000万円の振り込みを誰が指示したかで、これはとても幹事長の独断で動かせる金額ではない。幹事長より上からの指示だとすると、自民党総裁か官邸しかあり得ません。つまり、安倍首相の関与が強く疑われる。そもそも昨年の参院選に案里氏を擁立したのは安倍首相です。河井事件はそのまま安倍事件であり、だからこそ無理筋の法解釈変更をしてまで守護神の黒川氏を定年延長させる必要があったのでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
ところが“官邸の守護神”と呼ばれた東京高検の黒川前検事長は賭けマージャンでまさかの辞職。守護神を失った政権中枢に検察は斬り込むことができるのか。
「幹事長の一存ではできない」
このカネについて、自民党の石破元幹事長が河井夫妻の地元の「中国新聞」(2日付)のインタビューに核心を突く発言をしていた。1億5000万円もの資金提供は「幹事長の一存ではできない」と断言したのだ。
選挙の際、情勢調査を基に効率的に金を分配するので、当落のボーダーラインの人には手厚くするなど多少の差はつけるが、倍にまではならないという。「『なぜあの人だけ』と党内に不満が充満し、統制が利かなくなる」からだ。幹事長経験者の言葉だけに説得力がある。
だが、案里には相場の10倍ものカネが提供されたわけだ。党本部の応援は前例がないほど手厚く、「多くの選挙を見てきたが、物心ともに今までにない態勢だった」と石破は言う。
当初、広島選挙区からは岸田派の重鎮で前職の溝手顕正氏だけが自民党公認で立候補することになっていたが、溝手は安倍首相との確執を抱えていた。第1次政権時に痛烈に批判され、下野時代には「過去の人」と斬り捨てられたことを安倍は根に持っていたといわれる。その溝手に差し向けた刺客が案里だった。
選挙戦では、安倍の地元秘書が案里の選対に送り込まれた。山口県の安倍事務所から少なくとも4人の秘書が広島入りしていたという。本紙も現地で取材をした際、案里陣営の選挙カーが「山口ナンバー」だったことを確認。案里の選挙は、安倍事務所が丸抱えでやっていたことをうかがわせるのだ。その延長線上に、党本部からの1億5000万円がある。
発言は正論(石破茂自民党元幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
ポケットマネーのように税金を浪費する異常な感覚 |
「党本部から法外なカネを出させたのは、まるで河井夫妻の買収を奨励するようなものです。安倍事務所の秘書が案里陣営に買収の指南をしていた可能性だって否定できない。何より問題なのは、買収の原資となった1億5000万円には政党交付金が含まれていること。われわれの税金が不正選挙に使われたのです。税金をポケットマネーのように勘違いして好き勝手に扱ってきたのが安倍首相で、生活苦に喘ぐ国民を横目に海外で気前よくバラまいたりもしてきましたが、気に食わないヤツを蹴落とすための選挙買収にも税金を使う感覚には震撼してしまう。河井事件は、国家の犯罪といっていい。これを見逃したら、検察は国民の信頼を完全に失い、今度は稲田検事総長に対する抗議のツイッターデモが起こりかねません」(本澤二郎氏=前出)
前法相夫妻の犯罪、黒川人事、法解釈変更……。すべては一本の線でつながる。
森法相のデタラメ答弁も、やましさを物語っている。官邸が疑惑のクラスターだ。
今年1月に黒川氏の定年延長を閣議決定したことに関し、国が開示した公文書には、事後につじつま合わせのために作成された疑いも浮上。1日に大学教授らが違法な開示決定を取り消すよう求める訴えを大阪地裁に起こした。
森友問題では公文書が改ざんされたが、捏造もやりかねない。そう思われること自体が、もはや行政崩壊といえる。
黒川氏の定年延長を決めた経緯もロクに文書が残っていないし、賭けマージャンの「訓告」処分にしても、「内閣で決めた」「検事総長が決めた」「法務省で決めた」と二転三転。森の答弁はいかにも苦しい。
このコロナ禍でも利権を貪る下劣
「黒川問題もモリカケと同じで、首相の場当たり発言に合わせて法相や官僚が答弁を修正し、全体の整合性がつかなくなってくる。河井夫妻への1億5000万円も、直接の指示はしていないと安倍首相は言うでしょう。でも、忖度や暗黙の了解で物事が動いてきたのが、第2次安倍政権の7年半なのです。首相ひとりを守るために公文書管理も形骸化し、無理を重ねた行政は機能不全に陥ってしまった。もはや民主主義国家の体をなしていません。それを許してきた自民党議員は全員に責任がありますが、責任政党を名乗るのであれば、下野するのではなく、党内から声を上げて立て直さなければおかしい。首相に物申せば潰されるような強権政治では、表立って批判するのは相当な勇気がいるのでしょうが、だからこそ石破元幹事長の発言には価値がある。言っていることは正論です。言いたいことも言えないなら、何のために政治家になったのかという話です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
石破は中国新聞のインタビューに「納税者や党員に説明できる金の使い方をしないといかんのだ」と語気を強めていたが、このコロナ禍の対応を見ても、血税の使い方があまりにひどい。
アベノマスクは「質より量」で、劣悪なマスクでも取りあえず全世帯に配布すれば国民は納得するとナメくさり、税金をムダに浪費した。持続化給付金も、電通やパソナが巨額の税金を中抜きしている疑いが持たれている。
「コロナ禍で多くの国民が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのに、この災害時にも利権重視で仲間内に税金を横流しし、かすめ取ろうとする人たちが政権を牛耳っていると思うと、絶望的な気分になります。国民の方を向いて、国民のための正しい政治をする人はいないのか。少なくとも、税金を悪用する政権に自分や家族の命を預けたくはありません」(山田厚俊氏=前出)
9月入学や英語民間試験のドタバタを見て分かるように、教育すら利権がらみで政策判断するのがこの政権なのである。このままでは国が危うい。忖度と利権で成り立つ政府には、コロナ対応などとても任せられないし、裸の王様は一刻も早く引きずり降ろさないと、社会が未曽有の混乱に陥ってしまう。
検察も決して正義の味方などではないが、今なら安倍政権の犯罪に斬り込んでくれるかもしれないという淡い期待を国民が抱くのも当然だろう。それに検察は応えられるだろうか。
【絵に描いたような国家犯罪≠ノ改めて震撼】石破元幹事長が衝撃の発言 前法相夫妻の犯罪、黒川人事、法解釈の変更、森法相のデタラメ答弁という一連の疑惑に官邸と党はどう関与していたのか ポケットマネーのように税金を浪費する異常な感覚 このコロナ禍でも利権を貪る下劣(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/ceWsLhubgY
— KK (@Trapelus) June 4, 2020
石破氏が衝撃発言 改めて震撼する前法相夫妻巡る国家犯罪 https://t.co/0p09qTstsy #日刊ゲンダイDIGITAL
— 宮台真司 (@miyadai) June 4, 2020
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