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(回答先: (黒木 亮)カイロ大学の深い闇…小池百合子が卒業証書を「出せない」理由 「捏造」が当たり前の驚くべき実態(livedoor NEWS) 投稿者 AN 日時 2020 年 5 月 30 日 10:08:53)
都知事選、小池百合子氏は「学歴詐称疑惑」を“強行突破”できるか
郷原信郎 YAHOO!ニュース 6/2(火) 11:24
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200602-00181513/
ノンフィクション作家石井妙子氏の【女帝 小池百合子】(文芸春秋)が出版された。これまでも、多くの著名人の人物評伝などを執筆し、多数のノンフィクション賞を受賞してきた著者による渾身の著作である。小池氏の生い立ちから、虚言に塗り固められた「実像」を、多くの関係者の証言に基づいて詳細に明らかにし、そのような人物を「首都東京の知事で、総理大臣をも狙う政治家」にしてしまった日本の社会の歪みを鮮やかに描いた同書は、7月の都知事選挙で確実視される小池氏再選に向けての「強烈な一撃」になる可能性がある。
都知事選直前に再び注目される小池氏「学歴詐称」疑惑
「希望の党」騒ぎ以降、小池氏には、あまり目立った動きが見られなかった。しかし、東京五輪の開催延期が決まった今年3月下旬になって、「ロックダウン」「オーバーシュート」等の言葉を用いて新型コロナ感染の危機感を煽る「小池劇場」にマスコミの注目を集中させ、人気が急上昇している。7月に予定される都知事選では、既に自民党は対抗馬擁立を見送っており、小池氏の圧勝が予想されている。
そうした状況の中で、石井氏の著書では、カイロで同居していた女性の詳細な証言も含め、多くの根拠が示され、小池氏の華々しい経歴と地位の原点となった「カイロ大学卒業」の学歴が虚偽であることが明らかにされている。
私も、小池氏については、都知事就任直後から、多くのブログ記事や片山善博氏との対談本(【偽りの「都民ファースト」】ワック:2017)等で、その政治姿勢を厳しく批判してきた。
小池都政(小池劇場)については、都知事就任後の小池氏が「豊洲市場移転延期」等で人気の絶頂にあった2016年11月、「炎上」覚悟で出した【小池都知事「豊洲市場問題対応」をコンプライアンス的に考える】から、2017年7月の【“自民歴史的惨敗”の副産物「小池王国」の重大な危険 〜代表辞任は「都民への裏切り」】まで7本の記事を出し、さらに、2017年の衆院選に際して、小池氏が「希望の党」を設立して国政に進出しようとした動きについて、【希望の党は反安倍の受け皿としての「壮大な空箱」】などと、それがいかに「空虚」なものかを指摘した。また、衆院選挙後の2017年10月の【平成「緑のタヌキ」の変 〜衆院選で起きた“民意と選挙結果とのかい離”】から同年11月の【“幻”に終わった「党規約による小池氏独裁」の企み】までの4本の記事では、衆議院選に向けて野党議員を手玉にとった小池氏の欺瞞性を指摘した。
私が、これらの記事で小池批判を続けていたこともあり、昨年5月には、石井妙子氏からも取材を受け、政治家としての小池氏や小池都政などについての私の考えを話した。この際、石井氏は、「小池氏がカイロ大学を卒業していないことは絶対に間違いない。しかし、いつも上手く誤魔化して逃げてしまう」ともどかしそうに言っていた。そういう石井氏のたゆまぬ取材の結果が、今回の著書で結実したものだ。
黒木亮氏の緻密な取材による「学歴詐称」の指摘
さらに、作家の黒木亮氏が、5月29日に、【再燃する小池百合子の「学歴詐称」疑惑…首席も、卒業すらも嘘なのか】、翌 30日の【カイロ大学の深い闇…小池百合子が卒業証書を「出せない」理由】の各ネット記事(現代ビジネスオンライン)では、3月都議会での「学歴詐称疑惑」に関する小池氏の答弁の矛盾・混乱を取り上げ、カイロ大学を含むエジプトの国立大学では、以前から不正な卒業証書の発行が行われてきた実態を踏まえて、
小池氏が卒業証書類の提出を頑なに拒む態度、1年目に落第しながら4年で卒業したという自著の矛盾した記述、『お使い』レベルのアラビア語、卒論に関する事実に反する議会答弁、当時を知る複数の日本人の証言と矛盾する入学年などに照らせば、小池氏がカイロ大学を正規のルートで卒業したと信じるのは到底無理
と結論づけている。
2013年、裁判官の世界を描いた黒木氏の小説「法服の王国」が出版された際には、経済雑誌に同書の書評を書いた。フィクションとされてはいるが、現職裁判官を含めた多数の関係者からの取材、膨大な参考文献に基づき、人事を含めた裁判所組織の内実や裁判官個人の考え方、生き方の実相を克明に描いた同書に、ノンフィクション作家としての黒木氏の取材力、表現力が圧倒的なリアリティにつながっていた。
小池氏は、これまで、自身の学歴詐称疑惑に関して、ほとんど説明らしい説明をせず、「卒業証書も卒業証明書もある。カイロ大学も卒業を認めている」と言い続けてきたが、卒業証明書と卒業証書の提出は頑なに拒否してきた。今回、石井妙子氏と黒木亮氏という二人の実力作家の著述によって、「小池百合子氏にカイロ大学を正規に卒業した事実がないこと」は、ほぼ疑いの余地がないほど明白な事実になったと言えよう。
小池氏は本当に都知事選挙に出馬するのか
6月18日告示、7月5日投票が予定されている東京都知事選挙、小池氏は、現時点(6月2日)では、出馬表明をしていないが、立候補すれば圧勝すると予想されている。
これまで、国政選挙・都知事選挙で、小池氏は「カイロ大学卒業」と繰り返し記載してきた。「カイロ大学卒」の学歴が虚偽である疑いが、石井氏の著書、黒木氏のネット記事で、改めて指摘されている中、疑問に答えることなく、これまでどおり・選挙公報の経歴欄に「カイロ大学卒」と堂々と記載することができるのだろうか。
しかし、それを記載しないで、「正直」に、「カイロ大学中退」などと記載した場合、それまで、「カイロ大学卒業」としてきたことの虚偽性を認めることになる。小池氏にとって、それは政治生命の終焉を意味する。
小池氏にとっての選択肢は、何らかの理由を付けて再選出馬を断念するか、立候補し、従前どおり「カイロ大学卒業」の学歴を選挙公報に記載して都知事選「強行突破」を図るかの、いずれかである。
小池氏にとっての「カイロ大学卒業」の意味
カイロ大学を卒業したかどうかは、40年以上前のことであり、現在の都知事としての評価に影響するものではないと思う人もいるかもしれない。政治家と学歴の関係について言えば、確かに、田中角栄氏のように、尋常高等小学校卒業でも、傑出した政治家の才能を発揮した人物もいるのであり、一般的には、学歴は政治家の実力には必ずしも結びつかないと言えるであろう。
しかし、「小池百合子」という政治家にとっての「カイロ大学卒業」という学歴は、単なる遠い過去の出来事としての経歴の一つではない。石井氏が著書で明らかにしているように、小池氏は、「カイロ大学卒業」に関して嘘を重ね、その嘘を利用して今の地位や名声を手にしてきたのであり、まさに、「女帝 小池百合子」という「存在」そのものの原点が「カイロ大学卒業」なのである。
小池氏が、都知事選挙に出馬して「強行突破」を図った場合、当選したとしても、選挙公報への「カイロ大学卒業」の学歴詐称の公選法違反(虚偽事項公表罪)で告発される可能性が高い。
告発は、東京都の警察である「警視庁」ではなく、「東京地検特捜部」宛てに行われるであろう。その場合、小池氏の刑事処分はどうなるだろうか。
過去の虚偽事項公表罪の事例
まず、過去の虚偽事項公表罪での刑事事件の事例を見てみよう。
処罰された事例として、1992年の参院選愛知選挙区で当選した新間正次議員(当時民社党)が、虚偽事項公表罪で起訴され、禁錮6月、執行猶予4年の判決が確定、失職したケースがある。
この事件で問題にされた「虚偽事項公表」は、(1)選挙公報等で、入学していない「明治大」を「中退」と公表した行為、(2)政談演説会において、約700名の聴衆に対し、その事実がないのに「中学生当時公費の留学生に選ばれ、スイスで半年間ボランティアの勉強をした」旨演説した行為の二つであったが、(2)については、名古屋高裁判決は、
公職選挙法235条1項について、「選挙人が誰に投票すべきかを公正に判断し得るためには、候補者について正しい判断資料が提供されることが必要」との趣旨に出ているから、ここでいう経歴とは「候補者が過去に経験した事項であって、選挙人の投票に関する公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるものをいう」とした上で、被告人の演説内容は、「極めて異例の経験であり、高い社会的評価を受ける候補者の行動歴、体験というべきもので、福祉政策の重視を訴える候補者である被告人の実績、能力などを有権者に強く印象づけるものであり、選挙人の公正な判断に影響を及ぼす可能性がある」から、右経歴に該当する
旨判示し、最高裁はその判断を是認した。
この事件では、40年以上も前の留学歴についての発言も虚偽事項公表とされ、裁判所は「選挙人の公正な判断に影響を及ぼす可能性がある」と判断しているのである。
一方、2003年の衆議院議員選挙で、当時の自民党幹事長で現職副総裁の山崎拓氏を破り、衆議院議員に当選した古賀潤一郎氏は、その後、海外の大学卒業の「学歴詐称」の事実が判明したが、最終的には「起訴猶予」となり、処罰を免れた。
古賀氏については、「ペパーダイン大学卒業」としていた経歴が偽りではないかとの疑惑が浮上し、当初は「弁護士を通じて卒業証書を受け取ったが、紛失し、弁護士の名前も忘れた」などと弁明をしていたが、大学側が「古賀は卒業していない」と発表したことで窮地に追い込まれた。その後、翌年2月に、公選法違反(虚偽事項公表罪)で福岡県警に告発があり、福岡県警の捜査員や福岡地検の検事らが渡米し、米司法当局の大学関係者への事情聴取に立ち会うなどして、古賀氏が単位不足でペパーダイン大を卒業していなかったことを確認した(共同:2004年8月12日)。古賀氏は、2004年9月24日に辞職願を出し、辞職が承認され、翌月、起訴猶予処分となった。
この事例で古賀氏が起訴猶予処分となったのは、議員辞職し、政界からの引退を表明したことが考慮されたのであり、いずれにしても、公職選挙において学歴詐称の虚偽事項公表の事実が明らかになれば、公職の地位にとどまることはできない。
虚偽事項公表罪で告発されればどうなる?
小池氏が都知事選挙で当選した後、虚偽事項公表罪で東京地検特捜部に告発された場合、「検察も都民に選挙で選ばれた都知事を、経歴詐称ぐらいのことでその座から引きずり下ろすことはしないだろう。何らかの理由を付けて不起訴にするだろう」と考える人もいるかもしれないが、黒川検事長定年延長問題、「賭け麻雀」による辞職などで、信頼を失墜している検察の現状を考えれば、都知事の政治的立場などに配慮することなく、検察捜査は、法と証拠に基づき厳正に行われることは間違いない。起訴に向けて全力で捜査に当たり、「東京地検特捜部」VS「女帝小池百合子」の真剣勝負になる。
虚偽事項公表罪は「故意犯」である。本人が、当選を得るために虚偽の事実を公表することを認識して行わなければ犯罪は成立しない。古賀潤一郎氏の場合には、選挙で当選した後に、「学歴詐称」疑惑が表面化し、本人は「卒業したと認識していた」と弁解したことで、その認識の有無が最大の問題になった。
しかし、小池氏の場合、「カイロ大学卒業」は、政治家としての経歴として、自己アピールの核心としてきたものであり、それが真実であるかどうか認識していないはずはない。しかも、「学歴詐称」疑惑が再三にわたって取沙汰され、3月都議会でも、複数の自民党議員から追及を受けている。3か月後の都知事選挙の選挙公報に「カイロ大学卒業」と記載するのであれば、「卒業したと認識していた」などという弁解は通らない。過去に、テレビ番組で極めて不十分な形で「卒業証明書」を示したことがある。その卒業証明書をどのように入手したのかによって、卒業の事実の有無は明らかになる。「卒業したと思っていた」というような弁解はあり得ない。
小池氏は、従前どおり、「カイロ大学は何度も自分の卒業を認めている」と主張するのであろうが、この点については、黒木氏は、【上記記事】で、以下のように指摘している。
同大学文学部日本語学科長のアーデル・アミン・サーレハ教授が、最近、ジャーナリストの山田敏弘氏の取材に対し「(小池氏は)1年時にアラビア語を落としているようだが補習でクリアしている」と回答したり、同じく石井妙子氏の質問に対して「確かに小池氏は1976年に卒業している。1972年、1年生の時にアラビア語を落としているが、4年生のときに同科目をパスしている」と回答した程度だ(なぜ学部長や学生部長や社会学科長ではなく、担当外の日本語学科長が回答するのか不思議ではある)。
刑事事件の捜査になれば、古賀潤一郎氏の事件で米国に検事が派遣されたのと同様に、検事がエジプトに派遣されて司法当局の大学関係者への事情聴取に立ち会うという「海外捜査」が検討されるであろう。それが実現すれば、「カイロ大学卒業の事実があったのか、なかったのか」という客観的事実が明らかになる可能性が高い。
もし、エジプトでの海外捜査ができなくても、石井氏の著書に登場する小池氏のカイロ時代の同居人の女性の証言の中に、カイロ大学卒業を否定する事実が多数あることに加え、黒木氏が指摘するように、小池氏の著書での記述や発言に重大な矛盾があることなど、小池氏の取調べでの追及ネタには事欠かない。
そもそも、刑事事件になれば、小池氏が、頑なに提示を拒否してきた卒業証明書と卒業証書も提出せざるを得ない。捜査によって、その「真贋」は容易に明らかになるだろう。
小池氏の説明を疑う証拠は豊富だ。小池氏が、敢えて都知事選立候補し、「カイロ大学卒業」で強行突破しようとしても、刑事事件の捜査で、真実が明らかになる可能性が高い。この程度の小池氏の弁解が覆せず起訴できないというのであれば、「東京地検特捜部」の看板は下ろした方がましだということになる。
告示の半月前になっても、いまだに出馬表明しないのは、小池氏も、さすがに、立候補した場合の虚偽事項公表罪のリスクを認識し、進退の判断に悩んでいるのかもしれない。
小池氏は、これまで、幾度となく「カイロ大学卒業」の学歴詐称の疑いが指摘されても、巧妙にはぐらかしてきた。しかし、今回は、そうはいかない。石井氏が詳細に明らかにしたように、嘘で塗り固め、築き上げてきた政治家としての地位が、今、正念場を迎えている。
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