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2020年 05月 29日
黒川弘務氏(元東京高検検事長)が賭けマージャンで辞職して、もう1週間になるのだけど。<ホント、1週間立つのって早いね。^^;>
TVや国会では、いまだに「一体、どこが黒川氏の『訓告』処分を決めたのか」でもめていたりする。(・o・)
安倍首相は22日、東京高検検事長だった黒川弘務氏が「訓告」処分になったことについて、「検事総長が事案の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と、検事総長に責任を負わせようとした。
<森法務大臣は、22日には、「内閣が決定した」「(内閣と法務省の)協議でさまざまな意見が出た」という表現を使ってた。>
ところが、23日に共同通信が『事実関係を調査し、首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となった』と報道。
これに対して、安倍首相は25日になって、「処分は21日に、法務省から検事総長に対し『訓告が相当』との考えを伝え、検事総長も訓告が相当と判断して、処分したと承知している」と説明の仕方を変更。^^;
稲田検事総長は26日、TBSの取材に、こう答えたという。
『稲田伸夫検事総長はJNNの取材に対し、「法務省側から訓告相当と言われ、『懲戒処分ではないのだな』と思った」「法務省の見解を踏まえ、訓告と判断した」と話しました。森法務大臣とは、直接やりとりはしていないということです。
また、「懲戒処分」が検討されたかどうかについては、稲田総長は「法務省と内閣の間でどのようなやりとりがなされたかはわからない」としています。(JNN20年5月26日)』
<この『「懲戒処分じゃないのだな」と思った』というのは、たぶん「内閣が懲戒処分にしなかったんだな」っていう意味ね。(・・)>
* * * * *
話が小難しくなって混乱しそうだったので、調べてみた&整理してみた。
国会公務員法の処分は「懲戒」と呼ばれ、免職、停職、減給、戒告の4種ある。そして「懲戒」に当たらない場合、各省庁の内規による訓告、厳重注意などの処分を受けることがある。
国家公務員法は任命権者が懲戒処分を行なうと規定している。そこで、黒川検事長の処分について決める場合、まず検事長の任命権者である内閣が「懲戒」処分にするかどうかを判断することになる。<検事総長には「懲戒」云々を決める権限はない。>
そして、内閣が「懲戒」処分に当たらないと判断した場合は、次の段階で、法務省&検察庁で訓告、厳重注意に処すべきかどうか考えることになるのだ。(・・)
つまり、1・法務省は内閣に黒川氏の賭けマージャンの調査報告を行なった。(協議の中で、懲戒が相当との意見も出た。)2・内閣は「懲戒処分にはしない」と決め、法務省に告げた。3・それを受け、法務省は「懲戒でないなら、訓告が相当だ」と判断し、検事総長にその旨報告して同意を得た・・・という風にコトが進んだと考えるのが、妥当なのではないかと思う!(++)
確かに、「訓告」という処分を決めたのは、法務省や検事総長だったかも知れない。しかし、その前に「懲戒処分にしない」と決めたのは、安倍内閣なのである!(**)
ただ、安倍官邸としては、できるならここで、稲田検事総長にも責任をとらせて辞職させたかったことだろう。
昨日の記事にもあったように、安倍官邸はこの何年か稲田氏サイドとずっと人事でもめて来た。
稲田氏&周辺は「内閣は、これまで通り、検察側の決めた人事案に従うべきだ」と考えていたのだが。他省庁の公務員も人事で支配して来た安倍首相らは、稲田氏が官邸の指示に従わないことに立腹。何とか稲田氏を早く辞めさせて、稲田ラインでない人を検事総長の座につけたかったのである。^^;
また、安倍官邸は、稲田氏が河井元法相夫妻の捜査に意欲的になっていたことを、かなり気にしていた可能性がある。
『稲田氏は黒川氏の定年延長を聞いて、こんな一言を漏らしたという。「あっちがそうくるなら、こっちも考えがある」−。「あっち」は安倍官邸。「こっち」は検察組織。「こっち」の考えが、河井夫妻の選挙違反事件だという。(大阪日日新聞20年5月20日)』
<ちなみに、「法務省」というのは、主に事務方TOPの辻裕教法務次官を指すのであるが。辻次官に関して、こんな記事が出ていた。
『「2011年から5年にわたり、大臣官房長として政界対応を担ってきた黒川氏の後任官房長に抜擢されたのも辻氏でした。いわば黒川氏の子飼い。法務次官になってからも、まるで官邸の意を汲んだかのような動きをしていた。前法相の河井克行・案里夫妻の公選法違反事件では、逮捕はせずに在宅起訴で済ませるよう、辻氏が検察に働きかけていると疑われていました」(民放の司法担当記者)(日刊ゲンダイ5.23)』・・・黒川氏が総長になれば、辻氏には次の東京高検検事長→総長の可能性がありだったのかも。^^;>
* * * * *
稲田総長潰しに関しては、リテラにも、こんな文が載っていた。
『安倍政権がとんでもないのはこれだけではない。首相官邸はなんと、黒川氏の賭け麻雀問題を逆に利用して、自分たちにとって“目の上のたんこぶ”である稲田伸夫検事総長の排除と、河井克行・前法相の捜査潰しに動き始めたのだ。
実際、毎日新聞がきょう昼前に配信したウェブ版の記事でこう打っている。
〈法務省は首相官邸と調整を進めているが、官邸は混乱の責任を取る形で稲田伸夫検事総長の辞職も求めているとみられる。〉
〈法務省は、黒川氏の辞職を前提に、後任人事も含めて官邸と調整を進めている。検事総長、次長検事、検事長の任命権は内閣にあるが、首相官邸は、稲田検事総長の監督責任を問題視しているという。検事総長の引責辞任は極めて異例で、調整が難航する可能性もある。〉
毎日だけではない。共同通信も、政権の動きを伝える記事のなかで〈稲田伸夫検事総長の監督責任も今後焦点となる〉と報じた。さらに、日本経済新聞も〈政府高官は21日、稲田伸夫検事総長の監督責任について「調査結果次第だ」と言及した〉と伝えている。
「森法相の会見では稲田氏の進退問題は出ていないと言っていたが、これは何も聞かされていないだけ。実際には菅義偉官房長官と杉田和博官房副長官が法務省に、『稲田の監督責任はどうなるのか』と揺さぶりをかけている」(官邸担当記者)
実際、これを裏付けるように、“官邸の代理人”である田崎史郎氏もきょう放送の『ひるおび!』(TBS)で、稲田検事総長の責任問題にこう言及した。
「黒川さんを指揮監督する立場にあるのは最高検なんですよ」「だから僕は今回の後始末どうするのかってことも含めて、やっぱ最高検の検事総長がどうするかってことが厳しく問われなければいけないと思います」(リテラ20年5月25日)』
でも、稲田氏は安倍官邸の圧力に負けず、検事総長を続投。しかも、何年も前から決めていた通り、自分が黒川氏より評価していた林真琴氏を、ついに東京高検検事長の座に(=次期検事総長の座に)つけたのである。(・・)
その林氏は27日、東京高検検事長の就任会見を行ない、「検察の刑罰権行使には、国民の信頼が不可欠」「政治とは一定の距離を保って職務を遂行すべきだ」と語ったという。(・・)
検察OBいわく、林氏は「野武士」のような男であるとのこと。林氏に関する記事をいくつか読んだが、かなり固そうな、チョット頑なな感じさえする人物のようだ。
『賭けマージャン問題で辞職した東京高検の黒川弘務・前検事長(63)の後任に26日付で就いた林真琴氏(62)が27日、就任会見を開いた。黒川氏の不祥事について「誠に不適切で国民の信頼を揺るがす深刻な事態。国民に改めておわびする」と謝罪した。その上で「検察の刑罰権行使には、国民の信頼が不可欠。信頼を取り戻すことに努めたい」と述べた。』
『一連の問題で、国民からの注目が集まった検察と政治との距離については、「一定の距離を保って職務を遂行すべきだ。距離感が近くなると政治と癒着する形になるからではなく、国民から何か癒着があるのではないかと公正らしさが疑われるためだ」と述べた。』(以上、朝日5.27)
『東京地検特捜部での捜査経験もあり、共にリクルート事件などを担当した検察OBは「誰とでも合わせられるのが黒川氏なら、林氏は野武士のような男だ。不当な政治介入に厳然と戦う姿勢がある」と評価する。』(時事5.27)
『会見では、「桜を見る会」や黒川氏の賭けマージャンをめぐり、市民から告発が出た事件を立件すべきではないか、との質問も記者から出た。林氏は「個別事案は答えられない」とした上で、「全ての事件が国民から注視されているので、適切に対処していくことに尽きる」と述べた。
また、検察官として心がけていることとして「法解釈についてはさまざまな幅がある。その幅の一番右端、左端の両方を認識した上で、最終判断する思考過程を取りたい」と述べた。黒川氏の問題で指摘されている検察官と記者の関係についても問われ、「広く国民の意見に目を向ける必要もあり、記者との一定の関係は全く絶つべきだとは考えていない。ただ、検察官も癒着と見られる危険性を認識して、関係を保つ必要がある」と述べた。次期総長候補との声については「答える立場にない」とかわした。』(朝日5.27)
mewが大反対していた共謀罪の時に法務官僚として答弁していた人なんだ〜。それを思うと、「う〜ん」なんだけど。(-"-)
ただ、「幅のある法解釈について、一番右端、左端の両方を認識した上で、最終判断する思考過程を取りたい」という考え方にはすごく共感できた。<法解釈に限らず、政治思想などの分野でも、そうありたいものだ。(法律は折衷説が得意のmew?)>
正直なところ、安倍官邸と検察庁の間には、かなりドロドロしたものを感じずにはいられないのだが。
林東京高検検事長には、是非、公平性を疑われないように政治との距離を一定の距離をとって、国民の信頼を得られるような、国民が納得行くような捜査の仕方や起訴不起訴の判断をして欲しいと、心から願っているmewなのだった。(@_@。
THANKS
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