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問題は記者個人ではない マスメディアと権力の癒着構造だ ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273684
2020/05/27 日刊ゲンダイ
左から、朝日新聞東京本社と産経新聞東京本社(C)日刊ゲンダイ
「あとは文春砲か……」
2月末に元特捜部主任検事の前田恒彦氏がそうつぶやいた。黒川弘務検事長の無理筋な定年延長が閣議決定し、検事総長就任がほぼ間違いないという時期だった。もちろん、前田氏がそのネタを仕込んでいたということではない。「文春が狙っているだろう」という読みだった。
図らずもその通りになった形だが、その着弾地は前田氏の想像を上回るものだろう。日本の「権力機構」に衝撃を与える報道だった。国会審議を無理やり乗り切って黒川検事総長の誕生を実現しようとした内閣への傷は、致命傷になり得るものだ。また、それに唯々諾々と従った準司法機関としての検察。そもそも検察に改革が必要なことは間違いない。
その最たるものが地検特捜部だ。自らの捜査を自らでチェックして起訴するというこの組織は、例えばアメリカで説明しても理解を得られなかった。「あり得ない。誰も捜査をチェックできないではないか」となる。捜査も起訴もできる捜査機関では暴走が起こるのは当然のことだが、その議論は十分ではない。
安倍政権の検察庁法改正案が、検察の暴走を止めるためと主張する識者が多い。これは明確に誤りだ。この法案は検察改革ではない。この政権は、暴走する捜査機関を改革せずに、手なずける道を選んだ。暴走する捜査機関を内閣が掌握することで日本社会を時の政権が完全にコントロールする道を選んだものだ。それがこの法案の趣旨だ。それは今後も形を変えて出てくるだろう。注意が必要だ。
ただ、この黒川スキャンダル報道が衝撃を与えたものがマスメディアであることも間違いない。産経新聞の記者2人と、朝日新聞の元記者で社員1人が賭けマージャンの相手だった。新聞社、法務省のいずれの調べでも、3人は黒川氏を入れて3年間にわたって常習的に賭けマージャンをやっていたという。
両新聞社とも、これを個人の問題で終わらそうとしているようだが、それは無理な話だ。これは、権力との癒着という日本のマスメディアが構造的に持っている負の側面だからだ。新聞もテレビも、記者はまず権力と近づくことに懸命になる。そこに情報があるからだ。その際の権力が政治だけでないことは、今回の事例が語っている。それは表向き、記者が自主的に行っているように見えるが、そうではない。社がそれを奨励しているからに他ならない。女性記者が取材先からのセクハラ被害に苦しみ続けるのも、その構造の結果だ。
要は、癒着をして得た情報は記事にしないという決別の宣言をするか否かだ。朝日新聞は文春報道の翌日、「政権の『無法』の果てに」とする社説を掲げた。違和感のある社説だった。もちろん、政権の無法を批判することは重要だ。しかしまずは、自社の社員が検事長と賭けマージャンをしていた事実を掘り下げ、メディアと権力との癒着構造との決別を宣言する社説をこそ掲載するべきだろう。それができない以上、マスメディアは権力監視などという言葉は使ってはいけない。
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立岩陽一郎
ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。
【ファクトチェック・ニッポン!/立岩陽一郎】問題は記者個人ではない マスメディアと権力の癒着構造だ https://t.co/6fCh32ZW4u #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) May 26, 2020
問題は記者個人ではない
— KK (@Trapelus) May 26, 2020
マスメディアが構造的に持つ権力との癒着構造
朝日新聞は文春報道の翌日、「政権の『無法』の果てに」とする社説を掲げた。違和感のある社説だった。もちろん、政権の無法を批判することは重要だ。しかし...
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