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検察は結局、黒川氏のスキャンダルを利用して独立を守った 経済ニュース深読み
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/273620
2020/05/26 日刊ゲンダイ
賭けマージャンでナンバー2の黒川東京高検検事長は辞職したが…(C)日刊ゲンダイ
検察の身勝手が目に余る。ナンバー2の黒川弘務前東京高検検事長が賭けマージャンをして辞任。外出自粛要請のさなか、刑法の賭博罪に相当する行為を行っていたのだから辞任は当然ながら、上級庁の最高検察庁はまともな調査を行わず、「訓告」で済ませた。しかも稲田伸夫検事総長は、簡単な謝罪コメントを発表しただけで説明責任を果たそうとしない。疑問点は多々ある。
マージャン卓を囲んでいた新聞記者との関係はどのようなもので、何が話し合われていたか。常習性があったとしたら、検察官適格審査会にかけるべきではないか。刑事告発された場合、どう対応するつもりか――。
さらなる問題は、後任が黒川氏と総長ポストを争っていた林真琴名古屋高検検事長であること。今回、検察庁法改正に際し、国民は小泉今日子ら著名人と一体となって「#検察庁法改正案に抗議します」というツイッターに賛同、投稿数は700万件を超えた。その声に後押しされるように、野党は国会で追及。マスメディアは反対の論陣を張り、松尾邦弘元検事総長ら検察OBは意見書の提出やメディアへの露出で世論を喚起した。
その結果、黒川検事総長の実現を目指していた安倍政権は、今国会での成立を断念した。結局、検察は黒川スキャンダルを利用、検察人事の独立性を守ったことになる。であれば、国民に「事の経緯」を調査の上、つまびらかにすべきだろう。
国民は、単純に「検察の正義」を信じたわけではない。長期政権が続き、「霞が関」の官僚組織を牛耳ることに成功した安倍官邸が、準司法として歯向かうことがある権力機構の検察を抑え込もうとして取り組んだのが、黒川氏の定年を延長、検事総長に据えることだった。
検察庁法改正で「特例措置」を設け、「内閣の判断で定年を延長できる」としたのは、無理筋の延長を“後付け”で合法化するもの。国民は、そこに「森友」「加計」「桜を見る会」で安倍官邸が見せた「クロをシロ」と言いくるめる傲慢を感じた。それがSNSを通じた攻撃につながって政権は折れた。
しかし、検察もまた怖い組織である。検事総長人事に官邸が横やりを入れると、1月15日、河井案里参院議員の公職選挙法違反事件に着手した。告発があったから受理して捜査した、という単純なものではない。案里議員は安倍首相の意を受け参院選を戦い勝利。夫の克行前法相は菅義偉官房長官の側近。検事総長人事に口を出した政権への回答が、河井夫妻への徹底捜査であり、コロナ禍のなかも続け、立件が視野に入っている。
つまり「官邸VS検察」の構図に、国民は官邸の傲慢を感じて肩入れしたが、検察権力にも傲慢を感じている。検察主導人事が保たれたから「後は知らんぷり」が、許されるはずはない。
伊藤博敏 ジャーナリスト
1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。数多くの週刊誌、月刊誌のほか、現代ビジネスなどウェブニュースサイトにも寄稿。主な著書に「許永中『追跡15年』全データ」(小学館文庫)、「『カネ儲け』至上主義が陥った『罠』」(講談社+α文庫)、「金融偽装─米国発金融テクニックの崩壊」(講談社)、「黒幕」(小学館)などがある。
今の国会答弁聞くとまだ官邸は諦めてません。宮本徹議員が厳しく追及してようやくいつもの意味不明な答弁を引き出せました。まだ官邸の目的が達成されてないので広島地検の頑張りで、流れが決まります。外遊する余裕がある以上、まだまだと感じます。とことん追い込みかけて下さい。#さよなら安倍政権
— 靖国の英霊の皆様と未来の子ども達の為に@反安倍自民党 (@MF3JXTWIDEOtzs7) May 25, 2020
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