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※2020年5月14日 朝日新聞 朝刊 紙面クリック拡大
<朝日新聞・耕論 検察、傷つく「公正さ」>
総長と黒川氏は辞職せよ 堀田力さん(元法務省官房長)
普段の説明不足、疑念生む 江川紹子さん(ジャーナリスト)
政治の人事介入、無制約に 川崎英明さん(関西学院大学名誉教授)
刑罰の厳しさとともに、志操の厳しさを象徴する「秋霜烈日」を胸に付けた検察官。検察庁法改正案は、その組織に何をもたらすのでしょうか。 https://t.co/98AE5YzdBn
— 朝日新聞オピニオン編集部 (@asahi_opinion) May 14, 2020
堀田力さん「総長と黒川氏は辞職せよ」
— 武天老師 (@MutenRooshi) May 14, 2020
(耕論)検察、傷つく「公正さ」 堀田力さん、江川紹子さん、川崎英明さん:朝日新聞デジタル https://t.co/lcQZ8O1uOZ
(耕論)検察、傷つく「公正さ」 堀田力さん、江川紹子さん、川崎英明さん
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14475005.html
2020年5月14日 5時00分 朝日新聞
検察官の定年延長と問題点
東京高検検事長の定年延長を閣議決定した安倍政権が、今後も政府の判断で検察幹部の定年を延長できる検察庁法改正案を成立させようとしている。政治と検察の関係に何が起きるのか。
総長と黒川氏は辞職せよ 堀田力さん(元法務省官房長)
堀田力さん
検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません。東京高検の黒川弘務検事長の定年を延長した理由に、政府は「重大かつ複雑困難な事件の捜査・公判の対応」を挙げました。黒川君は優秀な検察官ですが、黒川君でなければ適切な指揮ができないような事件はありえません。
今回の法改正を許せば、検察の独立に対する国民の信頼は大きく揺らぎます。「政治におもねる組織だ」と見られると、捜査につながる情報が入らなくなったり、取り調べで被疑者との信頼関係を築きにくくなって真実の供述が得られなくなったり、現場に大きな影響が出るでしょう。
検察はこれまでも、政治からの独立をめぐって葛藤を続けてきました。検察庁は行政組織の一つとして内閣の下にあり、裁判所のように制度的に独立していない。一方で、政治家がからむ疑惑を解明する重い責務を国民に対して担っています。与党と対立せざるを得ない関係なのです。
その葛藤が最も顕著に現れているのが、法相による「指揮権」の仕組みです。検察庁法14条で、法相が個別の事件について指揮できるのは検事総長のみと規定しています。法相が不当な指揮権を発動したら、総長はやめるよう説得する義務があります。
1954年に造船疑獄事件の捜査で、当時の法相が指揮権を発動し、与党幹事長の逮捕を阻止。国民の怒りを買って法相は辞任に追い込まれ、政治側も傷を負いました。以来、一度も発動されていません。私も法務省官房長時代、新たに就任した法相には「指揮権は形式的には発動できるが、国民のためにならない」と説明してきました。
私の経験から言えば、政治家がその権力を背景に捜査に圧力をかけてくることはよくあります。それでもひるまず真相を解明しようとする気概のある上司が多かった。組織のトップたる総長や検事長には政治の不当な圧力に対抗できる胆力が求められ、その人事が政治家の判断にかかるようなことはあってはならないのです。だからこそ、今回の幹部の定年延長の規定は削除すべきです。これまでも法務・検察内では候補を先まで緩やかに決め、制度上は任命権を持つ内閣もこれを尊重してきたのですから。
定年延長を受け入れた黒川君の責任は大きいし、それを認めた稲田伸夫・現総長も責任がある。2人とは親しいですが、それでも言わざるを得ない。自ら辞職すべきです。そして、仮に改正法が成立しても「政府から定年延長を持ちかけられても受けない」くらいの宣言をする。それによって検察の原点である公正中立を守り、国民の信頼を回復するのに貢献してほしいと願います。(聞き手・酒本友紀子)
*
ほったつとむ 1934年生まれ。東京地検特捜部検事としてロッキード事件を捜査した。弁護士、さわやか福祉財団会長。
普段の説明不足、疑念生む 江川紹子さん(ジャーナリスト)
江川紹子さん
検察にとって特に大事なのは「公正らしさ」だと思います。検察が起訴や不起訴を決める場に国民はいないわけですから、「公正な判断をしているはずだ」という信頼がなければいけない。黒川検事長の定年延長や検察庁法改正案は、その信頼を損なっています。
定年延長を閣議決定した後の「法解釈を変えた」との説明は非常に強引に映りましたし、理由も不透明でした。改正案には、政府が認めれば定年後も幹部を続けられる規定がある。安倍晋三首相は「恣意(しい)的な人事はしない」と言いましたが、「自分たちは公正だ」と一方的に言っても駄目。公正にやっていると国民が感じられないといけない。
そもそもなぜ今、この改正案を審議するのか。新型コロナ対策で「国民との一体感が大切」と言っておきながら、なぜ自ら一体感をぶち壊す燃料を投下するのでしょうか。説得力のある理由は示されていません。結局、黒川氏の定年延長を後付けで正当化しているように見えます。
ツイッターで抗議の声がこれほど広がった背景には、新型コロナウイルスで国政に強い関心が集まっていたことがあると思います。自分の生活が政治にかかっている時に、国民救済と無関係の改正案をごり押しすることに反発したのではないでしょうか。
「公正らしさ」という点では、普段の検察の姿勢にも問題があります。検察は捜査の結果、容疑者を不起訴にしても詳しい理由を説明しません。大きく報じられた政治家の疑惑でも、不起訴の理由が分からない。甘利明・元経済再生相の金銭授受疑惑などが典型です。これでは、国民は検察の独立性や公正さを信頼できません。政治家や高級官僚については、不起訴の理由を説明すべきです。説明がないので、「事件を潰した」という疑念を生むのです。
黒川氏は「安倍政権に近い」という言われ方をしていますが、私にはその見方が正しいのか分かりません。私は大阪地検特捜部の証拠改ざん事件(2010年)の後、検察改革のために設置された法相の諮問機関「検察の在り方検討会議」で委員を務め、事務局だった黒川氏と仕事をした経験があります。黒川氏は当時の民主党政権でも、高く評価されていました。
会議の座長は千葉景子・元法相。旧社会党出身で安倍首相と思想信条は真逆の人ですよね。でも、黒川氏は千葉氏に本当によく尽くして、相談にも乗っていました。愛煙家の千葉氏の雰囲気を察して喫煙所に連れ出すタイミングは見事で、かゆいところに手が届くとはこういうことかと(笑)。たぶん安倍政権にべったり、というのは少し違って、おそらく彼は、上司にとことん仕える能吏なのでしょう。(聞き手・根津弥)
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えがわしょうこ 1958年生まれ。元神奈川新聞記者。オウム真理教問題や特捜事件、冤罪事件を取材。神奈川大学特任教授。
政治の人事介入、無制約に 川崎英明さん(関西学院大学名誉教授)
川崎英明さん
検察官は起訴、不起訴の決定権(公訴権)を独占するなど、刑事手続きで強力な権限を有しています。この権限が時の政治権力の思惑に沿うように恣意(しい)的に行使されれば、公正な刑事裁判は成り立たない。だから、現行の検察庁法は、検察に対する政治権力の介入を防ぐため、一般公務員と比べて手厚い身分保障を検察官に与えています。その重要な柱が、定年制なのです。
司法大臣(法相)の判断で検察官の定年を延長できる制度は、戦前にあったものです。戦後の司法改革の中では、戦前と同様の定年延長制度を維持することも、選択肢としてあり得ましたが、立ち消えになりました。
こうして、1947年施行の検察庁法で「検事総長は65歳、その他の検察官は63歳」とする延長なき定年制が採用された背景には、政治権力に対する検察の独立性確保の意識があったのだと思います。
立法過程では、戦前の検察ファッショへの反省から民主的な統制が必要との考えからか、検事総長の4年任期制や総長任命についての国会の推薦や承認制も提案されたのですが、これらの提案もあっさり否定されています。
政治権力による検察人事への介入が表面化した事例はまれですが、そのまれな事例が51年の「木内騒動」です。吉田内閣の大橋武夫・法務総裁(法相)が、政界汚職捜査に積極的な木内曽益(つねのり)・最高検次長検事を格下の札幌高検検事長に転出させ、後任に政治家との付き合いが広い岸本義広・広島高検検事長を充てようとした騒動です。検事総長を先頭に検察側は「意思に反してその官を失うことはない」とする検察庁法の規定に反すると猛反発しましたが結局、木内氏は辞任し、岸本氏は次長検事に就任。一見、政権側が勝ったように見えますが、その後の政治と検察の関係に大きな影響を残しました。
その後、政治権力による、このような露骨な人事介入は、今回の黒川検事長の件に至るまで耳にしませんでした。検察側や世論の反発があまりに強く、検察人事には手を出しにくい空気が政権側に定着していたからでしょう。
審議中の検察庁法改正案は、次長検事や検事長、検事正の役職定年について「職務遂行上の特別の事情」といった裁量の余地の大きい抽象的な要件の下で定年延長を認め、これを内閣や法務大臣の裁量に委ねるという大問題をはらんでいます。
政治権力による検察人事への介入の回路を無制約に開くもので、政権の覚えがめでたいかどうかで、検察幹部人事が左右されることになりかねない。「法解釈で定年延長するのはダメだと言うのなら、法改正すればいいんだろう」と言わんばかりの、見識を欠いた改正案です。(聞き手・山口栄二)
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かわさきひであき 1951年生まれ。専門は刑事訴訟法。東北大学教授、関西学院大学教授を歴任。著書に「現代検察官論」など。
今回も最高の布陣、論点。問題を立体化させている。江川さんのコメントが、いい
— 常見陽平 (@yoheitsunemi) May 13, 2020
(耕論)検察、傷つく「公正さ」 堀田力さん、江川紹子さん、川崎英明さん https://t.co/QLHrzO80Z6
堀田力さん(元法務省官房長)
— デミアン (@boku_demian) May 13, 2020
“定年延長を受け入れた黒川君の責任は大きいし、それを認めた稲田・現総長も責任がある。2人とは親しいですが言わざるを得ない。自ら辞職すべきだ。仮に改正法が成立しても「政府から定年延長を持ちかけられても受けない」くらいの宣言をする”https://t.co/LUs0onhcvH
ロッキード事件で田中元首相を追い詰めた、カミソリ堀田は健在だ。阿部政権がどうしようもないので、検察が自ら進退を決めろと。検察庁法改正案は、強行採決を行うだろうから、検察に良心があるのなら、そうすべきだ。しかし、コロナで大変な時に何してる。 #検察庁法改正https://t.co/gGf54bef9T
— Taylor Hikki 清志郎 TYM (@youngmangogo) May 14, 2020
元法務省官房長 #堀田力 さん
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) May 14, 2020
#黒川 君の責任は大きく、認めた #稲田伸夫 現総長も責任ある。2人とは親しいが、言わざるを得ない。自ら辞職すべき。改正法が成立しても「定年延長を受けない」と宣言する。公正中立を守り、検察が国民の信頼を回復するのに貢献してほしい https://t.co/Brgq0chb5h
元法務省官房長・堀田力さん
— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) May 13, 2020
検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません
政府は『重大かつ複雑困難な事件の捜査・公判の対応』を挙げましたが黒川君でなければ適切な指揮ができないような事件はありえませんhttps://t.co/GTjsbfERRW
本当に重大な影響だ。
— たつみコータロー 前参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) May 14, 2020
堀田力さん「『政治におもねる組織だ』と見られると、捜査につながる情報が入らなくなったり、取り調べで被疑者との信頼関係を築きにくくなって真実の供述が得られなくなったり、現場に大きな影響」#検察庁法改正の強行採決に反対しますhttps://t.co/lFO82DOcqO
いったいどこまでこの国を破壊するのか?自分を守るために三権分立までボロボロにする気か。
— 清水 潔 (@NOSUKE0607) May 14, 2020
検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません。
信頼に傷、総長も黒川検事長も「辞職せよ」 https://t.co/Y3XLUjnjkW
最高検検事も勤めた元法務省官房長の堀田力さんインタビュー。必読。
— 異邦人 (@Narodovlastiye) May 14, 2020
「検察幹部を政府の裁量で定年延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外に考えられません」
「(検察は)政治家がからむ疑惑を解明する重い責務を国民に対して担っています」 https://t.co/62Yq7eV1oX
信頼に傷、総長も黒川検事長も「辞職せよ」 堀田力さん https://t.co/mottQjX0OI
— 海渡雄一 (@kidkaido) May 14, 2020
無理な定年延長をごり押ししたのは官邸。それを受けた黒川氏。黒川氏の総長就任を阻み官邸からの辞任要求を拒否したのが稲田氏。黒川辞任要求には賛同するが、稲田氏には広島地検河井捜査を最後まで指揮してほしい。
官邸の守護神・黒川検事長が検事総長になるのは「信頼に傷」ではなく「検察の終焉」だ。検察の信頼は小沢一郎村木厚子ゴーンらへの国策捜査、甘利明安倍晋三らを見逃す不作為で既に地に墜ちている。検察が正義ではないことは確認しておきたい。#検察庁法改正案に抗議しますhttps://t.co/rZMu4rHJrr
— 鮫島浩 (@SamejimaH) May 14, 2020
まあその通りではあるけれど、それよりも無法を平気で行おうとする安倍首相の辞職を要求するのが本筋だと思う。#検察庁法改正案に抗議します→ 信頼に傷、総長も黒川検事長も「辞職せよ」 堀田力さん:朝日新聞デジタル https://t.co/I7mL5PgFqm
— 鈴木 耕 (@kou_1970) May 14, 2020
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