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安倍首相がまた「死者数は正確」「必ずPCR検査」デタラメ強弁! 解剖医からは「死亡者のPCR検査を拒否された」の声が多数上がっているのに
https://lite-ra.com/2020/05/post-5409.html
2020.05.06 安倍首相がまた「死者数は正確」「必ずPCR検査」とデタラメ強弁 リテラ
5月4日、会見した安倍首相(首相官邸HPより)
安倍首相が、まだ根拠のない嘘を強弁し続けている。5月4日、緊急事態宣言の延長を説明する会見で、PCR検査が一向に増えない状況への言い訳のなかでこう語ったのだ。
「多くの国民の皆さまに誤解をいただきたくないのは、大切なのは、実際に重症になっている方の数、重症者に対して対応できているかっていうことと、死亡者の数なんだろうと思います。亡くなっている方については、欧米に比べてはるかに日本は少ないんですが、他の肺炎で亡くなっている方に、実はコロナで亡くなっている方が多く混じっているんではないかという疑問に対しては、日本はCTの検査をだいたい肺炎で亡くなる方については最終的には行っていて、新型コロナウイルス感染症が疑われるかどうかということについては、これも大変お医者さまにとっては直ちに判断がつくということでございますので、そういうことはないということではないかと思ってます」
そう、安倍首相はこの期に及んで死亡者数は正確だと言い張ったうえ、その根拠を「だいたいCT検査をやっている」「新型コロナウイルス感染症が疑われるかどうかはお医者様にとっては直ちに判断がつく」などと、語ったのだ。
それだけではない。安倍首相は記者会見と同日、「夕刊フジ」のインタビュー記事に登場したのだが(この状況でフェイク連発のネトウヨタブロイドの単独インタビューに応じる神経が信じられない)、「ネットやワイドショーの事実関係が不確かな情報が流れている」という質問に、こう答えているのだ。
「これは問題だ。社会不安につながりかねない。例えば、『一般肺炎の死者に、新型コロナウイルスの死者が紛れ込んでいる』というものがあった。専門家によると、日本では年間10万人以上が肺炎で亡くなっているが、確定診断を行う際には通常CTによる画像診断を行う。その際、新型コロナウイルスを疑うような所見があれば、必ずPCR検査を行う。一般肺炎の死者に紛れることはないという。首相官邸や厚労省のホームページやツイッター、フェイスブックなどで、正確な情報を発信していく」
こちらは御用メディアだという安心感からか、「だいたい」ではなく、「新型コロナウイルスを疑うような所見があれば、必ずPCR検査を行う」と「必ず」と断定しているのだ。
いったいこの期に及んで、安倍首相は何を言っているのか。安倍首相は3月28日の会見の際も「肺炎での死亡者はすべて検査しているから、日本の新型コロナ死亡者数は正確」という主張を語っていたが、それが事実でないことはとっくに明らかになっている。
『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や、さらにはNHK『おはよう日本』では葬儀業者が新型コロナを疑われながら検査されないまま遺族に返される「グレーゾーン遺体」の存在を告発。さらに「日本法医病理学会」が、解剖医が新型コロナ感染が疑わしいと判断した死亡者でも、保健所などから検査を拒否されてしまうケースが多数あることを裏付ける調査結果を発表したからだ。
「日本法医病理学会」は死亡者の死因を調べる法医学や病理学の大学研究者が多数参加している団体だが、4月中旬、全国の解剖医を対象に「法医解剖、検案からの検体に対する新型コロナウイルス検査」というアンケートを実施。解剖もしくは検案の際に、新型コロナ感染が疑われた場合、どう対応したかを調査した。
すると、保健所などに検査を申し入れたにかかわらず拒否されたという件数が、なんと12件にものぼっていたのだ。
ちなみにアンケートに回答したのは26機関。死亡者のPCR検査を実施したのは保健所9件、その他の検査機関2件の11件。一方、拒否は前述したように、保健所の12件だから、検査した数よりも保健所から検査拒否にあっていた数のほうが多かったのだ。
解剖医から寄せられた「検査断られた」「死体は検査してもらえない」の声
また、アンケートでは具体的な拒否の状況についての説明もあったが、その中身も信じがたいものだった。「日本法医病理学会」の公式HPから抜粋して以下に紹介しておこう。
【2月中旬 男性 60代】
各種臓器の検査を国立感染症研究所に相談したところ、咽頭ぬぐい液で陽性が出てから応需するとのことで断られた。その後咽頭ぬぐい液の相談を保健所にしたところ断わられた。
【3月中旬 男性 60代】
検案医がウイルス性肺炎疑いと判断し、帰国者・接触者相談センター経由で保健所に連絡するも検査は断られたが、後日、捜査機関が保健所から事情を聞いたところ、今後は、できるだけ対応するとの回答が得られた
【4月上旬 70代 男性】
独居者.自宅で死亡発見.関係者の証言から,数日前から微熱があったことから,保健所に相談したところ,濃厚接触が明確でないことから検査対象ではないとのことであった.(原文ママ)
【4月上旬 80代 男性】
検体採取前の相談で断られた
【4月上旬 70代 男性】
検体採取前の相談すらできなかった
【4月上旬 30代 男性】
某病院入院患者。病院内で数名の陽性者が出ていた。死因はコロナは否定的なので、診断のためではなく、検視や解剖で病院関係者や遺体と接触した者への感染拡大を懸念しての検査だが断られた。
この「日本法医病理学会」の解剖医アンケートでは、具体的な事例以外でも、保健所が検査に積極的でないことを証言しているコメントがいくつもあった。
〈保健所から疑いが強いもののみにしてほしい、検体は1個のみと言われている。民間検査会社から死体は受けないと言われている。某大学病院で検査受け入れ可能か問い合わせ中。〉
〈CTで肺炎像を確認したので依頼した。保健所より「厚労省が一定以上の条件が整わないと検査をしてくれない」との話があった。〉
〈一般的には「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている。〉
ここからは、解剖医の間に「死体は検査してもらえない」という認識が広まり、諦めムードさえ漂っていることがうかがえる。解剖医が最初から保健所に検査を依頼しなくなっているケースも出てきているのではないか。
しかも、問題はこの数字や実態が、「解剖医」のアンケートであることだ。解剖医は変死や異状死の死因を解明する専門家であるため、死因を厳密に特定する必要がある。にもかかわらず、保健所から検査を拒否され、「死体は検査してもらえない」という認識が広まっているのだ。
多くのパターンは解剖医まで行かない段階で臨床医が死因を判断するのだが、その場合は当然、解剖医などより死因の特定のハードルが低い。だとしたら、全体では何倍もの死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが、普通だろう。
いずれにしても、この調査で、安倍首相の説明が嘘だったことはっきり完全にはっきりしていた。にもかかわらず、安倍首相は4日の会見でまたぞろ、「検査しているから肺炎患者にコロナ患者がまじっていることはない」「新型コロナウイルスを疑うような所見があれば、必ずPCR検査を行う」などと強弁したのである。
安倍首相はこうした現実を無視した強弁がいかなる事態を招いているのか、まだわかっていないのか。安倍政権がPCR検査を抑制してきたことが、感染拡大を招き医療を逼迫させたことは、もはや誰の目にも明らかだ。早期に検査体制を整備していれば、防ぐことができたはずの重症者や死者を多数出した、安倍首相の責任はきわめて重い。
(編集部)
2020年5月4日(月)首相会見〈緊急事態宣言の延長5月末まで〉D
※8:59〜 「多くの国民の皆さまに誤解をいただきたくないのは、大切なのは、実際に重症になっている方の数、重症者に対して対応できているかっていうことと、死亡者の数なんだろうと思います…」 再生開始位置設定済み
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