http://www.asyura2.com/20/senkyo272/msg/170.html
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最近は人体の有機的連関性に関する知見を医療にも応用しようという動きがあるが、西洋医学は、癌治療に典型的に見られるように、「角を矯めて牛を殺す」やり方が主流だ。
どこかが悪いと認知したらその原因を探し、その原因存在(癌など)を、手術・化学療法・放射線照射など様々な方法を駆使してなんとか駆逐しようとする手法だ。
ある大きさの癌を“なくす”ために、人体の他の部分をずたずたに疲弊させてしまうことも厭わないのだ。
笑い話だが、「お亡くなりになりましたが、解剖所見で癌はほとんど消えていましたよ」と施した癌治療の成果を誇るのが西洋医学の悪弊である。
乳がん患者で治療開始後1年以内に死んでしまう人の30%は、抗癌剤投与が原因だとされている。
そのように抗癌剤で死んだ人たちは、何も治療しなかったとしても、少なくとも3年はいのちを長らえていたはだ。
今でこそ癌の免疫療法はスポットライトを浴びているが、60年代から70年代にかけて起きた「丸山ワクチン」免疫療法騒動では、主流というかほとんどの癌関係医師たちが、免疫システムを働かせたり利用したりすることで癌を抑制ないし寛解させることはできないと攻撃し、「妄想」や「詐欺師の戯言」として丸山ワクチンを葬り去ろうとした。
ここでは詳しく論じることはできないが、漢方(中医)と西洋医学では身体論が根底から異なるため、病気に対応する考え方も大きく異なる。
雑ぱくに言うと、西洋医学は、怪我や感染症など軍事的対応を主眼に研究が発展してきた。そのため、手術や抗菌治療での研究が進み、ペニシリンに代表される抗生物質を生み出すことで革命的な成果を上げた。
(抗生物質や抗菌薬の開発は西洋医学の成果として高く賞賛している。しかし、それも、風邪でも抗菌薬を処方する日本が象徴的だが、好ましくない使い方を続けたために、多剤耐性菌を生み出し、新しい抗菌薬の開発でも対応できなくしている)
西洋医学は、生活習慣病とも言われることが多い慢性病に関しては弱く、ある症状を緩和するために服用させる薬剤のために他の器官や部位がダメージを受けるという錯誤にも陥っている。
慢性病は、総体的有機的連関で身体を考える漢方のほうが適応力をもっている。
今回の「新型コロナウイルス感染症」に漢方がどこまで有効かということは不明だが、抗ウイルス薬の大量投与よりも予後が優れていることは間違いないと思う。
日本でも金沢大学附属病院の漢方医学科が、従来からの知見と中国でのCOVID19治療臨床経験データを基に、COVID19への漢方医学の有効性を論じている。
「COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方」
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/covid19_kanpou_0319.pdf
ウイルス感染症は、基本的に、感染したヒトの免疫力で回復するしかない疾病である。
抗ウイルス薬の役割は、せいぜい、時期を逃さなければ体内のウイルス増殖を抑制し、それによりヒトの免疫力の対ウイルス負担を軽減するというものでしかない。
ある漢方薬がCOVID19の“特効薬”になるとは思っていないが、合成新薬よりは、症状別に感染者の免疫力をサポートできる存在だとは思っている。
最後に、“熱がないけどちょっと調子が悪い、新型コロナに感染したかなと思ったら”、総合感冒薬を服用せず、葛根湯を飲んだほうが決定的に良い。
総合感冒薬の服用は、風邪でもそうだが、回復をもたらすより、新型コロナウイルス感染症を悪化させる危ない薬である。
(このことさえ言わないのが、今の医学界のデタラメぶりをよく表している)
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「漢方は新型コロナに効く」は本当か、背後に絡む習近平の“中国夢”
姫田小夏:ジャーナリスト
国際・中国 China Report 中国は今
2020.5.1 5:00
中国が新型コロナウイルスの封じ込めに一定の成果を出したその理由を、“大胆な封鎖措置”だけで語ることはできない。ワクチンもない、特効薬もないといわれる新型コロナの脅威だが、今、スポットが当たるのは「漢方の効き目」だ。中国では新型コロナウイルスの感染者に漢方治療が導入され、その成果が続々と報告されているというのだ。私たちには「漢方」という言葉になじみがあるが、本文では中国で常用される「中医薬」という言葉に置き換えてお伝えしたい。(ジャーナリスト 姫田小夏)
中医薬に関する“定説”
中国では新型コロナウイルスに「中医薬」(漢方)が効くといわれているが、その背景にある事情をよく注視する必要がありそうだ Photo:China News Service/gettyimages
「中国では今、多くの患者が中医薬万歳!を唱えています。西洋医学に中国の伝統的な中医薬を結合させる『中西結合』というコンビネーションで、てきめんの効果が出ているのです」
こう語るのは、亜細亜大学の範雲涛教授だ。中国古来の伝統医学に根差す中医治療は、今なお中国で研究開発が続けられており、このコロナ禍でも力を発揮しているという。
湖北省武漢市で都市封鎖が行われたわずか2日後の1月25日、習近平国家主席は中央政治局常務委員会の会議で、感染者治療における「中西結合」を強く指示した。
「中医主導の中西結合モデルを飛躍的に高めよ」――
国家中医薬管理局はこの習氏の要求に対して即座に反応し、27日に「新型コロナ予防治療プロジェクト」を起動させた。
4つの省での中医薬治療の実験的な導入を経て、2月6日には国家衛生健康委員会が、「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう、麻黄、炙甘草、杏仁をはじめとした生薬で構成された中薬)」と西洋医学を結合させた使用を推薦すると、これがたちまち全国に広がった。
武漢封鎖から2カ月後の3月23日、国務院が湖北省武漢市で開催した記者会見では、中国全土における新型コロナ感染患者7万4187人のうち、91.5%に上る患者が中医薬を服用したことが明らかになった。ちなみに、このうち9割以上に当たる6万1449人が湖北省の患者である。
北京中医薬大学によれば「中医薬は重症化を阻止し、重症患者の病状を緩和させ、治癒率を高め、死亡率を低減させることができる」という。中医薬治療で感染患者の9割に「効果が出る」というのは、中国では “定説”になりつつある。
新型コロナまん延は願ってもないチャンス
新型コロナがまん延を始める以前の昨年10月末、習氏が重要指示を出したことがあった。それは、中医薬学の現代化と産業化を推進させよ、という内容だった。
「中華民族の数千年にわたる健康保養の理念である中医薬学は、中華文明の貴重な宝であり、中国人民と中華民族の豊かな知恵である。中医薬と西洋の医薬を相互に補充させ、中医薬産業を世界に送り出すことは、中華民族の偉大な復興と中国の夢を実現させるものだ」
2カ月後の12月18日、中国人民対外友好協会と北京市人民政府は、「中医薬を世界に知らしめ、世界に送り出す」――をテーマにしたフォーラムを北京で開催、「中医薬は『一帯一路』の沿線国の医療体系に取り込まれ、共有されるべき重要な衛生資源である」と発した。
習氏は政権に就いて以降、過去に何度となく中医薬の発揚を繰り返し、自らが力を入れる『一帯一路』構想に乗せて世界に拡散しようとしているようだ。西洋医学では後れを取る中国だが、中医薬で対抗して世界の医療体制に影響を与えたいと算段する習氏にとって、この新型コロナの世界的流行は願ってもないチャンスになったことは間違いない。
「中医薬は特効薬」とする発言も
そして4月に入ると、中国ではついに「中医薬は特効薬」という発言まで飛び出した。同月17日、国務院の記者会見で、北京中医薬大学副校長の王偉教授が「清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)は、新型コロナウイルスの特効薬だと認識している」と発言したのだ。
筆者のもとにも「衝撃の発言の瞬間」をとらえた会見の動画が届いた。だが、動画に映り込んでいたのは、一部の記者たちの白けた表情だった。中には、会見内容のメモすら、あるいはパソコンに打ち込むことすらしない記者もいた。
このときすでに、新型コロナ治療で主導的立場にいた鐘南山氏が専門家グループの組長という地位から降ろされていた。彼は最も早く武漢に乗り込んだ感染症の権威だが、“中医学否定派”で「新型コロナに特効薬はない」と主張していた人物でもある。水面下では西洋医学派と中医学派の激しい綱引きが見て取れる。案の定、人民日報は「特効薬」の3文字を外して報道した。
一方で、「武漢の医療現場はまさに政治だった」とする声がある。ラジオ・フリー・アジア(RFA)の中国語版は、いくつかの現場の声を拾っている。その一つは「死亡率が依然として下がらなかった一つの要因は、政治主導での中医薬治療を強く推されたため」というもので、最前線にいる医療スタッフからは、官のやり方に不満が出たことを伝えている。
また、林斌と名乗る医療関係者は、RFAの記事中で次のようにコメントしている。
「これらのやり方は科学の常識に反するという見方もあったが、反対意見を声に出すことはできなかった。官僚も医療の専門知識を持っておらず、たとえ国家衛生健康委員会に専門家がいても、“ビッグボス”には怖くて言えなかった。真実を語れば職を失う。私も微信(ウィーチャット)で2回ほどこの問題を発信したが、その後当局がやって来た」
上海でコロナ死亡者がわずか7人の理由
興味深い事例がある。上海市は東京都の人口を1000万人も上回る約2430万人もの人口を抱える大都市だが、累計感染者数は645人(4月30日現在)で、死亡数はわずか7人にとどまっているのだ。超巨大都市であるにもかかわらず、感染者や死亡者はなぜこんなにも少ないのだろうか。
中国を代表する感染症研究者である張文宏氏(復旦大学附属華山医院感染科主任)は、その理由を「迅速な発見、隔離、追跡」だとしている。症状がある患者を早期に隔離し、濃厚接触者についても徹底的に追跡し隔離を行ったという。
中医薬の貢献もあるという。張氏は4月中旬の会見で、次のように語っている。
「上海では病例の約93%の感染者が中医薬を服用しており、治癒率は約97.5%だった。これは、中医薬と西洋の治療法による中西結合がもたらした結果だ」
もとより日常の食事や生活習慣の見直しから、自己免疫力を高めるのが中医学の発想だ。薬も長期的な服用が求められ即効性は期待できない。そのため、呼吸悪化など緊急性を伴う場合は、むしろ西洋医学のアプローチが必要となる。だからこそ「中西結合だ」というわけだが、果たして中医薬それ単独での貢献はどれほどのものなのか。
「中医薬は、新型コロナの防疫において確かに大きな働きをしたが、それが中医薬の働きなのか、あるいは西洋医学の働きなのかに分けることは難しい。有名大学に合格した子どもを、お母さんの影響が大きいのか、お父さんの影響が大きいのかを区別するのが難しいのと同じだ」(張氏)
習氏が思い描く「中医主導の中西結合モデル」には「中華民族の偉大な復興と中国の夢の実現」も絡む。中医薬の力で人々が健康を取り戻せば何よりだが、“政争の具”や “覇権の具”に使われればなおさらその効能も曇ってしまう。
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