http://www.asyura2.com/20/senkyo272/msg/114.html
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まず、
「さすが山中伸弥さん「東京都PCR検査陽性率」の誤った解釈をきちんとお詫び・訂正:しかし訂正内容に疑問」
http://www.asyura2.com/20/senkyo272/msg/108.html
を読んでいただいたほうがいいと思います。
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以前からずっと書いてきたが、PCR検査はCOVID19感染者の重症化なかんずく死に至るケースを減らすため積極的に活用すべきものであって、“感染確認者数”を“感染者数”と間違って解釈したり、自分がCOVID19に感染していないとの“太鼓判”や“お守り”をもらうためのものではないと考えている。
(これも前々から書いているように、現状の検査態勢は目的に照らしてもまったくダメだが、とにかく心配だから検査して欲しいというヒトに対応していると医療活動資源の無駄遣いになる)
このような考えなので、日々発表される“感染確認者”の数字は、ちょっとした参考数値としてみるが、それ以上の意味や意義を見出していない。
重要なデータは、日々の死亡者数の推移であり、それがこのところ高めで推移しているので、その推移が意味するものが何かたいへん気になっている。
(えぐい言い方をするが、たとえ20万人、100万人の感染者がいても、重症者や死者が低いレベルで抑えられていればいいのである。致死率0.1%のインフルエンザは1日平均5万人(シーズンで1千万人)も感染者数が増えていく疾病である)
26日に山中伸弥教授が東京都のPCR検査陽性率が“異常に”高いことで危険性を警告したら、私が目にしたものだけでも、日刊ゲンダイそして日テレ系「ミヤネ屋」・BSTBS「報道1930」が、その警告を取り上げたかたちで追いかけの報道をしていた。
しかし、山中さんは、26日に発信した「東京都PCR検査陽性率」の取り扱いで誤りがあったことを公表した。
そのなかで、山中さんは、データをこう扱ったらという例示をされていたが、私には不十分だと思われた。
この問題のポイントは、東京都及び厚労省が発表しているPCR検査データが、陽性率を計算するのにはまったく役に立たないので、どうすれば、少しだけでも実態に近づけられるかということである。
厚労省公表データは本論で説明するので、東京都公表データの“異様さ”を先に提示したい。
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(東京都のデータ)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
陽性患者数
112 人
4/28 実績値(前日比: +73 人)
(注)医療機関が保険適用で行った検査も含む
検査実施人数
279 人
4/27 実績値(前日比: -35 人)
(注)医療機関が保険適用で行った検査は含まれていない
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陽性率は「陽性者数/検査実施人数*100」で求められるが、
東京都のデータは、「陽性者数」には「医療機関が保険適用で行った検査も含む」のに、「検査実施人数」には、「医療機関が保険適用で行った検査は含まれていない」というデタラメのものになっている。
仮に、公費検査人数と保険適用検査人数が同じなら、保険適用を隠した公表データで算出した陽性率は実際の2倍とまったくデタラメなものになってしまう。(分母が1/2になるから)
私は、これから説明する方法で、東京都のPCR検査の累積陽性率は「9.4%」と推定できるのではと思っている。
この作業の要点は、公表データとして隠されてしまっている東京都の「保険適用での検査人数」を推測することである。
陽性者の数はきちんと「保険適用での検査」分を含んでいるから、公表データの陽性率算定の分母として使われている「検査人数」に、これから推測する「保険適用での検査人数」をプラスして計算をやり直せば、“実態に近い陽性率”が算定できると考えている。
まず、利用するデータはすべて、厚労省がほぼ毎日公表している「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」及び「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」に掲載されているものである。
※検査関連の整合性を付けるため4月24日実績に調整したので公表日付は異なる。
厚労省「報道発表資料 2020年4月」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202004.html
そのなかから、
A:「新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査 実施人数(都道府県別)【1/15〜4/24】」
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000625188.pdf
B:「国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況(結果判明日ベース) (4月24日時点)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000625318.pdf
C:「新型コロナウイルスのPCR検査 総実施件数(都道府県別) (期間:1月15日〜4月24日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000625954.pdf
(参考)D:「国内の入退院の状況について4月24日(金)18時時点」
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000625184.pdf
を使う。
PCR検査に関してよく使われているデータが、A:「新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査 実施人数(都道府県別)」である。
このデータ表下部にある但し書きのなかに次のような内容がある。(詳細は実物を読んでいただきたい)
まず、問題に関わる重要箇所として、
「※2 東京都の検査実施人数には、医療機関による保険適用での検査人数、チャーター機帰国者、クルーズ船乗客等は含まれていない。」
やはり、東京都の陽性率38.1%の分母には“医療機関による保険適用での検査人数”が“含まれていない”。
続いて、B:「国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況(結果判明日ベース) (4月24日時点)」を確認する。
このデータは、検査する機関の実施データを集約したもので、件数がベースになっている。
このデータの意義は、東京都と厚労省が、東京都に関しては隠している保険適用の検査件数が全国の値ながら含まれていることである。
4月24日までの累積検査件数は、「226,313件」で、そのうち健保適用は「36,575件」である。
もう一つ、C:「新型コロナウイルスのPCR検査 総実施件数(都道府県別) (期間:1月15日〜4月24日)」のデータは、都道府県別に検査件数が確認できる。
検査人数ではないので、一人が複数カウントされている可能性がある。
ちなみに、累積検査件数は「143,469件」である。(東京都の健保適用検査件数は含まれていない、はず)
この値は、先ほど、B:「国内における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施状況(結果判明日ベース) (4月24日時点)」で確認した4月24日までの累積検査件数「226.313件」と大きく違っている。
その差が、「82,844件」もある。
厚労省や東京都が公表しないので、その差がすべて東京都の「保険適用検査件数」に相当するのかを吟味してみる。
そのため、まず、隠していない他の道府県で、件数と人数(Aのデータ)のズレを見ている。
まず、次にリストアップする県は、検査件数より検査人数のほうが多い(“検査人数”>“検査件数”)というありえない値になっている。
(岩手★・秋田・山形・福島★・茨城・群馬・埼玉★・富山・福井・愛知★・三重・兵庫★・広島★・福岡・鹿児島★:★印は厚労省が県のHPからピックアップしたデータに基づくもの、データ管理が雑すぎ)
そこで、「82,844件」の差をまず、それらの県に割り振る。
前提となる該当県の“検査人数”>“検査件数”の差の合計は「5,769」である。
東京都の推定陽性率を少なく見せる意図はまったくないので、検査件数は同じヒトが重複して検査を受けているために増えているものと考え、検査人数は検査件数の75%とする。
その式から、ありえない値になっている県のおかしな差5,769に上乗せし、検査件数7,692件の75%が検査人数になるよう配分した。
それで、残りは、82,844−7,693=75,151件となる。
ここからさらに、検査件数総数には退院するときの検査も含まれている可能性を考慮し、24日までの退院者数2,662人(Dデータ)が退院条件チェックとして退院までに平均5回のPCR検査を受けたと仮定すると、その件数は、13,310件となる。
退院できずまだ入院中のヒト10,932人も退院条件チェックを平均2回受けているとすると、その件数は21,864件となる。
この二つで、退院条件チェック向けの検査件数は合計35,174件になる。
その値を先ほどの75,151件から差し引くと、75,151−35,174=39,977件となる。
この値を、東京都の保険適用外の公表検査人数9,827人にそのまま足さず、残余件数の75%を人数とし加算する。
39,977*75%+9,827=39,807人
となる。
この39,807人が、医療機関を受診して健保の適用でPCR検査を行ったヒトではないかと推測する。
この値を分母に、累積陽性者3,747人で累積陽性率を求めると、9.4%になる。
“火事場泥棒”をやる(9月新学期運動)ひまがあるのに、過剰なほど危機を煽っている小池都知事やクラスター対策班などが拠り所にしている東京都の累積陽性率38.1%といった値は、詐欺に近く、危機感を煽り不安もさらに増幅するためのデタラメなものということになる。(小池都知事は、陽性率より陽性者数にこだわっている)
東京都の健保適用検査人数がなんとなく見えたことで、全国の累積陽性率も違う数値になる。
24日現在の累積陽性率は10.1%であるが、検査人数122,700人に東京都の健保適用推定検査人数39,807人を加算する。
24日時点の陽性者12,441人を検査人数162,507人で割ると、7.7%になる。(公表陽性率は10.1%)
このような作業を一日単位にブレイクダウンすると、山中さんが試みていた日々もしくは週単位の陽性率推移が推定できる。
東京都の健保適用検査人数をもっとリアルな数値として推定できるロジックをお持ちの方は是非ともご教授いただきたい。
というより、東京都と厚労省が、隠蔽せず、東京都の健保適用検査人数をきちんと公表すればいいだけなのだが。
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