http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/844.html
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政府から自治体そして医学界またそれらの提灯持ちであるメディアが、それこそ総掛かりで危機を煽っているのだから、医療従事者を含む多くの人が不安に陥り怯えおののくのは仕方がないと承知のうえで書いている。
(危機感を煽っている人たちが抱いているであろう感染拡大をなんとしても抑止したいという“善き心”はそれなりに理解しているつもりだが...)
「恐れても怯えることなかれ!」というのは、未知のウイルスに由来するCOVID19に感染したり他のヒトに感染させたりしないよう、注意を怠らず準備もしっかり行わなければならないのは当然だが、過剰なほど不安に駆られて怯えてしまい、平常心ならば見える状況も見えず、通常ならできる判断もできなくなるというパニック症に陥ってはならないという意味である。
これまで何度も書いてきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID19)は、ペスト・エボラ出血熱・HIVなどの類いではなく、「タチの悪い風邪」である。
ここからは、大変な思いで日夜医療活動に励んでいる方々には申し訳ない心苦しくもある内容だが、論理として言わせていただく。
「医療崩壊」の危機が声高に繰り返し叫ばれているが、COVID19については、感染確認者が13,031名、既に亡くなってしまった方も348名おられるが人工呼吸器装着ないしICUに入った重症者が287名という状況を考えれば、本来「医療崩壊」なぞ起こるはずもない。
(数字は、厚労省公表4月25日現在)
救急医療や出産などで既に深刻な影響が出ているが、「医療崩壊」が起きてしまうとしたら、COVID19騒動のせいではなく、政府及び医療関係組織の“ミス”であり“怠慢”である。
なんらまともな政治的指導力を発揮できない安倍内閣の責任がもっとも大きいが、医療機関サイドについて端的に言えば、
1)医療関係者までが、きちんと恐れたうえで用心し準備に励むのではなく、COVID19に対し過剰に怯えてしまうパニック的状況に陥っていること。
2)COVID19の感染確認者が、徐々に拡大しているとはいえ少数の指定医療機関に患者が集中している(押しつけられている)こと。
3)医療従事者の感染予防用品供給が不十分ないし不安定であること。
(安倍首相は、この1ヶ月間に一部不良品があるとはいえ39億枚のマスクを各国に輸出した中国習近平主席に日本への供給を依頼したのだろうか。秋に6億万枚/月の増産が実現できるというのではボケていると言うほかない)
COVID19対応については、指定医療機関になった病院の感染症・呼吸器部門の医療スタッフが過重な労働を強いられる一方で、指定医療機関以外の病院は、メディアなどを通じた情報を元に、COVID19の“潜在的”感染者が来院することにひどく怯える(恐れてきちんと対応するというのではなく)という二重構造が生まれている。
(院内感染も、報じられている内容をベースにすると、来院ないし入院した感染患者からというより、医療スタッフがどこかで感染し、それを再感染させている例が多いようだ。COVID19指定医療機関でない場合、休憩室などでついマスクを外して会話に勤しむこともあるかもしれない)
日本におけるCOVID19感染状況に照らして言うと、絶対的医療態勢ではなく、この二重構造こそが「医療崩壊」危機の原因なのである。
常々、COVID19についてインフルエンザとの比較で語ってきたが、どこに問題があるのかかは、過去の感染症対策に関する医学界の提言を参考にするとわかりやすいと思う。
「日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」最終更新日:2009年5月21日
http://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=29
「毎年の季節性インフルエンザと同様に1,000万人以上がS-OIVに感染した場合、短期間に10万人以上がICUに入院することになります。」
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ワクチンもあるはずのインフルエンザに、毎シーズン1千万人ほど(昨シーズンの受診感染者1千2百万人)が感染している。
そして、ワクチンも治療薬もあるはずなのに、毎シーズン、10万人以上が重症化し、1万人ほどが死亡しているのがインフルエンザである。
インフルエンザの場合、インフルエンザ単独とその合併症でデータがけっこう違うものになっているが、インフルエンザが引き起こす合併症を含めると10万人以上がICUに入っているようだ。
ICU入室10万人をインフルシーズン5ヶ月の月平均にすると、月々2万人がICUに入っていることになる。
COVID19は、これまで3ヶ月ほどの累積確認感染者が13,000人強だから、仮に感染者全員がICUに入るとしても、インフルエンザ1ヶ月平均でICUに入る人よりずっと少ない。
実際のところは、COVID19の重症者(人工呼吸器装着ないしICU入室)は感染確認隔離者の5%で650人ほど(現在は287人)である。
感染確認者の85%は軽症のまま回復している。亡くなった方は、334人で感染確認者の2.5%である。
(別の機会に投稿したいと思っているが、ここ半月の週別のCOVID19による死亡者数が増加していることが気になっている。死亡者の感染時期は、死亡時点から23日ほど前と推定できるので、この死亡者数がピークを越えるかどうかが、感染拡大が終息に向かうかどうかの重要な判断基準になると考えている。この半月のあいだに亡くなった人はほとんどが3月のあいだに感染していたと推定できる。重症者なかんずく死亡者が問題なのであって、感染確認者の数はそれほど重要なデータではない。)
でも、COVID19に上乗せされるかたちでインフルエンザ患者もいるだろ!と思われるかもしれないが、
「新型コロナウイルス騒乱2:日本は「コロナ騒動」の“おかげ”で感染症「死亡総数」が“減少”」
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/852.html
でも書いたように、COVID19と予防策が同じインフルエンザの死亡者数は、3月第二週から急激に減少している。
それまで調査対象の21大都市で毎週400人ほど亡くなっていたのが、3月第二週から4月に入ると、二百人少しに急減し、4月第一週に入ると数十人レベルにまで減少している。
インフルエンザのピークは1月から2月とされているので、3月中旬以降はインフルエンザの感染者が減る時期ではあるが、インフルエンザですぐに死ぬわけではなく発症後平均18日の治療を経て亡くなるので、3月中旬段階でインフルエンザ感染者が急減したと推定できる。
インフルエンザの予防法はCOVID19と同じなので、これは、COVID19の感染も同じように抑制されていると思われる。
次のデータを見ると、インフル感染ピークである2月中旬からインフル感染受診者が急減していることがわかる。
「インフルエンザ流行レベルマップ」
https://nesid4g.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/2019_2020/trend.html
死亡関連データは、
「インフルエンザ関連死亡迅速把握システムによる2019/20シーズン21大都市インフルエンザ・肺炎死亡報告」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2112-idsc/jinsoku/1847-flu-jinsoku-2.html
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「これまで流行してきた季節性インフルエンザでは毎年1万人前後の死亡者が出ていて、医療現場ではその都度多忙を極めていますから、数万人の死亡者が出る流行が起これば入院ベッドが不足し、人工呼吸器や救急車が足りない、病院や診療所の外来は混雑を極めるなど、準備の不足は医療現場の大混乱となって現れるのは必至です。」
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この表現は、現状のCOVID19とは桁違いの感染状況と重症化状況を想定したものである。
2009年〜10年の新型インフルエンザ流行は、2千万人の感染者があったが、幸い(恐縮でもあるが)、亡くなられた方は203人(合併症を含むかどうか不明)で済んだ。
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「 厚生労働省では各自治体に対して発熱相談センターの設置や特定少数の発熱外来の設置を行って蔓延拡大を阻止しようとしています。流行初期の水際対策として有効ではありますが、インフルエンザは発熱前から感染性を持つことや、患者が多数発生すればもはや少数の発熱外来では対応しきれず、そのこともあって欧米では発熱外来を設置する動きは見られません。流行の各段階に応じて対応を変える実際的な方策が必要となります。また、患者の中には自分の症状を新型インフルエンザだとは自覚せずに一般医療機関を受診する方が当然存在します。また、普段からかかりつけ医をお持ちの患者は当然のことながらかかりつけ医を受診する確率が極めて高いと思われます。」
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COVID19対策で最大の失策は、ここに書かれている「発熱外来」の設置が大幅に遅れたことである。
この「発熱外来」の診察と検査で、通常の風邪(それほど発熱はない)なのか、インフルエンザなのかを確認すれば、COVID19感染者をもっと早く医療観察下に置くことができたはずである。
高熱もしくは肺炎でインフルエンザではない場合、COVID19に感染している疑いが強くなる。(むろん、季節柄、インフルエンザとCOVID19のダブル感染もありえる)
これまでのCOVID19の重症者及び死者数は、政府が打ち出した“37.5度以上の熱が4日以上続いたら、帰国者接触者相談センターに電話” (そこから数日ないし1週間から10日以上経ってからようやくPCR検査、その2日後くらいに医療観察下ないし隔離措置)という間違った政策ではなく、すばやく「発熱外来」の設置を進めていたり、かかりつけ医が備えながら“怯えずに”診察していたりしていたら、もう少し減っていた可能性がある。
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「対策のシミュレーション訓練等で行われている宇宙服のような防護服に代表されるような対策を目の当たりにして「我々の病院では新型インフルエンザ対策は困難なので新型インフルエンザの患者は診療しない」として最初から対策を放棄してしまう病院の多数出ることが予想されることです。新型インフルエンザの流行蔓延期にはすべての医療機関に患者が受診することが予想されます。自分たちが普段から診ている通院患者からも新型インフルエンザの患者は多数出てくると予想され、診療を忌避することは出来ません。全医療施設が取り組むべき対策を構築しておかなければ、助かるべき多数の患者が助からない、といった事態が起こり兼ねません。」
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この部分の新型インフルエンザという文言をCOVID19に置き換えると、
「我々の病院ではCOVID19対策は困難なのでCOVID19の患者は診療しない」として最初から対策を放棄してしまう病院の多数出ることが予想されることです。COVID19の流行蔓延期にはすべての医療機関に患者が受診することが予想されます。自分たちが普段から診ている通院患者からもCOVID19の患者は多数出てくると予想され、診療を忌避することは出来ません。」
そうでなければ、「助かるべき多数の患者が助からない、といった事態が起こり兼ねません。」
医療機関従事者には、この10年以上も前にきちんと提言されていた内容と意義を今一度見直し実践していただきたいと切に願う。
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最終更新日:2009年5月21日
http://www.kansensho.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=29
※参照投稿:政治社会
「新型コロナウイルス騒乱:発生源をめぐる米中の言い争いは手打ちで終わった模様」
http://www.asyura2.com/19/kokusai28/msg/560.html
「10万円給付歓迎「電子マネーでの給付が望ましい」経済同友会:財界の連中や安倍らの頭の中は腐敗している」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/601.html
「古賀茂明「安倍首相よ、まずは国民に謝れ」:人格知性胆力の全てで難アリの安倍首相だが古賀氏のコロナ対応批判の核心は的外れ」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/605.html
「一律給付10万円は“迷惑料”と説明した「アベは辞めろ!」:非正規労働者やフリーランスの生活困窮状況は放置」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/630.html
「一律10万円給付(迷惑料)策に、財務省幹部は「本当に困っている人への支援を手厚くするという当初の趣旨は完全に覆った」!」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/646.html
「休業応じないパチンコ店など公表へ指針:バカだね。営業しているパチンコ屋をわざわざ教えて宣伝するようなもの」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/771.html
「新型コロナの“弱い”感染力を説明せず、危険性を扇動し人々をパニックに陥れることで行動を縛ろうとする権力者とメディア」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/795.html
「イタリア、新型コロナウイルスのクラスターは感染初確認前の1月に発生していた:伊は11月説・米は9月説も!」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/820.html
※参照投稿:医学
「新型コロナウイルス騒乱1:「タチの悪い風邪」流行にうろたえパニック症状を起こした世界」
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/851.html
「新型コロナウイルス騒乱2:日本は「コロナ騒動」の“おかげ”で感染症「死亡総数」が“減少”」
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/852.html
「新型コロナウイルス騒乱3:感染確認者や感染経路不明者の増加はPCR検査の急増が要因」
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/863.html
「新型コロナウイルス騒乱4:過剰に危機を煽る小池都知事などの“罪”:「市中感染」のリスクはあるのか」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/510.html
「ドライブスルー検査始動 厚労省、遅すぎた追認:危険!感染拡大のホットスポットになる可能性」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/648.html
「米ギリアド、抗コロナ薬の治験失敗 WHOが誤って公表―英紙報道:“誤って公表”ってなんだ!」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/778.html
「イタリア、新型コロナウイルスのクラスターは感染初確認前の1月に発生していた:伊は11月説・米は9月説も!」
http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/820.html
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