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新型コロナ対策「検査、隔離、GPS追跡」の東アジア型を
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/041701182/
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。クラスター追跡や外出自粛で、日本は感染拡大を防げるのか。東京大学の児玉龍彦名誉教授は「日本は非常に古い対策モデルから抜け出せていない」と言う。「大規模検査、隔離、GPS追跡」という東アジア型の対策の必要性を訴える児玉氏に、解説してもらった。
児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センター名誉教授
1977年東京大学医学部医学科卒業後、医師として勤務。85年マサチューセッツ工科大学生物学研究員、96年東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て、2018年より現職
白井 咲貴 日経ビジネス記者
2020年4月17日
—クラスター対策や外出自粛要請など、日本のこれまでの対応をどう評価していますか。
非常に古いモデルの感染対策から抜け出せていない。東アジアは遺伝子工学と情報科学に立脚した新しいモデルで対応しています。日本は中国・武漢の封鎖を1月に見てから抜本的な対策を打てていません。
—武漢や、他の東アジア諸国の対応を参考にできていない、ということですか。
そうです。
1月18日、中国の感染症研究の第一人者である鍾南山先生が武漢入りしたとき、3つのことを発見しました。1つは、院内感染が起こっていること、2つ目は医療従事者約10人が感染していること、3つ目は病院でPCR検査が1件も行われていないということでした。それで血相を変えて北京に戻り対策を進言したのです。
中国は、感染集積地域と非感染集積地域を分けて、感染集積地域に徹底的に医療資源を投下しました。5万4000人もの医師や看護師が武漢に送られたといわれています。それから、医療機関の患者や医療従事者に対してPCR検査を実施して陽性の人をあぶりだして隔離しました。病院を“きれい”にして院内感染を防いだのです。
病院や介護施設で徹底したPCR検査を
—ライブハウスや夜の街よりも病院でクラスターが起きる方がよっぽど深刻なんですね。
ライブハウスでのクラスターというのはいわゆるインフルエンザ型の感染です。寒冷地の換気の悪いところで起こることが、昔から知られています。春になって換気が良くなればあまり問題にならない。
今、日本では病院や介護施設ですごく感染が広がっている。若い人がいっぱい外に出ているとか、夜の街で感染が広がっているとか言われますが、亡くなっている人や感染した人の多くは、病院や介護施設にいた方なのです。
日本がまずすべきことは、そこで働く人や入所者をPCR検査することです。例えば、100床以上あるような大きな病院で、発熱している人、忙しく患者を見ている外来医師などを徹底的に検査します。それで陽性の人は隔離して医療崩壊を防ぐ。
—PCR検査の人材や機器が足りないといわれていますが、検査数を増やすことはできますか。
足りないなんてことは全くありません。
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