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安倍首相「3300円布マスク」皮肉に製造地元の市長が反論
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/272112
2020/04/20 日刊ゲンダイ
アゴもはみ出さない(泉大津商工会議所のHPから)、右は南出賢一・泉大津市長(本人のフェイスブックから)
「一律10万円給付」を正当化する緊急事態宣言の全国拡大に伴う臨時会見で、安倍首相が突然、口にした「3300円の布マスク」。気にくわない質問への皮肉で引用されたこのマスクは、「繊維のまち」の底力を見せるプロジェクトから生まれたものだ。地元の大阪・泉大津市はどう受け止めているのか。
17日の会見で朝日新聞の記者から布マスクが批判を浴びていることを指摘され、安倍首相はムキになって、こう切り返した。
「今、ご質問いただいた御社のネットでも、布マスク、3300円で販売しておられたと承知している。そのような需要も十分にある中で、われわれもこの2枚の配布をさせていただいた」
実はこのネタ、しばらく前から“ネトウヨ系”のまとめサイトで話題になっていた。そんな情報をもとに一国のトップが「朝日だって高額マスクを売っているじゃないか」との印象操作とはア然だ。しかも、安倍首相が引き合いに出したマスクは、価格に見合う高性能マスクなのだ。
製造元は、泉大津市の大津毛織。100年以上の歴史を誇る老舗の繊維メーカーだ。問題のマスクは2枚組3300円で、コットン100%の4層構造。ナント、150回ほどの洗濯にも耐え、非常に経済的に使える。1回の使用当たり11円の計算だ。アベノマスクは1回洗っただけで、驚くほど縮んでしまう。もはや“アホノマスク”とは雲泥の差である。
「繊維のまち」として知られる泉大津市が品切れ改善のため、地元商工会議所と連携したマスクプロジェクトの一環で開発された商品のひとつ。市内での販売のほか、朝日新聞SHOP(現在休止中)にも出品されていた。
田立恵子・泉大津市議(共産)はこう憤る。
「会見の発言はひどいと思いました。地場産業を生かす取り組みに水を差すつもりですか。一つ一つ手作りで、どうしてもコストはかかかりますが、高品質で長く使えます。大量の不良品が見つかっているアベノマスクと一緒にしないでほしい」
「どういうマスクかを正しく伝えてほしい」
マスクプロジェクトの発案者は、2017年1月に当時府内最年少の37歳で泉大津市長に就いた南出賢一氏だ。電話で直撃した。
「マスクを求めてドラッグストアに行列する住民の姿を見て、何とかしなければと思いました。繊維のまちである泉大津市の素材と縫製技術を活用し、何度も使えるマスクを作れば、マスク不足を解消できるのではないか――。3月6日に商工会議所に声をかけたところ、6社が手を挙げてくれた。大急ぎでサンプルを作り、20日に店頭に並べると、その日に完売しました。その後も製造・販売を続けています」
南出市長は安倍会見をどう見たか。
「安倍首相は単純に価格だけを取り上げました。価格だけでなく、どういうマスクなのか正しく伝えてほしいと思いました。大津毛織のマスクは手作りで、素材も縫い方もこだわっている。私も使っていますが、繰り返し何度も使えます。逆に、注目を浴びたのをチャンスにしたい。実際にマスクを見た人は『ちゃんとしたの作ってるやん』という反応がありました」
アホノマスクより泉大津のマスクが欲しい。
一律10万円給付を正当化する緊急事態宣言の全国拡大に伴う臨時会見で、安倍首相が突然、口にした3300円の布マスク…。「繊維のまち」として知られる大阪・泉大津市はどう受け止めているのでしょうか? https://t.co/GtuFU4LoUM #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) April 20, 2020
【内部崩壊アホノマスク政権】安倍首相の皮肉に泉大津市長が反論「正しく高性能を伝えてほしい」 朝日記者をクサした「3300円の布マスク」騒動 150回の洗濯に耐え不良品続出のアベノマスクとは全く違う アベノマスクは1回洗っただけで、驚くほど縮んでしまう。もはや...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/NpZ9mexiaR
— KK (@Trapelus) April 20, 2020
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