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安倍首相がまた大嘘! 感染者用病床「2万5000床超を確保」と断言も、実際は半分以下の1万床! 一般病床のベッドも入れ数を操作
https://lite-ra.com/2020/04/post-5382.html
2020.04.20 安倍首相が感染者用病床「2万5000床超」断言も実際は半分以下の1万床 リテラ
首相官邸HPより
先日も「休業補償をおこなっている国は世界に例がない」などと大嘘をついたばかりの安倍首相。しかしここにきて、また新たに安倍首相の嘘が明らかになった。
安倍首相が「確保している」と喧伝してきた病床数に対し、地方自治体から“実態とは違う”という声があがっているというのだ。
まず、2日の衆院本会議では、「ピーク時の患者想定数に対する病床数や医療機器の確保はどうなっているのか」という日本共産党・塩川鉄也衆院議員の質問に対し、安倍首相はこう答弁していた。
「ピーク時の入院患者数等は現在集計中ですが、治療のために必要な病床としては、現時点において感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、2万5000床を超える病床を確保しております」
さらに、この答弁から4日後、緊急事態宣言を発出する前日の6日におこなわれた第26回新型コロナウイルス感染症対策本部でも、安倍首相は「もっとも重要な病床の確保については、現在2万8000の病床を5万床まで増加させます」と述べていた。
しかし、17日付の東京新聞の報道によると、現状は「確保している」と安倍首相が豪語する2万8000床にまったく満たないというのだ。
記事によれば、そもそも陰圧制御などの設備が備わった感染症指定医療機関の感染症病床の数は、2019年4月1日時点で全国に1871床しかない。そこで厚労省は都道府県に対して指定機関以外の一般病床で対応できるところを探すよう求めてきたとし、各都道府県も新型コロナに対しどれだけ確保できたかを公表。そうした公表されている数や取材でわかった全国の病床を東京新聞が合算したところ、なんとその数は計1万607床だったという。
ようするに、実際に確保できている病床数は、安倍首相が言っている2万8000床の半分以下でしかないのだ。
どうしてこんなことになっているのか──。その取材から浮き彫りになったのは、あまりに杜撰な安倍政権の対応だ。
〈厚労省の担当者は、これまで説明してきた病床数の根拠について「指定医療機関にある一般病床も含めた空きベッドの数を都道府県に報告してもらい、足し合わせた」と説明する。 だが都道府県の担当者は、国に報告した空きベッド数がそのまま「コロナ対応の病床」として計上されていることを知らなかった。〉
つまり、厚労省は新型コロナ患者に対応できるベッド数ではなく、たんに空きベッド数を挙げさせ、それを足したにすぎなかった、というのである。
しかも、東京新聞の取材に対し、厚労省結核感染症課の梅田浩史・感染症情報管理室長は、こう開き直っている。
「感染症指定医療機関にはもともと専門的に対応できる医師・看護師がいるので、同じ病院の空いている一般病床もコロナ対応に数えるのは妥当だ」
言わずもがな、空きベッドがあっても隔離のできる環境や設備などがなければ感染者用には使えない。にもかかわらず、厚労省はそういった感染者用病床に転用できないものも含めた空きベッドの数を無理やり足して、数合わせしているだけなのだ。実際、青森県の担当者は「報告した空きベッドの数字はコロナ対応病床の調査とは違う」と語り、香川県も「空いているからコロナに使えるとは言えない。感染防護の措置など受け入れ側の対応もあり、個別に県が病院に当たって確約を取る必要がある」と話している。
だが、こんな基本的なことは厚労省だってわかっていたはずだ。にもかかわらず、どうして都道府県に「新型コロナ患者に対応できるベッド数」ではなく、単純に「空きベッド数」を報告させたのか。安倍首相の「やってる感」を演出するために、最大限の数をはじき出すべく恣意的にやったとしか考えられないだろう。
■「最低7割減で2週間後にピークアウト」「PCR検査体制を1 日2万件」も嘘だった
医療崩壊の悲鳴が現場から上がるなか、この期に及んでも実態を覆い隠そうとする安倍政権の嘘──。だが、安倍首相はこれ以外でも国民を欺きつづけていることがある。
緊急事態宣言の発出を受けて7日に開いた会見で安倍首相は、「専門家の試算では、私たちが人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減すれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」と述べ、17日の会見でも「最低7割、極力8割の接触削減を実現できない限り、1日当たりの新規の感染者数を大きく減少に転じさせることは困難」と繰り返した。
だが、この「最低7割減で2週間後にピークアウト」という説明はまったくのデタラメだ。実際、政府が「8割」の根拠としているのは、厚労省クラスター対策班メンバーである西浦博・北海道大学教授が打ち出した「接触を8割減らせば2週間程度で感染拡大が減少に転じる」というシミュレーションが元になっているのだが、西浦教授は「最低7割」などとは言っていない。事実、西浦教授は9日に出演した東京都のYouTube番組でも「(削減幅が)8割だとだいたい1カ月で物事が終わるのに対して、7割だと2カ月程度かかってしまう」と述べている。
ようするに、安倍首相が7日に国民に説明した「専門家の試算では、私たちが人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減すれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」というものは、真っ赤な嘘なのだ。
しかも、「最低7割」という安倍首相の説明に対し、西浦教授は10日にこうツイートしている。
〈この7割は政治側が勝手に言っていることで、私は一切言及したことがありません。〉
政治側が勝手に言っていること──。これはつまり、医療現場から「このままでは助けられる命も助けられなくなる」という声があがっても、安倍首相は専門家の試算を捻じ曲げ、人命より経済活動を優先させようとしている、ということだ。
そもそも、この「人命より経済」という考え方は、経済対策としても根本的に間違っている。たとえばイギリスは休業支援を打ち出し、徹底して外出を自粛させるという「経済より人命」を優先させているが、そのイギリスのスナク財務相が「いま健全な経済のために私たちができるもっとも重要なことは、国民の健康を守ること」と述べているように、国民の健康を守り、感染拡大を抑え込むことによって、早く経済を回すことが可能になるのだ。
だが、安倍首相は「休業補償をおこなっている国は世界に例がない」と嘘をついて休業補償の実施を拒絶し、専門家が言ってもいない「最低7割減で2週間後にピークアウト」などという科学的根拠に基づかない方針を堂々と打ち出す始末なのである。
このほかにも、「PCR検査体制を1 日2万件に倍増させる」(6日の対策本部)などと言いながら、いまだに検査数は8000件あまりで推移するなど、国民の命にかかわる問題で安倍首相が嘘をついたケースは枚挙にいとまがない。
世界的な危機の最中であろうとおかまいなし、データを捻じ曲げ嘘をつくという平時からつづいてきた安倍政権のやり口で乗り切ろうとしていることに、もっと国民は危機感を持たなければならないだろう。
(編集部)
<コロナ 医療を守ろう>コロナ病床数 政府過大公表 空きベッド数=対応病床扱い 自治体困惑
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020041790071048.html
2020年4月17日 07時10分 東京新聞
新型コロナウイルス感染症を巡り、政府が対応できる病床数を実態より過大に説明していることが分かった。安倍晋三首相は国会などで、二万五千を超す病床を確保していると説明してきたが、病床の確保を担う都道府県が「めどが立った」としている数を足しても半分に届いていない。複数の県は「国に報告したのは空きベッドの総数でコロナ対応病床とは限らない」と反論する。 (井上靖史)
「現在ある二万八千床の病床を五万床まで増加させる」。首相は今月六日、首相官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、感染拡大への対応方針をそう強調した。三日の参院本会議でも、二万五千床を超える病床を確保していると説明している。
感染症の患者を受け入れる病床は都道府県が地域の病院と協議し、確保を進めている。
陰圧制御など特別な備えをした感染症指定医療機関の感染症病床は昨年四月一日現在で全国に千八百七十一。新型ウイルスのまん延に備え、厚生労働省は都道府県に指定機関以外の一般病床で対応できるところを探すよう求めてきた。
新型ウイルスに対し、各都道府県は最近、どれだけ確保できたかを相次ぎ公表している。六日以降、公表されたものや本紙の取材で分かった全国の病床を合算したところ、計一万千床ほどにとどまった。
厚労省の担当者は、これまで説明してきた病床数の根拠について「指定医療機関にある一般病床も含めた空きベッドの数を都道府県に報告してもらい、足し合わせた」と説明する。
だが都道府県の担当者は、国に報告した空きベッド数がそのまま「コロナ対応の病床」として計上されていることを知らなかった。
青森県の担当者は取材に「報告した空きベッドの数字はコロナ対応病床の調査とは違う」と困惑した。
香川県も「空いているからコロナに使えるとは言えない。感染防護の措置など受け入れ側の対応もあり、個別に県が病院に当たって確約を取る必要がある」と言う。
宮崎県の担当者も「実際にコロナに使うには病室のハード面の改修やスタッフ確保、養成が必要だが、国には単に空いている数を答えた。国の指示があればコロナ用に転換できるものでもない」とした。
NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事長の上昌広医師は「特に地方は指定医療機関でも結核病床などに空いている所が多い。それらを足し合わせれば病床を確保したように見せられる。実態のない数合わせを見せている」と話す。
◆一般病床算入は妥当
<厚生労働省結核感染症課の梅田浩史・感染症情報管理室長の話> 感染症指定医療機関にはもともと専門的に対応できる医師・看護師がいるので、同じ病院の空いている一般病床もコロナ対応に数えるのは妥当だ。
◆医療現場の窮状・対策 発信します
「医療を守ろう」へのご意見、情報は、〒100 8505 東京新聞社会部係へ。社会部のメール=shakai@tokyo-np.co.jp、ファクス=03(3595)6919=でも受け付けます。
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