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お年寄りへ<本澤二郎の「日本の風景」(3660)
http://jlj0011.livedoor.blog/archives/24462068.html
2020年04月20日 jlj0011のblog
<「暮れてなお 命の限り 蝉しぐれ」で101歳の長寿がいい>
昨日、番記者の見た「平成の妖怪・中曾根康弘」という小論をまとめて、月刊誌「月刊タイムス」にメール送信した。確か半年ほど前に、狭い部屋の整理をしていた時に、材木屋のやっちゃんが進んで書いてくれた「為本澤二郎君」の色紙が見つかった。
やっちゃんの気配り上手は、ナベツネが指導したものであろうが、やはり懐かしい思い出の品である。文面は「暮れてなお 命の限り 蝉しぐれ」である。彼はそうして101年を生きた。
ロッキード事件・児玉―中曽根ルートを、なんとか切り抜けての天下取りで、すっかり舞い上がってしまった闇のフィクサー・ナベツネの自慢顔を想像できる。
長寿の政治屋の死去に、人々は礼賛の文字を献上して止まないものだが、ジャーナリストである以上、事実を捻じ曲げるわけにはいかない。
いえることは、いかなる宗教者と言えども、人生は一度きり、そのあとはない。靖国神社に「合祀」されているというフィクションも、事実に反する。一度きりの命を、むざむざと失う者は親不孝であろう。新型コロナウイルスの犠牲者になっていいわけがない。この1、2年は辛抱、辛抱、思索のための貴重な時間として過ごせばいい。これもまた人生に相違ない。
<小泉純一郎結婚式の引き出物の時計が今も元気>
現役時代に「思い出」として、鈴木善幸さんと宮澤喜一さんに色紙を頼んだ。前者は「徳不孤」、後者は「大樹深根」である。二人とも護憲リベラルのまともな政治家だった。鈴木さんは大平・宏池会の参謀から、政権を担当した。岸田文雄は宮澤さんの薫陶を受けながら、国粋主義の外交を踏襲して、落馬してしまったようなもので、残念のきわみである。
時代は、護憲リベラルを求めている。改憲軍拡の国家主義では断じてない。
本当は、大平正芳さんと宇都宮徳馬さんのが欲しかったのだが、残念ながらない。宇都宮さんは、学生運動やらで、書の訓練をしなかったらしく、文字は上手とはいえず、まことに難解である。秘書の山谷さんが、書き直さないと、今では貴重な軍縮論の月刊誌「軍縮問題資料」の巻頭文を活字にできなかった。
思い出すと、鳩山邦夫の色紙は、驚くほど下手なのに驚いた。安倍晋三もそうだろう。中曽根さんや田中角栄さんの文字は、力強かった。福田赳夫さんの文字は、もう記憶にない。
福田さんが仲人をした小泉純一郎氏の色紙は無論ないのだが、結婚式の引き出物のちゃちな電子時計が、現在も我が家の狭すぎる玄関で、元気に動いている。一度電池を交換しただけだ。
<靖国参拝で怒る中国に青くなったやっちゃん>
1985年8月15日の中曽根さんの靖国神社公式参拝に対して、中国の政府と党と学生が、激しい抵抗を始めた時のことを思い出す。日本の侵略軍の蛮行による中国人民の被害者は、数千万人に及ぶ。空前絶後の災難を与えた国家神道の本山に、日本の政府代表が参拝することは、中国のみならず、アジア全土に強烈すぎる精神的痛みを与える。
1972年の国交正常化をご破算にするような打撃を与えたことに気づいた中曽根さんは、窮地に立たされてしまった。この危機を救ったのが、元奈良市長から中曽根派議員になっていた鍵田忠三郎さんだ。
その前段に触れると、日中友好を実現した大平さんと角栄さんの、次なる目標が平和友好条約締結問題。福田内閣の自民党幹事長の大平さんの大事な任務となっていた。福田さんの背後には、米CIAが戦後復権させた岸信介が、監視を強めていたため、これが、大きな壁となっていた。外相の園田直さんの取り込み役が、田中派・愛野與一郎外務政務次官。愛野さんは数回、目白の田中邸に園田さんを呼んで、岸包囲網を実現した。他方で大平さんは、福田タカ派内閣で自信喪失していた北京に立ち上がってもらうため、密使として鍵田奈良市長を派遣した。
福田内閣は、こうして中国との平和友好条約を締結したもので、原動力は大角連合だった。この時の影の立役者となった鍵田さんが、1985年の中曽根ピンチに一役買った。
「二度と靖国参拝させない」という確約の下に北京を説得して、この事件は収束した。この時のやっちゃんの喜びようはなかった。鍵田さんの筆者への報告によると、それは「あの中曽根さんが、わしに何度も頭を下げよったよ。そして繰り返しありがとうというたんだ。アハハ!」と大平密使も大満足だった。ちなみに、西安と奈良市は日中友好都市第一号、これに骨折ったのが大平さんと周恩来総理である。二人とも長寿を蹴飛ばす人生だった。
人生朝露の如し、コロナ禍なれども長寿に勝るものなしか。
2020年4月20日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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