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新型コロナウイルスは、基本的に、感染者から発せられる飛沫(エアゾルを含む)を通じて他のひとに感染する。
もう一つの「接触感染」も、飛沫が手すりやドアノブなど感染力が劣化しにくいところに付着しているウイルスをさわった手で自分の口鼻目といった粘膜を触ることで起きるから、大局的には飛沫を通じた感染と言える。
鼻腔や喉の粘膜から検体を採取するPCR検査は、相手が感染者なら、いやおうなくウイルスが飛び出させてしまう行為である。
そのため、検査施設が感染抑止に心がけなければ、PCR検査に訪れた「陰性(非感染)者」を感染させてしまうという本末転倒の事故も起きる。
この危険性は、防護用具に守れている検体採取者ではなく(防護手段を雑に扱うと検体採取者も感染する)、検査に訪れた人たちに及ぶものである。
一人の検体採取が終わるたびに防護服や手袋を着替えればリスクは大きく軽減するが、防護用具不足の問題だけでなく、そんな面倒な手順を踏むのは時間もかかり不合理な話だろう。
同じ防護服や手袋を使って検体採取を続けていれば、自動車のドアやウインドウに新型コロナ(SARS2)ウイルスが付着する可能性が高い。
ドアやウインドウなど滑らかな金属やガラスは、ウイルスが長時間にわたって感染力を保持しやすい場所である。
米国のドライブスルー検査場の一つは、感染のホットスポットになった可能性があると報じられたが、日本でもそうなる可能性がある。
地方では必須とも言える自動車の利用をサポートするとしても、検体採取者が、車の中に身を乗り入れて鼻腔や喉から採取方法ではなく、駐車場などに設置したテント(陰圧措置が望ましい)のなかで、検体を採取する方法を採るべきである。
とにかく、東京など検査の需要が多いところでは検査の陣容が十分ではなく、何日も待たされている状況なのだから、効率的にも思える一方で危険性が高いドライブスルー方式をわざわざ採用する必要はない。
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ドライブスルー検査始動 厚労省、遅すぎた追認 感染追跡に限界 方針転換余儀なく[日経新聞]
新型コロナウイルスの検査を巡り、厚生労働省は「ドライブスルー方式」での実施を認める事務連絡を出した。経路不明の感染者が急増し、感染経路をたどることで拡大を抑え込む従来方式の限界が明らかになり、消極姿勢を改めることを迫られた。緊急事態宣言の対象が全国に広がる情勢下で、担当官庁が不作為を重ねる余裕はない。
厚労省は15日付で出した事務連絡で、ドライブスルー方式と呼ばれる車に乗ったままでの診察やPCR検査を容認した。大量の検査を効率的にでき、医療機関の建物内で検体を採取する場合より検査時に感染するリスクも小さいとされる。
これまで独自に手掛けてきた自治体は名古屋市や新潟市など一部に限られる。事務連絡は検査体制を拡充する対策の一つとして、都道府県などに設置を委ねる内容にとどまっている。
判断や人繰りを丸投げされた他の自治体からは困惑の声も上がる。福岡県の担当者は「まだ厚労省からの文書を読み込めておらず、何も決まっていない。詳細は今後検討する」と語った。
兵庫県関係者は「仕組みの整理ができていない」と話し、埼玉県の担当課は「車の渋滞や事故が発生し、混乱が生じる可能性がある」と慎重に検討する考えを示した。神奈川県は地元医師会などの意見も踏まえて実施するか判断するという。
ドライブスルー方式はすでに韓国や米国など海外で広がっているが、これまで厚労省は導入に消極的だった。感染者の接触者を割り出し、感染経路を明確にして連鎖を抑えることに重点を置いてきた。保健所は経路の追跡に労力を割くことを迫られ、検査の網を広げるのが遅れた。
このため無自覚の感染者が外出して感染が拡大した。6日には東京都と大阪府で確認された新規感染者のうち、8〜9割の経路が不明だ。
東京都心部のある病院ではベッドが空く間もないという。新型コロナで入院した患者が退院しても、すぐに別の患者が入ってくる状態で、マスクなどの防護具も慢性的に不足する。「現場はもう限界だ」。医師や看護師からは悲鳴が上がる。
世界保健機関(WHO)で事務局長の上級顧問を務める渋谷健司・英キングス・カレッジ・ロンドン教授は「都内などでは検査対象を広げて感染者を隔離する対策が急務なのに、ドライブスルー方式を認めるタイミングは遅すぎる」と批判した。
今回の方針転換も独自の判断で始めた自治体の動きの後追いだ。事務連絡は自治体に対応を「お願い」するだけで、検査の拡充に向けたリーダーシップは見えない。安倍晋三首相はPCR検査の能力を1日2万件とする方針を掲げているが、足元の能力は約1万3千件にとどまっている。
厚労省は感染の履歴があるかどうかを血液から調べる抗体検査を月内にも実施する方向で調整に入った。無症状の人も含む特定の集団を調べることにより、感染がどれだけ広がっているかの実態をつかむのに役立つ。すでに米国などが調査に乗り出しており、ここでも日本は後手に回った。
厚労省は現在も感染経路の追跡を重視する方針を堅持する。追跡方式の限界を認め、検査の網を広げる方向にかじを切ることが急務だ。
[日経新聞4月17日朝刊P.3]
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