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※サンデー毎日 2020年4月26日号
安倍6月退陣で「麻生首相」の悪夢
https://mainichi.jp/sunday/articles/20200414/org/00m/010/002000d
2020年4月16日 05時00分(最終更新 4月17日 12時18分) サンデー毎日
経済財政諮問会議に臨む(手前から)安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官=首相官邸で2020年3月31日、川田雅浩撮影
7都府県に緊急事態宣言が出された。それに伴い、政府から緊急経済対策も発表され、来週には今国会に補正予算案が提出されるとみられる中、野党だけでなく自民党内からも「安倍首相はノー」の声が出始めているというのだ。真相を追った。
「融資じゃダメだ。補償をしなければ(営業)自粛なんてできませんよ。これ(補償)をやらなければ、自殺者が激増しますよ。会長、分かっているんですか。こんな対策しか出せないなら、(自民党は)野党になった方がいい」
静まりかえった会場に怒声が響き渡った。4月6日午前8時、東京・永田町の自民党本部9階の大会議室で行われた政調全体会議の一幕だ。自民党衆参全議員が対象で、議題は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた、政府の緊急経済対策だった。そこで各議員の意見を求めた際、怒りを爆発させたのが、京都6区選出の安藤裕(ひろし)衆院議員だった。2012年初当選の3期目で、いわゆる安倍チルドレン≠フ一人である。
安藤氏が「会長」と矛先を向けたのは、岸田文雄政調会長だ。ポスト安倍の最右翼と目される閣僚経験豊富なベテランに、3回生議員がかみ付いたのだ。
安藤氏は、これまでも若手議員の勉強会でコロナ対策について議論を重ね、その内容を岸田氏にも訴えてきたという。3月には西村康稔経済再生担当相に補正予算の提言書も出した。
提言の内容とは@30兆円規模の補正予算を編成し、財源には躊躇(ちゅうちょ)なく国債を発行するA被雇用者に対しては十分な休業補償をし、事業者には失われた粗利を100%補償するB消費税を当分の間0%にすること(消費税法の停止でも可)――などの5項目だった。
しかし、108兆円の緊急経済対策は、予算規模こそGDP(国内総生産)の2割で過去最大となっているが、世帯や中小企業に対する現金給付などは総額約6兆円にとどまる。つまり、安藤氏ら若手の声は政府に届かなかったわけだ。
「国民に自粛をお願いする一方で補償はない。給付についても難解な基準を設け、所得激減の証明をしなければならないもの。それで(営業)自粛しろだなんて、カネの無い人は死ねと言っているのと同じに聞こえます」(安藤氏)
経済対策への不満や怒りは、安倍晋三首相にも向けられている。自民党中堅衆院議員は、こう語る。
「政府の経済対策は、救済措置とはほど遠い内容でした。それならば、緊急事態宣言発令後の7日の記者会見で、安倍首相が力強いメッセージや追加支援などを明示してくれるものと信じていた。しかし、その期待は見事に裏切られました」
質疑応答で安倍氏は、経済対策に疑問が投げかけられると「個別に補償していくということではなくて、困難な状況にある皆さんに現金給付を行いたい」。給付はするが、補償はしないと語ったのだ。さらに、外国人記者が「失敗したら、どう責任を取りますか」と問うと、答えは「最悪の事態になった場合、私が責任を取ればいいというものではありません」と歯切れが悪かった。
振り返れば2017年2月17日、森友学園の国有地払い下げ問題について、国会で追及を受けた時のことだ。安倍首相は言い切った。
「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということは、はっきりと申し上げておきたい」
だが、当時の威勢の良さは、今の安倍首相にはない。このまま安倍首相に「この国のリーダー」を任せていいのか――。緊急事態宣言後の自民党からは、そんな声が漏れ出してきている。
次期衆院選は表紙≠替える
ところが、実は宣言発令前から6月安倍首相退陣説≠ェ自民党本部内ではまことしやかに囁(ささや)かれていたのだ。その発信源は、二階俊博幹事長だという。党職員はこう明かす。
「幹事長は安倍首相に見切りをつけたとのウワサが流れています。コロナ対策が落ち着くことを前提に『6月には退陣してもらうしかない』と周囲に話しているようなのです」
国内でも感染者が急増する新型コロナが、6月までに収束するに越したことはないだろう。だが、現在の衆院議員の任期は21年10月21日までで、今後1年半の間のどこかで、衆院選が行われるということだ。なのに、選挙を仕切る幹事長職にある二階氏が、党総裁の安倍氏に反旗を翻したとなれば穏やかではない。その真相≠自民党ベテラン衆院議員が解説する。
「これまで二階氏は安倍首相を支えてきた。だが、次期衆院選で負けないための戦略として表紙≠『替えて戦う』と舵(かじ)を切ったということだ。コロナで年内の解散総選挙はできない。総選挙が来年なら、早い時期に首相を交代させ、思い切った経済対策を打ってもらい、有権者を納得させる必要がある。二階氏は、そう考えているのだろう」
まさに、安倍首相を見限ったということか。政治ジャーナリストの野上忠興氏も、こう解説する。
「通常国会(1月20日召集)を前に安倍首相は『桜疑惑』対応で頭がいっぱいだった。コロナ禍は当初、加藤勝信厚労相にお任せだったが、大型クルーズ船の稚拙対応が世論の批判を誘発、官邸主導に切り替えた。ところが、小中高校の休校要請などの対応策が後手・場当たり批判を浴びたことで、二階氏をして『安倍を表紙で選挙は厳しい』との不安感を抱かせたのではないか」
しかし、「政高党低」と言われて久しい官邸1強の永田町において、安倍降ろし≠党幹事長ができるのだろうか。
自民党関係者は語る。
「二階氏は3月17日、林幹雄幹事長代理とともに官邸で安倍首相と20分近く会談し、安倍首相の覇気のなさを感じ取ったようです」
安倍氏については、体調不安説がかねてウワサされている。二階氏の算段は、コロナ対策が落ち着いた頃合いを見計らって、体調不良を理由に首相を退いてもらうというものだ。
「安倍首相は、8月24日で大叔父・佐藤栄作氏の首相連続在職記録を抜き、歴代1位となる。その後、9月か10月ごろならコロナ対策も落ち着いて、退陣の道筋がつきそうです」(前出の自民党関係者)
では、仮に安倍氏が体調不良やコロナで入院した場合、どうなるのか。別の自民党関係者は語る。
「麻生太郎副首相兼財務相が首相臨時代理となります」
内閣法には、こうある。
〈第9条 内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う〉
ある自民党OBは、現内閣に副首相を置いたのは「麻生代理」のためだという。
「2000年、小渕恵三首相が倒れた際、密室で森喜朗幹事長を次期首相にすると決め、後に批判を浴びた。その反省を踏まえ、副首相がいる。安倍首相が職務を継続できない事態となれば、麻生氏がその任に就く」
首相臨時代理とはいえ、首相と同等の権限を有する。ただ、唯一、無いのは「解散権」だという。
「もし、麻生氏が首相臨時代理となれば党総裁任期の21年9月まで務め、正規に総裁選を行い、新たな総裁で衆院選を戦うことになるでしょう。もしくは、その前に総辞職して新たな首相を選任する。いずれにしろ、麻生氏が代理になったとしても、それは次期衆院選前までの暫定的な選挙管理内閣ということです」(前出の自民党OB)
「麻生政権は悪夢でしかない」(自民党若手衆院議員)との声もある。09年の衆院選で自民党を下野させた張本人≠セからだ。
前出の安藤氏も「今の執行部は現場の声を理解していない。総裁選を見据え、私たち若手が独自のアクションを起こしていかなければ」と鼻息が荒い。
コロナは自民党内にも地殻変動を起こしつつある。(本誌・山田厚俊)
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