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緊急事態宣言へ 危ういのは“お上”に強制を求める思考停止
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271461
2020/04/06 日刊ゲンダイ
マスク2枚で安倍首相に全権委任するのか(C)日刊ゲンダイ
東京都で新たに143人の新型コロナウイルス感染者が判明した5日、小池都知事は「法的な裏付けを持って感染症拡大防止の政策が実施できるようになる。政府には迅速で適切な判断を下されることを確信しています」と、あらためて政府による緊急事態宣言の早期決断を促した。
また、143人の新規患者のうち、20代、30代が70人と若い人が増えていること、感染経路が追えない人が90人超に上ることなどを懸念。「若い方々の行動力、行動半径の広さが感染に一役買ってしまっている」と、若者に一層の活動自粛を求めた。
小池のせいだけではないが、世論は若者に対して厳しくなっている。神奈川県で、感染症指定医療機関の横浜市立市民病院に勤務する20代の研修医らを含む20人の感染が確認されたが、テレビニュースなどは研修医らが3月末に同僚とカラオケに行っていたことを、ことさら強調していた。彼らが軽率だったのは確かだが、感染者を叩く風潮をメディアが助長するのは危険だ。
国内で新型コロナの感染者が確認され始めた当初、若者は軽症で済むから、高齢者や持病のある人はウイルスに注意するように警告していたのは政治やメディアではなかったか。
誤ったメッセージを流しておいて、市中感染が拡大したら若者のせいにする。出歩くヤツが悪い、感染は自業自得だ、無症状患者がウイルスをまき散らすなと責め立てる。無症状や軽症の患者が出歩くのは、検査を渋ってきた行政側の責任ではないのか。
そもそも、政府や東京都の外出自粛要請は、家から一歩も出るなというものではない。
ところが、この週末に巣鴨で買い物するお年寄りや、散歩がてら桜を見ていた家族の姿がテレビで報じられるたびに、批判が集中する。みんなが我慢しているのに、外出するのはケシカランという同調圧力。
その帰結が、緊急事態宣言を求める国民の声である。
人権侵害を自らお願いする倒錯
「地方自治体や日本医師会が緊急事態宣言の発動を求めるのは、まだ分かりますが、国民の側から、強制的に私権を制限する緊急事態宣言を求める声が高まっていることは理解しがたい。人混みを避け、マスクや消毒、手洗いなどを徹底することで感染は予防できるのに、自ら進んでお上に人権侵害をお願いするなんて倒錯しています。他国のように、家から出たら逮捕されたり、軍人に銃を突きつけられる生活を望むとでもいうのでしょうか。国民の間に不安が広がっているのは、自粛でせっかく時間稼ぎしてきた間に検査拡充や医療体制を整えてこなかった政治のせいでしょう。その責任には目をつむり、マスク2枚と引き換えに全権委任するなんてどうかしています」(政治評論家・本澤二郎氏)
自民党の佐々木紀国交政務官が4日、自身のツイッターに「国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね」と涙を流す絵文字をつけて投稿。
批判殺到で炎上し削除したが、これが現政権のホンネなのだろう。
日本は五輪のために検査を絞り、感染者数を少なく見せてきたと諸外国からも疑念を持たれているが、感染拡大の実態が隠せなくなると、悪いのは若者や夜の街だと、国民のせいにする。感染拡大は国のせいじゃない。自粛を要請したのだから、あとは自己責任だと突き放す。そして、自粛要請に応じてダメージを負った国民生活への経済支援は、この期に及んで出し渋るのだ。
差別は閑散とした夜の街に向かい…(C)日刊ゲンダイ
連帯が必要な時に職業差別で国民を分断する政府 |
問題は、こうした政府側の言い分をメディアが垂れ流し、どんな不合理でも我慢しなければ非国民みたいな空気が醸成されつつあることだ。
テレビではコメンテーターが「安倍さんも小池さんも一生懸命やっている」「みんなで連帯しなければ」などと、したり顔で話している。だが、連帯が必要な時に国民を差別し、分断しているのは政府の方ではないのか。
厚労省は、一斉休校による休業補償で、風俗業や接待飲食業で働く人は対象外とした。「公的助成にふさわしくない」というのだ。風営法で認可しておいて、ふさわしくないとはどういうことなのか。厚労省の役人は、水商売や“お湯商売”の店に一度もお世話になったことがないのか?
「完全な職業差別です。政治家も、普段さんざんナイトクラブに政治資金を落として領収書をもらっておいて、こういう時には助ける気がないというのか。政府は一定の所得減世帯に30万円の現金給付をすると言っていますが、全国民を助けるのではなく、助けたい人を助けるということです。不公平な助成は国民の分断を招くだけで、何のために税金を払っているのかという不満が鬱積する。その不満が社会的弱者に向かい、職業差別やヘイトがまかり通る社会になることを危惧します」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
すでに、その兆候は十分すぎるほどある。「水商売のホステスや風俗嬢の休業補償に税金が使われるのはおかしい」という声がネットにあふれている。ウイルスは職業を選ばない。自分が、あるいは家族が職業によって切り捨てられる側になっても、同じことが言えるのか。不祥事で国会に出てこられず給料の満額を得ている国会議員の方が、よほど税金投入にふさわしくないのではないか。そういう議員に1億5000万円を投入し、国民には布製マスク2枚という政権の姿勢を容認すれば、やがて、倒産も失業もコロナのせいだから仕方がない、政府には責任がないという論調がまかり通るようになる。非常事態だから自ら進んで政府に協力しよう、批判するヤツはけしからんという空気が国を覆い尽くしていく。
為政者が振りまく道徳論は安酒
「国家の危機に政府の批判をしている場合ではないという声が支配的になり、お上に素直に従うことが賢く正しいことだという同調圧力が大本営発表をつくっていく。しかし、そういう付和雷同が為政者の過ちを後押ししてきたこともまた歴史が証明しています。新型コロナ対策では、何が正しいのか現時点では分からないところがある。だからこそ、いま起きていることを冷静に検証する視点が求められている。対案は必要ない。政府の対応に今後の国の命運がかかっているのだから、おかしいことは、おかしいと言わなければいけない。特に言論機関には、そういう役割が求められる。無批判に政府への協力を求めることが正義ではありません」(角谷浩一氏=前出)
農業史研究者で京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史氏は、岩波新書のホームページに「パンデミックを生きる指針――歴史研究のアプローチ」を緊急寄稿。100年前のスペイン風邪などを教訓に、こう警鐘を鳴らしている。
<大本営発表にならされてきた日本では、為政者たちが配信する安易な希望論や道徳論や精神論が、人を酔わせて判断能力を鈍らせる安酒にすぎないことは、歴史的には常識である>
<人びとは、危機が迫ると最後の希望をリーダーとリーダーの「鶴の一声」にすがろうとする。自分の思考を放棄して、知事なり、首相なり、リーダーに委任しようとする>
そのリーダーが信用に値する人物ならいいが、隠蔽、改ざんでデータを軽んじ、歴史を軽視し、異論に耳を閉ざし、過ちを部下に押し付けて逃げるリーダーでは、ウイルスとの戦いの最前線に立つ人たちの不安は取り除けない。こんな信頼できない内閣に緊急事態宣言という大きな権限を与えていいのか。藤原辰史氏は懸念し、こう続ける。
<どれほどの愚鈍さを身につければ、この政府のもとで危機を迎えた事実を、楽観的に受け止めることができるだろうか>
政権の自己保身による検査抑制のせいで医療は崩壊し、政治的な失策で国民の命が失われ、社会は分断されて荒廃していく――。この政権のもとでは、空前の悲劇が長期間続くことを覚悟しなければならない。
緊急事態宣言へ 危ういのは“お上”に強制を求める思考停止 https://t.co/avb7NUoG7c #日刊ゲンダイDIGITAL
— plutoatom (@plutoatom) April 6, 2020
【溢れる大本営発表 感染者差別の蔓延】恐ろしいのはお上に強制を求める思考停止 予防法はシンプルなのに、国家による強制を求め、感染者を叩く風潮を助長するテレビを見ていると、いよいよスペイン風邪の二の舞の悪夢。このままでは医療は崩壊し、人の命も社会も壊れ...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/k50JRmEoGw
— KK (@Trapelus) April 6, 2020
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- 藤原辰史:パンデミックを生きる指針——歴史研究のアプローチ(藤原辰史、岩波新書ホームページ) AN 2020/4/07 22:52:26
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