http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/345.html
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(回答先: 新型コロナ禍 見えて来た姿と見えぬ未来 投稿者 佐藤鴻全 日時 2020 年 4 月 05 日 21:13:06)
◆ウイルスの狡知◆
当初は著名な評論家等からも「インフルエンザと比べて騒ぎ過ぎ」という見方もあった新型コロナウイルス肺炎は、その狡知な性質と振る舞いにより世界を底なし沼に引きずり込んでいる。
http://agora-web.jp/archives/2044455.html
インフルエンザと違い、重症になると患者は数に制限のある人工呼吸器等の医療資源を長期間に渡って占有するため、感染爆発に近づくと医療キャパシティーを超え医療崩壊を起こし、他の病気の患者も含めた命の選別を迫られるためだ。
このため世界各国の人々は行動と経済活動を制限され、譬えれば必ずしもB29が飛来し焼夷弾を落とす訳ではないが、のべつ空襲警報が鳴っている状態のような生活を強いられている。
ウイルス自体の姿は、世界の研究者によって解明途上にあり、効果的治療薬、ワクチンの実戦投入も1年以上先となる見込みと伝えられている。またその齎す災禍による人命の毀損と経済社会の破壊の規模は未だに見通せない。
しかしながら、規模は見通せぬものの、新型コロナ禍の輪郭については朧に見えて来た事もある。以下に筆者なりの理解を纏めてみた。
◆ウイルスの起源と拡散の経緯◆
先ず、ウイルスの起源と拡散の経緯について述べれば、以下の通りである。
中国武漢市で第一感染者が発見された。中国中央政府か地方政府、若しくは双方による隠蔽により先ず中国に拡散し、その後WHOの親中的恣意的過小評価も手伝い、各国政府の油断と後手後手の対策により世界に蔓延した。
ウイルスの起源は未だに判っていないが、中国はウイルスの米軍持ち込み説も示唆し始めている。一方、武漢市の研究所で開発していた高齢者と病人を駆逐するために研究中のウイルスが、杜撰な管理によって巷間に漏れ出したという説がある。
前者は、現在米国が最大級の被害国となっている事を考えれば、少なくとも国家意思として意図的に行う事は考えられない。
後者は、若年者の発症率、死亡率が高齢者と比べ劇的に少ない事等を考えれば、構図のパズルが合う。しかしそれを裏付ける信頼出来るハード・エビデンス(確定的証拠)は無い。今のところ。
なお、ウイルスの遺伝子は変化分岐しており、その性質も変容し掴みどころの無さを助長している。
◆政策モデルとジレンマ◆
新型コロナ禍に立ち向かう各国の政策を単純化し共通モデル化すれば、以下のようになろうかと思う。
<政策目標>
(A) 新型コロナ死亡者数 + (B) 経済的関連死亡者数 ⇒ 極少化
<前提条件>
(A) 新型コロナ死亡者数 ≧ (B) 経済的関連死亡者数
<各死亡者数への諸要素寄与度>
(A) 新型コロナ死亡者数 = 人口 × 感染率 × 致死率
感染率 = 素感染率 − 行動・営業制限等寄与度 − 集団免疫寄与度 − ワクチン寄与度
致死率 = 素致死率 − 人工呼吸器等医療資源寄与度 − 治療薬寄与度
(素感染率、素致死率は、ウイルス遺伝子の変化等によって変動する)
(B) 経済的関連死亡者数 = 行動・営業制限等寄与度(ネガティブ) − 生活・営業補填等寄与度
各国は、感染爆発防止のためのロックダウン(都市封鎖)等の行動・営業制限と、それに伴う経済的損失とのジレンマに襲われている。
しかし、現在各国は概ね医療崩壊を招かぬよう(崩壊した国は深化せぬよう)人命優先でロックダウンを含む行動・営業制限を行っている。日本は要請レベル迄で躊躇していたが、政府が非常事態宣言を発令し、該当都道府県知事により法律に従い(罰則を伴わない)指示を含む対応が行われるようになる。
長期戦となると、政策目標として「(A) 新型コロナ死亡者数 + (B) 経済的関連死亡者数 ⇒ 極少化」が明示的に掲げられるようになるだろう。またその際の前提条件として、「(A) 新型コロナ死亡者数 ≧ (B) 経済的関連死亡者数」も明示的あるいは暗示的に伴う。
各国指導者及び政府は、事態の進展とともに上記の多様な要素を勘案し、ジレンマと闘いながらそれぞれのアレンジで政策を組み立てて遂行して行く事となる。
例えば米国について言えば、太平洋戦争で零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の脅威に対抗するために、グラマン・へキャットを開発増産しパイロットを促成栽培し物量作戦によって制空権を制したように、今トランプは人工呼吸器とそのオペレーター量産の圧倒的物量作戦を主軸に、この戦いを勝ち抜こうとしている。
◆コロナ禍の嵐の後◆
下記は、予想である。
●新型コロナ禍は、かつてのスペイン風邪がそうなったように、時期は読めないが何時かは収束する。その規模は見通せないものの、多くの人命の毀損と経済社会の破壊と財政の損傷を伴うが、各国の対処の仕方等によってその差が出て、国力の順位が入れ替わるだろう。
●中国は情報隠蔽国家であり今回の新型コロナ禍の元凶であると共に、一方電脳ナチズム(国家社会主義)、電脳監視国家として、その抑え込みに成功する可能性はある。
だが、もし成功すれば、その電脳ナチズム性、電脳監視国家性は、不可逆的に高度化して行くだろう。そして医療援助等を通してイタリア等の援助国の属国化をより図って行くだろう。
●今回改めて明確になったように、中国は、独裁国家に定番の隠蔽体質であるのに加え、無宗教(自由な宗教活動の禁止)国家であるため、自国民の生命、財産すら軽んじている上に、道徳性が内面的支えを持たない(即ちほぼ道徳性が無い)ために、同じ強権国家のロシア等と比較しても内外共に危険度の高い国家である。
(一方で、イラン等の一部の宗教国家や韓国のカルト宗教のように、合理性を欠いた集団は今回多くの被害を出している)
●このように中国リスクは高く、生産拠点、サプライチェーンとして外して行くと共に、巨大なマーケットではあるが、市場としてもインバウンド需要の相手先としても、比率を下げて行くべき国であると認識されて行くようになるだろう。
●中国に対してだけではなく、各国は他国への依存度そのものを低減させて行くだろう。今回のようなウイルス危機を含め、国際的危機の時期には、少なくとも「人的鎖国」を行っても経済が持つ体制にして行く。
●また製造業の国内回帰も始まる。食料自給率、エネルギー(準)自給率の向上も図られる。後者について日本でいえば、メタンハイドレードの採掘開発、また原発による電力確保が必要とされる。(但し,福島事故の合理的フィードバックは未だ不十分である)
●国家主権がより強調される。 即ちグローバル化は、巻き戻されて行くだろう。EUは解体に向かう。一方で強国の完全な庇護を受け属国化、完全植民地化を目指す国も現れるだろう。
●国力強化のため「ナショナル・ミニマムを伴う自立社会」が目指される。税金や社会保険料は抑えられ、年金はうっかり長生きしてしまった場合の文字通りの保険として、年金を貰わず、死ぬ数年前まで週休3、4日で働き続けられる社会を実現した国が、競争を制することになるだろう。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
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- (決定稿)新型コロナ禍の現在 掴めぬ全容と見えて来た事(アゴラ 2020年04月09日 06:00) 佐藤鴻全 2020/4/09 14:36:30
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