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GPIFが15兆円超の損失を計上した可能性
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2020年4月 3日 植草一秀の『知られざる真実』
『低金利時代、低迷経済を打破する最強資産倍増術』(コスミック出版) https://amzn.to/38toyZC にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の問題点を記述した。 GPIFは私たちの老後年金資金を一括管理運用している。 2014年10月に基本ポートフォリオの大幅変更を正式に決定した。 それまでの国内債券中心の運用を株式、外貨建て資産にウェイトを置く運用に変えた。 ゼロ金利時代であるから資金運用においては工夫をこらさないと高い運用リターンを得られない。 株式や外貨建て資産の比率を引き上げることは一概に否定されるものではない。 しかし、金融変動を洞察してポートフォリオ変更のタイミングを適切に選択すること、金融波乱の発生を的確に想定してリスクをヘッジする対応を取ることが必要不可欠だ。 GPIFは2014年10月に基本ポートフォリオの大幅変更を正式に変更した。 これまでは国内債券に60%、国内短期資産に5%が配分されていた。 国内株式に12%、海外株式に12%、外国債券に11%が配分されていた。 安全資産に65%が配分され、相対的にリスクの高い資産への資金配分は35%に抑制されていた。 これが、国内債券35%、国内株式25%、外国株式25%、外国債券15%に変更された。 株式での運用が50%、外貨建て資産での運用が40%に引き上げられた。 この運用比率変更が実行されたのが2014年10月。 日本株価と米ドルが急騰した直後に比率変更が行われた。 最悪のタイミングだ。 2012年末の、日本株価が低迷し、米ドルが最安値水準にあるときに運用比率変更を実行したのなら合理的だ。 しかし、株価とドルが急騰した直後にこの比率変更を行えば、いわゆる「高値つかみ」になるリスクがきわめて高い。 実際、GPIFは2015年に11兆4197億円もの損失を計上した。 最低最悪の資金運用だった。 年金資金のような長期資金の運用においては、運用資産配分を長期的視点で決定し、大きくはこれを変動させない運用が行われることが多い。 しかし、株式市場においては10年に1度のペースで大規模調整が、1年に1度のペースで中規模調整が発生している。 この現状を踏まえれば、長期資金運用においても、こうした大規模調整、中規模調整の際に巨額損失を計上しない取り組みが求められる。 しかし、GPIFではそのような運用が行われていない。 それにもかかわらず、年間400億円近い管理運用手数料が受託金融機関に支払われている。 受託金融機関の多くが外資系企業だ。 国民の老後資金が業者の利益として消えてしまっている。 本年1月末以降に内外株価が急落した。 この変動によってGPIFが再び巨額損失を計上した可能性がある。 GPIFの2019年末運用資産残高は169兆円。 GPIFは運用資産の詳細を公表していないから推計によるしかないが、基本ポートフォリオでの運用が行われ、一定の仮定を設けて試算をすると、2020年1−3月期にGPIFが15.8兆円の損失を計上した可能性がある。 国内株式で8.5兆円、外国株式で10.1兆円の損失を計上し、国内債券で0.2兆円、外国債券で2.6兆円の評価益を計上したこと推計される。 15.8兆円は昨年末のGPIF運用資産残高の9.3%にあたる。 私たちの老後資金残高の約1割がたった3ヵ月で消滅してしまったことになる。 私が執筆している会員制レポート 『金利・為替・株価特報』(TRIレポート) http://uekusa-tri.co.jp/report-guide/ では1月23日執筆の1月27日号で内外株価の下落予測を提示した。 株価急落が想定される局面では、GPIFのような長期運用資金においても、先物取引などによってヘッジすることのよって評価損失を回避することができる。 的確な資金運用戦術によって損失を回避できる運用機関に資金運用を委託するなら高額の管理運用手数料を支払うことも是認できるが、現状はそのような運用体制が敷かれていない。 3月31日で終わる四半期の運用実績なら4月1日に確定できる。 その運用実績の公開が7月まで先送りされるのは国会での追及を回避するためであると推察される。 国会はGPIFに運用実績概算の即時開示を求めるべきだ。 |
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