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虚構新聞がついに本気を出してきた。現実こそが虚構だと。
— Ken Urano (@uranoken) April 1, 2020
新型コロナ「『他人事』ではなく『自分事』に」 識者に聞く https://t.co/ZxbeHYHsug
新型コロナ「『他人事』ではなく『自分事』に」 識者に聞く(虚構新聞)
https://kyoko-np.net/2020040101.html
世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス。感染者数が増加傾向にある日本でも「4月1日からロックダウン(都市封鎖)が決まった」とするデマがネット上で拡散するなど、社会不安が高まりつつあります。パニックに陥らないためには、まず科学に基づいた確実な情報を知ることが大切です。科学を一般の人たちに分かりやすく伝える科学コミュニケーターの本田隆行さん(37)に話を聞きました。
――今回の新型コロナウイルスについて、いま分かっていることを教えてください
今世界中を騒がせている「新型コロナウイルス」は、私たちが普段引いている風邪の原因となるウイルスの1つである「コロナウイルス」の一種です。ただ、これまで知られていたどのタイプのコロナウイルスとも違うため、研究が進められているものの、詳しい性質や対応策はまだ十分に分かっていません。また、地球上の人間が初めて感染する状況にあり、誰も体に防御する機能(=免疫)が備わっていないため、世界中での感染拡大が問題視されているのです。
――感染するとどのような症状が出るのでしょうか
ニュースなどでは当初、新型コロナウイルス感染症のことを「新型肺炎」と呼ぶことがありました。そのため、肺炎のイメージを強く持っている人が多いのではないでしょうか。
ちなみに、厚生労働省が出している帰国者・接触者相談センターの相談する目安は次の通りです。
(1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなけれなならない場合を含む)
(2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
(※高齢者や基礎疾患のある人は、上記の状態が2日程度続く場合)
もちろん通常の風邪であっても、こじらせると肺炎になることは珍しくありません。ただ、新型コロナウイルスの場合は特に気管支や肺に炎症を起こす特徴を持っているようです。
――日々感染者数の増加が報道されて、もはや誰が感染してもおかしくない状況になりつつあります。まず自分が感染しないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
それはとても単純なことで、「ウイルスに触れないこと」です。大きく2つの方法があります。
1つは「ウイルスがいる場所、いる可能性が高い場所に行かないこと」。ウイルスは人から人へと乗り移っていくので、人に近づく場所、人が密集している場所、そして人が密閉されている場所に行かないようにすることが大事です。
――どれくらい人から離れればよいのでしょうか
「2メートル」という目安があって、お互いにラジオ体操をしてみても手が当たらないくらいの距離になるでしょうか。そのくらい離れれば危険度は確実に下がります。
――他にはどのような対策がありますか
もう1つは「ウイルスに触れたら洗い流す」。ウイルスは目に見えないほど小さいので、どれだけ気を付けていても他人が触れた場所や、ウイルスが留まっている場所に触れてしまうことは避けようがありません。そこで、とにかくこまめに手を洗い清潔に保つことが大事になります。少し面倒くさいと思う人がいるかもしれませんが、手のひらだけでなく手の甲、指の間、爪の間、手首も石鹸で洗うことで、ウイルスの数は洗う前の1万分の1にまで減らすことができます。
この2つの徹底が最も単純、そして確実な感染予防法です。
――「知らない間に人にうつしてしまうのではないか」という不安もあります
最近は感染経路が分からない感染者が増えていて、その理由に一定数の「無自覚感染者」が関わっていることは間違いないでしょう。「自分が感染しないこと」と同時に「周りに感染を広げないこと」が大事であるということを肝に命じなければなりません。
――感染を広げないためにはどうすればいいでしょうか
手始めにできることは「できるだけ家にいること」「咳エチケットを徹底すること」の2点です。
1つ目の「できるだけ家にいること」ですが、他人に近づく場面を出来るだけ少なくすれば、おのずと周囲に感染を広げる可能性は減ります。
今のところ日本では「家から一歩も出るな」という厳戒令は出ていないので、必要な買い物や息抜きに屋外を散歩することは可能です。ただ、今しなくてもいい会合やパーティー、特に屋内のレジャーなどは人と密に接する可能性を増やします。無自覚な感染拡大を防ぐのに「家にいよう」という心がけはとても大事です。
2つ目の「咳エチケット」は、新型コロナウイルスに限らず感染症予防として重要です。
咳やくしゃみは小さな飛沫を約2メートルほど飛び散らせます。もし自分が感染していたら、その飛沫の中にウイルスを潜ませることになるのです。また、手で口を覆ったとしても、その手で周囲のものを触ってしまえばウイルスを擦りつけてしまいます。自分の体から出て行く可能性のあるウイルスを減らすために、咳エチケットはとても重要なマナーなのです。
――品薄で手に入りにくくなっていますが、マスクの着用はどうでしょうか
もちろんマスクは自分から飛び出るウイルスを止めるのに有効です。しかしマスクがあれば大丈夫ということは決してありません。2つの心がけを十分に徹底していれば感染予防、拡大予防をすることはできます。
――ワクチンの開発が進んでいると思うのですが、現状はどうなっていますか
新型コロナウイルスは発見されたばかりで、まだワクチンを作るために必要な研究を各国が必死におこなっている段階です。一般的にウイルスのワクチンは製造に少なくとも1年以上かかることがあり、いますぐにワクチンを手に入れるのは困難な状況です。
――まだ先は長い、ということですね
騒動が収まるには、「治療法が確立される」、または「感染者数が増えて免疫を持っている人が多数になってしまう」が考えられます。どちらにせよ、騒動が収まるまで時間がかかるのではないかと予想されます。
――日本は「今が瀬戸際」と言われて、様々な行動の自粛要請が続いています
経済活動が停滞することは大問題ですし、このままずっと家にいるのはストレスも溜まります。しかし一旦感染が爆発的に拡大してしまえば、医療現場の許容量が超えてしまい、社会的に取り返しのつかない状況になる可能性もあります。政治、行政、民間企業などにはそれぞれ短期的、長期的な対応策を練ってもらうとして、個人としてはひとまず自分たちができることを可能な範囲内で長く続けることが大事になるのではないでしょうか。
――本田さんは今の状況をどのようにご覧になっていますか
自分の健康は自分の力で守れたとしても、もしかすると自分がとった何気ない行動がすぐ近くにいる人の健康を損ねてしまうかもしれないということを、今回の新型コロナウイルス騒動ではまざまざと見せつけられています。
何気ない日常は、とても大事な健康の上に、そして多くの人の仕事の上に成り立っています。その当たり前の日常を、取り返すことのできない「いつか」のものにしないためにも、今一人一人ができることは必ずあります。
それは決して難しいことではなく、心がけはとても些細なことです。新しい情報を常に得ながら「他人事」と思わずに「自分事」として向き合い、そして少しでも楽しんで取り組むことができれば、長期化する可能性の高いこの状況を乗り越えていけるのではないでしょうか。家での過ごし方、健康的な気分転換の仕方、新しいコミュニケーションの取り方、仕事の仕方など、楽しみを見出すためのヒントは、思いの外たくさんありそうな気がしています。
――ありがとうございました
(※今日4月1日はエイプリルフールです。)
本田 隆行(ほんだ・たかゆき)
1982年、大阪府枚方市出身。神戸大学大学院自然科学研究科地球惑星科学専攻修了(理学修士)。枚方市役所勤務を経て、2012年より東京・お台場にある日本科学未来館へ移り「科学コミュニケーター」としての修業を積む。2015年からフリーランスとなり、活動の場を広げている。
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