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五輪ファーストが招いたコロナ感染拡大
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2020年3月26日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍内閣のコロナウイルスへの対応が支離滅裂だ。 1月下旬には中国での爆発的な感染拡大が明らかになっていた。 本ブログでは1月25日付記事 「常に後手に回る政策対応が日本崩壊の主因」 https://bit.ly/396vaNV に次のように記述した。 「安倍内閣は利権まみれの東京汚リンピックを推進しているが、新型肺炎の感染拡大によって東京汚リンピックが開催中止に追い込まれる可能性も否定し切れない。」 その後、1月30日に 「「新型肺炎でオリンピック中止」デマ拡散」 の記事が配信された。 本ブログ記事のことを「デマ拡散」と表現したのかどうか分からないが、2020年の東京五輪開催は不可能になった。 安倍内閣はコロナウイルス感染拡大に対して無策だった。 「水際対策」を叫ぶなら、中国全土からの人の流入を遮断する必要があっただろう。 感染拡大を阻止する施策を推進する必要もあった。 2月3日に横浜港に帰港したダイヤモンド・プリンセスに対して日本政府は、すでに2月1日に沖縄県那覇港で検疫と入国手続きを完了していた。 安倍内閣は実施済みの検疫を取り消して、再度、検疫を実施した。 しかし、3711人の乗員乗客に対して273人にしかPCR検査を実施しなかった。 3711人の乗員・乗客を密閉された船内に監禁して、感染の爆発的拡大という悲劇を生み出した。 国内では感染拡大阻止を最優先するべきだったが、安倍内閣の対応は支離滅裂だった。 2月24日に専門家会議から「これからの1、2週間が、感染が急激に拡大するか、感染を収束できるかの瀬戸際になる」との見解を発した。 このときには、学校休校もイベントの一斉自粛も要請しなかったが、北海道知事が非常事態宣言を発すると、突然、全国一斉の学校休校、イベント自粛を要請するという場当たり対応を示した。 ところが、その一方で、3月1日の東京マラソン、3月8日のびわ湖毎日マラソン、名古屋ウィメンズマラソン実施を強行した。 東京マラソンでは7万人の市民による濃厚接触が創設された。 ギリシャ政府が聖火リレーを中止したにもかかわらず、五輪組織委員会は日本での聖火リレーを強行する方針を掲げ続けた。 東北地方での復興の火展示では、多数の市民が濃厚接触状態を形成したが、これも容認した。 安倍内閣、五輪組織委員会、小池百合子東京都知事はWHOがパンデミック宣言を発したあとも、7月24日の五輪開催を叫び続けた。 感染拡大を防ぐには検査を拡充することが基本になる。 感染を早期に発見し、感染者の行動を抑止する。 感染を早期に発見し、高齢者、基礎疾患保持者の重篤化を防ぐ。 世界の各国がこの対応を進めてきた。 ところが、安倍内閣はPCR検査を徹底的に妨害する措置をとり続けてきた。 検査を実施して感染を確認すれば感染者数としてカウントしなければならない。 発表する感染者数を少なく見せるためにPCR検査を妨害するという天下の愚策を展開し続けた。 この愚策の最高責任者が安倍首相であり、現場責任者が加藤勝信厚労相だ。 安倍首相は2月29日の記者会見で、 「かかりつけ医など、身近にいるお医者さんが必要と考える場合には、すべての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保いたします」 と述べながら、かかりつけ医の判断でPCR検査を受けることができる運用を徹底的に拒んでいる。 日本に医療機関は11万あるが、PCR検査を実施する医療機関を860の帰国者・接触者外来に制限している。 しかも、帰国者・接触者相談センターが帰国者・接触者外来での受診をほとんど許可しない。 小池百合子東京都知事は3月25日になって、突然「感染爆発・重大局面」と言い始めた。 こんなことは1月末に示すべきことだった。 感染抑止ではなく五輪ファーストで突き進み、3月1日に東京マラソンを実施しておいて「感染爆発・重大局面」とは恐れ入る。 重大局面は安倍内閣、五輪組織委員会、小池都知事が生み出したものだ。 鳩山友紀夫元首相のツイートは正鵠を射るものだ。 https://bit.ly/3awFU9u |
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