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新型コロナ解説で「安倍批判は控えてほしい」と某局ディレクターに言われた<上昌弘氏>
https://hbol.jp/215315
2020.03.20 月刊日本 ハーバー・ビジネス・オンライン
(Photo by Stanislav Kogiku/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)
亡国の淵に立たされた日本
安倍政権は新型コロナウイルスの対応で後手に回っている。「医療崩壊」という言葉を錦の御旗にウイルス検査も僅かしか実施せず、感染者の人数を過少評価している。これに対して、専門家から批判の声が上がっている。
韓国では政権擁護派から「医療崩壊した」などというデマが流されていたが、そのようなことはなく、検査を徹底し、新規感染者数も減りつつあり、欧米諸国も韓国の対応を評価しているのが現実だ。
しかし、安倍政権やメディアがそれらの声を封じ込めようとしている。明日21日発売の日本の自立と再生を目指す闘う言論誌『月刊日本 4月号』では、巻頭特集「亡国の淵に立たされた日本」と題した特集内で、日夜メディアで新型コロナウイルスについての発信を続けている医師・医療ガバナンス研究所理事長である上昌広氏による衝撃的な告白を掲載している。
今回はその上氏の告発を転載・紹介したい。
「安倍政権の批判は控えてほしい」
―― 上さんは医師・研究者としてテレビに出演し、安倍政権の新型コロナウイルス対策に警鐘を鳴らしてきました。しかし最近、圧力を感じることがあったそうですね。
上昌広氏(以下、上):先日、某局のディレクターから「上層部から『安倍政権の批判は控えてほしい』と言われている」と釘を刺されるということがありました。新型コロナの問題で、メディアの自主規制が働いていると感じました。
現在は海外メディアからの取材依頼が増えています。理由を聞くと、「日本には独自の意見を自由に発言する医師や専門家がほとんどいない。政府から独立している専門家を起用したいと思い、『誰か該当する人はいないか』と尋ねると、あなたの名前が上がることが多かった」と話してくれました。
「政府から独立している」というのは、政府とは関わりがないということです。確かに政府と関わりのある専門家は立場上、政府の見解と異なる意見を言いにくい。しかし私にはそういうしがらみがないので、研究者として正しいと思ったことを自由に発言することができます。そういう事情で私に声がかかったり、かからなかったりするのだと思います。
―― 安倍政権は専門家の政権批判を封じ込めようとしているようです。3月に入ってからは情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)が3月4日に放送した内容について、厚労省が番組名を挙げて名指しで批判したものの、その後「訂正したい」と反論を撤回するという騒動がありました。
上:政府が口を出せばメディアは忖度してくれるかもしれませんが、ウイルスは忖度してくれません。いまウイルスに対処するために必要なのは、自由闊達な議論です。
新型コロナは新しいウイルスであり、それゆえウイルスの正体や対策について様々な観点から議論する必要があります。そうやって議論を積み上げていけば、やがてコンセンサスも得られるはずです。それが締め付けられるようなことはあってはならないと思います。
―― 上さんは自由な立場から政府の問題点を指摘しています。まず政府は水際対策として2月1日に中国湖北省からの入国を制限し、3月8日には中国、韓国からの入国を制限しました。
上:実は、これらの措置は水際対策になっていないのです。水際対策は外部感染を防ぐものですが、内部感染が始まっている状況ではあまり効果がないからです。
たとえば中国は1月23日に武漢を封鎖しましたが、中国本土の感染拡大を防ぐ効果はほとんどなかったことが明らかになっています。これはアメリカの医学誌『サイエンス』に掲載されたボストンの大学の研究成果です。
日本政府は2月1日に湖北省からの入国を制限しましたが、この時点ですでに国内感染が広がり始めていたと考えられるため、水際対策の効果はほとんどなかったと思います。仮に1月下旬の時点で入国制限を行っていても、大した違いはなかったはずです。
政府は3月5日に中国と韓国からの入国を制限する追加措置をとりましたが、これも医学的にはほとんど無意味です。現在の状況では中国人と韓国人から日本人に感染するリスクよりも、日本人同士で感染するリスクのほうが圧倒的に多いからです。追加措置の効果は誤差の範囲内だと思います。
政府の対応に医学的根拠はない
―― 政府の専門家会議は2月24日に「この1〜2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だ」という見解を発表しました。
上:根拠が分かりません。そもそも日本では検査体制が不十分なので、感染拡大のスピードが把握できていない。それだから、そもそも「瀬戸際」かどうかも分からないはずです。実態を把握しない限り、感染拡大のスピードを抑えるというような議論は成り立たないと思います。
―― 政府は26日にイベント自粛を、27日には全国の小中高校に一斉休校を要請しました。
上:イベント自粛に感染拡大を防ぐ効果があるという研究や論文は見たことがありません。常識的に考えれば感染の機会を減らすかもしれませんが、医学的な根拠はないと思います。
一斉休校も同様です。確かにインフルエンザの感染が起きた学校を休校にすることには、感染拡大を防ぐ効果があることが証明されています。しかし感染が起きていない学校を休校にすることで感染を予防できるかどうかは別の問題です。今回、安倍総理は感染の有無にかかわらず、全国一律に休校を求めましたが、医学的な根拠はよく分かりません。
一斉休校に根拠がないならば、学校再開にも根拠がないことになります。今後、安倍総理はどういう理屈で学校を再開するつもりなのか。皆目見当がつきません。
「研究」を優先した結果、医療現場は大混乱
―― 日本は他国に比べてPCR検査の件数が少ないのも問題です。たとえば2月下旬の時点で韓国は約6万7000件検査しているのに対して、日本はクルーズ船を含めても約6200件にすぎませんでした。
上:たったそれだけの検査では、感染状況の実態を把握することはできません。これまで明らかになった感染者は氷山の一角にすぎない。日本の感染者の数は過小評価されているのです。
そもそも政府は「重症者を検査・治療する」という方針にもとづき、検査対象を厳しく限定してきました。PCR検査がうけられるのは保健所(帰国者・接触者外来)で必要が認められた重症者だけ。無症状や軽症の患者は最初から無視するということです。
現に政府は1日約3800件の検査が可能だと説明していましたが、実際には1日数百件の検査しか実施していませんでした。政府に感染者の人数を把握するつもりがないのは明らかです。
―― 政府が検査件数を増やさないのは感染者を少なく見せたいからではないかという疑念も生まれています。なぜ政府は検査を拡大しないのですか。
上:私にも分かりませんが、強いていえば感染研は医療機関ではなく研究機関なので、情報と予算を独占して実態把握や患者の治療よりもウイルス研究を優先したいという思惑があったのではないかと思います。
いずれにせよ、患者の治療に支障が出ているのは事実です。実際に検査基準が厳しすぎて、主治医が必要だと判断しても保健所が検査を拒否するという事例もありました。医師の立場からすると、患者の治療のためにPCR検査の拡大は絶対に必要です。
―― ただPCR検査の拡大には問題点が指摘されています。PCR検査を幅広く行った韓国やイタリアでは、新型コロナの患者数が激増して医療現場がパンク、医療体制が崩壊したと報道されています。
上:PCRを増やすことと、医療現場がパニックになるのは次元の違う話です。陽性になっても治療が不要な人は入院してもらわなければいいのです。
ただ、それにしても日本の検査件数は少なすぎです。重症者しか検査しないということは、無症状や軽症の感染者は放置するということです。これでは感染は拡大する一方です。PCR検査を全員にする必要はありませんが、担当医と患者が希望するものは第三者が拒否してはなりません。PCR検査は拡大する必要があります。
政府もやっとそれを認めたのか、3月8日からはPCR検査が保険適用になり、それに伴って感染研・保健所以外でも検査をうけられるようになりました。韓国、アメリカ、イギリス、ドイツなどではドライブスルーのPCR検査も導入されています。他国の知見も活かしながら、今後とも検査体制の充実を図っていくべきです。
―― 政府は患者の治療を後回しにしてきました。
上:最大の問題は、政府が1月23日に新型コロナウイルスを結核などと同じ「指定感染症第2種」に指定したことです。そうすると、指定感染症の患者は隔離病棟など特殊な設備をもっている国の指定医療機関に隔離されることになります。第2種に対応できる指定医療機関は全国に348か所あります。
つまり、第2種に指定したことで、新型コロナの患者は全国に348か所しかない特殊な医療機関でしか対応できず、一般の病院では対応することができなくなったということです。
その結果、医療現場では大変な混乱が起きています。すでに一般の病院やクリニックでは感染の疑いがある患者を受診拒否したり、院内感染が発覚して病棟を閉鎖したり診療を休診したりする事態になっています。
しかし本来、新型コロナはインフルエンザのような病気です。それが結核などと同じ第2種に指定されてしまったから、新型コロナの感染者が見つかる度に医療現場がストップしてしまうのです。現場の医師たちは「とにかく第2種指定を外して、インフルエンザと同じような扱いにしてくれ。これでは身動きがとれない」と悲鳴をあげています。
「重症者の検査・治療を行う」という方針やPCR検査の限定的実施、「指定感染症2種」への指定などは、いずれも患者の治療よりもウイルスの研究を優先したものです。その結果、患者の治療は後回しにされ、医療現場では混乱が起き、患者が困っているのです。政府は従来の方針を転換して、治療体制の確立に全力をあげるべきです。
(3月11日インタビュー、聞き手・構成 杉原悠人)
月刊日本
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
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