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首相に逆風、「石破雪崩」起きるか 政権の行方占う軸に
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2020年3月6日 20時00分 フロントライン 朝日新聞
政府と自民党、それぞれの支柱として手を携えたのも今は昔。安倍晋三首相(65)と石破茂元幹事長(63)を分かつ溝はいま、政権の行方を占う対立軸と化している。
2月12日午後、衆院第1委員室。与党席に座る石破氏は憮然(ぶぜん)とした表情で、予算委員長席に詰め寄る野党議員の猛抗議を聞いていた。
その直前、野党議員に「タイは頭から腐る。そろそろ首相自身の幕引きだ」と批判された首相は「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばした。続く野党の質疑で首相が「質問ではなく罵詈(ばり)雑言の連続。こんなやりとりでは無意味と申し上げた」とヤジを正当化すると、石破氏は首をかしげた。
衆院予算委で、立憲民主党の辻元清美氏の質問終了直後、自席から「意味のない質問だよ」と発言する安倍晋三首相(中央)=2020年2月12日午後2時47分、岩下毅撮影
翌13日昼の石破派の例会で、石破氏はこんなあいさつをした。「私が議員になった頃は『七三の構え』の教えがあった。国会運営は野党に7割、罵詈雑言を浴びせられようが平身低頭。自民党にはそういう知恵があった」。そして、周辺にこう漏らした。「総理は、おれとは色々な意味で違う人なんだな」
2012年9月、野党自民党の総裁選を制した首相は、敗れた石破氏を幹事長に起用した。「政権を奪還するための強力な布陣」と自賛し、3カ月後に政権に復帰。安倍、石破両氏は、二人三脚で政権運営にあたった。それから7年余り。党総裁任期の満了が近づく首相と、多くの世論調査で「ポスト安倍」候補のトップに立つ石破氏は、いま視線も合わせないほどに仲が冷え込む。
自民党総裁選を終え、手をつなぐ安倍晋三、石破茂の両氏ら=2012年9月26日午後2時32分、東京・永田町の自民党本部、樫山晃生撮影
昨年末、首相はBSテレ東の番組で「自民党は人材の宝庫」と語り、ポスト安倍候補として岸田文雄政調会長(62)、茂木敏充外相(64)、菅義偉官房長官(71)、加藤勝信厚生労働相(64)の名を次々と挙げた。「石破さんはどうですか」と司会者に振られた首相はこう応じた。「チャレンジ精神にあふれた方だろうと思う」
首相周辺は、その首相の言葉を「石破さんに対する皮肉」と解説。首相への対決姿勢もあらわな石破氏に対する当てこすりだったとする。
首相と石破氏、異なる系譜 主張も対照的
◇
初登院しバッジをつけてもらう安倍晋三氏(自民)=1993年8月
政治家一家に育ち、中国地方で父親の地盤を受け継いで政界入りした両氏。ともに「保守」を標榜(ひょうぼう)するが、たどった系譜は大きく異なる。
当時、最年少の衆院議員として初登院した石破茂氏=1986年7月
首相の「保守」像には、祖父・岸信介元首相の影響が色濃くにじむ。後の保守本流路線の基底をなす「軽武装・経済重視」の吉田茂元首相に対抗し、自主憲法の制定をめざした岸氏。その思いを継ぐ首相は、現行憲法を「押しつけ憲法」と捉える「右派路線」を一貫して歩んだ。所属する派閥・清和会では早くから首相候補と目され、06年に1度目の首相に就任。初の戦後生まれの首相だった。
石破氏の原点は、田中角栄元首相の書生経験だ。中曽根派などの禄も食(は)んだが、「権力を抑制的に使うのが『保守本流』と教えられてきた」と、吉田元首相の流れをくむ田中派の教えを忘れない。1993年に宮沢喜一内閣への不信任決議案に賛成票を投じて離党、4年後に復党した経緯があり、「党が苦しい時に逃げた」(幹事長経験者)との批判もつきまとう。
2人の信頼関係が大きく損なわれたのが、14年秋の内閣改造・党役員人事だ。
翌年の通常国会で、集団的自衛権行使の一部容認などを盛り込む安全保障関連法の成立を期していた首相。担当大臣の人選に悩んだ末、白羽の矢を立てたのが安保通の石破氏だった。
そのころ、首相周辺では幹事長としての石破氏の調整力や根回しの手腕を疑問視する声も上がっていた。石破氏は閣僚へのスライドを「体のよい更迭」と受け止めた。首相の内々の打診に言葉を濁し、出演したラジオ番組で「首相と100%(安全保障の考えが)一緒の人が答弁するのが一番いい」と主張。記者会見でも「(担当相になれば)閣内不一致になる」と不満を漏らした。
「まち・ひと・しごと創生本部事務局」の看板を掲げる(左から)石破茂地方創生相、安倍晋三首相、菅義偉官房長官=2014年9月5日午後、東京都千代田区、代表撮影
「任命権者に先んじて人事を語るのはあり得ない」。菅官房長官は首相に石破幹事長の交代を進言。首相も「ラジオで幹事長の続投を求められても困る」と漏らした。9月上旬の人事で、石破氏は幹事長を外れ地方創生相に横滑りした。石破氏に近い議員は要職から外され、首相と思想や信条の近い側近たちが政権中枢に集まった。
総裁再選直後の石破派結成、首相絶句
「この件さえなければ、それ以降の安倍政権に違った展開もあり得た」。現職閣僚のひとりはそう振り返る。
◇
それから安倍、石破両氏の距離は遠ざかる一方だ。
「石破氏支援を」 側近の頼みに菅氏は
15年9月上旬、首相が総裁に無投票で再選された翌日に会議で官邸を訪れた石破氏は、記者団に石破派の立ち上げを表明した。それを聞いた首相は「総裁再選直後に派閥結成を表明するとは……」と言葉を詰まらせた。
その3年後の18年9月の総裁選で、石破氏は3選をめざす1強首相にただ1人挑んだ。森友・加計学園の問題で首相が批判にさらされる中、石破氏はキャッチフレーズに「正直、公正」を掲げ、首相の政治姿勢に疑義を突きつけた。国会議員票で支持が広がらなかった石破氏は首相に敗北。その後の人事で、石破派の大半が政府や党の要職に就けなかった。首相への忖度(そんたく)が広がる党内で、石破氏をとりまく面々は居場所を失っていった。
◇
そしていま、首相は「桜を見る会」の問題や東京高検検事長の定年延長問題、新型コロナウイルス対応の迷走などで、激しい逆風にさらされる。首相の総裁任期といまの衆院議員の任期の満了はともに21年秋。権力の流動化に備える政界のキーマンたちは、「次」への布石を打ち始めている。
1月末のある夜、都心のホテルのレストラン。石破派会長代行の山本有二・元農林水産相(67)は政権の番頭・菅官房長官と向き合った。
誘いをかけた山本氏の用件は明快だった。「次の総裁選、石破さんを支援してもらえないだろうか」。ステーキをほお張りながらのお願いに、菅氏もはっきりと応じた。「任期が終わるまで安倍さんを支えます」
この晩、ポスト安倍レースをめぐる両者の主張が交わることはなかったが、石破氏と距離を置いていた菅氏が山本氏との会食に応じたことを、石破氏側は大きな収穫と受け止めた。
新型コロナウイルス感染症対策についての記者会見を終え、立ち去る安倍晋三首相=2020年2月29日、首相官邸
ポスト安倍にふさわしいのは誰かを問うた朝日新聞の2月の世論調査で石破氏を挙げた人は25%。この1年ほど、調査を重ねるごとに期待値が上がる。
「今の政権と違うスタンスなのが私なので、そういうことになるのかな」。2月3日のBS番組で、石破氏はポスト安倍をめぐる世論について、そんな分析を披露した。
ただ、首相批判も辞さない石破氏の姿勢に自民党内の忌避感は根強い。当の首相は、政権復帰時から首相を支える岸田政調会長への期待感を隠さない。「岸田さんの面倒をみてほしい。腹心がなかなかいないんだ」。ある首相側近には、そんな依頼もしている。細田派幹部は「総理は石破さんだけは総裁にしたくない」と、首相の思いを代弁する。
だが、自民党内の一部では、次の衆院選を前に石破氏への世論の期待感がさらに高まれば、かつての「小泉純一郎フィーバー」のような「石破雪崩」が起きかねないとの見方も出始めている。その流れが強まったとき、阻止できるのは党総裁任期をさらに延長する「安倍4選」だけ。そう語る党幹部もいる。
政権の足元が揺れるなか、次の総裁選びの節目が迫り来る。首相と石破氏の因縁が、自民党の行方を左右するのは間違いない。(石井潤一郎)
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“1月末のある夜、都心のホテルのレストラン。石破派会長代行の山本有二・元農林水産相(67)は政権の番頭・菅官房長官と向き合った”
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相まみえ、融和し、道を分かち、対立し…「安倍対石破」の新たな行方は日本の行方とも重なります
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政府と自民党、それぞれの支柱として手を携えたのも今は昔。安倍晋三首相(65)と石破茂元幹事長(63)を分かつ溝はいま、政権の行方を占う対立軸と化している。
今や目も合わせないほど関係が冷えきっている安倍晋三首相と石破茂元自民党幹事長。二人が対立するきっかけや背景に迫りました。両者の関係は今後のポスト安倍レースの行方にも大きく関わります。
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“石破氏への世論の期待感がさらに高まれば、「小泉純一郎フィーバー」のような「石破雪崩」が起きかねない。その流れを阻止できるのは党総裁任期をさらに延長する「安倍4選」だけ。そう語る党幹部もいる”
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安倍首相と石破元幹事長。2人の仲はいま、視線も合わせないほどに冷え込んでいます。
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どちらも「保守」を標榜しながら、その系譜は大違い。
両氏の歩みをたどり、因縁の行く先を見つめます。
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“1月末のある夜、都心のホテルのレストラン。石破派会長代行の山本有二・元農林水産相(67)は政権の番頭・菅官房長官と向き合った。誘いをかけた山本氏の用件は明快だった。「次の総裁選、石破さんを支援してもらえないだろうか」”https://t.co/NliigJ79YN
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“当の首相は、政権復帰時から首相を支える岸田政調会長への期待感を隠さない。「岸田さんの面倒をみてほしい。腹心がなかなかいないんだ」。ある首相側近には、そんな依頼もしている。細田派幹部は「総理は石破さんだけは総裁にしたくない」と、首相の思いを代弁する“https://t.co/NliigJ79YN
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"首相の「保守」像には、祖父・岸信介元首相の影響が色濃くにじむ。後の保守本流路線の基底をなす「軽武装・経済重視」の吉田茂元首相に対抗し、自主憲法の制定をめざした岸氏。その思いを継ぐ首相は、現行憲法を「押しつけ憲法」と捉える「右派路線」を一貫して歩んだ"https://t.co/LzPg9IdfOT
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「桜を見る会」、東京高検検事長の定年延長問題、新型コロナウイルス対応の迷走などで、安倍首相は激しい逆風にさらされています。そんななか、政界のキーマンたちは、「次」への布石を打ち始めています。
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"誘いをかけた山本氏の用件は明快だった。「次の総裁選、石破さんを支援してもらえないだろうか」。ステーキをほお張りながらのお願いに、菅氏もはっきりと応じた。「任期が終わるまで安倍さんを支えます」"https://t.co/6NwfDMMINR
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"ただ、首相批判も辞さない石破氏の姿勢に自民党内の忌避感は根強い。当の首相は、岸田政調会長への期待感を隠さない。「岸田さんの面倒をみてほしい。腹心がなかなかいないんだ」。細田派幹部は「総理は石破さんだけは総裁にしたくない」と、首相の思いを代弁する。"https://t.co/LzPg9IdfOT
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"石破氏の原点は、田中角栄元首相の書生経験だ。中曽根派などの禄も食(は)んだが、「権力を抑制的に使うのが『保守本流』と教えられてきた」と、吉田元首相の流れをくむ田中派の教えを忘れない。"https://t.co/LzPg9IdfOT
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