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安倍後援会の新春の集い中止に思うこと
https://www.chosyu-journal.jp/column/15864
2020年2月13日 コラム狙撃兵 長周新聞
下関では安倍晋三後援会が毎年開催する新春の集い(会場・海峡メッセ下関、参加費3000円)が2月8日に予定されていたが、直前になって急遽中止の連絡が回りはじめ、参加する予定だった企業関係者や支持者を驚かせた。下関会場の他に選挙区内で長門会場や豊北会場でも別の支援者を集めて開催する予定だったが、それらもすべて中止となった。下関だけでもおよそ3000人近くの支援者を集めて立食パーティ形式でおこなってきたものだが、なぜか今回は「新型コロナウイルスの対応」を理由にドタキャンとなったのである。
目下、パーティー券を売り歩いていた私設秘書たちが一転して、今度は会費3000円の返金に走り回り、料理などのキャンセルは認められなかったため安倍晋三後援会持ちになるとかで、ヒーヒーいっている様が街中で話題となっている。3000人分の料理を受注するのは地元の某社と某社による一年ごとの輪番制。「さてはて、仕入れ等も進んでいただろうに、30000人分の食材はどうなってしまうのだろうか?」「秘書たちがてんぱってるぞ!」などと、街角ではみんなが好きなことを話している。そして安倍事務所がてんてこ舞いしている傍らで、林派がなんだか滑稽なものでも見るような顔をして眺め、「林芳正は山口3区からの衆院鞍替えが決まった。河村建夫の息子は芳正と入れ替わりで参議院ポストにおさまることで手打ちが済んだ」などと嬉しそうに話すのである。関心がそれどころではなくて、まるで知ったこっちゃないようである。
恐らくこの新春の集いには、桜を見る会に押しかけた地元支援者800人もやってきて、ホテルニューオータニどころでない大人数で「かんぱーい!」をやるつもりだったのだろう。「祝内閣総理大臣通算在任歴代最長」と銘打っていたくらいだから、「安倍先生、万歳!」「安倍先生、万歳」のボルテージが上がっていたことは想像に難くない。それは北の「将軍様、万歳!」と何が違うのだろうか? とも思うが、要するに何を成したかではなく、何年在任できたかが彼らにとって喜びの最大の基準であり、一番長い安倍晋三が凄いという設定で祝おうというのである。そうやって「安倍先生はすごい!」と持て囃されたり、おべんちゃらされることを当の本人が大好物であるという確信のもとにやっているように見えて仕方がない。JC(青年会議所)の若手などが「昭恵さん! 昭恵さん!」とファンクラブみたく囲っていくのも同じである。政治に投機することによって、なんだかこの街でのポジションをゲットしようという下心が見え透いていて、傍から見ているとそんな感覚の延長線上に桜を見る会があったんだろうに−−と思うのである。
新春の集いを中止したのは「新型コロナウイルス対応」というよりは、やはり桜を見る会の前夜祭を彷彿とさせる映像が全国のお茶の間に流され、刺激を与えることへの懸念が最大の理由であろう。事実、マスコミや週刊誌はこの日のために大挙して取材しようと試みていたし、仮に「万歳! 万歳!」の映像が流れようものなら、「反省のない山口県人ども」の絵としてはさぞかし刺激的なものになったことは疑いない。おかげで3000人以外の山口県民までひとくくりにされ、またまた白い目で見られるところだった。
それにしても、桜を見る会に支援者を招待しまくったのも安倍事務所なら、新春の集いに誘いまくったのも安倍事務所であり、なにもわからない支援者がその度に恥ずかしい思いをしたり、振り回されているように見えて仕方がない。いったいなにがしたいのだろうか?
吉田充春
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