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検査対象の2割が陽性 閉鎖空間「船内感染」は今後も拡大か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268808
2020/02/08 日刊ゲンダイ
条件付きでデッキには出られるが…(C)共同通信社
船内感染が広がっている。今月3日に横浜港に到着した「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客のうち、7日41人、8日朝、新たに3人の感染が見つかった。検査を受けた273人のうち、ウイスルの陽性が確認されたのは、これで計64人。およそ2割という高確率だ。今後も感染が拡大すれば、船内はパニックになりかねない。
◇ ◇ ◇
今回、検査の対象になったのは、4日時点で体調不良を訴えた人と、先月25日の下船後に発症した香港人男性の濃厚接触者のみ。船内には今も約3700人以上の乗員乗客がとどまっている。
「陽性反応が出た64人のうち、香港人男性の濃厚接触者は2人だけとみられています。もともと複数の感染源が存在したか、感染者からの2次感染、3次感染がすでに広がっている事態も考えられます」(厚労省関係者)
加藤厚労相は7日の会見で「クルーズ船という閉ざされた空間で長い期間、一緒におられた。接触が相当、繰り返されて、結果、これだけ増えたのだろう」と話していたが、それなら今後も船内感染は広がっていくのではないか。
閉ざされた空間は接触機会が多い
乗員乗客は原則14日間、船内で待機することになっていて、下船できるのは早くても19日以降だ。ウイルス感染者が64人もいた閉鎖空間にとどまることで、感染者が増えていくことも考えられる。
「新型コロナウイルスの感染力はさほど強くないとみられ、街中で普通に生活している場合に1人から感染する人数は2〜3人とされています。ただし、船という限定的な空間だと、もっと感染が広がりやすい。ウイルスのついた手で食堂のドアノブや階段の手すりなど、多くの人が接触する場所に触れる機会が多いからです。新型コロナは潜伏期でも感染し、感染しても無症状の人がいるのだから、なおさらでしょう。報道によれば、検疫が始まった日もビュッフェ形式の食事が提供されていたようですが、料理を皿に盛るトングも大人数で使いまわすので、感染を媒介しやすい。ただし、直ちに命の危険があるようなウイルスではないので、過剰に恐れる必要はない。船内に残る3700人の中にもまだ感染者はいると思いますが、手の消毒で感染はかなり防げる。条件付きでデッキに出ることが許可されている以上、接触感染の機会はあちこちにあり、全員を船室内に閉じ込めておくことに意味があるかは分かりません」(医学博士の左門新氏)
少なくとも、検査で判明した64人の感染者の濃厚接触者には、追加の検査が必要だろう。そこで感染が確認されれば、また濃厚接触者を検査し……ときりがない。船内での発症起点がズレれば、待機期間の延長もあり得る。
乗員乗客からは全員の検査を求める声も上がっているというが、仮に大量の感染者が見つかった場合、すぐに搬送先の病院を確保できるかも分からない。感染症指定医療機関の病床数は、全国でも1750床程度しかない。7日に陽性が確認された41人は、東京と神奈川だけでは病床が足りず、埼玉、千葉、静岡の受け入れ可能な医療機関にも搬送された。
ダイヤモンド・プリンセスでの待機期間はまだ10日以上。19日に下船できればまだいいが、待機はいつまで続くのか。その間にも船内感染が広がっていくのか。乗客の不安は高まる一方だ。
【社会】横浜港に到着したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客から、また新たな感染者が見つかり、計64人に。待期期間はまだ10日以上あり、船内感染は今後も拡大する恐れも…。https://t.co/CfgL9bkDTk #日刊ゲンダイDIGITAL
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) February 8, 2020
感染者が見つかった場合、すぐに搬送先の病院を確保できるかも分からない。感染症指定医療機関の病床数は、全国でも1750床程度しかない。7日に陽性が確認された41人は、東京と神奈川だけでは病床が足りず、埼玉、千葉、静岡の受け入れ可能な医療機関にも搬送された。
— Naruta まさあき (@tompiripi) February 9, 2020
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