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【立憲・国民の合流構想 破談を仕組んだ“裏切り者”】
— サンデー毎日編集部 (@tsunday3) February 4, 2020
立憲民主党と国民民主党の合流は「破談」となった。これには、安倍晋三首相も高笑いをしていることだろう。意欲的に見えた両代表はどこですれ違ったのか。裏切り者がいるのか。取材を続けるジャーナリストが検証する。
『サンデー毎日』2/16号
立憲・国民の合流構想:破談を仕組んだ“裏切り者” 安倍首相の高笑いが聞こえてくる=ジャーナリスト・鈴木哲夫
https://mainichi.jp/sunday/articles/20200203/org/00m/070/004000d
2020年2月5日 05時00分(最終更新 2月5日 05時00分) サンデー毎日
政党の合流について話し合いに臨む立憲民主党の枝野幸男代表(左)と国民民主党の玉木雄一郎代表=国会内で2019年12月6日午後、大西岳彦撮影
立憲民主党と国民民主党の合流は「破談」となった。これには、安倍晋三首相も高笑いをしていることだろう。意欲的に見えた両代表はどこですれ違ったのか。裏切り者がいるのか。取材を続けるジャーナリストが検証する。
まずもって、私の確信を持った読み通りに進んでいないことを読者の皆さんに対してお詫(わ)びしなければならない。立憲民主党と国民民主党の早期合流の実現についてである。
当初は昨年末が目標だったが、それは年をまたぎ、通常国会にも間に合わなかった。私は2017年の総選挙以降、これまでの2年以上にわたる経過取材で昨年の参院選後にいよいよ立憲の枝野幸男代表はハラを固めたこと、国民民主の玉木雄一郎代表は合流推進を一貫して進めてきたことなどから、年内にも合流・新党結成と読んだ。ところが、合流協議は難航し一旦中断。いまもまだなし得ていない。深層では何があったのか。
本格的な合流協議が始まったのは枝野氏の呼びかけだった。昨年12月、臨時国会終盤。「政権を奪取するために、立憲民主党とともに行動してほしい」と国民民主や社民党に呼びかけた。
協議呼びかけ後、枝野・玉木両党首会談は表向きには2回とされるが、水面下では5回以上にわたって向き合ったという。場所は、国会議員宿舎やホテルの一室などが使われた。
立憲の枝野氏側近や国民民主幹部の話を総合すると、これらオフレコの会談は、議員宿舎でのペーパー≠フやり取りから始まったという。
「枝野代表は合流に際しての覚書のようなものを出した。『存続政党を立憲民主党とする』と書かれていたが、一方では『保守・リベラルの枠を超えて』や『合併後には参院会長を選出する』など、政策的な反発もある国民民主に気を使って政策を強制しないことや、合流に反対意見が多い国民民主に参議院議員会長を譲ることなどずいぶん譲歩してあった。玉木代表は、受け取ったときには一旦了承したが翌日再びオフレコの党首会談をしたときに『受け入れられない』と言い出した。枝野代表は面食らっていた」(立憲幹部)
玉木氏が引っ掛かったのはどこか。国民民主幹部は言う。
「存続政党を立憲としていたところ。これでは吸収合併だと。政策や参院会長で譲るといってもあくまでも合併後。本当かという疑心暗鬼が生じた」
また、玉木氏の側近議員で合流に慎重姿勢を見せる面々が、ペーパーを受け取った後に玉木氏から相談を受け、ここは突っ張るべきと進言したようだ。
「同じ財務省出身の議員や選挙区事情で自民党とつながっているとされる議員らが、国民民主主導の合流ではなく、リベラルに引っ張られてしまうと反対した。玉木氏はそれに左右された」(国民民主議員)
立憲にも合流慎重派はいるが、ある発言が玉木氏を刺激してしまったとの見方もある。1月5日、立憲の重鎮、赤松広隆衆院副議長が地元名古屋の会合で合流について触れた。
「立憲民主党という名前も脱原発など基本政策も絶対に変えてはダメ。合流後の人事は向こうも何もないと可愛そうだから、玉木は代表代行ぐらいでちょっと横に置くぐらい。枝野にきつく言っておいた」
このニュースを聞いた玉木氏は「もう(合流は)やらなくていいということか」とごく近い周辺にぶちまけ、国民民主幹部は「あの発言は決定的だった」と話し、立憲からでさえ「余計なことを」(枝野氏周辺)との声が出た。
今回の合流協議を水面下で支えた面々もいる。実務者会議を行った立憲の福山哲郎幹事長と国民民主の平野博文幹事長は、合流を前提に、職員の配分まで話を詰めていたという。
立憲の安住淳国対委員長と国民民主の原口一博国対委員長。合流に向けての下地を作るために「臨時国会での国対は野党が一つになるということを意識し質問者などバランスをはかった」(統一会派国対メンバー)。その原口氏。1月25日、選挙区の会合で「合流の阻害要因は我が党にある。これでは自民党を利するだけ。(国民民主には)後ろから鉄砲を撃つ者もいる。早期の結集に向け再加速すべきだ」と自らの党を戒めた。
総選挙への協力という「糸」ある
一方の立憲も、2月の党大会で採択する活動計画案の中に、国民民主との合流について「門戸を閉ざすことなく不断の努力を行う」と明記することを決め、再協議を示唆した。
今後両党の合流はどうなるのか。国民民主幹部はこう話した。
「一本の糸がまだちゃんとつながっている。それは総選挙へ向けての選挙協力だ」
合流協議とは別に、次期総選挙へ向けての選挙区調整は続いている。たとえば、私がつかんでいる中では、熊本などは五つの選挙区で立憲、国民民主、さらには共産党までもが参加してすみ分けが固まったという。
「じつは選挙協力は合流話とは別ラインでやっている。共産党に声をかける場面もあるし、連合や市民団体が間に入る選挙区もある。空白区は約100。その1割ぐらいがまだ競合している。選挙協力しなければ共倒れするのは明白。総選挙が近づけば、選挙協力を生命線におのずから合流再協議の話は出る」(同幹部)
今回の合流協議、枝野氏は本気だった。玉木氏はそれでも引っ掛かった。ただ、はっきり言えることはこの合流は、自民党の1強に対して絶対に必要なものということだ。政治の緊張感はいつでも政権交代できる勢力がいなければ生まれない。緊張感がなければ権力は弛緩(しかん)し国民を無視して好き勝手にやる。そのためにも大きな、対抗できるかたまりは不可欠なのだ。議員数も多く支持も高く野党第1党だからこそ強い立憲はより謙虚に、そして脱落者がいても緊張感ある政治という大義へ向かって国民民主には決断する勇気が必要だということを、いま一度両党に望みたい。(ジャーナリスト・鈴木哲夫)
すずき・てつお
1958年生まれ。ジャーナリスト。テレビ西日本、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリー。豊富な政治家人脈で永田町の舞台裏を描く。テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。近著『戦争を知っている最後の政治家 中曽根康弘の言葉』『石破茂の「頭の中」』
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