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驚異的に高いコロナウィルスの伝染力
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2020年2月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が判明した乗客が61人になった。 クルーズ船の乗客・乗員は3711人。 このうちせきや発熱など症状がある120人と、症状がある人や香港で下船し感染が判明した男性と長時間接触した153人の計273人について検査が行われた。 その273人の検査が終了して61名の感染が判明した。 非常に高い比率であると言える。 加藤勝信厚労相はクルーズ船乗客で感染が確認された61人については、日本での感染者数と分けて集計すると発表した。 日本での感染者数が多くなると、五輪開催などもあり、イメージが悪化することを偽装するためであると見られる。 しかし、中国の武漢から帰国した人で感染が確認された者は日本での感染者数に含まれており、統計のベースが統一されていない。 政府はWHOの国別集計でも「その他」として扱われることを根拠としているが恣意的である。 見かけを良くしようとしても、実態に問題があれば統計数値の工作は意味を持たない。 273人だけ検査をして、そのなかの61人が感染者だった。 極めて高い比率だ。 しかし、残りの3438人に対してはPCR検査を実施していない。 実施すれば感染者がさらに拡大する可能性がある。 そもそも、ダイヤモンド・プリンセス号の乗員・乗客の入国を延期したのは、1月25日に香港で下船した80歳の男性がコロナウィルスに感染していることが2月1日に発表されたためだ。 これを受けて、横浜に到着したダイヤモンド・プリンセス号に2月3日、検疫官が乗り込んで乗員・乗客計3711人に対して健康状態などの聞き取りを行った。 その後、感染の疑いがあるとされた273人に対してPCR検査を行った結果、61名の感染が確認された。 感染が確認された、香港で下船した男性は1月20日に横浜で乗船し、1月25日に香港で下船した。 ダイヤモンド・プリンセス号は1月20日に横浜を出港し、2月4日に横浜に帰港するスケジュールで航行されていた。 その前半の6日間だけ乗船したのが、感染が確認された80歳男性である。 男性は1月10日に香港から中国広東省深圳市に入り、数時間滞在。 香港に戻った後、1月17日に飛行機で東京へ移動し、その後、1月20日に横浜で乗船した。 この男性がどこで感染したのかは判明していない。 中国の武漢を訪問したわけではない。 仮に、この男性がクルーズ船内での感染源だとすると、感染力は極めて大きいことが分かる。 また、症状のない感染者も存在するとのことであり、PCR検査を受けていない3438人のなかに感染者が含まれている可能性は大きいと考えられる。 また、PCR検査で陰性と判定されても、その後に感染が確認されることもある。 日本国内では、 「37・5度以上の発熱とせきなどの呼吸器症状、肺炎があり、発症前2週間以内に中国・武漢市への訪問歴があるか、武漢市に訪問歴があり、発熱と呼吸症状がある人との接触歴がある人」 だけがPCR検査の対象とされてきた。 厚生労働省は、2月4日、この条件から「肺炎である」を外したが、検査の対象になるのは、「2週間以内に中国・武漢市への訪問歴があるか、武漢市に訪問歴があり、発熱と呼吸症状がある人との接触歴がある人」ということになる。 そうなると、類似した症状があっても、「2週間以内に中国・武漢市への訪問歴があるか、武漢市に訪問歴があり、発熱と呼吸症状がある人との接触歴がある人」以外は検査の対象にならない。 しかし、香港男性も中国武漢市を訪問したわけではない。 日本国内においても、感染者でありながら、検査の対象にならない人が多数存在する可能性を否定できない。 それにもかかわらず、検査対象を広げないのは、検査を行えるキャパシティーの問題があるのだと推察されるが、その結果として感染者が隔離もされずに放置される状況が生じている可能性がある。 中国・武漢市での感染は拡大しているが、感染者の発生は武漢市および湖北省に限定されていない。 中国からの訪日者が全面的に遮断されているわけではなく、数値が発表されない間に、国内での感染者数が拡大する可能性を否定できない。 感染拡大を防ぐ対応が後手に回っている。 |
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