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施政方針は虚飾まみれ 新型肺炎に振り回される景気の脆弱
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268477
2020/02/01 日刊ゲンダイ
ウソばかり(C)日刊ゲンダイ
感染拡大の勢いが増している。重度の肺炎を引き起こす報告例も出始めた中国・湖北省武漢市を起点に広がり始めた新型コロナウイルス。中国国内での死者の数は250人を突破し、同国の感染者数は1万1000人を超えた(1日現在)。
アジアや欧州など、中国以外の国への感染もさらなる広がりを見せていることから、WHO(世界保健機関)は1月30日、国際的な公衆衛生上の「緊急事態」を宣言。
これを受け、米国務省は中国への渡航警戒レベルをイラクやアフガニスタンと同水準に引き上げ、国民に中国に渡航しないよう勧告した。
感染拡大による中国経済への影響懸念から世界の株式市場は軒並み急落。
1月31日の東京株式市場は米国株の上昇を受けて「買い」が優勢となったものの、前日の30日は全面安の展開となり、日経平均株価の終値は前日比で約400円も下落。昨年11月1日以来、およそ3カ月ぶりの低水準となった。
「注意深く見守っていく」
新型コロナウイルスの感染動向について、日銀の雨宮正佳副総裁は都内で開いた講演会後の質疑応答でこう発言していたが、国内外の市場関係者が恐れているのが、2003年に今回と同様、中国を発生源に感染が広がり、世界経済に大きな打撃を与えたSARS(重症急性呼吸器症候群)のような展開になることだ。
訪日客の約3割を占める中国人が消える衝撃
約800人が死亡したSARSでは、世界全体で約330億ドルの経済的損失を受けたとされるが、当時の中国といえば、ちょうど高度成長期に突入した頃。鉄鉱石などの資源を世界各国で爆買いする中国企業が増え、同国内の石油消費量も飛躍的に伸びていた時だ。
このため、「SARSショック」と呼ばれた経済に対するインパクトは比較的短い期間でおさまったが、当時と比べて今の中国経済の規模はケタ違いに大きいため、SARSと同じような状況になれば世界経済が受ける影響は計り知れない。
とりわけ、中国人観光客の消費行動が国内経済を支える大きな柱となりつつある日本にとっては深刻だ。早くも海外団体旅行を全面禁止にした中国政府の決定を受け、日本各地で宿泊やレジャーの予約キャンセルが続出。毎年の春節時期には中国人観光客でにぎわっていた新宿や秋葉原などの大型店もガラガラだ。
SARS流行時も中国人観光客が減ったとはいえ、03年当時の訪日中国人観光客は約44万人。
ところが今や、959万人(19年)と20倍以上に増え、訪日外国人客全体の約3割を占めている。19年の訪日外国人による消費額は約4・8兆円。野村総研の木内登英エグゼクティブ・エコノミストの試算によると、新型肺炎の影響で訪日観光客数がSARSの時と同程度減った場合、20年の日本のGDPは7760億円も減るという。夏には東京五輪が予定されているとはいえ、新型肺炎の拡大で訪日観光客が激減すれば、日本経済はメタメタになるだろう。埼玉学園大の相澤幸悦教授(金融論)がこう言う。「中国人観光客の減少による影響も大きいと思いますが、それ以上に懸念されるのが来週の上海株式市場の動向です。おそらく暴落して世界同時株安のような展開になりかねません」
かつては…(大阪・心斎橋)/(C)日刊ゲンダイ
中国経済の停滞で世界のヒト・モノ・カネの流れが止まってしまう |
新型肺炎によるダメージを受けるのは旅行やレジャーといったサービス業にとどまらない。中国政府は新型肺炎を封じ込めるために春節の延長を発表したが、休暇期間が長引くほど、中国に進出している日本企業のサプライチェーン(部品供給網)の停滞が続くことを意味する。
つまり、現地の日系企業にとっては死活問題になるワケだ。
東京商工リサーチによると、日本から武漢市に進出している企業・拠点は39社・45カ所、中国全土では同1891社・4380カ所。約半数は製造業で、物流や生産活動がストップした状況が続けば、業績に影響が及ぶのは必至だろう。
そうでなくても、今の日本経済は足元がぐらついている。理由はもちろん、昨年10月の消費税10%への引き上げだ。
増税前から景気を冷やすと指摘されていた通り、増税後に公表される経済指標は軒並みガタガタ。日本チェーンストア協会が発表した19年のスーパー総販売額は4年連続で前年割れとなり、16〜18年は0・2〜0・9%の範囲で推移していた下落幅も1・8%減(店舗数調整後)に拡大した。日本百貨店協会が発表した19年の全国百貨店売上高も前年比1・4%減(同)で、2年連続で前年割れだ。
増税後の家計の消費支出は2カ月連続で前年同月比マイナスだし、内閣府の景気動向指数も4カ月連続で「悪化」。そんな中で各産業、業界が期待を寄せていたのが春節の中国人観光客だったのに、それがダメとなったら目も当てられない。
中国経済の下振れリスクに触れない安倍首相
まさに新型肺炎によって景気が大きく揺さぶられている状況だが、裏を返せばそれだけ日本経済が脆弱ということだ。
それなのに今もなお「好景気」などと嘘八百を並べて強弁しているのが安倍首相だ。
「公債発行は8年連続での減額」「日本経済はこの7年間で13%成長」――。安倍は通常国会召集日の施政方針演説でこう声を張り上げ、景気回復を訴えていたが、1月28日の衆院予算委で質問に立った国民民主党の前原誠司元外相にあっさりと論破されていた。
「補正予算を含めた決算ベースでは8年連続ではない」「OECDでは安倍政権7年間における日本の成長率は名目・実質とも世界33位で、民主党政権終了時の名目の成長率32位、実質の成長率20位から下落した」
前原議員は政府が剰余金を特例法で補正予算と来年度予算の財源としていることにも触れ、「アベノミクスの効果が出ていないことを隠す『粉飾決算』だ」と糾弾していたが、その通りだろう。
よくもまあ、すぐにバレる嘘を国会で平気で言えるものだが、安倍は自賛することで精いっぱいだったのか、新型肺炎による中国経済の下振れリスクには何ら触れなかった。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「おそらく安倍政権は、新型肺炎の問題を政権浮揚につなげたいとしか考えていないのではないか。しかし、中国で今の状態が続けば世界のサプライチェーンが崩れてしまう。ヒト・モノ・カネの流れが止まってしまうわけで、ただでさえ米中貿易戦争で疲弊していた世界経済をさらに冷やすことになる。大変な状況になるのです。当然、すでに景気後退に入っているともいわれる日本経済も大きなダメージを受ける。26兆円の経済対策なんて全く無意味なものになるでしょう」
ブルームバーグによると、新型肺炎の感染拡大が長期化し、中国が封じ込めに失敗すれば成長率が5%台と大きく落ち込むという。訪日観光客が激減し、中国経済が沈めば、日本もあっという間に奈落の底だ。
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