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第三次大戦の前夜?東京オリンピックどころではないぞ!
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2020/02/02/0202-07.html
サンデー毎日 2020年2月 2日号
牧太郎の青い空白い雲/752
不動産仲介のプロが言うには「東京五輪の時、東京の人間は動けなくなる」らしい。
「東京の人口はザッと1400万人。五輪期間中、やって来る外国人が約1000万人、地方の人も東京に向かうから、東京の人口は3000万人以上になる。交通はマヒして、多くのサラリーマンは出勤できなくなる」
なるほど。で、外国人客の宿泊は大丈夫なのか?
「私の担当の神田、秋葉原、浅草橋辺りでも、民泊が急増していますが、普通一泊4000円が開催時4万円。それでも満杯ですよ」
泊まれなくなれば外国人客は野宿する。治安が不安だが、日本中が「職場に行かず、お祭り騒ぎ」。たまにはいいだろう。
× × ×
でも「五輪どころではない!」という声も聞かれる。トランプの命令で、イランの事実上ナンバー2の司令官が爆殺されて以来、ネットでは「第三次大戦」という言葉が飛び交っている。大戦前夜なのか? 東京五輪は大丈夫なのか?
今から80年前、日本人は「幻の東京五輪」を経験している。東京市長・永田秀次郎氏が音頭を取り「皇紀二千六百年」の記念事業として、大々的に招致活動を展開した。1936年のIOC総会で、柔道の嘉納治五郎氏が熱烈招致演説。アジア初の「1940年東京開催」が決定した。
ところが、その翌年、日中戦争が勃発し、国内外で開催反対の意見が出て38年7月の閣議で開催権を返上した。当時、日本は軍国主義化一直線。五輪の平和的な理念と「皇紀二千六百年」という国家主義とは元々、矛盾していた。
「2020年」も80年前の「幻の五輪」とよく似ている。例えば「震災との関係」である。今回は東日本大震災からの復興がテーマの一つだが、「幻の五輪」もその17年前の「関東大震災」からの復興をアピールするためだった。
関東大震災の2年後の1925年に治安維持法が制定され、急速に軍国主義化する。今回も、東日本大震災の2年後に現代の治安維持法≠ニ呼ばれる特定秘密保護法が成立。さらに集団的自衛権行使を容認し「戦争のできる国づくり」が着々と進められている。安倍政権が目指す五輪は前回同様、「国家主義化のシンボル」なのだ。
× × ×
そんな中で起こった〈イランとアメリカの報復連鎖〉。ひょっとすると、第三次大戦で五輪中止!なんてことが起こるかも。
人間は「平和を求める心」と「戦争を求める隠れた欲望」を併せ持つ不思議な動物だ。何が起こっても、おかしくない!
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