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禍根を残す前近代的選挙/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202001250000035.html
2020年1月25日8時20分 日刊スポーツ
★前法相・河井克行・案里夫妻の公職選挙法違反が問われているが、最近では選挙資金1億5000万円が自民党から渡されていたなど、異常な実態が明らかになりつつある。だが、その根本には地元の秩序などとは関係なく、党中央の権力者の都合で候補者が決まったり公認がなされて、地元の考えなどが無視された選挙戦が全国で起きているからだ。本来は元国家公安委員長・溝手顕正と国民民主党・森本真治の一騎打ちだった広島選挙区に、もう1人自民党候補を立てるところから歯車は狂い始めた。 ★元来、溝手と森本がすみ分け無風区だった広島に河井案里が半ば強引に入り込み、選挙戦序盤は溝手、河井がリード。落選の危機に森本がいた。しかし野党の追い上げで終盤は森本と河井がリードし溝手ははじき飛ばされた。その裏には首相・安倍晋三や官房長官・菅義偉の応援もあったが、選挙資金まで法外に投入され、その額は溝手の10倍といえば、いかに強引でなりふり構わない選挙戦だったかがわかる。 ★だが昨今、この地元の調整を無視して、幹事長や官房長官が候補者を連れてきて押し込むケースが後を絶たない。最近でも二階派入りした元民主党のホープ、細野豪志の自民党入りを自民党静岡県連が反対するなど、地元の大反対をよそに決めようとする、禍根が残る動きが党勢を衰弱させる。「この時代に党がトップダウンで押し込んでくることに地元が反発するのは首長選挙でも顕著で、党の強引なやり方はあまりに前近代的。それも合理的な理由や、調査に基づくものではなく、派閥の拡大のためとか、極めて個人的な人間関係から派生するものが多い」(自民党県連関係者)。いかにも古い体質の権力の行使だが、こんなやり方を続けていては地方組織は疲弊するだけだ。河井夫妻事件を教訓に候補者選定を透明化すべきだろう。(K)※敬称略 |
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