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静かに広がる辟易と不安 空恐ろしい“国民一丸”五輪の反動
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267942
2020/01/22 日刊ゲンダイ
政権挙げて「五輪」利用(国立競技場の竣工式)/(C)日刊ゲンダイ
「国民一丸となって、新しい時代へと皆さん、共に踏み出していこうではありませんか」
「五輪」という言葉を9回も発し、まさに五輪一色だった安倍首相の20日の施政方針演説は、さまざまなことを物語っていた。「桜を見る会」や「カジノ汚職」には一切触れない疑惑隠し。アベノミクスの失敗も、「日本はもう成長できないという『諦めの壁』を完全に打ち破ることができた」と糊塗する。毎度の自画自賛演説なのだが、そこに「五輪」を必要以上に関連づけることによって、明るいムードを醸し出す。悪辣な手口である。
五輪憲章は「スポーツと選手を政治的または商業的に不適切に利用することに反対する」と定めている。安倍のやっていることは、五輪の政治利用に他ならない。
もっとも、そんな「五輪ワッショイ」は政治に限らない。スポンサーになっている企業やメディアがこぞって盛り上げに懸命で、テレビのスポーツニュースなども、年明け以降、五輪の選手選考や注目選手を取り上げる特集が目白押しだ。
目が点になったのは、18、19日に行われた「大学入試センター試験」の問題にまで五輪が登場したこと。「現代社会」の1問目。大学生の友達同士の会話文を読んで設問に答えるものだが、その“会話”は、五輪の環境配慮やレガシーに触れ、最後はこう締めくくられていた
<私たちも、運営組織や行政だけに任せないで、「お・も・て・な・し」の心を思い出して、今後の魅力的な都市づくりに主体的に関わっていきたいね>
センター試験まで「国民一丸」のプロパガンダに一役買っているとは……。盲目的に五輪を煽る雰囲気が、夏に向け、どんどん拡大していくだろうことは想像に難くない。
すでに景気は後退局面
だが、ちょっと待って欲しい。
国民総「五輪」応援体制に覆い隠されているが、この国の経済は、お祭り騒ぎにうつつを抜かしていられる状況とは程遠い。消費の停滞、景気の息切れがクッキリしてきている。
内閣府が今月10日に発表した昨年11月の景気動向指数は、一致指数が前月比0・2ポイント下落し、4カ月連続で「悪化」。一致指数も先行指数も2018年以降、右肩下がりを続けている。同じく10日に総務省が発表した昨年11月の家計調査でも、2人以上世帯の消費支出は実質で前年同月比2・0%減。2カ月連続の減少だった。昨年10月の消費増税によって個人消費が冷え込んでいるのは確実で、場当たり的な「ポイント還元」の弥縫策で無理やり景気を持たせているのが実情なのである。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「『緩やかな拡大』『戦後最長』という政府や日銀の認識が間違っているのです。すでに景気は後退局面に入った。そんな中での消費増税でしたから、昨年10月以降、一段と状況は悪化しました。日銀の黒田総裁は21日の定例会見で、『消費の減少は一時的』と言っていました。認識がズレています。そもそも賃金が増えなければ個人消費は増えません。黒田総裁は『雇用者所得は実質ベースで増加している』とも言いましたが、雇用者所得は、厚労省の毎月勤労統計と総務省の労働力調査の組み合わせから出した数字で疑わしい。全企業の7割をカバーする財務省の法人企業統計では、昨年7〜9月の人件費はマイナスです。企業が人件費を減らしているのに、労働者の賃金が増えるわけがありません」
あちこちで「五輪ワッショイ」(1月に設置されたお台場のモニュメント)/(C)共同通信社
今度の五輪後は地銀破綻とMMTの恐れ |
景気に対する漠然とした不安感は全国に広がっている。
共同通信の全国自治体調査(昨年11月〜今年1月実施)によれば、1年前と比べた景況感が「下降している」と答えた市区町村は21%で、「上向いている」の11%を上回った。昨年5〜7月調査では、「上向き」20%、「下降」11%だったので、「下降」が逆転したことになる。
「下降」の理由は「人手不足」「人口減少」が上位に挙がるが、これに次ぐのが「自然災害」だ。大型台風などによる豪雨被害は北海道から九州に及び、農地や工業団地の浸水など、地域産業へのダメージは甚大だった。100年に1度の自然災害が毎年のように日本のどこかで起きる。政府はその対策にこそ尽力すべきなのに、「なぜ五輪」「なぜ東京」という思いが地方には少なからずあるだろう。
そんな不安や不満を逆なでするかのように、「五輪が終われば、一般の工事が増えるから、災害復旧工事も増えるし、景気は落ち込まない」という論がある。黒田総裁も21日、そんなことを言っていた。しかし、前出の斎藤満氏はこれを疑問視する。
「五輪のための投資があまりにも大規模集中でしたから、その反動は計り知れません。今でもゼロ成長なのに、五輪が終わればマイナスになるのは確実です。政府は本音ではヤバイと思っているから、昨年末、26兆円もの経済対策を決めたのですよ」
安倍は「半世紀ぶりにあの感動を再び」と叫び、1964年の東京五輪の「夢をもう一度」と繰り返す。しかし、五輪は経済的には「悪夢をもう一度」なのである。シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏は、「あの時代と似た“リズム”になっている」と話し、こう懸念する。
「64年五輪で日本は激しい不況になりました。世間は五輪が終わった後に不況に突入したと思っていますが、当時のデータを見ると実際は前年の63年後半から景気は悪化していました。五輪後、証券会社で取り付け騒ぎが起き、不況が本格化したのです。その結果、戦後守ってきた財政法の厳重な封印を破って、65年に赤字国債を発行することになってしまった。2020年五輪の今回も昨年後半から景気後退に入っていて、まさに同じコースをたどっています。証券不況は、今の時代なら地方銀行の取り付け騒ぎ、赤字国債発行は、財政赤字の拡大を容認するMMT(現代貨幣理論)。そんなことが現実に起きてしまわないか、危惧しています」
空恐ろしくなるような話である。
ついに命運尽きた安倍首相
五輪組織委員会が旗を振る「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」では、<みんなが待ち望んだ東京2020オリンピック><心をひとつに全員団結>と呼びかけている。
これに対し最近、「同調圧力だ」「勝手に『全員』に加えるな」などの批判が渦巻き、SNSが炎上した。「みんなが」とひとくくりするのは、勘弁こうむりたい。賃金が増えない中で、五輪より日々の生活。高額な観戦チケットなんて手が出ない、という人は少なくない。
ボンボン育ちの安倍や麻生副総理は、そうした庶民の声など聞こうとしないし、都合の悪い風景は見ない。国を挙げての「がんばれニッポン」が空疎に響く。
政治評論家の森田実氏が言う。
「安倍首相は五輪に頼るしか自らの求心力を保てない。施政方針演説を聞いて、ついに命運が尽きたと思いました。政治家としてやるべきことがなくなり、五輪に頼るしかなくなっただらしのない首相ではダメだと、国民も自覚する時です。ヒトラーの『民族の祭典』のような五輪の政治利用は醜態としか言いようがありません」
国民一丸、全員団結とがなりたてられるほど、辟易した空気が静かに広がっていく。
【写真ギャラリー】国立競技場オープニングイベントに6万人の観客
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) January 22, 2020
【空恐ろしくなる『国民一丸』五輪の反動】
『静かに広がる辟易と不安』
「五輪政治利用の安倍政権と、それに乗っかり盲目的に煽るメディア」
「覆い隠される消費の停滞、息切れの景気、五輪後の恐怖」
“年明け以降、がなりたてられる「がんばれニッポン」の空疎”
#買って応援 pic.twitter.com/ST44htr2m2
静かに広がる辟易と不安 空恐ろしい“国民一丸”五輪の反動 https://t.co/HnRPq09kbm #日刊ゲンダイDIGITAL
— ここかな??これかな??? (@OdY5fQ55GHmRgpK) January 22, 2020
静かに広がる辟易と不安【空恐ろしくなる「国民一丸」五輪の反動】五輪政治利用の安倍政権と、それに乗っかり盲目的に煽るメディア 覆い隠される消費の停滞、息切れの景気、五輪後の恐怖 すでに景気は後退局面 今度の五輪後は、地銀破綻とMMTの恐れ ついに命運尽きた安倍首相(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/3tCQlIf06I
— KK (@Trapelus) January 22, 2020
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