http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/503.html
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(回答先: 現代の姥捨て山 投稿者 中川隆 日時 2020 年 12 月 21 日 07:51:28)
成仏不動産 | 事故物件の買取・売却・流通専門サイト
https://jobutsu.jp/
大島てる CAVEAT EMPTOR 事故物件公示サイト
http://www.oshimaland.co.jp/
敷金礼金ゼロで家賃半額も…超安値の「いわく付き」事故物件に人気殺到!首都圏にも多数
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/662.html
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「事故物件」をあえて積極的に買い取り、販売する元トップ営業マンの挑戦
木原洋美 2021/02/05
事件や自殺、孤独死などが発生した住宅(不動産)は「事故物件」と呼ばれ、忌み嫌われる存在だ。しかし、こうした物件を積極的に買い取り、「成仏不動産」と称して流通させる事業を行っている会社がある。その「成仏不動産」事業を運営する株式会社MARKSの花原浩二社長に取材してみた。(医療ジャーナリスト 木原洋美)
自宅マンションで孤独死した
50代ビジネスマンに持病はなかった
2020年の暮れも押し迫ったある日、特殊清掃(事故物件の清掃)のための見積もりに付き従い、都内某所のマンションの孤独死が起きた部屋に立ち入った。亡くなったのは50代半ばの男性。8月の中旬に亡くなり、9月下旬に発見。遺体の傷みが酷かったため死因特定できず。室内に人が入るのは、警察による検視が行われて以来初めてとのことだった。
物々しい防護服に身を包み、入室。不動産会社の方々からは「怖くないですか」と心配されたが、筆者は東日本大震災の折、行方不明になった親類を探して遺体安置所めぐりをした経験があるので、不自然死の現場にはたぶんほかの人よりは「免疫」を持っている。異臭に関しても震災後、「遺体捜索は腐敗臭の強いところから」とのアドバイスを受けて探し回ったので、その時の記憶をなぞるように玄関先で呼吸してみた。冬の寒さに加え、清掃会社の方が私の入室前に換気してくれたお陰だろう、耐え難い臭いはしなかった。合掌し、一礼して歩みを進める。
「亡くなられていたのはこちらですね。ちょっと変わった現場です。普通はご遺体があった場所にだけ体液のシミができているのですが、2カ所にありますね」
清掃会社の方が説明してくれた。確かに変だ。
亡くなられた男性は、居間に簡易ベッドを置いて寝ていたと聞いたが、1つ目の人の背中ほどの大きさのシミはベッドの脇にあり、乾いた土のようになっていた。なんらかの理由でベッドから転がり落ち、そのまま亡くなったのだろうか。汗ジミとは明らかに違う赤黒いシミの上には無数の蛆虫がいる。そして2つ目のシミは、2メートルほど離れた場所。1つ目のシミより一回り大きく、まだ濡れていた。発見時、ご遺体はそのシミのところに倒れていたという。
「本当、不思議ですね。腐敗したご遺体がひとりで動くはずはないし、わざわざ動かす理由もわからない」
入室前、亡くなられた男性のお兄さん(70代)に話を聞いた際には、そんな話は全然していなかった。
「弟は、特に持病はなかったと思います。亡くなった理由は脳溢血とかですかね。とにかく突然で、寝耳に水でした。まだ若いのに」
憔悴しきった様子で、教えてくれた。
マンションは人気が高い私鉄沿線の閑静な住宅街にある。簡易ベッドの前には大きな机とハイスペックのデスクトップPC。メゾネットタイプの角部屋で、一人暮らしには十分過ぎる広さがあり見晴らしもよく、事故物件でさえなかったら、かなり居心地のよいスタイリッシュな空間だ。
男性はこの部屋で、直前まで元気に独身ライフを満喫し、仕事のメールなんかもしていたかもしれない。そして不測の事態に陥り、助けを呼ぶこともできないまま息絶えた。筆者や読者の周囲に普通にいる、独身でバリバリ仕事しているビジネスマンだったのだろう。
洒落たブランド物のジーンズが干しっぱなしになっており、いわゆる一般の人が抱くような「孤独死のイメージ」とはかけ離れた空間で、改めて、自宅が事故物件になるリスクはひとごとではないと感じた。
事故物件は「お得な物件」の
キーワードにもなりうる
事件や自殺、孤独死が発生した住宅(不動産)は『事故物件』と呼ばれ、共用部での死亡、お墓や葬儀場の隣接地など人の死に絡んだ不動産全般と合わせて『究極の格安物件』ということになっている。
一般的に価格の安い不動産には、遠い、狭い、古いなどそれなりの理由が存在するのだが、前述の物件が格安な「理由」は「心理的瑕疵(しんりてきかし)」。
つまり、「恐い」とか「縁起が悪い」といった“気持ちの問題”が価格をがくんと引き下げる。
日本では、それは「仕方がない」と納得する人が多いかもしれない。しかし、少なくともイギリスやフランスといった、古い歴史ある建物をリフォームしながら住み継ぐのが当たり前の国々では「事故物件だから格安になる」ということはないようだ。イギリスではむしろ人気があるとの話も聞く。
実は日本でも、あえて事故物件に住みたいと考える人たちがいる。
2020年の夏から秋にかけて最もヒットした映画は亀梨和也主演の和製ホラー『事故物件 恐い間取り』だった。本作は「事故物件住みます芸人」として人気の松原タニシのノンフィクションを『リング』『スマホを落としただけなのに』などの中田秀夫監督が映画化した作品。芸人・山野ヤマメ(亀梨)がテレビ番組の企画で事故物件に住み、遭遇した怪奇現象を披露することでブレークして行く過程を描いている。
山野ヤマメは芸人として売れるため、できるだけ怪奇現象が起きそうな物件を選んで住み続けるが、「事故物件でも気にしない」「キレイな物件に格安で住めるなら構わない」「(孤独死の発生リスクが高い)高齢者であることや外国人であることを理由に賃貸オーナーから入居を断られることが多い」といった理由から、“あえて事故物件を選ぶ人”は案外少なくないらしい。そういう人たちにとって事故物件であることは、お得な物件探しのキーワードにもなりうる。
正しく買い取らなければ
リノベだけでは問題は解決できない
事故物件を『選択する物件』へ――をコンセプトに展開する「成仏不動産」(株式会社MARKS、花原浩二社長)は昨年11月10日、「事故物件の正しい買取」事業をスタートさせた。
同社はこれまで「入居を断られることが多い高齢者や外国人に事故物件を斡旋する賃貸マッチングサービス」や「事故物件等の心理的瑕疵物件だけを集めたプラットフォームサイトの運営」、「特殊清掃の後、お祓い・ご供養を実施して「成仏認定書」を発行する『成仏SOS』」、「事故物件の価格差を武器に『おしゃれ、安い、お得』を演出するリフォーム事業」など、事故物件を流通させるためのマルチで新しい仕組みを作り上げてきた。
「正しい買取」はこの仕組みの核となるべく、自然な流れの中で誕生したものだ。
「結局は全部1つだと思うんですね。正しく流通させるには、正しく買い取らなければならない。それには相場を知り、正しく査定できることが必要だし、買い取った物件を正しく特殊清掃、解体し、市場ニーズに応えるリノベーションをして、事故物件でも気にしない人に売却できる、正しい販売網を持っていなければなりません。今後、事業を成長させるためには事故物件のイメージアップも図りたい。
事故物件を買って、利益の最大化を図る企業は多々ありますが、われわれのような取り組みをしているところはほかにないと思います」(花原さん、以下同)
事故物件のオーナーに対して、リフォームやリノベーションを提案する場合もあるが、あえて積極的に買い取っているという。
「例えば事故物件を選択してもらうために、弊社としては、最新のデザインや設備を入れたり、新しい感性を持っているような人の為に思いっきりおしゃれにしたり、あるいは材料の再利用を工夫するなどで安さを追求したりして、事故物件のイメージをちょっと刷新できるような物件に変えて世に出したい。でも、ほかのオーナーさんが扱っている物件だと、われわれの提案はなかなか受け入れてもらえないし、仮に受け入れてもらえたとしても、事故物件だったことは伏せてほしいと言われて、メディアを通しての発信もさせてもらえません」
それでは、いつまでたっても事故物件のイメージは変わらない。
「だから思い切って弊社で買うことによって、変えていきたいんです。
高齢者や外国の方にもどんどん入居していただくし、リノベーションも、どれがハマるかはまだわからないので、いろんなパターンを試しながら世の中に発信して行く。
メディアに取り上げられて注目度が上がり、イメージアップも図れたら価値も上がるだろうし、データをしっかり採ることで物件の評価も高めていきたいと考えています」
新築を建てることは空き家を増やすこと
トップ営業マンの葛藤
不動産業を志した花原さんの原点は阪神淡路大震災だ。
「高校3年の1月に大震災が起き、直後の2月に入学試験を受けて神戸の大学に進学しました。同級生はやはり地元の人が多く、仲良くなって話してみると震災で親が亡くなったとか、友だちの家族が犠牲になったという人が少なくなかった。それで、地震に負けない家づくりの大切さを痛感し、前の職場である大手住宅メーカー(大和ハウス工業)に就職を決めました。鉄骨の、一番強い家を売ることが、人の命を助けることになると思ったんですね」
神戸支店に配属された花原さんは、同期入社中トップの成績を残し、2011年より横浜支社分譲住宅営業所所長として横浜に転勤。以降、2016年に退職するまでに個人成績として、全国約1700人の営業中契約金額1位の実績を残した。
「横浜で携わったのは街をつくる事業でした。山を崩して家を100軒ぐらい建てたり、コンセプトづくりからニュータウンづくりをしたりしていたのですが、だんだんと新築を建てることは空き家をつくるのとイコールなんじゃないかと悩むようになりました。
以前勤務していた神戸でも、空き家が増えて住宅の価格は下落傾向。かつてのニュータウンでも高齢者の独居世帯が増加し、街の再活性化が大きな課題になっています。それなのに、横浜でどんどん新築を増やしている場合かと」
葛藤していた最中に親御さんが亡くなり、花原さんにとって空き家問題はいよいよひとごとではなくなる。
「自分でなんとかしなければと決意し、独立しました。当初は、それまで培ったことの延長線上でやっていましたが、2年たち事業が軌道に乗ってきたところにたまたま『事故物件を買い取りませんか』という話が舞い込んできたのです。結局、その物件は買いませんでしたが、こんなに安くなってしまうのはかわいそうだなと、なんとかしてあげたいという思ったことが、成仏不動産の立ち上げにつながりました。
新築すべてが悪というわけではありません。地震に負けない長持ちする家づくりは必要ですが、一方でリノベーションも増やしていきたい。両輪がいるんだと思うんです」
万物は必ず古び、人は必ず死ぬ。現代のような一人暮らし世帯が増え続ける社会では、事故物件の増加は必至だ。たまたま人知れず亡くなり、発見が遅れたというだけの理由で建物の価値が暴落してしまうのを当然とする常識は、刷新すべき時が来ているのではないだろうか。
冒頭の事故物件は、「弟が最期を迎えた部屋でしばらく暮らしてみたい」という兄の希望で最低限のリフォームが施される予定だが、ゆくゆくは花原さんたちによってリノベーションされ、成仏物件として再生し、長く住み継がれることになるはずだ。
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