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なぜインフレでも日銀は動かない?2022年冬、さらなる円安進行で中流階級の生活崩壊=吉田繁治
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1537.html
投稿者 中川隆 日時 2022 年 3 月 24 日 19:13:00: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 世界的インフレは株価暴落を引き起こす 2022年株式市場見通し 投稿者 中川隆 日時 2021 年 11 月 24 日 09:46:28)

なぜインフレでも日銀は動かない?2022年冬、さらなる円安進行で中流階級の生活崩壊=吉田繁治
2022年3月24日
https://www.mag2.com/p/money/1170863

現在の物価と金融の状況からは、2022年夏から2023年の、(1)インフレ率、(2)金利上昇、(3)株価暴落、(4)国債・社債価格の下落、(5)不動産の下落も85%は、決定したように思えます。

1年前は想像しなかったことが、ウクライナ戦争を契機に起こっています。2022年、23年は「大変」な時代です。大変とは、戦後世界の基礎が80年ぶりに変わることです。怖がる必要はない。情報を数値(=事実)で集め、論理的に解析し、予想ことです「80年も当たり前」だったことが「当たり前」ではなくなっていくでしょう。2022年冬には、行動を変える必要があるように感じています。(『ビジネス知識源プレミアム』吉田繁治)

※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2022年3月23日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

今回の危機は金利を上げるインフレが加わっている
化石エネルギー・資源・穀物(食糧)のインフレ→金利の上昇→マネー量の縮小→株価と債券の下落

ウクライナ戦争の状況から、インフレは長期化が予想され、世界の中央銀行の、親玉であるFRBは、1回0.25%だけでなく0.5%の利上げもあることを示唆しました。昨年の8月、9月、CPIの上昇は短期的」としてきたパウエルは、しれっと、予想を変えたようです。

「言葉の信用」が命であるはすの中央銀行には、こうした「いい加減」なところがたびたびあります。根本で、フィアットマネーの増刷という、国民をまやかす金融詐欺(=錬金術)を行ってきたからです。

錬金術は、当方の言葉でない。大英銀行の元総裁マーヴィン・キングです(書籍は『錬金術の終わり』)。錬金術は近世の化学でした。

特に西欧で、数多の人間が試みたのです。比重が金と同じタングステンに、金メッキをすると、見かけは純金になります。当時の金商人の秤ではわからない。銀や銅の混ぜ物も使われました。

2022年の金融・経済の危機では、

(1)コロナによるサプライチェーン・ショックからのインフレと、
(2)2月末からのウクライナ戦争が惹起したエネルギー・資源・穀物の高騰が重なりました。

これは、従来はなかったことです。

過去の大きなインフレは、(1)1973年からの第一次石油危機(原油2ドルから10ドル、15ドル)、(2)1979年から1980年の第二次石油危機(原油40ドル)でした。今回は、コロナ危機+ウクライナ戦争が重なった第三次石油危機です。

消費者物価指数(CPI)が5%上がるインフレのときは、

・市場の期待金利の上昇から株価が下がっても、
・中央銀行には、量的緩和と利下げという手段はないことが、重要な点です。株価の暴落があっても、中央銀行が対策を打ちにくい。

米国CPIの上昇は、2021年4月の4.2%から始まりました。その後も上げを続け、直近の2022年2月には7.9%の上昇という高い水準です。

米国CPIの年間予想は、ウクライナ戦争の推移が関連しますが、5%程度でしょう。戦争が終わっても、資源価格の短期的下落はあっても、長期的な下落の期待は薄い。産油国、とくにサウジの増産の姿勢が弱いからです。
参考:消費者物価指数(CPI) [前年同月比]

欧州も、米国を追った動きであり、2022年2月は前年比5.8%です。
参考:消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]

今回のインフレは、FRBの誘導金利(FF金利:短期金利)が2%に、市場が決める長期金利は、3.5%〜4.0%に上がることを意味しているでしょう。

リーマン危機以降の13年間、ほぼゼロ金利で上がってきた世界の株、国債、社債の価格は大きく下がるということです。これらの債券の価格が下がることは、直接に、マネー量の収縮です。

コモディティ価格が上がると打撃を受ける日本の輸入構造
日本では、国際商品コモディティ(エネルギー・資源・穀物)が多い輸入物価が、円安も加わって、37.5%上げています。

国内の企業物価は8.6%上昇、消費者物価は、0.5%です(21年12月)。2021年の、菅首相による携帯電話の値下げ(-50%)があったので、実際の物価上昇(総合)は2.0%付近です。

企業物価(=卸売物価)が8.6%上がったのに、消費者物価が2.0%しか上がっていないのは、「世帯の所得増がないので、値上げすれば売れなくなる」として、上がった仕入価格を、企業利益の減少で吸収しているからです。

これは、長続きができない。商品を売る企業が赤字になるからです。2022年は、日本も3%台のインフレに向かうでしょう。生活に必需な財のインフレは、第二次石油危機(1980年)以来、40年ぶりです。

永遠に続くかとも思えたディスインフレの40年は終わりました。物価の基礎でもある公示地価は上がっているとされますが、それは、昨年の地価の統計です。2022年には、確実に下がります。
(注)次のGDP成長は、2030年ころのAI革命からでしょう。

輸入物価の急上昇に対する、日銀の、おかしな態度
日銀は、「CPIの物価上昇は短期的として、金融緩和の継続」を言っています(日銀黒田総裁の会見;22年3月18日)。これは、リフレ派の妄言でしょう。根拠がない発言です。


インフレになっても、日銀が金利を上げない本当の理由
日銀には、FRBにはできる利上げ(1回が0.25%×7回:22年3月)とマネー量の引き締め(QT)という選択肢がない。

理由は、

・1,200兆円のゼロ金利国債の平均金利が1%に上がると、
・国債価格が「1200兆円÷(1+0.01×10年)=1,200÷1.1≒1,090兆円」に下がるからです。

(1)日銀
530兆円の国債をもつ日銀では482兆円に下がり48兆円の含み損が生じます。11兆円の自己資本の日銀は、主要国では唯一債務超過に陥ります。

債務超過になっても日銀は倒産しません。倒産の代わりに、円の信用が低下して(海外から売られ)、円安になります。そもそも政府機関には、どんなに損をしても倒産という概念がありません。

夕張市の財政が破産しても、市の行政組織は別のものには交替せず、残っています。2回財政破産したNY市も同じです。

大きくいえば1,200兆円の負債をかかえ、金利が2%に上がるだけで破産に向かう日本政府がデフォルトしても、政府がなくなることはない。デフォルトとは、政府が支払うべきものが、払えないことです。

「特別会計の二重計算の除外(196兆円)+一般会計(107兆円)の、財政支出」で大きなものは、(1)公務員の人件費(25兆円)、(2)年金の支払い58.5兆円、(3)医療費40.7兆円、(4)介護費12.7兆円、(5)子育て支援等9.5兆円です。(注)国債費は、架空の60年償還と決めて、金利払いを含んで23.7兆円です。実際の平均満期は、8年ですが…。
参考:日本の財政関係資料(令和3年10月)https://www.mof.go.jp/policy/budget/fiscal_condition/related_data/202110.html

参考:特別会計の現状-財務省
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/special_account/fy2020/2020-souron-2.pdf


(2)金融機関
長期金利が1%に上がるだけで、

・670兆円の国債をもつ金融機関(民間銀行、政府系銀行、年金運用のGPIF、生損保、120兆円の円国債をもつ外銀)に、61兆円の含み損が生じます。

国債の10%近い下落は「国債の不良債権化」を示すものです。

金利が1ポイント(%)上がると、確実にこうなるので、日銀は、日本のインフレ率が高くなっても、金融引き締め(=金利を上げること)に転換できない。

日銀が、2013年から9年間の金融緩和からの出口(=利上げ)政策をとれば、1,200兆円の既発国債の価格が下がって、政府の財政破産になるからです。

・米国経済のアキレス腱は、株価の下落です(時価総額5,000兆円)。
・日本経済にとっては、インフレで上がる金利です(国債1,200兆円)。

いずれも、インフレによる金利の1ポイント(%)の上昇から、2ポイントの上昇に向かうトレンドが金融市場に認識され、レバレッジ投資が剥がれて暴落していくでしょう。まず、円安に、これが表れています。

・日本では、国債がGDPの240%と大きすぎます。今年も、財政の資金収支での赤字43.6兆円のため、増えています。

・米国では、GDPの220%の時価総額5,000兆円の株価が、大きすぎます。30%下がって、短期での反騰がないと、金融危機に直行します。

「バフェット指数」では「GDP=株価時価総額」付近が最適とされます。米国株は、リーマン危機+コロナ危機での、合計10兆ドルの増発によって、株価も時価総額がGDPの2.2倍に膨らんでいます。

歴史上最大のマネーの増発による、バブル株価です。

長期金利が3%から4%に上がる動きが見えると、米国の株価バブルは、崩壊します。現在は長期金利2.2%と7.9%のインフレで、崩壊寸前です。

長期金利は、FRBのコントロールの外にある、民間市場の金利です。FRBが誘導するのは、財務省短期証券の金利です(FF金利という)。
(米国の長期金利=10年債の利回りは、現在2.2%付近)

「米国国債10年 日足(SBI証券提供)」
https://www.mag2.com/p/money/1170863/2

米国のもう一つの弱点は、対外債務3,000兆円です。国債・社債・米国株の価格が下がると売られて(価格は下がり)、米国の長期金利が上がるサイクルに入ります。

インフレからの、悪い金利の上昇は、13年間の量的菅緩和の金融を、逆に回転させます。

ローン金利に敏感な米国の住宅価格も下がって、リーマン危機のときのように、MBSに不良債権が増えていきます。

一般会計の資金収支の赤字は、43.6兆円(GDPの8.2%)と大きい
2022年度の、一般会計の資金収支の赤字は、43.6兆円です(日本:財政予算106.6兆円-税収予定63.0兆円=資金の不足43.6兆円)。

参考:これからの日本のために財政を考える-財務省

国債は、1960年代の発行開始から1円の純返済もないので、43.6兆円国債の残高が増えます。(上の財務省パンフレットの2ページと3ページ)。

借り入れを繰り延べるための「借換債(約150兆円)」を含む、「約200兆円/年の国債発行」は、GDPが540兆の日本にとって、恐るべき数字です。平均8年で満期償還される150兆円/年で、銀行は新規債を買っているのです。(注)150兆円の借換債(これも国債です)のことは、メディアも報じません。財務省が「そっと」しか言わないからです。官僚の基本性格がこれです。


急な円安
FRBがインフレに対して1回目の、0.25%の利上げをしたとき、ゼロ金利の円は、1ドル=115円付近から119円まで、3.5%急落しました。(注)現在は121円です。慌てて、ドルや仮想通貨を買う人が増えました。まだ…金の買いには行っていない。

FRBが、利上げのフォワード・ガイダンス(将来の金融政策を前もって示し、利上げのときの金融市場の混乱を避けること)を行った、21年12月には、1ドル=104円付近でした。104円も円安です。

104円の円安と比較し、現在は15円(14%)の円安です。金利ゼロの通貨=円が売られて、金利が上がるドルが買われたからです。

インフレであっても、ドルやユーロのように金利を上げることのできない円は、世界の銀行の店頭で売られて、急落しました。

3か月で14%の円安への通貨変動は、「普通はない水準」です。
つまり、異常な円安です。

「米ドル/円 日足(SBI証券提供)」
https://www.mag2.com/p/money/1170863/3

「米ドル/円 日足(SBI証券提供)」
黒田総裁の迷言
黒田総裁は、「円安は日本経済にとってプラス」という、1990年代の輸出が超過して貿易黒字があったときのことを、オウム返しに述べています。

金融ムラの総裁の経済への認識は、アベノミクスの2015年ころから、おかしくなってしまいました。

失礼を承知でいえば、バイデンに似た認知症か。記者会見ではモゴモゴしたはっきりしない発言が増えました。任期は、23年3月までです。

8年間掲(かか)げてきた、「2年で2%の物価上昇目標とGDP成長2%」を達成できず、原因の追及と確定は、行っていません。失敗とは言わない。政策の反省はない。それでも官僚総裁を許されています。

民間銀行の頭取には、許されないことです。損をした株主からの追及があるからです。国民はまだ、日銀の金融政策の失敗を追及していません。逆に、円を500兆円刷った「アベノミクス」は、どちらかといえばいいものだったとしているようです(よくなかったのですが…)。

2011年以降、日本は貿易黒字が出ない国になった
2011年3.11の東日本大震災以降(=サプライチェーン・ショック)
2011年以降の、日本経済は、高齢化した世帯(年金世帯)の貯蓄率のマイナスから、輸出が超過する経済ではなくなっています。

マクロ経済では、貯蓄額−国内投資=貿易黒字です。

高齢化のため貯蓄額が、国内の設備投資額より減ると、どんなに円安になっても、貿易黒字にはならない。

3000万人に増えた年金受給者(1,000万世帯)は、1か月に平均で5万円から6万円の預金を、取り崩しています(生活費は1か月26万円くらい)。このため、日本では総預金が増えなくなったのです。(注)個人金融資産の2,000兆円には、「銀行預金+株式+投資信託+生命保険+年金基金」が入っています。現在の増加は株価の上昇分です。

貿易では、逆に、輸入物価の上昇がモロに来て、輸入額が増えて貿易は赤字になります。貿易の赤字とは、日本人の所得が海外に流出することです。貿易の赤字は、GDPも低下させます。

輸入するエネルギー・資源が上がり始めた2021年12月には、15兆円から、20兆円/年の黒字だった経常収支すら赤字に転落しました。

円高を、もっとも大きく支えてきた所得収支の黒字(15兆円から20兆円/年)も、エネルギーと資源価格の高騰によって、なくなったのです。このため、円安のトレンドが「構造的なもの」になりました。
(注)経常収支=モノの貿易収支+海外旅行収支+対外資産からの所得収支。
参考:12月経常収支、1年半ぶり赤字 資源高響く、21年も黒字、2.8%減-JIJI.COM(2月8日付)

輸入する品目の問題
日本の輸入構造にある問題は、国際卸価格(=商品コモディティ指数)がどんなに上がっても必需のエネルギー・資源・穀物であることです。

エネルギーと原材料になるので格が上がっても輸入が必要です。
米国のように商品の輸入が多いと、価格が上がれば、減らせます。

日本は、高い価格になっても同じ量を買わねばならない。
輸入の金額が増えて、資源価格の高騰分が赤字になります。

食糧の自給率は60%です。コメだけでは、3,000万人しか食べることができない。コメ以外の穀物も輸入です。コーンや小麦は家畜の餌にもなる。国産牛も飼育ができなくなる。餌が上がると、肉は上がります。

漁船では、エンジンの燃焼に大量の石油を使います。
電力は、原油、天然ガス、石炭です。水力発電は5%でしかない。

価格が理不尽に上がっても、輸入しなければならないのが化石燃料です。木材もほぼ100%輸入です。紙も上がります。輸入がなければ、住宅も作ることができない。趣味のスピーカーBOXも、作れません。ダンボールも上がり、ガソリンが上がるので、アマゾンから買うときの宅配費も上がります。

それでも日銀には、国債価格を下げる金利上昇の選択肢がありません。

黒田氏は、2%台のインフレになっても、金利は上げないという説を、述べています。これは、ファイナンスの面では、日銀が国債を10%は高い価格で買い続けるという宣言です。

10年債の金利は0.25%以下に誘導
日銀による「10年債の金利目標0.25%」の意味は、

(1)10年債の利回りが、金融機関が作る債券市場で0.25%を上回ると、(=既発国債の価格が下がる=国債の売り手>買い手になる)、

(2)日銀が、0.25%以下に下がるように、市場の気配値より高く買って、円を増発するという、市場介入の宣言です。

このため、米国の金利が上がると、今回(21年12月から22年3月のように長期金利が0.25%以上に上がらない円は、大きな円安になります。

(注)10年債の市場での金利が0.25%を上回ると、日銀が即座に、市場に出た10年債を高い価格で買って0.25%以下に下げています。これが、長期金利の目標0.25%の意味です。

米ドルの長期金利は2.4%に上がっているので、長期金利が0.15%〜0.25%しかない円国債は、売られます。

2%以上のイールド(利益)があります。ドル債を円で買えば、金利の2%に、ドル高/円安の利益も加わるからです。

「米国国債10年 日足(SBI証券提供)」
https://www.mag2.com/p/money/1170863/4

金融抑圧と円安の被害を受けるのは世帯
円安の被害は、エネルギー・資源・穀物の輸入物価の上昇がCPIの物価上昇として、所得の増えない世帯の支出の増加になる家計に向かいます。

物価が上がるなかで、国民の賃金が上がらないスタグフレーションです。

普通の経済では、インフレで企業の売上も増えるので、米国のように求人が増え、賃金が上がります。

しかし、日本経済では、物価が上がると60%(3000万世帯)の所得が低い世帯が、商品が買えなくなって、企業の売上は増えない。むしろ減ります。

スタグフレーション
このため、コストプッシュ型のインフレになっても、企業の求人は増えず賃金も上がらない。

日本経済では、所得が増えない年金受給者が3,000万人にも増加した高齢化が、世界で最初に起こりました。

このためインフレは賃金の上昇という循環を生まず、2022年末から2023年には、過去に経験がない不況になっていくでしょう。価格が25%も上がった電力も、東北地震で不足し、なんだか…さんざんな経済。

米国では物価が7.9%上がって、賃金も5%上がっています(実質所得は−2.9%ですが…)。所得の増加がなく、平均では減っている日本人の生活は、インフレになると、モロに苦しくなって行きます。

世界200か国のなかで、2022年、23年の日本は、「コロナ+ウクライナ戦争」での、スタグフレーション第1号でしょう。

ロシア経済が、SWIFTからのルーブルの排除と、G7からの経済封鎖からのインフレで苦しくなるとされていますが、所得の上昇がなく、逆に減る日本は、ロシア以上でしょう。

(注)G7:米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本の西側諸国。2000年代のG7(10億人)のGDPの合計成長率は低く、中国・インド、ロシアを含む新興国の合計GDPを、下回っています。

日銀、政治家、メディアは、賃金が世界22位に下がり、スイスの70%に下がった日本を、今も「経済大国」と錯覚する誤りを犯しています(韓国が20位です)。これは、まさに32年前の昭和の錯覚。

1990年には、日本人の賃金は、世界トップクラスのスイスと並んでいました。今回の円安で、ポーランド並みの25位でしょう。ポーランドは、欧州の中進国です。ショパンと音楽とチョコレート、牛肉、高級ワインの国。
参考:「平均年収は韓国以下」日本人の給料がちっとも上がらない決定的な理由-PRESIDENT Online

MMTの副作用が発生した
基本的なところでの、約500兆円のMMT(500兆円の国債の日銀による買い)に幻惑されてきた誤認が、円安歓迎の黒田説になるのです。

実質GDPの成長は、世帯の実質所得の、上昇によるものであり、それ以外には目的はないはずです。米国より実質GDPの成長率が高まると円高になります。

政治家は、実質GDPの上昇と、世帯所得の増加を政策目標にしなければならない。それ以外に、政治家の政策の目標は、ないはずです、

2013年から8年のアベノミクスでは、「金利を下げ、通貨を増発することでの円安での名目成長」として、誤認していました。

2022年になって、米国の1年半遅れで、消費者物価(CPI)が上がる傾向が出てきた。しかし実質経済成長率と等しい国民の所得の増加はない。

超金融緩和の、500兆円のマネー増発が原因で上がった株価は、世界の金利上昇と企業純益の低下から、2022年は下がります。


2011年以降の日本にとっては。円安はいいところがない
貿易黒字の構造が終わって、経済構造が変化した2011年3.11以降の日本では、円安は、何もいいことはない。

(注)ドル建ての対外資産が上がるだけです。しかしこれは円が下がった結果でありドル価格が上がったのではない。対外債権である米株式・国債・社債・不動産は、ドル金利の上昇で実際には下がり、円安での見かけ上の上昇が相殺されるでしょう。

円安は、基本的には、物価上昇を引いた日本の実質GDPの成長が、米国より低いことの結果です。

(注)マイナス金利からゼロ金利という超金融緩和のアベノミクスの失敗も、未だに論述されていません。異次元緩和を歓迎してきたこの国のエコノミストと経済メディアは、一体、どこを見てきたのか?

世帯の生活意識
日銀の、最新の生活意識アンケートを見ます。
憂うべき状況に見えるのですが、マスコミは、これを報じません。

(1-2)暮らし向き(21年12月)

・ゆとりが出てきた     5.8%(持ち株が上がった世帯)
・どちらともいえない   53.4%
・ゆとりがなくなってきた 40.0%

(1-2-3)1年後の雇用・処遇の不安(官庁と会社に勤務する人)

・あまり感じない     26.2%
・少し感じる       48.4%
・かなり感じる      24.8%

ここが、現在の日本の、最大の問題です。雇用と処遇(=賃金)に不安を少し感じる世帯が48.4%、かなり感じる世帯が24.8%、合計で73.2%。

中小企業雇用(3,361万人)と非正規(1,750万人)が多いでしょう。

「あまり感じない」とする26.3%は、公務員(350万人:平均年収624万円/人:税金22兆円分)と大企業雇用者(1400万人)でしょう。

約30年、人的生産性を、0.5%/年程度しか増やすことができなかったことが原因です(GDP÷就業者数:会社では、売上収益÷就業者数)。

賃金が上がらない中で、物価は上がるという認識が広がって(77.4%の世帯)、将来への生活不安が増えています。

東京のスーパー(SM)、サミット・ストアで2004年まで社長だった安土敏氏が「(会社に飼われ)意識が社畜化したサラリーマン」と言ったのは1995年頃でした。

「売れる」専門技術がないままに40歳代で会社を変わると、賃金は2/3、普通は、社歴1年生からの出発になって、1/2に下がるからです。

新卒採用が多い日本では、転職(=転社ですが…)は、その人の真価を知る知己がないと難しい。ボスによる中途採用が雇用制度である米国とは、違います。日本では73.2%(≒3人に2人)が雇用と処遇の不安を感じているという。

米国の大学では、会社に勤めず、主にITとプログラムの技術を学んで、仲間とベンチャーを興す大学生が、今も多い。引く手あまたの、AIの分野では、特に多い。

米国とは、教育、個人の意識、就業の社会の仕組みが違います。

ビル・ゲーツ(マイクロソフト)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、フェイス・ブック(現在はメタ)のマーク・ザッカーバーグ、グーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・プリンは、いずれも学生ベンチャーでした。13年間の株価バブルの中、株価時価総額が150兆円、2000兆円を超えた自社株で10兆円以上の富豪になっています。

(続きはご購読ください。初月無料です。)

リフレ派が、あり得ないと言ってきた、政府財政の破産  

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コメント
1. 中川隆[-11532] koaQ7Jey 2024年2月20日 21:00:39 : KgCLNqWClU : QzdncWdRdmRsN3c=[12] 報告
<■69行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
超円安の理由は日本政府が円安を歓迎しているから
2024.02.19
https://www.thutmosev.com/archives/75481156mmm.html

経常黒字と円高は今すぐにではなく、長期的な円高要因になる

img_560b660ff3aa48e667693d940135215c346274
引用:会社四季報オンラインhttps://toyokeizai.net/mwimgs/5/6/1040/img_560b660ff3aa48e667693d940135215c346274.jpg
通貨の価値が上がるのは良くない

為替相場は再び1ドル150円の超円安になっていて、財務省や円安を防止する「ふり」をしているもののどう見ても意図的に円安を仕組んでいる

というのも円安は今の日本に好都合だからで、円安によって株価は史上最高値を伺うところに来たし円安によってインフレ率が上がり企業収益も過去最高になった

これらは円高の時には日本という商品の値段が高すぎたので商品価値に見合っておらず、外資の日本売りにつながり企業収益も株価も低迷していた

円高とは「日本という商品が値上げする事」なので外国人は高くなった日本を買わず、もちろん現実の日本製商品も割高なので買いませんでした

円安とは逆に「日本という商品の値下げ」なので外国人は「これはお買い得だ」と言ってどんどん買っていき、株価は上がるし企業収益も爆上げになった

これと同じ事が終戦直後にも起きていて1941年開戦時のドル円レートは1ドル4円、1945年終戦直後のドル円実効レートは1ドル15円前後だったとされている

戦時中日米には国交も貿易も無かったが両国とも自国通貨を金と交換することができ、実際には中立国スイスで金を介してドルと円の交換レートも存在していた

戦争に負けて円の価値は1/4程度になったが日本の産業は壊滅したのでこれでも円の価値が高すぎ、日本側の要請によって1949年(昭和24年)から1ドル360円の固定相場になった

これは日本の産業を再生するために円安が必要だったからで、日本の値段をほとんど1/10に値下げした事で日本製品は競争力を持ち高度成長へとつながっていきました

戦後もし1ドル360円にせず1ドル4円や1ドル15円のままだったら、日本は長く不況のままで再生できず史実のような先進国にはなれなかった可能性が高い

為替レートとはこのように流動的なものなのでアホの評論家が言うように「円高は日本の価値が高まった」「円安で日本が落ちぶれた」のような簡単な事では無い

日本は1990年バブル崩壊後1ドル70円台の超円高を2度経験したが、これは「日本が偉くなった」訳ではなく、超円高は日本の産業に打撃を与え衰退を加速した

円高は起きるべくして起きる
円高に成るか円安になるか、政府はそれをを防止するべきかがいつも議論されますが、円安や円高になるのは予め決まっています

為替相場には「国際収支黒字(経常黒字)の通貨は値上がりする」「金利の低い通貨ほど値上がりする」という法則があります

経常黒字は簡単にいうと「貿易などで儲けた」ことなので、日本企業がアメリカで500万円の車を1台売ったら、何割かがドルから円に交換されて円高になる筈です

中国人が日本旅行で10万円使ったら10万円分円高になり、アメリカのダイソーで150円の商品が売れたら、150円分円高になります。(実際は経常黒字分だけが交換される)

実際にはアメリカで得た利益は当分の間アメリカで再投資され、中国で稼いだ分は中国で再投資されるのですぐに円高にはならない

だがいつかは必ず日本が経常黒字で儲けた金額分だけ、ドルから円に交換され円高になる日が来るので、それが1995年や2011年の超円高でした

日本の国際収支は毎年平均10兆円から20兆円ほど稼いでいるが毎年10兆円以上が円に換金されるのではなく、突発的な事態が起きるまでは換金されない

巨大地震やリーマンショックのような世界恐慌になると日本本社は資金を外国に引き上げるので一気に円高に成り、これにヘッジファンドが加勢し超円高になる

日本本社の業績悪化やパニック的な動きで一斉にドルから円に交換されるので、10年周期くらいに超円高が発生しています

一見突発的に見えるが真の原因は日本の経常黒字そのものなので、介入や政府の政策は円高を先送りにするだけで、円高そのものを防ぐことはできません

では最近なぜ超円安の1ドル150円になっているのかですが、これもアホ評論家が言うような「日本が弱くなった」のとは関係なく政府が意図的に円安にしています

アメリカの高金利と日本の低金利、金融緩和、インフレ率の差など色々な理由はあるものの結局は日本政府が円安を歓迎していてわざと円安になるように仕向けているという事です
https://www.thutmosev.com/archives/75481156mmm.html

2. 中川隆[-9543] koaQ7Jey 2024年8月07日 11:59:55 : DtblFgOrVu : bTZRcWduZ21la1U=[22] 報告
<■83行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中央銀行の起源
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16863243


史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

チャンネル桜関係者とアホ右翼が信じている「日銀と通貨発行権」の誤解について
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/848.html

馬渕睦夫 世界を支配する者達が生み出した『中央銀行』という奇形
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/558.html

世界を操るグローバリズム-8〜中央銀行という名の民間銀行は本来必要ない〜
http://www.kanekashi.com/blog/2017/10/5523.html

橋洋一 銀行が最高益!日銀と組んでズルい方法で金儲けの仕組みをバラします
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16832535

日本銀行は日本政府の子会社である
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1385.html

日銀の金融政策
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1392.html

国債を買って日銀に売るだけで確実に儲かる
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/969.html

政府の借金は返さなくて良い 日銀国債購入で分かった事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/819.html

日銀は何故日本を滅ぼそうとしているのか?
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/780.html

日銀の金融緩和はアメリカの出口戦略に協力していただけだった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/596.html

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/393.html

平成バブルはアメリカの指示で小沢一郎が作り、日銀総裁が意図的に潰した
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/217.html

アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/393.html

日銀のETF買い入れとテーパリング
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/529.html

なぜインフレでも日銀は動かない?2022年冬、さらなる円安進行で中流階級の生活崩壊=吉田繁治
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1537.html

日銀はいつまで「利上げしない」と言い張るのか。物価上昇も見ないふり、迫る“ゼロ金利”政策の限界=吉田繁治
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1491.html

中央銀行が中央銀行自身を救済するという現金給付に次ぐ新たな緩和方法が既に始まっている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14137906

3. 中川隆[-9533] koaQ7Jey 2024年8月07日 12:05:02 : DtblFgOrVu : bTZRcWduZ21la1U=[32] 報告
<■102行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
黒田日銀総裁のスゴイ所は「平気でウソをつく」ところ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009730

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14087383

日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378

中央銀行による金融緩和と政府による現金給付を紙幣印刷で無理矢理支えるために金融市場に膨大な資金を流し込めば、噴き上がるのは株式だけではない
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/332.html

世界最大のヘッジファンド: 中央銀行の損失に対する政府の資金注入は始まっている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38689

ガンドラック氏: アメリカは2年物国債金利の警告通り利下げする、中央銀行はまったく不要
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32780

ポジャール氏: 中央銀行は金利高騰か通貨下落かを選ぶことになる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29314

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29198

日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010201

日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282

何故日銀はインフレに応じて金利を上げないのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052708

各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14078205

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

中央銀行が中央銀行自身を救済するという現金給付に次ぐ新たな緩和方法が既に始まっている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14137906

追い込まれた日銀!? 石原順チャンネル
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16848778

インフレを退治するというのは株価の下落と景気後退を受け入れるということ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16849802

銀行を助けて物価高騰かインフレを退治して株価暴落か、どちらかしかない。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14096858

紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14054383

インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14055430

日銀当座預金は銀行が自由に引き出したり出来ない決済用の口座?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14103351

コルレス銀行(コルレスバンク)とは・意味
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1772.html

日本銀行当座預金
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1604.html

銀行準備制度「銀行は(発行した)預金貨幣の・%の日銀当座預金を保有しなければならない」
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1111.html

銀行の預金に対する貸出金の比率を表す預貸率が過去最低に
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1640.html

銀行は借り手である顧客に銀行預金を「発行」し、差し入れてもらった借用証書(貸付金)から金利を得るのがビジネスの基本
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1171.html

日本のマネタリーベース、マネーストック、貨幣乗数
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/992.html

「マネーストック」とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1747.html

「マネタリーベース」とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1746.html

bis規制 _ 規制内容と自己資本比率の算出法とは
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1748.html

経済成長率、GDPデフレーター、潜在成長率とGDPギャップ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1099.html

4. 中川隆[-8013] koaQ7Jey 2025年1月06日 07:05:23 : 8PDGD1z8rg : enJyOFFKSElrcUE=[5] 報告
<■56行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
植草一秀の『知られざる真実』2025年1月 5日
失われた30年という現実
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-6d6c13.html

世界は変わる。

変わる世界を認識し、自らを変えなければ変化に対応することはできない。

世界のなかで取り残される日本。

経済成長のない10年、20年、30年が経過した。

その原因はどこにあるか。

2012年12月に政権交代があった。

「アベノミクス」が叫ばれた。

2013年7月の参院選で「ねじれ」が解消。

安倍政治が長期間存続した。

私は2013年6月に「アベノリスク」(講談社)を上梓した。


「日本を融解させる7つの大罪」

として以下の問題を提示した。

第1の罪 インフレ 第2の罪 増税 第3の罪 TPP参加 第4の罪 原発再開 第5の罪 シロアリ公務員温存 第6の罪 改憲 第7の罪 戦争へ

安倍政治によって日本の悲劇が生じることを予言した。

安倍政治は「成長戦略」を掲げたが、日本は成長しなかった。

安倍政治が掲げた「成長」は「大企業利益の成長」であって、「国民利益の成長」ではなかった。

日銀が掲げた「インフレ誘導」

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2年以内に消費者物価上昇率を2%以上に引き上げると「公約」したが実現しなかった。

拙著で私は2%公約が実現しない可能性が高いと記述した。

短期金融市場に資金を注入しても金融機関の与信が増えなければマネーストックは増大しない。

マネーストックが増大しなければインフレは実現しない。

このことから2%公約の達成が困難であると記述した。

2023年に4%インフレが発生したのは日銀の政策誘導によるものでない。

海外初のインフレが日本に波及したと同時に、日銀が日本円暴落誘導を実行したからだ。

4%インフレを容認することはできない。

日銀はインフレ抑止に舵を切るべきだったが、黒田日銀は最後までインフレ誘導の旗を振った。

その結果、4%インフレを招いてしまった。

「賃上げ」を誘導すると主張されたが、労働者にとって重要なのは名目賃金の上昇ではない。

名目賃金が上昇してもインフレがこれを上回れば実質賃金は減少する。

過去27年間に実質賃金が小幅増加したことが5回ある。

そのすべては物価下落の局面。

物価下落=デフレの局面でのみ実質賃金が小幅増加した。

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元々、インフレ誘導は実質賃金を引き下げるために発案された。

1990年代以降、世界の大競争激化のなかで先進国産業の価格競争力が低下した。

新興国に対抗するために労働コスト引き下げが求められた。

「賃上げ」は可能だが「賃下げ」は困難である。

実質的に賃金コストを抑制するには、インフレが生じる際に賃上げをしなければよい。

そうすれば実質賃金の切り下げが可能になる。

このためにインフレ誘導が提案された。

インフレ誘導は労働者のための施策ではなく、実質賃金切り下げを狙う資本のために提案された政策だった。

ここに「アベノミクス」の欺瞞性があった。

「アベノミクス」の柱である「成長戦略」は以下の五つを柱にした。

1.農業自由化
2.医療自由化
3.解雇自由化=労働規制撤廃=実質賃金引き下げ
4.法人税減税
5.特区創設

このすべては、「大企業利益の成長」戦略であり、「労働者不利益の成長」戦略だった。

「法人税減税」の裏側は何か。

「消費税大増税」である。

「大企業利益の成長」だけを追求して日本経済の長期低迷を招いてきた。

この経済政策全体を根底から改変しなければ日本経済は浮上しない。

経済政策の抜本転換が2025年の課題である。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-6d6c13.html

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