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(回答先: 日本政府の隠れた移民政策 投稿者 中川隆 日時 2021 年 7 月 06 日 11:07:10)
死産した我が子とひと晩いたら有罪?ベトナム人女性「日本で孤立出産」の悲劇
女性の権利、基本的人権、出産は国家義務か犯罪か?
2022年01月17日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1739.html
2022.01.17 現代ビジネスより
死産した我が子とひと晩いたら有罪?ベトナム人女性「日本で孤立出産」の悲劇
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/91485?imp=0
産まれた子どもは死産。そして有罪判決
もし、家でひとり産気づき、そのまま流産、死産、出産してしまったら、あなたはどうするだろう?
血だらけ、命からがらのパニック、疲弊状態の中で、すぐに連絡すべき先を探し出し、助けを求めることができるだろうか?
日本人で日本に住んでいれば、119番にかければ救急車が来てくれることはほとんどの人が知っている。でも、言葉もよくわからない外国で起きてしまったらどうだろう?
自国に年収の数年分にもなる借金を作ってまで出稼ぎで来日し 、「万が一、妊娠したら強制帰国させられる」と日頃から聞いていたら? あなたは、適切な相手にすぐ相談できるだろうか……。
その女性は、ベトナムで生まれた。父親が病で働けないため、一人で家計を支える母を助けようと、ベトナムの平均年収の約5年分にあたる150万円を払い、日本に技能実習生として来日し、ミカン畑で休みなく働いていた。
彼女はその後、妊娠した。しかし、強制帰国させられる恐怖から誰にも相談できないまま、2020年11月15日の夕方、たった一人で出産した。産まれた子どもは双子で、残念ながら死産だった……。
出産の出血がある中、肉体的・精神的疲労で身も心もボロボロになりながらも、彼女は、子どもの名前を考えた。
そして弔いの「ごめんね、私の双子の赤ちゃん!!早く安らかなところに入れますように」というメッセージとともに、タオルに包んだ双子の赤ちゃんを段ボール箱のなかに安置した。
その箱は出産に使用した布団のすぐ隣の棚の上に起き、そのまま彼女は疲労困憊の中、血だらけの部屋で亡くなった我が子と共にひと晩を過ごした。
彼女の名前は、レー・ティ・トゥイ・リンさん。リンさんは今、この一連の行動が「死者に対する追悼・敬虔の感情という社会秩序」を乱す「死体遺棄」だとして、1月19日に行われる控訴審の裁判で、一審同様、「有罪判決」を受ける可能性に直面している。
ここまで読んで、「単なる在日外国人の事件」と思った方もいるかもしれない。しかし、この有罪判決は、日本に生きる人たち全員に大きな問題を突きつけている。
「孤立出産」は誰もがあり得ることなのに
まずひとつめは、本件が有罪となれば、今後、国籍問わず、孤立出産に伴う死産=犯罪、とみなされかねないということだ。
たとえ事前に産婦人科などの受診歴があったとしても、自宅で突然流産、死産というケースはないとは言い切れない。その場合もケースによっては同様にみなされてしまうということになる。
実際これまでにも国内で、孤立出産によって不起訴ではあったが、逮捕されている事例がある。
2021年9月21日未明、香川に住む日本人女性は、妊娠に気づかないまま、妊娠から4カ月から5カ月ほどだった頃、自宅で流産をした。
その時、近所のかかりつけ医は休診日だった。金銭的な不安から他の医療機関にいくことをためらい、かかりつけの病院が再開したら行こうと夫婦で相談して、流産した赤ちゃんの遺体は腐敗を防ぐため、一時的に冷蔵庫に保管した。
祝日が明けた24日の朝、夫は長男を保育園に預ける際、園に妻が流産したことを伝えた。その日の午前中には自治体から夫に事実確認の電話があり、夫は事情を説明。職員からは「流産から数日経っていることもあり、どのような対応が必要か役所だけでは分からないので、関係機関と相談する」と伝えられ電話は切れた。
その後来たのは警察で、そのまま「死体遺棄」の容疑で逮捕されたのである。夫婦は不起訴になったものの、12日間勾留された上、誹謗中傷を受けた夫婦は職を失った。
他にも、2020年12月、「赤ちゃんポスト」を運営する熊本市の慈恵病院に「死産したがどうしたらいいかわからない」とメールで相談した20代の女性は、病院が警察に「保護」を求めたにも関わらず、逮捕されてしまった。
これらはいずれも不起訴だったが、リンさんのケースが有罪となれば、今後似た事例において、女性はもちろん周囲にいた家族なども、起訴、有罪判決になってしまうこともありうる。これはあまりに不条理だと私は思う。
というのも、私は最近、「内密出産」や「赤ちゃんポスト」などに関することを調べていてある記述が気になったからだ。ドイツでは、「内密出産」や「赤ちゃんポスト」の両方の制度が法制化されている。
しかし、背景にかかわらず、匿名出産や赤ちゃんポストを利用する女性たちは「パニック的な不安」を抱き、自分の状況や問題を適切に言葉にすることが難しいケースが多いことがわかっているという。
実際、逮捕された香川の夫婦も「モラルというか、倫理的に外れてるんかなって言われたら、確かにそうかもしれんけども、その時の状況で言ったらもう手詰まりだったから。役場に電話しても分からへん。
じゃあ本当にどうしたらいいのって話で……。あれよあれよという間に逮捕されて、12日間勾留された」と当時を振り返っている。
リンさんも同様で、「(死産した当日は)どうしたらいいかわからなかった」と述べている。
自然流産の頻度は全妊娠の10~15%、すなわち6~7人に1人程度の確率で起こり、決して珍しくない。中にはたった一人その瞬間を迎える人もいるだろう。
医療設備が整った環境下で出産をしても痛みや不安は尽きないのに、突然だったり、たった一人でそのときを迎えた女性たちの不安や苦しみは計り知れない。
彼女たちが、極度の疲労困憊とパニック、我が子を失った悲しみの中、相談できるまでの繋ぎとしてなんとか行った精一杯の行為が、「死者に対する追悼・敬虔の感情という社会秩序」を乱すといった非常に曖昧な理由から、「死体遺棄」とされてしまって、本当に良いのだろうか?
たった一人で「孤立出産」せざるを得なかった女性に対してすべきことは、逮捕ではなくむしろケアであり、一層の社会とのつながりなのではと私は思う。
産む産まないは、誰もが持っていい権利
そして、今回のリンさんのケースで着目したい問題がもうひとつある。それは、海外からの技能実習生の出産に関する権利だ。
WHO(世界保健機関)では、「子どもを産むか産まないか、産むならどの間隔で何人産むか」を自分で決める権利(リプロダクティブ・ヘルス&ライツ、性と生殖に関する健康と権利とも言う)は「誰にもある権利」と認めている。しかし、リンさんの置かれた環境は、この権利を剥奪し軽視する行為にあたる。
しかし残念ながらいまだに、技能実習生の契約書には「強制送還になる禁止事項」「妊娠」の表記が残っていたり、妊娠した技能実習生の女性が解雇、強制帰国させられたり、中絶か帰国かを迫られたりするケースが絶えない。これは明らかなリプロダクティブ・ヘルス&ライツへの侵害だ。
厚労省、入国管理局、外国人技能実習機構も「妊娠等を理由にして技能実習生を不利益に扱ってはならない」という勧告は何度も出すほど深刻な状況であるが、一向に改善されていない。
この現実があったことで、リンさんは周囲に妊娠したことを話せなかった。もし妊娠しても強制帰国させられないことがはっきりし、産むにせよ、中絶するにせよあらゆる選択肢が保障されていれば、周囲に相談できていたかもしれない。結果として、死産自体が起きずに済んだかもしれないのだ。
さらに、これだけ「妊娠」が「悪」とされるなら、本人が望めば確実な避妊、安全な中絶が用意されても良さそうなものだが、そういうわけでもない。
ちなみに、避妊に関して言えば、ベトナムでは法律によって1989年より避妊は無料で提供すると定められている。そして2019年の国連の報告書を見る限り、ベトナムでは生殖年齢(15-49歳)にある女性のうち、27%がIUD(子宮内避妊具)、10.5%がピル、8.3%がコンドーム、1%が注射、0.2%がインプラントを使用している。
一方日本では、コンドームはアクセスが比較的容易だとしても、注射、インプラントでの避妊は認可がないためできない。また、避妊目的のものは保険適用にならないため、IUDなら1回の挿入に3万円は下らないし、ピルも毎月2000円程度。
どちらも病院に行く必要があり、言語的ハードルも生まれることを考慮すれば、確実な避妊へのハードルは非常に高いことがわかる。
ちなみに、コンドームのみでの避妊をした女性が100人いた場合、コンドームの失敗や破損も考慮すれば約13人が妊娠すると言われているが、避妊に失敗した際、緊急的になるべく早く、遅くとも72時間以内に服用することで高い確率で妊娠を防ぐことのできる緊急避妊薬は、日本では医師による処方箋が必要で、値段も6000円から2万円程度と高額だ。
一方、ベトナムでは処方箋の必要なく薬局で200円以下で購入できるそうだ。
また、ベトナムでは薬剤での中絶が認められており、日頃の避妊と同じく法律で無料と定められている。一方日本では、中絶は10~20万円ほどかかる。
しかも薬剤での中絶はまだ認可がないため、手術しか選択できない。自分の国なら薬剤で済むはずの中絶が、異国の地で全身麻酔さえするかもしれない手術、しかも非常に高額となれば、それが極めて困難であることは想像に難くない。
避妊や妊娠に関する選択肢が日本は少なく、選択できても他国に比べ、高額で入手も簡単でないものも多い。
加えて言えば、中絶か帰国かを選ばされる時点で、その中絶が本当に本人が望んだ選択になり得るのかにも、大きな疑問が残る。
ちなみに同じく技能実習生として来日し妊娠したベトナム国籍のある技能実習生は、強制帰国を恐れ、取り寄せた中絶薬を服用し中絶を試みたところ、「堕胎罪」によって逮捕されたという事例もある。
なぜ、外国人にそんなに厳しいの?
もう、逃げ場がない。
中には、「そもそも妊娠するような行為をするのが悪い」「技能実習生は仕事だけしていればいい」という人もいるかもしれない。
しかし、誰にだって恋愛もセックスもする権利はある。異国の地で心細い中、誰かを頼りたくなったり側にいて欲しいと感じたりするのは人間として極めて自然なことではないだろうか。
今、外国人の技能実習生の労働力は、農業や建築業などさまざまな分野で欠かせない存在になっている。それなのに、低賃金で重労働、パワハラ、セクハラなどの問題も多発している。そして、「恋愛もするな」というのはあまりに非人道的すぎる。
しかも、妊娠は恋愛だったとも限らない。技能実習生という立場の弱さから、性暴力に合うことだってある。ある支援者は「ほとんどの女性の実習生がセクハラを受けている。性行為を強要されることも、逃げられない、やめられない中で強いられる」と現状を述べている。
彼女たちが日々どれだけ強い不安、恐怖の中にいるのか、それでも故郷の家族にとの思いで働き続ける姿を想像すると、胸が痛い。
私は、留学生や仕事を持つ者として海外に住んで、足掛け4年目となる。かなり身分は保障され、経済的にも問題はなく、言語コミュニケ―ションに困らなくても、心細さは常について回るし、何より社会システムを理解するのは本当に難しい。
例えば、冒頭に書いた「119番にかければ救急車が来てくれる」といった現地では誰もが知っている大切な社会通念も、日々の積み重ねでその存在をなんとか知っていくしかない。特に、医療にアクセスするのはどの国も仕組みが違うからいつだって難しい。
土日なく働き、日本語を学ぶ時間なんてないだろう中で、リンさんの感じていたであろう困難は想像を超えている。
他国で孤立してしまうと、基本的なアクセスにたどり着けないことも多い。このように、「外国人」であることに加え「外国人技能実習制度」によって生み出される脆弱さまでも抱えながら、妊娠を誰にも相談できず、産む、産まないを自分で決める権利を奪われている背景があったリンさん。
本件が有罪になれば、「人権侵害の現状が十分深刻には受け止められていない」と捉えられても仕方ないだろう。孤立した女性にそんなにも冷たい国で、本当によいのだろうか。これは、リンさんの問題だけでなく、日本に生きる私たちに突きつけられた問題だと思うのだ。
リンさんの件は、1月19日、福岡高裁で控訴審判決が宣告される。
極めて脆弱な立場に置かれたリンさんの困難、苦しみ、悲しみ、そして我が子に抱いていた愛情に真摯に寄り添った判決がなされること、すなわちリンさんの無罪を、私は心から祈っている。
【リンさんの無実判決を求める署名はこちら】
「孤立出産での死産の後に死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生リンさんの無罪判決を求めます!」
https://www.change.org/p/%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E9%AB%98%E7%AD%89%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80-%E7%AC%AC2%E5%88%91%E4%BA%8B%E9%83%A8-%E8%A3%81%E5%88%A4%E9%95%B7%E8%A3%81%E5%88%A4%E5%AE%98-%E8%BE%BB%E5%B7%9D-%E9%9D%96%E5%A4%AB-%E5%BE%A1%E4%B8%AD-%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E4%BA%BA%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E7%94%9F%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E7%84%A1%E7%BD%AA%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99
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引用以上
著者である福田和子さんの主張を全面的に支持します。奇しくも、2017年に千葉で誘拐殺害されたベトナム女子児童と同名のリンさんの基本的人権を守るのは、我々の責務であるような気がしている。
そもそも、日本政府官僚が、リンさんの死産に対し、「死者に対する追悼・敬虔の感情という社会秩序」を乱すといった、これを定めた法案の作者でも合理性を説明できないであろう極めて曖昧な観念的な決めつけで、リンさんの基本的人権を毀損するような迫害を行った背景には、日本社会に連綿と存在する「女性は男性の子を産むための道具」という封建的価値観が存在している。
リンさんのやむをえない行為を「死体遺棄」犯罪と決めつけて、国家権力で弾圧するという行為を、全国民に問うなら、おそらく99%が思いやりのない非道な行為と憤ることだろう。
リンさんの人権を守るということは、日本社会に根付いた女性蔑視、男系優位社会に対する戦いでもある。
そもそも、「女は男の子を産むための道具にすぎない」という、社会の根底にある男性優位の封建思想は、日本社会のすべての人権侵害の根底に存在する原点だ。
我々が「人間解放」という思想を世に問うとき、最初に、この社会の差別体制の根底にある女性差別を問わねばならない。
私は、この種の女性迫害を見るたびに、100年近い前に起きた金子みすゞの自殺を思い起こす。
https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2021/04/13/17452
この事件は、男性優位社会つまり、男性が部族集団の権力を独占し、やがて「部族長=男性の子に権力財産を継承する」という仕組みが生まれ、子を産ませるためのハーレムが生まれ、女性が子を産む価値しか認められない家畜の地位に堕とされるなかで、女性の基本的人権・権利が迫害される時代を、「家父長制封建制度」というわけだが、まさに、男性社会の価値観を守るためのリンさんに対する迫害であると思う。
女性は、妊娠した子についての最大責任者であって、産むか中絶するかの判断実行の基本的人権を有している。もしも、妊婦に苛酷な法的義務を課すならば、妊娠させた男性側にも、同等の法的義務を課さなければアンフェアである。
「死産した子を翌朝まで放置した」から「死体遺棄罪」で逮捕するなど、もっての他であり、警察の人間性、違法性こそ糾弾されるべきだ。
これは、元をただせば、「家父長制封建制度」を基盤にして成立している「旧約聖書」を守ろうとするユダヤ教・キリスト教・イスラム教原理主義によって、女性に苛酷な義務を課す戒律思想が成立していることを知る必要がある。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1717.html
この意味では、人類全体が旧約聖書の思想と戦っていかなければならない。それは男系氏族による家父長制封建制度と戦うという意味でもある。
我々は、二度と金子みすゞの悲劇を繰り返してはならないのだ。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1739.html
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