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中国の人権弾圧と米国の人権弾圧とどちらが酷いか?
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1363.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 12 月 08 日 11:56:43: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: アメリカ人による極悪非道の世界侵略の歴史 投稿者 中川隆 日時 2021 年 3 月 23 日 07:16:40)

中国の人権弾圧と米国の人権弾圧とどちらが酷いか?


レイ・ダリオ氏、中国擁護発言で西洋社会から糾弾される
2021年12月7日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17988

世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がFox Businessのインタビューでこれまでの中国擁護の発言を弁明させられている。

ダリオ氏の中国擁護発言

このインタビューの背景にあるのは恐らく以下の記事で取り上げたインタビューである。

世界最大のヘッジファンド: 中国さえもリベラルほど左翼ではない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17811


このインタビューでダリオ氏は、アメリカやヨーロッパで見られる中国批判の姿勢をバイアスに基づくものとして批判していた。これが多くの西洋人の癇に障ったらしい。

それでもう一度インタビューに引きずり出されて非難の的になっているわけである。Fox Businessはこの状況を次のように紹介している。

億万長者で中国投資家のレイ・ダリオ氏は先日、中国政府の行いに対して「米国は米国で人権問題を抱えている」「中国共産党の振る舞いは厳格な親のようなもの」などの物議を醸すコメントをして非難を浴びている。

彼をBridgewater創業者ではなく「億万長者で中国投資家」と呼ぶのは悪意があるが、米国では米国が人権問題を抱えていると主張するのは物議を醸す非難に値するコメントらしい。

インタビューでは更に「あなたは中国の人権問題を米国の人権問題と同一視していると考える人もいるがどういう意味でコメントしたのか」と聞かれており、要するに中国がチベットを弾圧しているのとアメリカが中東を侵略しているのとでは比較にならないほど後者の罪は軽く、それを疑問視する人間は人でなしだとアメリカ人は考えているらしい。

このインタビューではダリオ氏はいつになく憔悴した様子で、何度も言葉につまり、見ているのが可哀想なほどだった。彼は次のように述べている。

まず明確にしたいのは、あの時自分は自分の意見を十分に明確にできなかったということだ。人権問題はもちろん大きな問題で、中国とアメリカは同じことをしていると言いたかったわけではなく、これらを同一視するつもりはなかった。

厳格な親について意見を言いたかったのではなく、専制政治と民主政治という2つのやり方の違いを指摘したかった。人生すべてをアメリカで過ごし、人生の半分を中国に通いながら過ごした、中国とアメリカの違いを知るアメリカ人として、2つの国の間に立ち、2つの国の間で戦争が起きることを本当に心配している。

そうした立場にいる人間として相互理解の形成を助けたかったが、伝え方が酷かったと思う。

また、このFox Businessによるインタビューでは、続いて司会者がダリオ氏に「あなたは長らく中国に投資しているが、リスクとリターンについて教えてほしい」と聞かれ、ダリオ氏が中国の経済成長と、アメリカだけでなく世界中に分散投資することの必要性を説明すると、司会者は次のように発言した。

わたしは大金を投資する相手国として中国政府は信頼できるかどうか聞きたかったのだが、あなたは分散について、金をあちこちに散らして身の安全を図ることについて説明しているようだ。

これにはダリオ氏も言葉に詰まりながら笑顔で返すしかなかったが、その姿は痛ましかったと言う他ない。リスクとリターン、つまり金について質問をしたのは司会者の方だ。そしてダリオ氏が金について語っているとすれば、司会者はダリオ氏が中国政府を信頼するのか、つまり自分たちが敵と見なしている相手をダリオ氏も敵とみなすのか、そうではないのか問い詰めたのが透けて見える。

これが大衆と異なる意見を持った人間の欧米における末路である。同調圧力は日本の悪徳で欧米はもっと自由だと日本人は勘違いしているが、実際には欧米の方が酷い。中国政府がSNSを検閲することで人を黙らせるとすれば、欧米はSNSの検閲に加えて更に自分と意見の違うものを非国民と見なすことによって黙らせるのである。

このインタビューについてこれ以上訳す気が失せてしまったが、奇しくもこのインタビュー自体がアメリカと中国における人権侵害が実質同じものであることを証明している。トランプ元大統領の美点の1つは、それに向き合おうとしたことだった。

トランプ次期大統領: アメリカは他国の政権転覆をやめる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4936

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17988  

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コメント
1. 中川隆[-14693] koaQ7Jey 2021年12月08日 12:00:09 : SJtHPiXsUc : Sm45S0QzRkFPMFE=[50] 報告
世界最大のヘッジファンド: 中国さえもリベラルほど左翼ではない
2021年12月2日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17811


世界最大のヘッジファンドBridgewaterを運用するレイ・ダリオ氏がCNBCのインタビューに答えているので紹介したい。

親中ダリオ氏

ダリオ氏の親中ぶりは有名であり、ここで報じている通り中国に大きく投資もしている。恒大集団のデフォルト危機に端を発する中国の不動産バブル崩壊懸念についても「対処可能」だと主張し、しかもその後実際に中国株を買い増している様子が確認されている。

世界最大のヘッジファンド: 中国恒大集団の2兆元債務は対処可能
世界最大のヘッジファンド、恒大集団危機でも中国株を大幅買い増し

今回のインタビューでもダリオ氏は中国を擁護しており、北京五輪などを通じて米中の対立が高まる(理由はよく分からないが)なか、中国を擁護した。

中国は非常に成功している場所だ。1984年にわたしが最初に中国を訪れて以来、中国の1人当たりGDPは26倍になった。だから中国を理解しないこと、中国に偏見を持ったまま中国と接することには大きな害がある。

また、不動産業界やゲーム業界などへの規制強化に見られるように、中国共産党が自国の経済界を標的にしたような政策を行なっていることについては次のように述べた。

富の移転や共存共栄と呼ばれる政策について言えば、共存共栄的政策への動きは世界中で見られる。

そしてダリオ氏は同じような動きは西洋においても見られると主張した。ダリオ氏が以前述べていたように、増税と財政支出によって経済における政府の介入を増加させることはほとんど共産主義の定義そのものであり、世界中の先進国がその方向に向かっている。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる


それに耐えられなくなったのだろうか、面白いことにいつも客観的に経済の動きを分析し、政治的には公平であろうとするダリオ氏には珍しく、リベラル派へのあてこすりが見られた。彼は次のように述べている。

アメリカでリベラル(原文:progressives)と呼ばれている人々は中国の政策よりもよほど左翼的だ。

これはダリオ氏にはとても珍しいことである。アメリカ民主党が資産税にまで言及したことでリベラル派に対してダリオ氏も堪忍袋の緒が切れかけているのではないか。

リベラル派とは他人から税金を巻き上げて政治家に献上する奴隷のようなもので、政治家が脱炭素に莫大な予算を投じて世界に類を見ない巨大な利権を作り上げても何も言わないが、自分自身の努力と事業によって利益を上げた人が金を持っているのは我慢ならないのである。

中国になびくアメリカの成功者たち

ダリオ氏のように自国の政治を嫌うようになり、相対的に中国に甘くなるアメリカの成功者は多い。典型的なのはジム・ロジャーズ氏である。

ジム・ロジャーズ氏: アメリカの市民権を得るべきでない理由

しかしダリオ氏まで米国の政治を嫌ってシンガポールに移住したロジャーズ氏に似てきたというのは面白いことである。

アメリカ民主党が資産税を行なって得た資金で何を行おうとしているかと言えば、例えば脱炭素政策である。この脱炭素政策は化石燃料を無理矢理減らし、いわゆる再生可能エネルギーに強制的に移行させるもので、結果としてどうなったかと言えば、原油と天然ガスの価格が高騰して貧困層が冬を越せなくなっている。

サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない
フランス、インフレ対策で現金給付へ

馬鹿ではないのかと思う。脱炭素のような政策は共存共栄どころか集団自殺である。

結論

ダリオ氏やロジャーズ氏の中国好きに同調するわけではないが、中国を批判する西洋人が完全に見落としているのは、自分も同じことをやっているということである。

ジム・ロジャーズ氏: 米国のロシア嫌いはオバマ政権によるウクライナ政権転覆が露呈して決まりが悪くなったから
チベットや香港について批判されている中国人にしても、植民地政策で世界中で侵略行為を行なった西洋人に他国への態度や倫理について何も言われたくはないだろう。

一般の西洋人であればこのような詭弁で自分を騙せるかもしれないが、彼らのように馬鹿になることの出来ないダリオ氏やロジャーズ氏は、こうした西洋人の偽善が当然に嫌になるのである。だからダリオ氏は繰り返し、「偏見なく中国を見る」ことを推奨している。

こうした態度の一部はトランプ元大統領にも受け継がれた。元々一部の層にしか受けないと言われていたトランプ氏が2016年の大統領選で勝利したのにはそういう事情もある。

トランプ次期大統領: アメリカは他国の政権転覆をやめる


多くの西洋人が中国を批判する中、西洋の政治もなかなかに空中分解している。まともな国は世界に存在しないのだろうか。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/17811

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