習近平が“自爆”へ…中国「不動産バブル」潰しで、中国国民たちの「怒りと反乱」が始まる! 10/20 https://news.yahoo.co.jp/articles/e618db77972d68d40b122750eccd57bb09356b3c 中国の習近平が「共同富裕」なる思想を持ち出して、規制強化に突っ走っている。「共同富裕」の考えは、1953年、中華人民共和国を建国した際に毛沢東氏が初めて提唱したもので、「貧富の格差を縮小して社会全体が豊かになる」というもの。 前編記事『“大暴走”する習近平が、いまどハマりしている「毛沢東の思想」のヤバすぎる中身』では習近平が暗号資産(仮想通貨)の規制に乗り出したのもこうした思想が背景にあるという事情をレポートしたが、じつはその影響はまだまだ広がっていきそうだ。下手をすれば習近平が“自爆”しかねない事態に追い込まれる危険性が出てきたのだ――。
【写真】日本人は知らない…いま中国で本当に起きている「ヤバすぎる現実」 「共同富裕」が恒大集団を追い詰めた 世界の株式市場で話題となっている「中国恒大集団」の中国指導部による対応策にも「共同富裕」は深く関わってくる。 恒大集団の2020年12月期売上高は8兆5000億円の規模だ。 日本の不動産会社トップの三井不動産が2021年3月期は2兆円である。単純計算すると、2位の飯田グループ(同1.4兆円)、3位の三菱地所(同1.2兆円)、以下、10位の東京建物(同3300億円)まで合計した金額とほぼ同じ売り上げを恒大集団、一社で上げているのだ。 2010年からスポンサーとなったサッカークラブの「広州FC」は、豊富な資金力を背景に、2013年、15年の2回、AFCチャンピオンズリーグで優勝、つまり2回もアジアチャンピオンとなっており、サッカーファンには、広州FCのスポンサー企業といった方が分かりやすいだろう。 3つの「レッドライン」 格差を広げる中国の不動産バブルに習近平の矛先は向かっている。Photo/gettyimages そのような巨大企業である恒大集団が、僅か数十億円ほどの債券の利息を払えないほどの苦境に立たされている。きっかけは、住宅価格上昇の元凶として不動産業界に規制の矛先が向かったことにある。 中国人民銀行は、2020年夏に、大手不動産会社に対して負債比率など守るべき財務指針として「3つのレッドライン」を設けた。 「総資産に対する負債の比率が70%以下」「自己資本に対する負債比率が100%以下」「短期負債を上回る現金を保有していること」の3項目である。不動産会社は、守れなかった指針の数に応じて銀行からの借り入れ規模などが制限される。 加えて、同年12月31日、銀行の資産規模に応じて、総融資残高に占める住宅ローンなどの残高の上限比率を定めた。 つまり不動産バブルへの対応を行うため、不動産企業への融資に総量規制を設けたわけである。 マンション開発がストップへ… 「恒大集団」の危機は、中国に留まるか Photo/gettyimages
恒大集団は、21年6月時点で、2つのレッドラインをクリアできていないとのことで、銀行融資を受けられず、手元資金が枯渇したようだ。既に恒大集団と取引している関係会社からは、恒大集団の代金支払いが滞っているとの声も上がるようになり、マンション開発もストップしているとのことだ。 また、金融メディアの財新によると、恒大集団が販売した理財商品(年利10‐25%)の残高が約60億ドルあるという。主に中国の個人投資家に対して販売しており、この理財商品もトラブルの種となっている。 恒大集団問題は、サブプライムショックの再来との話もあるが、かつてのリーマンブラザーズなど大手金融機関が手掛けたサブプライムローンの総額は200兆円弱で、小口証券化されて様々な金融商品を含めると数百兆円の規模といわれていた。 恒大集団の負債は30兆円ほどで、そのうち外債は2兆円ほどで、理財商品の残高は7000億円ほどのため、仮にデフォルトという結末となっても、世界の金融機関に対しては、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの破綻インパクト(世界の金融機関は合計で1兆円ほど損失)レベルか、それ以下と推測される。 恒大集団と付き合いのある関連会社のほとんどは中国企業であるし、そのマンションを購入予定だった顧客、そして、理財商品を購入しているほとんどは中国の人たちである。つまり、恒大集団問題は中国国内の問題にすぎないのだ。 習近平はみずから首を絞めた…のか? 中国は難しい舵取りを迫られている。Photo/gettyimages 不動産業界の象徴的存在である恒大集団をどのように対応するのか、中国指導部の手腕が問われている。 不動産業界や暗号資産業界などへの規制を強化し、「共同富裕」のスローガンを掲げる習近平氏が、仮に恒大集団を切り捨てるとなれば、多くの国民がダメージを負うこととなる。 一方、恒大集団を救済したとしても、「too big to fail」といった批判につながり、国民は声をあげるだろう。 不動産業界への総量規制は不動産バブルを収束させるためだったが、結果として恒大集団問題を引き起こすきっかけとなってしまった。 中国指導部は、間違いなく日本の1990年代や米国の2000年代の不動産バブルの対応策を研究しているだろうが、「共同富裕」を掲げてしまった矢先、習近平氏は難しい判断を迫られている
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