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プーチン大統領
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/809.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 17 日 20:51:05: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 独裁者列伝 _ 昭和天皇 投稿者 中川隆 日時 2020 年 4 月 16 日 19:09:25)


2020年度 プーチン大統領の新年の挨拶



【和訳付き】プーチン大統領の新年の挨拶 2019年版



【和訳付き】プーチン大統領の新年の挨拶 2018年版(完全版)ロシアの年明け



ロシア 聖なる我等が国
ロシア 愛する我等が国
固き意志 偉大な栄光や
永久に汝が富ならん
   讃えよ我等が 自由なる祖国
   いざ集え 兄弟よ
   先人が知恵 我等がもとに
   讃えよ 汝が誇りを



新世紀を間近に控えた2000年。プーチン大統領は、それまでの愛国歌からソ連国歌のメロディーに変えました。


ソ連からの独立後のロシアには未来への希望が満ち溢れていました。共産主義の呪縛からの解放、独立、そして自由。しかしエリツィン政権のもとでは共産主義からは逃げられましたが、安定した生活は得られませんでした。そして独立を境にしロシアからは光が失われつつありました。ロシアの大国としての誇りが失われ、犯罪は多発し、誇りである軍隊はほぼ崩壊に近くなりました。


アメリカには頭が上がらなくなり、西欧との生活環境の落差は広がる一方。これらに追い討ちをかけたのが98年の経済危機。帝政ロシア、ソ連を通じ自らの経済を見つめてきた、またロシア人の誇りのルーブルが紙くず同然となりました。


ロシアの人々は現実に打ちのめされました。しかし。ロシアの人々はこんなことではへこたれません。・・ですが、やっぱり自分達の生活には限界が近づいてくるわけです。
エリツィンは何もせず酒ばかりのんでいる。国民の生活の不満は政治に向けられました。そんな中。1999年の大晦日。ロシアと全世界に衝撃が走りました。エリツィンが突如辞任したのです。


後任は元ペテルブルグ市長プーチン。名も知らぬ若き男に大国ロシアは委ねられたのです。国民はあまり期待をしませんでした。「エリツィンよかましなだけだろう」と。
しかし、そんな国民のさめた目を横目に、「強いロシア」を掲げた大統領は次々と改革を断行。経済はだんだんと回復。生活も苦しいながらも徐々に改善。なんと言っても「強いロシア」が現実に感じられるようになったのです。


もう昔の我々ではない。昔の栄光を取り戻そうじゃないか!
ロシアの人々は沸き立ちます。
http://www.medianetjapan.com/10/travel/vladimir/russian_house/russian_anthem.html



アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。
この時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらいいだろうかと考えました。


 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシアに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとるでしょう。


 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなことは考えない。
これは当然、「ロシアが二度とアメリカに反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。


 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改革のやり方」を伝授した
 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業は壊滅した。


 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハイパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした 92年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。


 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者となった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、国家財政は大幅な赤字に転落した。
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/218.html
 

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コメント
1. 中川隆[-13211] koaQ7Jey 2020年4月17日 20:51:53 : R3c9pf36SU : dEVkTUMvd3ZaM0U=[23] 報告

プーチン - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3

プーチン大統領は神の申し子
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html

カネも通信も丸裸、ロシア「監視社会化」の恐怖
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/599.html

ロシアの若者の間でスターリンがじわじわ人気上昇中
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/757.html

ロシア革命とは何だったのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/795.html

共産主義の時代
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/613.html

東西冷戦の時代
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/719.html

ベトナム戦争の時代
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/723.html

馬渕睦夫 deep state の世界を語る _ 朝鮮戦争も東西冷戦もアラブの春も対テロ戦争もすべてヤラセだった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/105.html

北方領土 _ ロシアは最初から1島たりとも返すつもりはない 
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/180.html

日本に対し「不当の扱い」を繰り返してきたロシア
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/497.html

ロシア人は今でも日本の敵 _ あまりに辛辣!ロシア人の「日本人への本音」
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/561.html

2. 中川隆[-13210] koaQ7Jey 2020年4月17日 20:53:46 : R3c9pf36SU : dEVkTUMvd3ZaM0U=[24] 報告

『山本太郎から見える日本』から - 内田樹の研究室 2020-04-10
http://blog.tatsuru.com/2020/04/10_1141.html


山本太郎の起こしているムーヴメントは、たとえばスペインのポデモスや、アメリカのバーニー・サンダース、オカシオ゠コルテスなどが巻き起こしているオルタナティヴな運動とリンクしていると考えていいでしょうか?

内田 リンクしていると思います。ただそれは、よそでこういう実践があったから、それを模倣しようということではないと思います。世界同時多発的に起きるんです、こういうものは。

いま世界のどこも反民主主義的で、強権的な政治家が成功しています。アメリカのトランプも、ロシアのプーチンも、中国の習近平も、トルコのエルドアンも、フィリピンのドゥテルテも。非民主的な政体と市場経済が結びついた「政治的資本主義」が成功している。

 中国がその典型ですけれど、独裁的な政府が、どのプロジェクトにどんなリソースを集中すべきか一元的に決定できる。民間企業も軍部も大学も、党中央の命令には服さなければいけない。巨視的なプランを手際よく実行するためには、こちらの方が圧倒的に効率がよい。

民主国家では、民間企業や大学に対して、政府のプロジェクトに全面的に協力しろというようなことは要求できませんから。非民主的な国なら、政府のアジェンダに反対する人たちは強権的に黙らせられるし、人権も制約できるし、言論の自由も抑え込める。だから、短期的な成功を目指すなら「中国モデル」は魅力的です。日本の安倍政権も、無自覚ですけれど、中国やシンガポールのような強権政治にあこがれている。だから、国内的にはそれに対するアンチが出て来る。日本の場合は、それが山本太郎だったということなんじゃないですか。

3. 中川隆[-13180] koaQ7Jey 2020年4月18日 12:54:46 : rg4H6flUlY : TXlYZGwuUFM0Wms=[23] 報告
2020.04.17
COVID-19恐慌の先に富豪たち私的権力は略奪と支配という幻影を見ている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004170000/


 日本でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を防ぐという名目で経済活動を破壊する政策が推進されている。安倍晋三政権だけでなく野党もカネのばらまきで騙そうとしているが、これまで以上に深刻な不況へ突入する可能性は高い。

 すでに生産活動を放棄し、金融マジックで生き延びてきたアメリカも深刻。事実上、公的な健康保険が存在しないことが庶民に追い打ちをかける。経済破綻したギリシャと似た状況だとする人もいるが、国が消滅したソ連に近いとも言えるだろう。

 ソ連が消滅、その構成国はバラバラになるが、そこに現れたのが西側の巨大金融資本やその手先になった地元のゴロツキ。KGBの一部がCIAの人脈と手を組んでいたとする情報もある。ソ連を消滅させる最終的な作業はボリス・エリツィンが行ったが、そうした道へと国を導いたのはミハイル・ゴルバチョフ。エリツィンは勿論、ゴルバチョフの周辺は西側巨大資本とつながっている人びとで固められていた。

 ソ連消滅から国民資産が略奪されるが、そうした略奪を象徴する人物のひとりがミハイル・ホドルコフスキー。1963年生まれなので1991年には28歳。後ろ盾がいたので公的な資産を盗み、オリガルヒと呼ばれる富豪になれたわけだ。

 ホドルコフスキーはユダヤ教徒の父親とキリスト教徒の母親の子どもとしてモスクワで誕生、メンデレーエフ・モスクワ化学技術大学でロケット燃料を専攻、大学では、コムソモール(共産主義青年同盟)副委員長を務めた。

 1985年に書記長となったゴルバチョフが「ペレストロイカ(建て直し)」を始めると、ホドルコフスキーはコムソモールの人脈を使ってビジネスの基盤を築く。その人脈の中にはソ連国立銀行の幹部を両親に持つアレクセイ・ゴルボビッチも含まれていた。

 1989年にホドルコフスキーはそうした人脈を使い、ロシアの若い女性を西側の金持ちへモデルとして売り飛ばしていたと言われている。そうしたビジネスを始めていたリチャード・ヒューズなる人物は出国ビザを入手するため、KGBにコネがあるホドルコフスキーと手を組んだというのだ。(Michael Gross “From Russia with Sex”, New York, August 10, 1998)

 この年にホドルコフスキーは銀行設立のライセンスを取得、メナテプ銀行を設立した。日本でも金融機関を設立したり乗っ取るすることは少なくないが、違法送金やマネーロンダリングを行うためには自分の金融機関を持っていると好都合だからだ。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、その後、中小の石油会社を呑み込んでいく。1996年にはモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。メディアはライバルを攻撃したり人びとを操るために重要な道具だ。

 会社を呑み込むと言っても、通常は簡単でない。安く手に入れるためには経営を破綻させる必要がある。ソ連の消滅で資産が叩き売られていたロシアでは大儲けできた。その国自体を乗っ取ることに成功したなら「再生」に乗り出すが、それは自分たちのカネ儲け、支配に都合の良いシステムを作るということだ。大多数の庶民にとってはディストピア。そうした略奪集団は1990年代から日本も食い物にしたが、ロシアはその比でなかった。

 しかし、ロシアでは国が完全に乗っ取られる寸前、曲がりなりにも再独立することに成功した。再独立を実現したグループの中心にいたウラジミル・プーチンを西側の政府や有力メディアが罵倒するのは必然だと言える。再独立したロシアは2015年頃から中国に接近、両国は戦略的な同盟関係に入る。

 こうした展開を受け入れられなかったのはネオコンをはじめとする世界制覇を目指す西側勢力だけでなく、ソ連嫌いの「左翼」も含まれる。ネオコンには「元トロツキスト」が多いようで、ネオコンと「左翼」はもともと近い存在なのかもしれない。そうした人びとはロシアを再び西側巨大資本の属国にしようと必死になり、その努力は今も続いている。

 ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れている。この事実だけでもホドルコフスキー人脈が推測できるだろう。

 ユーコスは西側の銀行から数億ドルの融資を受け、投資会社のカーライル・グループからも資金を得ていた。そのユーコスの発行済み株式のうち25%から40%をホドルコフスキーはエクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとするが、それはプーチンによって阻止されている。

 COVID-19によって金融や経済が破壊された世界では、エリツィン時代のロシアに近いことが世界規模で展開される可能性がある。少なくともアメリカの支配層はそれを目論んでいるだろう。その先に彼らは巨大な私的権力が世界を直接統治する「新世界」を見ているはず。それは強者が生殺与奪の件を握った「自由な世界」だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004170000/

4. 2020年11月10日 16:09:33 : Zt2FcgnQek : ZlFPRmJaMFFzVXc=[24] 報告
【重要・緊急警告】12月に中国が台湾侵攻の可能性? 尖閣諸島に電撃侵攻も…プーチン引退説の真偽と本当の正体、トランプ、バイデン「ジェームズ斉藤の時事予測」
2020.11.10
https://tocana.jp/2020/11/post_182546_entry.html


──プーチン引退説がこのタイミングで出てきました。アメリカの混乱と関係ありますか?

ジェームズ 大いにあります。まず、プーチン引退説ですが、ネタ元が反プーチンの筆頭格の人物なので、ロシア発のフェイクニュースの可能性大です。このタイミングにしても、民主党がプーチンとトランプの間に亀裂を入れようとしている可能性があります。(この取材後、バイデンの当確の報が流れる。この件については別記事を参照のこと)。

──ジェームズさんは以前から、プーチンとトランプは裏で呼応していると言っていましたね。

ジェームズ そうです。反グローバル、反共産ユダヤという点でつながっていると思います。CIA右派は伝統的に反ソでしたが、現在は親露で、今のロシアは誇り高きキリスト教国家と思っている人のほうが多いです。実際に、大統領就任前の30年以上に及ぶトランプとロシアの不可解な関係は、トランプがCIA右派のプリンスとして米露関係の裏の関係を運営していたからです。実際、CIA右派は1991年にはプーチンとの関係を作っていました。何を隠そう、プーチン本人が冷戦末期と終結後一時期CIA右派のエージェントを務める一方で、所属していたKGBや後継組織のFSBの任務を淡々とこなし、1998年にはFSB長官に登りつめたのです。


──えーーっ!!! プーチンがCIA右派のエージェントだったんですか!? それ本当ですか!!!!!

ジェームズ そんな驚くことなんですか? この事実は諜報機関関係者の間では常識ですよ。いわゆるダブルエージェント(二重スパイ)ですが、プーチンの忠誠心は常に祖国ロシアにありました。当時はあえて米国のエージェントになることのほうがロシアの利益につながったんです。また、プーチンレベルの諜報員ではダブルエージェントをやるのは当たり前です。プーチンは出身地のサンクトペテルブルクでは伝統の親欧米主義支持者からスタートし、ロシアと欧米との対等関係を構築し、欧米を軸にロシア経済を向上させようと思っていました。そのような期待をやすやすと裏切ったのがCIA左派だったんです。彼らはロシアから資源を貪り、配下のウォールストリートが儲かった瞬間に、新生ロシア及びロシア人を「ポイ捨て」しました。

──CIA左派はプーチンを裏切っていたんですね。そういう図式だったのか……。

ジェームズ CIA左派が裏切ったのはロシアがロシア正教だからです。ユダヤ人のロシア正教に対する怨念は凄まじいものがあります。それもあってプーチンのロシアは反米親中的な、かなり危ない国家戦略をとっているんです。核ミサイルを常に欧米に向け、経済的には中国の属国になる勢いです。プーチンも本心は悔しいと思っているはずです。唯一の希望がCIA右派の対露裏ネットワークによって正常な米露関係を取り戻すことで、それにはトランプ大統領の再選が鍵を握っています。バイデン政権が誕生すると、米露関係の修復は不可能でしょう。


──いきなり凄い話が出てきてビックリしました。これについては今後また詳しくお聞きします。中国はどうでしょうか?

ジェームズ 12月に台湾侵攻の可能性があります。アメリカ国内があのような状況であれば、トランプも対中国に注意を向けていられませんから狙ってくる可能性はそれなりにあると思います。


──じゃあ、尖閣はどうですか? 危なくないですか?

ジェームズ 尖閣の前に台湾です。図を見てください。

https://tocana.jp/2020/11/post_182546_entry_2.html


 台湾は第一列島線の要です。台湾の戦略的重要性は、1941年12月8日(日本時間)に大日本帝国海軍が真珠湾攻撃と同時に台湾基地から香港やフィリピンを奇襲攻撃したことに証明されています。台湾は東シナ海や南シナ海の島の中でも大きく、しかも中華民国の軍隊がすでに存在します。また、北京にとっては台湾は中華人民共和国の一部で、併合することが2021年の中国共産党結成100周年に向けての悲願です。台湾を取らないと尖閣への侵攻はやりづらいので、まずは台湾です。

 逆に言えば、台湾を攻めたら尖閣への侵攻はかなり現実味を帯びてきます。トランプ側からすれば、中国の侵攻は選挙のカオスを口実にスルーする可能性があります。なにしろ、トランプは撤退屋なので、台湾のような小国にアメリカ市民の犠牲を払う道理はないと考えます。一方、軍のほうは台湾を見殺しにすることにはほぼ100%反対すると思いますが、軍の最高指揮官はトランプなので、最終的な判断は大統領になります。台湾問題で米軍が引くことにより、日本等が戦うことになるので、トランプにはメリットがあります。


──日本と中国が戦争になるということですか!?

ジェームズ はい。台湾侵攻があればですが。そして、尖閣を守りたいのであれば、自分の国を守りたいのであれば、これからはもう自分で戦うしかないと思います。これはバイデンが大統領になっても同じです。民主党は中国寄りなので、裏で中国側につく可能性が高いですね。


──う〜ん、今までジェームズさんの予測は全部当たっていますからね。

ジェームズ アメリカのカオスが続き、しかも、国防長官に空白があると電撃侵攻もやれなくはないですから。そろそろ日本も自国の行く末を本気で考えないといけません。

 とりあえず、アメリカ、ロシア、中国、そして日本に関して、いま気にしておかなければいけない点はこのぐらいです。今後も次々出てくると思いますが、動きが早いので順次、速報していきます。

文=ジェームズ斉藤

5. 2021年1月15日 15:33:35 : 4KxyW7JbrY : NkpSMXBPdG5Hdm8=[22] 報告
今回のパンデミック騒動で富豪は資産を増やしているが、その富豪を代表するWEF(世界経済フォーラム)を創設したクラウス・シュワブはCOVID-19を利用して資本主義システムを大々的に「リセット」すると宣言している。リセットに成功したなら、世界は強大な私的権力が直接統治するシステム、つまりファシズム体制が世界を覆うことになる。

 富豪の中でも特に経済の破綻が自分たちの利益に結びつく集団は金融資本の支配者たちだ。資産や技術を持つ企業を借金漬けにし、借金の形として乗っ取ることもできる。ボリス・エリツィン時代のロシアではクレムリンが私物化され、国民の資産が奪われていた。

 クレムリンを支配していたのはエリツィンの娘であるタチアナ。彼女の利権仲間であるアナトリー・チュバイスは1992年11月にエリツィンが経済政策の中心に据えた人物で、彼が手を組んでいたHIID(国際開発ハーバード研究所)はUSAIDからカネを得ていた。つまりCIAとつながっていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 ボリス・エリツィンは1996年からタチアナを個人的な顧問に据えていたが、2000年に彼女はウラジミル・プーチンから解雇される。彼女は2001年に再婚するが、相手はエリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフ。この人物の娘であるポリナ・ユマシェバはオレグ・デリパスカと結婚していた。

 デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受けていたが、プーチンとの対決は避けた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101150001/

6. 中川隆[-8058] koaQ7Jey 2021年1月20日 15:52:59 : BdKYWa4FDg : bUt0LjBpNkVpMW8=[72] 報告
エネルギー戦争で敗北しつつある帝国
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/01/post-320ea5.html

2021年1月12日
The SakerブログへのIster寄稿

 ロシアのエネルギー産業に対する進行中の戦争を、帝国による復讐行為と見なすことができるが、それは敗北しつつある戦争だ。

 2000年代初期に、プーチンがロシアのエネルギー埋蔵の略奪を阻止した後、この経済戦争は、発生期のロシア連邦の石油・ガス産業を、更に、ロシア経済を機能不全にするよう仕組まれていた。

 この計画は、カスピ海横断の、ナブッコとバクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプライン設計から始まった。BTCパイプラインは、2005年、アゼルバイジャンのカスピ海油田から、ジョージアを経由して、トルコまで、石油を送るために建設された。次に計画されたナブッコ・パイプラインは、BTCから、オーストリアのバウムガルテン・ガス・ハブまで、アゼルバイジャン・ガスを輸送し、そこでヨーロッパのロシア・エネルギー需要に割って入るはずだった。NATOによる最終的打撃として、カスピ海横断パイプラインが、カスピ海を横断し、トルクメニスタンのガスと石油を、BTCとナブッコルートを通して、アゼルバイジャン、最終的にヨーロッパに送り、ロシアを孤立させるのが狙いだった。

 ロシア-グルジア戦争も、このレンズを通すと理解できる。紛争発生の二日前、BTCパイプラインが、神秘的爆発で被害を被った。この戦争でのプーチン勝利と、それに続いた、南オセチアとアブハジア占領は、紛争地域から、わずか数マイルの、このような費用がかかる事業に、欧米エネルギー企業は投資しないだろうから、ナブッコとカスピ海横断プロジェクトは危うくなった。これら計画はぶち壊された。今、ロシア石油大手ガスプロムは、このような未来のプロジェクトに参加することから、トルクメニスタンの意欲をそぐため、直接トルクメンのガス購入協定に署名している。

 クリミア再統合は、元々歴史的にロシアの領域が本来の場へ復帰したものと我々は見ているが、エネルギー戦争でも大勝利だった。クリミア紛争でのプーチンの悪夢は、ヤヌコーヴィッチ打倒が、最終的に、エネルギーが豊富な黒海でのロシア軍基地の排除となることだった。クリミアでの基地強化は、ロシアが、ウクライナを迂回し、黒海海底経由で、ヨーロッパにガスを送ることを可能にたトルコ・ストリーム・パイプライン創造に寄与した。

 パイプライン戦争でのロシアの立場は、ロシア・ガスをバルト海経由でドイツに送るノルドストリーム2パイプラインに関する最近の出来事で更に強化された。当然、アメリカはこのプロジェクトを嫌っており、あらゆる手段で建設を遅延させようと努めてきた。

 だが、プーチンやロシアの友人とは言えないドイツでさえプロジェクトを推進した。ガスプロムは、イギリスやオランダ、オーストリア、ドイツのエネルギー企業のパートナーとともに、パイプラインを完成するだろう。遠く離れたアメリカが反対するかもしれないが、アメリカが輸出できるものと言えば、ドイツ産業群に電力供給するのに必要なロシアのガスや石油の代用にはなれない不換ドルしかない。

 2020年12月、アメリカの抗議にもかかわらず、ガスプロムはパイプライン建設を再開した。実際、ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン州は、最近アメリカによる将来未のプロジェクト中断の企みを事前に阻止できる、制裁を受けない法律を作る票決をした。

 何という運命の変わりようか。帝国の地政学的干渉が、平和な貿易に回避され、全能のアメリカが弱まっていくのが見えるの。

 だから、パイプライン戦争でのロシアの勝利は明白だが、戦争は他の分野でも行われている。これまで六年、帝国は、サウジアラビアの石油と、シェール革命で生産される天然ガスという二つの主要武器によって、価格設定戦で勝利していた。

 2014年9月、ジョン・ケリーとサウジアラビア国王が会談して、石油価格戦争が始まった。バッシャール・アル・アサドを打倒する上での、アメリカ軍の支援と引き換えに、ロシア経済を弱体化させるため、サウジアラビアが原油価格を抑えるお膳立てがひねりだされた。サウジアラビアが、あらゆる主要生産国中で抽出経費が最少(2020年時点で、一バレル3ドル)なので、ロシアやイランやシリアのような、よりコストが高い石油を産出する競争相手より、ずっと安い価格で利益を得ることができる。この新しい仕組みの下で、原油価格が新安値に下落する中、東シリアでISISが作り出され、自由シリア軍はアメリカから重装備の武器を与えられた。

 次の二年にわたり、ロシア経済は、ほぼ40%縮小した。比較すると、GDPが、わずか2.5%減少した後、アメリカ「大不況」は、金融システム全体をほとんど押しつぶした。プーチン下、ロシア金融政策が、正味ゼロ負債の維持に注力していたため、ロシアは巨大収縮に耐えることが可能だった。(チェチェン共和国で、イスラム主義者と戦ったかどで、ロシアを罰するよう意図した)サウジアラビアの価格抑制が、原油価格低下を加速し、1998年、ロシア金融危機をもたらした1990年代と大違いだ。ロシアが対外債務なしで活動している今、これら価格戦術は、民衆には打撃だが、もはや国家機能を危うくしない。

 2020年、更に、サウジアラビアによる価格抑圧が進んでいるが、王国の長期的見通しは急落している。サウジアラビアの下にはイエメンがある。出生率の高さが、天然資源供給にまさるため、イエメンは、貧しい、急進的な若者を多数産みだしている。サウジアラビアとアメリカによる空爆に応えて、フーシ派運動は、北の隣人に対抗して、イエメンのシーア派とイスラム教スンニ派を共通の旗の下に団結させた。今イエメン反政府派は、2019年9月の攻撃が、石油価格をほぼ20%急騰させた、益々頻繁な無人機攻撃で、サウジアラビア石油施設に標的を定めている。

 サウジアラビアにとって、もう一つの問題は資源枯渇だ。サウジアラビアは、残っている石油量について組織的にウソをついている。漏洩した通信が、アラムコ前副社長が、アメリカに、彼らの石油埋蔵が、実際主張しているより40%少ない可能性があると警告しているのを示している。それまでの合意は、ガワール油田は、500万バレル/日の能力があるということだった。アラムコのIPO申請は、380万バレル/日という最大容量を明らかにしている。それは、サウジアラビア石油の3分の1を産出する最大油田なのだ。

 もし彼らの石油埋蔵量が問題ないのであれば、王国は、なぜこれまで5年間、うろたえたように、経済多角化の話をしていたのだろう?なぜアラムコが、IPOしなければならないのだろう?原油戦争の中で、アメリカ属国は干上がりつつあるように思われる。

 エネルギー価格競争でのもう一つの武器は、シェールガス革命だった。横方向掘削と水圧破砕の新しい進歩が、それまで、アメリカが到達しにくかった「非在来型」原油やガスにアクセスするのを可能にした。多くの小規模、中規模抽出企業が2010年代半ばに急速に事業を展開するにつれ、世界は安い天然ガスで溢れ、ロシアのエネルギー収入を下げた。だが、これら企業の多くは採算性が悪く、当時利用可能だった超低金利が、数年間、損失をだしながら、企業操業を可能にしていたがゆえ、存在していたのだ。つまりロシアを傷つけた採算性が悪いシェール革命は、事実上連邦準備銀行に資金供給されていたのだ。

 2020年に、この産業が莫大な弱さの兆しを示すにつれ、アメリカ・シェールの墜落が地平線に姿を現したように思われる。石油とガス破産が2019年から2020年までに四倍になり、アメリカで最も広い油井の生産水準が低下した。イーグルフォード・フィールドは2019年から30%減少し、ニオブララは35%減少し、アナダルコは40%減少した!アメリカにとって最善なのは、これらが低価格のための自発的生産減少だった場合だ。最悪なのは、これらがサウジアラビアに起きている枯渇と同じ運命、末期症状だった場合だ。

 たとえ巨大アメリカ油井が以前の生産水準に戻ったとしても、破産の波は、基本的に何年も営業損失を出しながら掘削している多くの小規模生産者を市場から排除するだろう。

 エネルギー戦争で、帝国が敗北しているのを示唆する他の進展もある

1.アルメニアで見せかけの訴訟でガスプロムに標的を定めたニコル・パシニャンは、プーチンに面目をつぶされた。アルメニア-アゼルバイジャン和平協定を仲介して、ロシア軍は今コーカサスを永久占領している。それが五年に限定されると本気で信じる人は、沿ドニエストル共和国という小国に、ロシア軍を、ほぼ30年配備している「暫定平和維持活動」に目を向けるべきだ。今、地域における重要なエネルギー中枢というロシアの立場は、ソ連以来のどの時点より強い。

2.アメリカ制裁に逆らって、イランは、国産部品で新石油タンカーを組み立てることで、国内造船業を再起動した。新アフラマックス巨大タンカーは原油750,000バレルの積載能力があり、イランの貿易相手に密かに石油輸送するため使われるだろう

3.サウジアラビアと類似のエネルギー埋蔵量を持った唯一の国ベネズエラに、フアン・グアイドを据えるワシントンの脆弱な努力にもかかわらず、マドゥロへは依然権力の座にあり、ロシアと中国はアメリカ制裁を避けるために今協力している。2020年中、石油船積み港がマレーシアであるかのように見えさせたロシア国営石油会社ロスネフチの支援を得て、アメリカによる発見を避け、こっそり輸送され、ベネズエラ原油が中国の港に到着した。

 すると、これら事象の結論は何だろう?

 第一に、ヨーロッパがロシア・エネルギーの必要性に目覚めたのがわかる。アメリカの、あらゆる大げさな話にもかかわらず、アメリカはイデオロギーで同調している国々にさえ可能な選択肢を提供できないのだ。もちろん、地中海で、亀裂から非在来型ガスを採掘するなど、場当たり的試みがあるだろうが、それらは最善でも、部分的解決にしかならない。第二に、制裁は裏目に出た。ロシア経済は、今十分復元力があり、利益も出ている。既に世界的金融システムから隔離されている国に対して経済戦争をするには、それ以上の方法はない。石油貿易では、制約が多い制裁を課すアメリカの意欲は、それを迂回したいと望む国々の創造力の返り討ちにあったのだ。とうとう、価格競争の最も厳しい期間は終わったように思われ、パイプライン戦争の勝負はついたのだ。

Isterは金融市場と地政学研究者。Isterの著書:Escape America

7. 2021年1月28日 18:24:20 : fhg8YYhxTo : Nzk4WlJOWGpHb0E=[23] 報告
2021.01.28
サウジ以上の産油国であるベネズエラをバイデン政権が狙っている可能性は大きい
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101280000/


 石油を含むエネルギー資源は現代社会を支えている。どの国もエネルギー資源がなければ存続しえない。ジョー・バイデン政権もエネルギー資源の支配に力を入れるだろう。アメリカがエネルギー資源を支配、石油や天然ガスの供給を止めることができるということになれば、多くの国はアメリカの命令に逆らえなくなる。

 アメリカにとって石油はそれ以上の存在でもある。ドル体制を支えてきたのだ。基軸通貨であるドルを発行する特権によってアメリカの支配力は支えられてきた。

 1971年にリチャード・ニクソン大統領がドルと金の交換を停止すると発表、金という後ろ盾を失ったドルが基軸通貨の地位に留まることができたのはそれなりの仕掛けがあったからである。

 そのひとつは金融規制の大幅な緩和によって投機市場を肥大化させたことにあり、もうひとつは石油取引の決済をドルに限定させたことにある。アメリカはサウジアラビアをはじめとするOPEC(石油輸出国機構)に決済をドルに限定させ、その代償としてその国の防衛だけでなく、支配者の地位と収入を保障したのだ。

 産油国に集まったドルはアメリカの財務省証券や高額兵器を購入するなどという形でアメリカへ還流、また産油国を支配する人びとの預金や投資という形で金融システムや投機市場へ流れ込む。それによって現実世界に流通するドルを減少させ、ドルを発行する余裕を作ることができる。

 アメリカを中心とする支配システムにおいて、サウジアラビアの果たしている役割は大きいというこということだが、現在、サウジアラビアで大きな影響力を持っているモハメド・ビン・サルマン皇太子はサルマン国王の息子。新自由主義の信奉者で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とも友好的な関係にある。2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝ったことを受けてビン・サルマンは皇太子になったことを考えると、昨年の選挙でトランプが敗北した影響は避けられないだろう。

 ビン・サルマンは腕力で物事を解決しようとする傾向があるが、イエメンへの軍事侵攻はサウジアラビアを疲弊させている。イエメンでサウジアラビアと戦っているフーシ派は2019年9月にUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と巡航ミサイルでサウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設を攻撃、サウジアラビアの屋台骨が揺らいだ。

 この施設の周辺には88基のMIM-104 ペトリオット・システムが配備され、ペルシャ湾にはアメリカ海軍に所属する3隻の駆逐艦(イージス艦)がいたのだが、機能しなかったということだ。サウジアラビア王室のアメリカに対する信頼度が低下して当然だ。

 アメリカ国内の情勢もサウジアラビアに悪い影響を及ぼしている。バラク・オバマ政権やジョー・バイデン政権はネオコンの影響を強く受けているが、そのネオコンの暴力的な手法が失敗、状況を悪くしたのである。

 バラク・オバマ政権時代の2014年2月にアメリカはウクライナでクーデターを成功させた。ネオ・ナチを使ってビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除して傀儡政権を作り、ロシアとEUとの関係を断ち切ろうとしたのだろう。ロシアとEUを結びつけているのは天然ガスだ。

 同じ時期にアメリカ政府はイギリス政府と共同で中国に揺さぶりをかけた。香港で反中国政府の「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛けたのだ。共通の敵が出現したことでロシアと中国は接近し、戦略的な同盟関係に入った。

 しかし、ヤヌコビッチの支持基盤だったウクライナの東部と南部の制圧にアメリカは手間取る。オデッサでは住民を虐殺して制圧したが、東部では戦闘が続き、クリミアはウクライナから離脱した。キエフの惨状を知ったクリミアの住民がいち早く動いた結果だ。

 クリミアはロシアの黒海艦隊が拠点にしてきた。このクリミアを制圧することでロシア軍を追い出そうとアメリカ政府は考えたのだろうが、失敗に終わった。

 西側ではロシア軍が軍事侵攻したと宣伝されたが、2014年当時、1万6000名のロシア軍が駐留していた。ロシアとウクライナが1997年に結んだ条約でロシア軍はクリミア半島に2万5000名までの部隊を駐留させられることになっていた。駐留していた部隊を西側は侵略してきたと宣伝したわけである。

 クーデターを成功させたものの、ロシアにダメージを与えるという目論見には失敗したアメリカ政府は新たな経済戦争を仕掛ける。ロシアの資金源であるエネルギー資源の相場を下落させたのだ。ソ連を消滅させる際に成功した手口を再び使ったのである。

 WTI原油の場合、2014年5月に1バーレル当たり110ドルを超す水準にあったが、年明け直後には50ドルを切る。2016年1月には40ドルを割り込んだ。値下がりが始まって間もない2014年9月11日にアメリカのジョン・ケリー国務長官とサウジアラビアのアブドラ国王は紅海の近くで会談、それから加速度的に下げ足を速めたことから原油相場を引き下げる謀議があったとも噂されている。

 ところが、原油価格の下落はロシアでなくサウジアラビアやアメリカの経済にダメージを与えることになった。ロシアの場合、石油相場と同じようにロシアの通貨ルーブルも値下がりしたことからアメリカ支配層が望んだような効果はなかったのである。2014年にサウジアラビアは約390億ドルの財政赤字になり、15年には約980億ドルに膨らんだと伝えられている。

 オバマ政権の政策を引き継ぐことが予想されたヒラリー・クリントンが2016年の大統領選挙で敗北したこともあり、サルマン国王は2017年10月にモスクワを訪問、ロシア製防空システムのS-400を購入したいという意向を伝え、ロシア側は受け入れる姿勢を示した。

 サウジアラビアはイランとの関係修復にも乗り出す。イラクを仲介役にして話し合いをはじめ、2020年1月3日にはサウジアラビアへの返書を携えてイランのガーセム・ソレイマーニーがバグダッド国際空港に到着した。そのソレイマーニーをアメリカはイスラエルの協力を得て暗殺している。アメリカ政府はサウジアラビアとイランとの間で進んでいた緊張緩和の動きを壊したのだ。

 バイデン政権は中東における攻撃の目標をシリアに集中しようとしているようだが、戦乱が拡大すると中東からの石油供給は困難になるだろう。地中海の東部、リビア、エジプト、パレスチナ、イスラエル、レバノン、シリア、トルコ、ギリシャに面した場所に膨大な天然ガスが存在していると言われているが、これで全てが解決されるとは言えない。

 現在、石油の生産量はアメリカがトップだが、アメリカで大きな比重を占めるシェール・ガスやシェール・オイルは生産コストが高く、石油価格が下落するとビジネスとして成り立たなくなる。しかもこの生産方法は地下水を汚染して農業生産にダメージを与える可能性が高い。

 現在、最も石油の埋蔵量が多いと言われている国はベネズエラである。第2位がサウジアラビア。バイデン政権、いやアメリカの支配者はベネズエラを制圧したいだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202101280000/

8. 2021年1月29日 12:53:59 : lCFpvpaZf6 : TDBDWC5EOGQudTI=[12] 報告
2021.01.29
プーチン氏 ダボス会合で第三次世界大戦の勃発を示唆
https://golden-tamatama.com/blog-entry-putin-suggest-worldwar3.html


さて、おそロシア〜

ロシアのプーチンさんと言えば、
空手8段、柔道5段の猛者。

そしてカレンダーを発売するやなぜか芸能人を押さえ売上トップ。

Newsphere より

ロシアのプーチン大統領のカレンダーが、日本で大人気だという。

実は「プーチンカレンダー」は毎年発売されており、これまでも各国で話題になってきたが、なぜか今年になり日本で火が付いた。買っていくのは若い女性たちということで、海外メディアは戸惑いつつもその理由を探している。

◆国内勢を押さえ首位に 裸のムキムキボディが熱い!
サウスチャイナ・モーニングポスト紙(SCMP)は、週刊ポストの記事を紹介し、日本でプーチンカレンダーが大人気だと報じている。

生活雑貨専門店「ロフト」では、俳優の田中圭とフィギュアスケーターの羽生結弦を押さえて売り上げ1位に。

アマゾンなどのオンライン販売でも人気上昇中だという。しかも買っていくのは若い女性たちということで、なぜそんなことになっているのかは謎だとしている。・・

なんでやねん!

日本女性は中世的な日本男児に物足りなくなり、
このような外人のおっさんが好きになってしまったのでしょうか。

さっぱりその趣向が分かりません。

さて、そのような人気爆発のプーチン氏が言う言葉は、
他の首脳などよりワタスは注意して見てます。

以下は、ワタスがずっと前から載せてる話。

1940年と2020年のシンクロ
1923年関東大震災
1925年治安維持法
1940年東京オリンピック(中止)
1941年太平洋戦争

2011年東日本大震災
2013年秘密保護法案
2020年東京オリンピック
2021年 ?

ワタスの見たところ、最近各国の政権の退陣、辞任が同時多発的に起きている。
裏で大きな動きが起きてる。

で、おほぉ。

以下、そのプーチン氏が聞き捨てならないことを言ってます。

またTOCANA?
とバカにしたものじゃない。
プーチン氏がいうことにはちゃんと根拠がある。

【緊急警告】プーチンがダボス会合で“第三次世界大戦の勃発”を示唆!! 「文明は終焉する」もはや開戦は想定内か!?
毎年1月末、スイス・ダボスで開かれる「世界経済フォーラム」の年次総会、通称「ダボス会議」であるが、今年は新型コロナウイルスの流行を理由に5月にシンガポールで開催される予定だ。

そこで、本来のダボス会議が開かれていたはずの今月25〜29日、オンライン版のダボス会議「ダボス・アジェンダ」が開催され、各国の首脳や大企業の経営者らが様々なテーマについて話し合っている。

そんな中行われたロシア・プーチン大統領の演説が反響を呼んでいる。

プーチン大統領は現在と1930年代の類似点を指摘し、「第三次世界大戦の予兆がある」と警告を発したのである。米「Bloomberg」(1月27日付)などが報じている。

・Putin Warns of Global Tensions Similar to 1930s in Davos Speech (Bloomberg)

27日、プーチン大統領はオンラインで演説を行った。

その中で、「新型コロナウイルスのパンデミックが世界的な問題と不均衡を悪化させており、経済的不均衡の拡大によって緊張が増している」とし、その状況が1920〜30年代、国際問題の解決に失敗したために第二次世界大戦を引き起こした時代に類似していると指摘した。

「今日において、そのような世界的な激しい戦いは原則として不可能であると願っています。しかし、繰り返しますが、予測不可能かつ制御不能な状況に発展する可能性があるのです」(プーチン大統領)

さらにプーチン大統領は「世界は『万人の万人に対する(all against all)』紛争に陥るリスクがある」と、まるで第三次世界大戦を想起させるような発言もし、第二次世界大戦規模の戦争が起これば「文明は終焉する」とまで述べている。

演者が誰かということを考えれば、その内容は実に恐ろしい予言にも聞こえるが、要するにプーチン大統領が言いたいのは「他国への内政干渉が軍事的リスクを高める」ということだ。

プーチン大統領は今月26日、バイデン米大統領との間に新戦略兵器削減条約(新START)を合意したばかりだが、反体制派活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏に対する暗殺未遂、身柄拘束が国内外で大きな批判にさらされている。

国内の不満や対立から目を逸らすために、他国の内政問題に首を突っ込んでくるなという欧米への牽制でもある。

実は、プーチン大統領のダボス・アジェンダ参加は事前に公開されていなかった。

プーチン大統領が最後にダボス会議で演説したのは2009年のことで、このサプライズ自体が議論を呼ぶものである。

この演説に先立ち、世界経済フォーラムの創設者で会長でもある経済学者クラウス・シュワブ氏は、「ロシアは長年の参加国であり、紛争と差異の時代においては建設的な対話を続けることが重要である」と述べている。

とはいえ、新型コロナウイルスのパンデミックが世界的な緊張を高めているというプーチン大統領の指摘自体は非常に真っ当なものであり、世界レベルで取り組まねばならない喫緊の課題である。

もしその先に第三次世界大戦が待っているとすれば、きっとそれは「文明の終焉」であるに違いない。

おそロシア〜

ワタスはとにかく前から言ってるように今年は戦争の年。

プーチン氏は実は。。。のトップで、かなりの情報を掴んで言ってるのでしょう。

米大統領選の混乱はもっと大きな混乱の序章。
とかなんとか。

https://golden-tamatama.com/blog-entry-putin-suggest-worldwar3.html

9. 中川隆[-7744] koaQ7Jey 2021年2月04日 10:13:10 : K6muIrSMR2 : TlUudzl6bDUwWlk=[2] 報告

2021.02.04XML
ナワリヌイにつらなるアングロ・サクソンの対ロシア工作
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102040000/


 西側ではロシアの「民主派」として宣伝されているアレクセイ・ナワリヌイがロシアへ戻り、拘束されたが、​ナワリヌイの側近がイギリスの外交官と接触、不安定化工作について話し合う様子が撮影され、それをロシアのメディアが放送​した。相手のイギリス人はMI6(イギリスの情報機関)の人間だと見られている。

 ナワリヌイはエール大学の奨学生となり、同大学で学んでいるが、その手配をしたのはマイケル・マクフォール。バラク・オバマが大統領だった2010年8月、ムスリム同胞団を使って中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させるためにPSD-11を承認したが、その計画を作成したチームのひとりがマクフォール。

 この人物は2012年1月に大使としてモスクワへ着任するが、​その3日後にロシアの反プーチン派NGOの幹部が挨拶に出向いている​。その年の2月にはロシアで大統領選挙が予定されていて、その選挙に対する工作を指揮することがマクフォールの任務だったと考えられている。

 NGOの中には「戦略31」のボリス・ネムツォフとイーブゲニヤ・チリコーワ、「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」のレフ・ポノマレフ、選挙監視グループ「GOLOS」のリリヤ・シバノーワらがいた。

 戦略31はNEDから、モスクワ・ヘルシンキ・グループはNEDのほかフォード財団、国際的な投機家であるジョージ・ソロス系のオープン・ソサエティ、そしてUSAIDから、GOLOSもやはりNEDから資金を得ている。

 CIAには秘密工作を実行するための資金を流す仕組みが存在する。定番のルートがNED(国家民主主義基金)やUSAID(米国国際開発庁)だ。NEDは1983年にアメリカ議会が承認した「民主主義のための国家基金法」に基づいて創設された組織で、政府から受け取った公的な資金をNDI(国家民主国際問題研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターへ流しているのだが、そうした資金がどのように使われたかは議会へ報告されていない。CIAの活動内容を明らかにすることはできないからだ。USAIDもクーデターや破壊活動などCIAの秘密工作で名前が出てくる。

 アメリカの私的権力は1991年12月のソ連消滅で自分たちの国が唯一の超大国になったと考え、他国に配慮することなく侵略戦争を行い、世界を制覇できると考えた。そして作成されたのがウォルフォウィッツ・ドクトリンだが、そのプランは21世紀に入って大きく揺らぐ。ウラジミル・プーチンを中心とする勢力がロシアを曲がりなりにも再独立させることに成功したのだ。

 ロシアでナワリヌイは支持されていないが、西側ではロシアに対する攻撃を正当化するために利用されている。大多数のロシア人には相手にされない戯言でも西側では信じる人が少なくないだろう。

 イギリスのロシアに対する工作は遅くとも20世紀の初頭から行われている。例えばイギリス外務省は1916年にサミュエル・ホーアー中佐を中心とするMI6のチームをロシアへ送り込んでいる。その中にステファン・アリーとオズワルド・レイナーが含まれていた。

 アリーの父親はロシアの有力貴族だったユスポフ家の家庭教師で、アリー自身はモスクワにあったユスポフの屋敷で生まれている。レイナーはオックスフォード大学時代からフェリックス・ユスポフの親友。イギリスはロシアをドイツとの戦争に引きずり込もうとしていた。

 ロシアの産業資本やユスポフは戦争に賛成していたが、皇后やグレゴリー・ラスプーチンという修道士は戦争に反対、ラスプーチンはイギリスにとって邪魔な存在だ。ラスプーチンの背後には大地主がいた。

 そうした対立の中、皇后は1916年7月13日にラスプーチンへ電報を打つが、それを受け取った直後にラスプーチンは見知らぬ女性に腹部を刺されて入院。8月17日に退院するが、その前にロシアは参戦していた。

 そして1916年12月16日、ラスプーチンは暗殺される。川から引き上げられた死体には3発の銃弾を撃ち込まれていた。最初の銃弾は胸の左側に命中、腹部と肝臓を貫き、2発目は背中の右側から腎臓を通過。3発明は前頭部に命中し、これで即死したと見られている。暗殺に使用された銃弾はイギリスの軍用拳銃で使われていたものだ。

 暗殺したのはユスポフを中心とする貴族グループだとされているが、このグループはMI6のチームと接触していた。イギリスのお抱え運転手だったウィリアム・コンプトンの日記によると、彼はレイナーをユスポフの宮殿へ1916年の10月の終わりから11月半ばにかけて6回にわたり運んだという。またユスポフは1916年12月19日にレイナーと会ったと書き残している。(Joseph T. Fuhrmann, “Rasputin,” John Wiley & Son, 2013)

 ロシアでは1917年3月に二月革命があり、大地主は権力の座から陥落して産業資本家を後ろ盾とする臨時革命政府が成立した。この政府は戦争を継続、ドイツは両面作戦を続けなければならなかった。そこで目をつけたのが即時停戦を主張していたボルシェビキだ。

 二月革命に際、ボルシェビキの指導者は国外に亡命しているか、刑務所に入れられていて、例えば、レーニンはスイスにいた。そうしたボルシェビキの幹部32名をドイツは「封印列車」でロシアへ運んだ。レーニンが帰国したのは1917年4月。その後、紆余曲折を経て11月の十月革命でボルシェビキ政権が誕生、ドイツとの戦争を止める。

 しかし、ドイツ軍は迅速に部隊を西側へ移動させられなかったことから1918年11月には敗北する。その3カ月前にイギリス、フランス、アメリカ、そして日本などはロシア(ソ連)に軍隊を派遣して干渉戦争を始めた。

 そうした経緯があるため、その後もドイツとソ連との関係は悪くなかった。ボルシェビキと米英の金融資本を強引に結びつけようとする人びとがいるが、それよりはるかに強くユニポフを中心とするロシア貴族やケレンスキーの臨時革命政府は結びついていた。この結びつきを現在の西側を支配している勢力は秘密にしたがっている。

 ソ連とドイツとの関係を破壊したのはアドルフ・ヒトラーだ。第2次世界大戦でドイツ軍はソ連へ攻め込むが、スターリングラードでの戦闘で大敗、その直後からウォール街の大物、つまりアレン・ダレスたちとナチスの幹部は接触を始め、善後策を協議している。

 アレン・ダレスが君臨していたCIAが世界各地で買収、恫喝、暗殺、クーデターを含む秘密工作を展開してきたことは広く知られている。ダレスが死んだ後も変化はなく、秘密工作の一端は1970年代にアメリカ議会でも明らかにされた。今でもロシアや中国は勿論、中東、東南アジア、東アジア、ラテン・アメリカ、アフリカなど全世界が活動の舞台だ。

 CIAは第2次世界大戦中に活動していたOSS(戦略事務局)の後継機関として設立された。OSSは1942年6月にウォール街の弁護士だったウィリアム・ドノバンを長官として創設されたが、そのモデルはイギリスの機関だった。特殊工作はSOE(特殊作戦執行部)、通常の情報活動はMI6に基づいて組織されている。

 ドノバンは巨大化学会社デュポンの顧問弁護士を務めていたが、その時の同僚弁護士のひとりがアレン・ダレス。この関係でドノバンはダレスををOSSへ誘い、特殊工作を担当するSOを指揮させた。それ以降、ダレスはアメリカにおける秘密工作のトップとして君臨する。この時からアメリカの情報機関は金融資本と緊密な関係を維持している。

 SOEは1940年にイギリスの首相だったウィンストン・チャーチルの命令で創設され、初代長官は保守党の政治家だったフランク・ネルソンが選ばれた。1942年に長官はチャールズ・ハンブローに交代するが、この人物はハンブロー銀行の人間だ。チャーチルは親の代からロスチャイルド家と緊密な関係にあるが、ハンブローとも親しかった。

 大戦後、OSSは廃止される。アメリカでは平和時に情報機関を持つべきでないとする意見があったが、情報の収集と分析だけにするという条件で1947年7月にポール・ニッツェの執筆した国家安全保障法が発効、9月にCIAは創設された。

 大戦中の1944年、イギリスのSOEとアメリカのSOは西ヨーロッパでドイツ軍と戦っていたレジスタンスに対抗するため、ジェドバラというゲリラ戦の部隊を編成する。レジスタンスの主力はコミュニストだったからである。後にベトナム戦争で住民皆殺し作戦のフェニックス・プログラムを指揮、CIA長官にもなったウィリアム・コルビーもジェドバラに所属していた。

 大戦後にジェドバラも廃止されるが、メンバーの一部は軍の特殊部隊へ流れるが、破壊活動を目的して秘密裏に組織されたOPCの幹部にもなる。この機関は1950年10月にCIAと合体、その翌年の1月にアレン・ダレスが秘密工作を統括する副長官としてCIAへ乗り込んだ。OPCが核になって1952年に作られたのが計画局である。

 この部署はCIAの「組織内組織」になり、今ではCIAを乗っ取ったような形。さらに国務省など政府内に触手を張り巡らせ、政府の外部にも「民間CIA」のネットワークが存在するが、その頭脳は今でもウォール街にあるはずだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202102040000/

10. 中川隆[-7004] koaQ7Jey 2021年2月28日 19:33:50 : 1vS4Oaq6as : UVJJTWxKQ3EwUUU=[29] 報告
バイデンが狙う「グレート・リセット」で格差定着。プーチン猛反発で米ロ衝突必至か=高島康司 2021年2月28日
https://www.mag2.com/p/money/1024406

バイデン政権とダボス会議などが提唱する構想「グレート・リセット」は、一見するとよいプランに思える。しかし、環境破壊や格差拡大を進めてきた元凶たちが自らつくりあげたグローバル経済をリセットし、また新たなグローバルな体制へと置き換える構想だ。ロシアのプーチンはこれを強く批判している。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

【関連】バイデンの背後にいる勢力とは?主導権はリバタリアンからCFRへ、米国はトランプ以上の分断に向かうのか=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1017263

バイデンのアジェンダは「グレート・リセット」か

バイデン政権と「ダボス会議」などが提唱する構想、「グレート・リセット」との関係について解説したい。

バイデン政権の背後にいる「CFR」や、それと連動して動いていると思われる「ダボス会議」が目標にする「グレート・リセット」は、いったいなにが問題なのだろうか?

その中身を一見すると、非常によいプランのようにも思える。だが、その問題点を追求すると、「グレート・リセット」の本質が見えてくるのだ。

【関連】「グレートリセット」が起こす資本主義の大転換。遂に見えた具体的な中身=高島康司
https://www.mag2.com/p/money/1019624


「CFR」と「ダボス会議」は徹底した新自由主義
「グレート・リセット」のコンセプトの重要な柱になっているのは、地球温暖化ガスの排出抑制による地球環境の回復、そして社会不安の背景になる極端な格差の解消である。

これはもっともなことだ。これらがこの構想の柱である限り、「グレート・リセット」は強い説得力と合理性を持つ。反対するのは難しい。

いまの地球環境の破壊の水準はすでに臨界点に達しており、早急の対処しないと2030年くらいには多発する大規模自然災害から資本主義の社会体制のみならず、現代文明の基礎さえ侵食され、種としての人類そのものの持続可能性すら問題になってこよう。

「グレート・リセット」が提示するような、現代の資本主義の抑制のない拡大にストップをかけられる根本的な転換が必要なことは間違いない。

さらに、環境問題とともに、社会的格差の極端な拡大も深刻な問題となっており、新型コロナウイルスのパンデミックによって既存の資本主義の矛盾が拡大し、一層可視化した現在では、リセットは必要だろうと思われる。

だが「グレート・リセット」が、「CFR」や「ダボス会議」という既存の支配勢力によって実施されることが問題なのだ。


「CFR」が設立された理由は、ある目標を実現するためであった。それは、主権国家による世界秩序を超越した「世界政府」の樹立である。「CFR」と密接に連携している「ダボス会議」も、この目標を共有するコンセンサスを得ていると思ってよいだろう。

では、「CFR」などはこれまでどのようにして「世界政府」の樹立などという一見奇想天外に見える目標の実現にこれまで動いてきたのだろうか?

実はグローバリゼーションの推進こそ、この目標を実現する方法であった。これは「CFR」が発行する外交誌、「フォーリン・アフェアーズ」の過去の記事を見ると明確だ。

グローバリゼーションとは、国家が障壁とならない自由な貿易を徹底して推進し、資本が国境を越えて世界のあらゆる地域に投資できる状態のことである。

この原則にしたがうと、社会保険や失業保険、そして生活保護などのセイフティーネットは労働力のコストを引き上げ、投資の効率を悪くする要因として嫌煙された。また健康保健などの国民生活を保護するシステムや、電気や水道など公的部門が管理する社会インフラは、高いリターンを求めて世界を移動する資本が投資できる領域として民営化するべきだとされた。

グローバリゼーションが拡大する世界では、国民の生活を守るために政府が導入したさまざまな制度や規制は、投資の自由を阻害する障壁として攻撃の対象になった。

社会と経済の大部分の運営は、資本が主導する市場原理にゆだねられるべきで、国家はこれに介入すべきではないとされた。国家の権限は、資本の投資の自由に介入できないように、徹底して縮小されるべきことが主張された。これはまさに、国家と政府の力が縮小され、グローバルな資本が形成する世界的なネットワークに埋め込まれる状態のことを指している。これがグローバリゼーションの中身である。

つまり、グローバリゼーションの進展によって主権国家の力を弱め、グローバルな資本が支配し運営する体制に世界を転換させることが、「CFR」が主張する「世界政府」樹立への第一歩であるとされていたのだ。

事実、2008年の金融危機が発生する以前のグローバリゼーション全盛の時代では、国家の消滅こそ未来の方向性であると普通に主張されていた。

「CFR」の核となる企業が、「ゴールドマン・サックス」、「JPモーガン」、「モーガンスタンレー」、「シティ」、「バンク・オブ・アメリカ」、「ムーディーズ」などの国際的な金融資本、また「グーグル」や「フェースブック」、「AT&T」などの大手IT・通信企業、さらに「エクソンモービル」や「シェブロン」などの国際エネルギー企業などであることを見ると、グローバリゼーションの促進で国家と政府の規制が弱められ、世界のあらゆる地域が彼らの自由な投資領域として確保されることは、まさに「CFR」の利害に合致している。もちろんこれらの企業は、「ダボス会議」にも名前を連ねている。

要するに、グローバリゼーションの促進による新自由主義こそ、「世界政府」樹立に向けての方途だったということだ。


世界の歪みを作った元凶が「グレート・リセット」を主導
これはつまり、限界にまで達した地球温暖化と環境破壊、そして社会の安全弁である中間層の没落と社会を不安定にする極端な格差拡大など、いま「グレート・リセット」で解決されるべき問題の対象とされている矛盾そのものを作ってきた張本人こそ、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力であることを意味している。

端的にいえば「グレート・リセット」とは、彼らが推進してきたグローバル経済をリセットし、新たなグローバルな体制へと置き換える構想なのだ。

地球環境の配慮など、持続可能な資本主義のコンセプトにシフトすることなど評価される点も多い。しかし、基本的に「グレート・リセット」は、「第4次産業革命」の高度なITテクノロジーの導入による社会の新しい統治形態だと思われる。それは高度管理社会といってもよいようなものだ。

これを世界のどの地域にも適用可能なグローバルなシステムとして提案するのが、「グレート・リセット」の中身ではないだろうか? それは、民主主義と市場原理のように、世界のすべての地域で導入すべきユニバーサルな社会モデルであろう。

これを主張しているのが、現在のグローバリゼーションを推進してきた中心的な勢力なのである。

今度は彼らは、グローバルな資本主義体制を乗り越える新しい社会体制への転換を主張している。

すると「グレート・リセット」というのは、社会矛盾の爆発によって既存の支配勢力が民衆の怒りのターゲットとなり、自分たちが排除される前に、新しい社会状態を先行して導入し、支配勢力としての地位を継続して維持するために行っていることなのではないだろうか?

そのような疑念が出てきても不自然ではない。

プーチンの「ダボス会議」での批判
この疑念を端的に表現しているのが、ロシア大統領のプーチンだ。

今年の1月22日に行われた「ダボス会議」のオンラインスピーチでプーチンは以下のように述べ、「グレート・リセット」のアジェンダを進める勢力をやんわりとだが、的確に批判した。

まずプーチンは、新型コロナウイルスのパンデミックで、社会的格差が拡大して社会不安が広がり、多くの国が危機的な状況に追い込まれた事実を指摘した。だが、こうした問題を引き起こしたのはパンデミックではなく、アメリカが推進してきたグローバリゼーションであるとして、次のような批判を展開した。

「このようなグローバルな社会経済的な不均衡は、1980年代から続けられてきたドグマ的、ないしはがさつな政策の直接的な結果である。この政策はいわゆる『ワシントン・コンセンサス』の暗黙のルールに基づいている。これは規制緩和、ならびに富裕層と企業への減税を条件に民間の債務を増やし、経済成長を最優先した政策だ」

そして、現在の社会的不均衡は、実は新自由主義のグローバリゼーションが引き起こしたものであり、新型コロナウイルスのパンデミックはすでに存在している問題を拡大しただけだったと主張する。

「先に私が述べたように、新型コロナウイルスのパンデミックはこれらの問題を一層悪化させただけだった。昨年、世界経済は第2次世界大戦以降で最大の経済停滞を経験した。7月には、500万の仕事が労働市場から失われた。これはとれも大きく、そして憂慮すべき数字だ。昨年の9カ月間だけで、3.5兆ドルの収益が失われた。この数値はさらに拡大しており、それとともに社会的な緊張は高まっている」

プーチンは、現在どの国でも危機的な状態にまでなっている格差などの社会的不均衡の真の原因は、「ワシントン・コンセンサス」による際限のないグローバリゼーションであると指摘する。

「ワシントン・コンセンサス」とは、各国の規制を徹底的に緩和し、資本の移動と投資の自由を保証した新自由主義のルールである。これこそ、「世界政府」を樹立するカギとして「CFR」や「ダボス会議」が長い間推進してきた理念である。

このグローバリゼーションを推進した欧米の責任をプーチンは問い正したのだ。

プーチンは「巨大IT企業」を強く批判
次にプーチンは、「第4次産業革命」の負の側面を指摘する。「第4次産業革命」のAIなどの高度なITテクノロジーは、「ダボス会議」が提唱する「グレート・リセット」の中核になるコンセプトだ。

「しかし、このプロセスは新たな構造変化をもたらしているが、私は特に労働市場について考えている。これは、国家が効果的な対策を講じない限り、非常に多くの人々が職を失う可能性があることを意味している。これらの人たちの多くは、現代社会の基盤である中産階級の人たちだ」

そして、職を失った人々の高まる不満は社会を危機に陥れるかもしれないと警告する。

「構造的な社会経済的問題は、特別な注意と真の解決策を必要とするような社会的不満を呼び起こしている。彼らが無視されたり、隅に押し込められたりするかもしれないという危険な錯覚は、深刻な結果を招く恐れがある」

この危機は社会の分裂となって現れるという。

「この場合、社会は政治的にも社会的にも分裂することになる。これはかならず起こる。なぜなら、抽象的な問題や人々が持つ政治的な見解ではなく、実際の問題に人々は不満を持っているからだ。分裂はかならず起こる。現実の問題は不満を呼び起こすのだ」

次に、「第4次産業革命」を主導している巨大IT企業を強く批判する。

「もう1つ重要な点を強調しておきたい。現代のテクノロジーの巨人、特にデジタル企業が社会生活の中で果たす役割が大きくなってきている。特にアメリカの選挙キャンペーン中に起こった出来事は、このことをよく表している。これらの企業は単なる経済的な巨人ではない。いくつかの分野では、事実上、国家と競合している。これらの企業は何十億人ものユーザーで構成されており、生活のかなりの部分をこれらのエコシステムの中で過ごしている」

「これらの企業の見解では、企業の独占は、技術やビジネスのプロセスを組織化するのに最適であるという。だが社会は、そのような独占が公共の利益に合致しているかどうかを疑問視している」

プーチンは、この巨大IT企業の独占状態は、危険な社会管理をもたらすと警告する。

「グローバルビジネスの成功、オンデマンドサービス、ビッグデータの統合と、社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試みとの間の境界線はどこにあるのだろうか。我々はいま、アメリカでこれらの現象をすべて見ているが、いま私が何を言っているのか、誰もが理解しているはずだ。今回のイベントの参加者も含めて、圧倒的多数の人がこの立場を共有していると確信している」

プーチンのスピーチに「グレート・リセット」という言葉が出てくるわけではない。

しかしプーチンは、「CFR」と「ダボス会議」が推進してきた際限のないグローバリゼーションを、社会を分裂させる最大の要因として批判し、また「グレート・リセット」の中心にある高度なITテクノロジーを、「社会を自分の裁量で厳しく管理しようとする試み」として断罪する。

プーチンの主張「新ユーラシア主義」
このように、プーチンのグローバリゼーションや「第4次産業革命」による社会管理に対する疑念ははっきりしている。

これを推進してきたのは、まさに「CFR」や「ダボス会議」などに結集し、独自のアジェンダを追求している欧米の支配勢力である。彼らが提示する次のアジェンダこそ、ITによる社会管理を全面的に取り入れた新しい社会状態への「グレート・リセット」だ。プーチンのこれに対する疑念も深いはずだ。

一方プーチンは、グローバリゼーションや「グレート・リセット」に対抗するビジョンを主張しているようにも見える。それは、「新ユーラシア主義」とも呼ばれる思想だ。

これは「グレート・リセット」に反対する多くの民衆の結集軸にもなっている思想だ。これを少し見て見よう。

もともと「新ユーラシア主義」とは、1917年のロシア革命の後、西欧諸国に亡命したロシアの知識人から生まれた「ユーラシア主義」を、現代的に引き継いだ思想である。

「ユーラシア主義」とは、著名な言語学者のニコライ・トュルベツコイが1921年に最初に提唱した思想だ。トュルベツコイは、ロシアはアジアでもヨーロッパでもない独自の「ユーラシア国家」としての文化的なアイデンティティーを基本的に有しているので、自立した個人の活動を前提にする西欧流の資本主義の方向性は追求すべきではないとした。むしろ、民衆に寛容な優しい全体主義こそ、「ユーラシア国家」が目指すべきものとされた。

モスクワ大学政治学部の教授であり、プーチンのアドバイザーでもあったアレクセイ・ドゥーギン博士は、この「ユーラシア主義」を「新ユーラシア主義」として改めて現代に蘇らせた。

それぞれの文化圏の独自性を尊重すべき
ドゥーギン博士の「新ユーラシア主義」の思想はさほど複雑なものではない。それぞれの国の文化は独自な価値を有しているので、この文化的な価値を尊重し、それに基づく社会システムを形成すべきだとする主張だ。

ドゥーギン博士は、20世紀までは、1)自由民主主義、2)マルクス主義、3)ファシズムという3つの思想が社会形成の基礎となる思想として存在していたという。しかし21世紀になると、マルクス主義もファシズムを姿を消し、「自由民主主義」が唯一の思想として残った。

自由民主主義は、市場経済と民主主義という2つの基礎をもつ。現代の世界は、このシステムがあまりにグローバルに拡大したので、だれも「自由民主主義」をイデオロギーとしては認識せず、自明の常識として理解している。このため、それぞれの文化圏が本来もつ独自な社会思想は無視され、どの文化も、市場経済と民主主義というまったく同一の鋳型にはまらなければならない状況になっている。これが、グローバリゼーションがもたらす悪しき統一性である。

「CFR」が目標にしている「世界政府」の樹立は、世界をこうした単一の価値観で統一することが前提になっている。また「グレート・リセット」の社会状態も、高度なITによる統治など、どんな社会にも適用可能な同一のシステムを模索している。

これほど、それぞれの文化圏の独自性を無視する思想はない。どの文化圏も、その文化に独自な社会思想を基盤にしてユニークな社会を構築する権利がある。この権利を追求し、グローバルな「自由民主主義」に対抗する第4の思想の潮流こそ「新ユーラシア主義」である。

「ユーラシア」は、アジアでもなく、またヨーロッパでもない独自な価値と社会思想が伝統的に存在している地域である。その価値と思想は、多民族的で多文化的であり、多くの民族のバランスの元に成り立つものだ。

ロシアは、このユーラシア的価値の守護者として振る舞い、どこでも同じ価値を強制する「自由民主主義」とグローバリゼーションに対抗しなければならない。そして、ロシアが「新ユーラシア主義」の守護者となることで、中国は中華文化圏の、ヨーロッパは欧州文化圏の、そして北米は北米文化圏のそれぞれまったく独自な価値を社会思想として追求し、それぞれ独自な社会を構築することができる。

これが、アレクセイ・ドゥーギン博士が提唱する「新ユーラシア主義」だ。プーチンの数々のスピーチにもこの思想は強く現れている。プーチンはこの思想を根拠に、欧米の、そしてなかんずくその中核にいる「CFR」や「ダボス会議」が推進しているアジェンダを批判する。

拡散する「新ユーラシア主義」
また、このような「新ユーラシア主義」がプーチンの独自な思想という個別的な水準に止まっているわけではない。

ヨーロッパの極右や極左のみならず、格差の発生や伝統的な社会秩序の解体など、欧米流の規制のない市場経済と民主主義のグローバルな拡大がもたらした負の効果に憤っているあらゆる党派や集団を強く引き付けている。伝統的な文化とその価値こそもっとも貴重なものであり、これに基づいた社会こそ、安定した社会であるとする思想なのだ。

こうした「新ユーラシア主義」は、プーチン大統領の外交政策の基本方針でもある。そのため、プーチン大統領こそ、あらゆる勢力から新しい第4の思想的な潮流の守護者として称賛されている。

「新ユーラシア主義」は、グローバリゼーションや「グレート・リセット」という、いわば文化的な独自性を無視して同一のルールと統治機構を押し付ける動きに反対する結集軸になりつつある。

このようなニュアンスは、先に引用したプーチンのダボスオンライン会議における発言にも現れている。

バイデン政権の最大の敵はロシア
もしバイデン政権が、「CFR」や「ダボス会議」に結集している勢力の影響力が強く、「グレート・リセット」の実現を目指した政権であるなら、こうした勢力の推進する構想に強い疑念を持つプーチンのロシアは、バイデン政権がもっとも警戒する相手であることになる。

反「CFR」でナショナリストのトランプ政権は、ロシアとの関係が良好であるとはかならずしもいえない側面はあったが、特にロシアと緊張した関係にはなかった。トランプ個人とロシアとのビジネス関係も深く、友好な関係であったことも背景にはあっただろう。

しかし、バイデン政権はロシアと鋭い緊張関係になる可能性は極めて高い――

11. 2021年3月03日 15:38:30 : MInco8EFHg : VWhTdHJaQ0UzS28=[10] 報告
2021.03.03
バイデン政権の対ロシア戦争は対EU戦争でもある
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103030000/


 ​アメリカはロシアに対する新たな「制裁」を課そうとしていると伝えられている​。今回、その口実として利用されているのはアレクセイ・ナワリヌイを巡る話だ。西側では「民主派」として宣伝され、一部の人にからはスター扱いされているナワリヌイだが、ロシアでの支持率は2%にすぎない。ロシア人からは相手にされていないのだ。

 そのナワリヌイは2013年7月にロシアの法廷で横領執行猶予付きの有罪判決を受け、翌年にも別の件で有罪になった人物。ところが執行猶予の条件を破って出国、今年1月17日に帰国、逮捕、収監された。今年2月2日に懲役3年半が言い渡されたが、自宅に軟禁されていた期間が除かれるので、実質は2年半になる。

 不法出国の理由として「神経ガスによる攻撃」が宣伝されている。つまり、2020年8月20日にシベリアのトムスクからモスクワへ航空機で移動しているときにナワリヌイは倒れて昏睡状態になり、シベリアの都市オムスクへ緊急着陸、そこの病院で治療を受けて回復したのだ。その直前、彼は側近6名を伴ってシベリアを訪問していた。

 回復したナワリヌイを彼の側近はドイツへ不法出国させ、そこから「神経ガス」キャンペーンが始まる。毒を盛られたと最初に主張したのはドイツ軍の研究機関。「ノビチョク(初心者)」なる神経ガスが使われたとも言われているが、その毒性は別の神経ガスVXの10倍だと宣伝されている。VXガスの致死量は体重70キログラムの男性で10ミリグラムなので、ノビチョクは1ミリグラムということになる。大変な毒薬のように思えるが、なぜか人を殺すことができない。

 今年2月5日にジョセップ・ボレルEU外務安全保障政策上級代表(外相)がモスクワを訪問、セルゲイ・ラブロフ露外相と会談したが、その際にボレルはナワリヌイを釈放するように求め、ラブロフに軽くあしらわれている。ボレルは帰国後、対応が甘かったと批判されたが、その背後にジョー・バイデン政権を操っている私的権力がいるだろう。

 ナワリヌイ自身、アメリカの私的権力と深く結びついている。彼はアメリカのエール大学で奨学生として学んでいるが、この留学を手配をしたのはマイケル・マクフォール。2012年1月には大使としてモスクワに赴任するが、​その3日後にロシアの反プーチン派NGOの幹部が挨拶に出向いている​。2月に予定されていたロシアの大統領選挙に対する工作を指揮することが任務だったと見られている。その2年前の8月、ムスリム同胞団を使って中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させるためにPSD-11をバラク・オバマ大統領は承認したが、その計画を作成したチームにマクフォールは含まれていた。

 また、ナワリヌイの妻の父親、ボリス・アブロシモフはロンドンにおけるロシア人の財産を管理している銀行家で、元KGB。ロシアの富豪で元KGBのアレクサンダー・レベデフの同僚だという。

 ナワリヌイはビル・ブロウダーという人物から資金援助を受けてきたと言われている。ブロウダーはシカゴで生まれたが、ボリス・エリツィン時代にヘルミテージ・キャピトルをロシアで設立して大儲けした。エリツィン時代にはクレムリンの腐敗勢力と手を組んでロシア国民の資産を盗み、巨万の富を手にした若者がいる。オリガルヒだ。その背後にはミハイル・ゴルバチョフを操っていたKGBの上層部が存在、そのひとりがKGBの頭脳と言われ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだとされている。こうしたKGBの腐敗分子はジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIA人脈とつながっていた。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 不正な手段で手に入れた資産をロシアから持ち出すために使われた銀行の中にリパブリック・ナショナル銀行ニューヨークがある。この銀行を創設したエドモンド・サフラはプラウダーと共同でヘルミテージ・キャピタル・マネージメントなる会社を創設した。

 1991年12月にソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)には2000トンから3000トンの金塊が保管されていたが、400トンに減っていることが判明した。CIAとKGBの腐敗グループが盗んだと見られているが、その金塊横領でもサフラの名前が出てくる。なお、この金塊の行方を追った金融調査会社のジュールズ・クロール・アソシエイツは不明だとしているが、この調査会社とCIAとの緊密な関係は有名だ。

 ヘルミテージ・キャピタルはモスクワの法律会計事務所ファイアーストーン・ダンカンと契約、その事務所で税金分野の責任者だったのがセルゲイ・マグニツキー。この人物を弁護士だとする人もいたが、実際は会計士だ。受託者はHSBC(昔は香港上海銀行と呼ばれた)だった。

 ​ECHR(欧州人権裁判所)が2019年8月に出した判決​によると、捜査対象になっていたマグニツキーがイギリスのビザを請求、キエフ行きのチケットを予約、しかも登録された住所に彼が住んでいないことが判明したためだという。その捜査は正当なもので、政府高官の不正をマグニツキーやブラウダーが主張し始める数年前から当局はふたりを脱税容疑で調べ始めている。そして2009年11月、マグニツキーは獄中で死亡した。

 マグニツキーは心臓に持病があり、適切な医療が受けられなかったと考えられているが、彼の妻も直接的な死因は心臓病だと考えているようだ。(Andrey Nekrasov, “The Magnitsky Act. Behind the Scenes,” 2016)適切な医療が受けられなかった可能性が高いのだが、それはロシアの刑務所におけるシステム的な問題。マグニツキーの事件だけの個別的な問題ではない。

 この死を利用してブラウダーは反ロシアの法律をアメリカで制定することに成功、さらに宣伝映画を作ろうと決める。そこで監督として雇われた人物がプーチンに批判的なことで知られていたアンドレー・ネクラソフだ。

 ところが、調査を進めたネクラソフはブラウダーの話が事実に反していることに気づく。不正を内部告発したのはブロウダーの会社で働いていた女性で、脱税はブロウダーが行っていたという事実を知ったのだ。しかも、その不正にマグニツキーは金庫番として関わっていたことも判明した。ネクラソフはその事実をドキュメンタリーの中に盛り込んだためにブロウダーと対立、作品を西側で公開することが困難になる。

 ブラウダーは2013年7月に脱税で懲役9年の判決を受け、ロシア当局は2017年10月にブラウダーを国際手配。それにアメリカ議会は反発、インターポールはロシアの手配を拒否した。

 ところで、ナワリヌイのシベリア訪問に同行、ただひとりロシアの警察による事情聴取要請を拒否して2020年8月22日に出国したマリーナ・ペブチフという女性がいる。1987年にロシアで生まれ、イギリスの永住権を持っている。

 ロシアでの報道によると、ペブチフがナワリヌイの活動に合流したのは2009年で、その当時、イギリスの国会議員のアシスタントをしていた。2010年にはモスクワ・ロモノソフ大学を卒業、現在はイギリスやオーストラリアで書店チェーンを経営している。彼女は反ウラジミル・プーチンの富豪、ミハイル・ホドルコフスキーやイエブゲニー・チチバルキンと親しいと言われているので、資金的な後ろ盾はしっかりしているのだろう。

 ジョー・バイデン大統領はジョージ・W・ブッシュ政権やバラク・オバマ政権と同様、ロシアへの経済戦争を激化させようとしているわけだが、これはEUに対する圧力でもある。EUを完全に従属させようとしているのだろう。COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)のパンデミック騒動で政治経済が麻痺し、余裕がなくなっている現在は絶好のタイミングだとアメリカの私的権力は考えているだろう。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202103030000/

12. 中川隆[-5083] koaQ7Jey 2021年4月30日 18:51:55 : Syi6PHY6rg : TVNaODVwaVM2U00=[4] 報告
【LIVE 4/30 16:00〜】宮崎正弘の生インタビュー 生放送 #8 プーチンのハイブリッド戦争 ★ゲスト 廣瀬陽子教授(慶應義塾大学)





『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略 』(廣瀬陽子)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065227097/​
(講談社現代新書 / 2021.2.17 発売)
====================

<廣瀬陽子>ゲスト
日本の政治学者(国際政治・比較政治学・コーカサス地域研究)。
学位は博士(政策・メディア)(慶應義塾大学)。
慶應義塾大学総合政策学部教授・大学院政策・メディア研究科委員。
慶應義塾大学総合政策学部講師、東京外国語大学大学院地域文化研究科准教授、
静岡県立大学国際関係学部准教授、慶應義塾大学総合政策学部准教授などを歴任した。2018年には国家安全保障局顧問に就任。
13. 2021年5月29日 16:52:52 : GnRMpOkTQU : R25CMktuWjhaeFE=[30] 報告
「恩人を裏切るなら出世させる」そんな誘いに若きプーチンはどう応じたか
佐藤優「だから彼は独裁者になれた」
佐藤 優 作家・元外務省主任分析官
https://president.jp/articles/-/46409?page=1


KGBの役人だったウラジーミル・プーチンは、なぜロシアの大統領になれたのか。作家の佐藤優さんは「プーチンはどれだけ誘いを受けても、恩人を決して裏切らなかった。それがエリツィン前大統領に高く評価された」という――。(第1回/全2回)
※本稿は、佐藤優『悪の処世術』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

2021年5月20日、ポベダ(勝利)組織委員会の会議をビデオ会議で行うウラジーミル・プーチン大統領(ロシア・モスクワ郊外ノボオガリョボの公邸にて)。写真=SPUTNIK/時事通信フォト2021年5月20日、ポベダ(勝利)組織委員会の会議をビデオ会議で行うウラジーミル・プーチン大統領(ロシア・モスクワ郊外ノボオガリョボの公邸にて)。
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プーチンの「人情家」という意外な一面
鉄仮面のプーチンだが、しかし、その仮面の内側には「人情家」という意外な一面を抱え持っている。

そして、その意外性こそが彼が権力の階段を駆け上る切符となった。そもそも、彼はなぜ、ロシア連邦初代大統領エリツィンから絶大な信頼を得るまでになったのか。

私が、ロシアのある大富豪から「エリツィンは後継者をFSB長官のプーチンにするつもりらしい」と聞いたのは、1999年春だった。

当時のロシアでは、8人のオリガルヒヤ(寡占資本家)がGDPの3割を持っているといわれていた。クレムリンも彼らの意見を無視はできないのだ。

この大富豪は私を日本政府の窓口にしていたので、私は彼の事務所に足を運ぶことがよくあった。日本の政治情勢などについて一通り話したあと、彼にエリツィンの後継者について尋ねてみたところ、大富豪から出てきた名前が意外なことにKGB出身のプーチンであった。

「プーチンはエリツィンに何度も、ソプチャーク(元サンクトペテルブルク市長)との関係を断てば登用すると打診されていたが、それを断っているんだ。そのことで、かえってエリツィンは彼を信用するようになった」

ソプチャークという人物が何者かを知るためには、若かりし頃のプーチンについて触れておかなければならない。

身を挺してかばってくれたソプチャークに忠誠を誓う
KGB第1総局所属時、旧東ドイツのドレスデンで働いていたプーチンは、ベルリンの壁が崩壊し東西ドイツが統一するや、社会主義体制に未来がないことを見抜いてKGBの予備役となる。

1990年に故郷のレニングラード(現サンクトペテルブルク)へ戻り、母校のレニングラード国立大学の学長補佐の職を得た。当時の学長が、改革派知識人のソプチャークだった。そこでプーチンは腹を据えてKGBを退職する。

1991年6月にソプチャークがレニングラード市長選挙で当選を果たすと、プーチンも市役所に移り副市長となってソプチャークを支えたが、当時、プーチンの不適切な財産管理によって市の財政に巨額の損失がもたらされたという批判が議会で巻き起こる。

プーチンに訴追の危険が迫ったが、この時に身を挺してプーチンをかばい、事件化されることを防いだのが市長のソプチャークだった。以来、プーチンはソプチャークに忠誠を誓う。1996年のサンクトペテルブルク市長選挙でソプチャークは再選を目指すも落選する。

ソプチャークを破って当選を果たしたヤコブレフは、副市長のひとりとしてソプチャークを支えてきたプーチンの同僚だった。

引き続き副市長としてともに働いてほしいと慰留されたが、プーチンはソプチャークを破った人間の下では働きたくないと拒否し、モスクワへ転居する。大統領総務局で働くようになり、エリツィンと面識を得るようになった。

プーチンの固い忠誠心を信頼したエリツィン
ソプチャークはゴルバチョフに近い人脈に属する人であり、エリツィンとは緊張関係にあった。黙々と忠実に仕事をこなすプーチンを好ましく思ったエリツィンは、たびたびプーチンに声をかける。

「ソプチャークと絶交するならば、大統領府高官か閣僚に登用してやる」

停止のジェスチャーを示すスーツ姿の男性写真=iStock.com/taa22※写真はイメージです
プーチンはそのたびに断った。

「ソプチャークは私の恩人で友達です。友達との関係を断つことはできません」

決して「友達」を裏切らないプーチンという男は、エリツィンの目に好ましく映ったに違いない。特権乱用や不正蓄財の疑惑のあったエリツィン一族。政争の過程で流された血も少なくない。

それらの追及を最も恐れていたエリツィンにとって、決して裏切らない忠誠心こそ、後継者に求める資質であった。大富豪は私に言った。

「いまやまったく力がなくなったソプチャークにあれだけ義理立てするプーチンの姿に、エリツィンと彼の家族は『こいつを後継に据えれば、われわれを裏切ることは絶対にない』という感触を持つに至ったんだ」

鉄仮面の下に、そんな人情家としての一面があったことによって、プーチンはロシアのトップに君臨したのである。

プーチンの対日戦略を決定づけた鈴木宗男
プーチンが人情家であると書いたが、だからといって彼が情緒によって動く人間であると考えるのは早計である。

プーチンは柔道を愛好しているし、佐竹敬久・秋田県知事から贈られた秋田犬の「ゆめ」をかわいがっているからといって、親日家だと思うのは間違いである。プーチンの関心事項はロシアの国益だけである。

日本がロシアにとって役に立つならば利用するし、日本の政策がロシアの国益を損なうと思えば日本を潰しにかかるだろう。逆に言えば、日本との戦略的提携が国益にかなうと思えば、北方領土についても譲歩する用意があるということだ。

さらに、日本との戦略的提携の可能性をプーチンが決して手放さないのは、彼が最初に出会った日本の政治家が鈴木宗男だったということとも関係していると思う。

日本とロシアの国旗写真=iStock.com/Oleksii Liskonih※写真はイメージです
KGBで訓練を受けてきたプーチンは感情を表に出すことはほとんどない。しかし、この人は、という相手には、ふとした瞬間にその感情をあらわにする。

2000年の年明け、前年の大晦日に辞任したエリツィンにより大統領代行に指名されたプーチンが、次期大統領としてほぼ間違いないと目されていた。この状況を受けて、日本政府は水面下で「小渕恵三総理の特使として『意中の人』をモスクワに送り、プーチンと接触したい」というメッセージをクレムリンに送っていた。

プーチンに「対露関係を日本は重要視している」というメッセージを伝えるとともに、次期大統領の人相見をその特使にさせようとしたのである。この時、総理官邸・外務省とクレムリンの連絡係を務めていたのが私だった。

小渕は特使となる「意中の人物」が誰なのか最初は黙して語らなかったが、それが鈴木宗男であることは明らかだった。

「森・プーチン会談の日程をぜひ取り付けてほしい」
3月26日の大統領選挙を直前に控えた2月、クレムリンから裏ルートを通じて、私のところに「選挙前に会うことは不可能だが、第1回投票でプーチンが当選したならば、5月に正式に大統領に就任する前に特使との会談を実現できるかもしれない」というメッセージが届いた。

小渕は鈴木宗男を特使に指名し親書を持たせた。この親書には、ゴールデンウィークに首相が訪露してプーチンに会いたいという旨が書かれていた。しかし、それから間もなく異変が起きる。

ご存じのとおり、4月2日に小渕首相が倒れ再起不能になったのだ。丹波實駐ロシア大使をはじめとする外務官僚は、首相訪露の提案は白紙に戻すことを主張した。

しかし鈴木は、森喜朗幹事長が小渕総理の後継に内定しているのだから、森訪露の日程を組めばよいと考えた。これに対し、「森さんが国会で正式に総理に就任してからでなければ外交日程は組めない」と丹波大使は反対した。

私が「これは政治判断の話だから、外務省の事務方がとやかく言うべきことじゃない」と言うと、丹波大使にじろりと冷たい目を向けられた。大使公邸でこうしたやりとりをしていると、公邸の台所に鈴木あてに電話がかかってきた。

つなぐと、相手は森幹事長だった。「森・プーチン会談の日程をぜひ取り付けてほしい」という。それを聞いた丹波大使は「私も実はそれがいいと心の中で思っていました」とコロリと意見を変えた。「官僚は要領をもってその本分とすべし」という彼のモットーがよく現れていた。


姑息な外務官僚のいやがらせ
クレムリンの大統領執務室に鈴木宗男が案内された時、私も末席に連なった。

白い大きな楕円形のテーブル中央に、鈴木が座った。1年半前の1998年11月12日に小渕総理が座った席である。私は左奥の最末席に腰掛けた。

鈴木は次期総理が幹事長の森喜朗であることを伝えると同時に、森の父親が日露友好に貢献した人物で、その遺骨がイルクーツク郊外のシェレホフ市にも分骨されていることを明かした。

その上で、4月29日前後にサンクトペテルブルクで非公式首脳会談を行うことを提案した。プーチンは手帳を取り出して確認すると「その日には別の予定を入れてしまったが、調整して会談する」と答えた。

私は「変だな」と思った。4月29日前後には、サンクトペテルブルクで小渕・プーチン会談を行うことについて、裏ルートではすでに日程を確保していたはずだからだ。なぜ別の予定が入っているのか。

ふと見ると、丹波大使が苦虫を噛み潰したような顔をしている。ようやく状況が読めた。丹波は小渕が再起不能であるという情報を得ると、首相官邸や自民党本部の了承を得ずに「4月29日の小渕・プーチン会談はなくなった」とロシア外務省に伝えてしまっていたのだ。

このフライングが露見することを恐れ、鈴木が森・プーチン会談として仕切り直すことを邪魔しようとしたのだ。姑息な外務官僚がやりそうなことである。

「この席に小渕さんが座っているように思う」
プーチンとの会談の席で、鈴木は小渕総理の魂が乗り移ったかのように日露外交のために言葉を尽くしていた。

「この席に小渕さんが座っているように思う」とプーチンが言ったとたん、鈴木の目から涙があふれた。プーチンはしばらくそんな鈴木の様子を見つめていたが、やがてプーチンの瞳からも涙がこぼれ落ちたのである。

この席で、森・プーチン会談の日程が決まったことが、その後の北方領土交渉を肯定的に切り開いていくことにつながった。これが政治の力である。

佐藤優『悪の処世術』(宝島社新書)佐藤優『悪の処世術』(宝島社新書)
会談が終了し、退室しようとする鈴木にプーチンが声をかけた。「できればのお願いなのだが」と前置きし、ロシア正教会のアレクシイU世総主教(最高指導者)訪日の際に天皇陛下に謁見できるように働きかけをしてもらえないか、と言う。「もしも迷惑にならなければ」とプーチンは付け加えた。

鈴木は「全力を尽くす」と約束し、実際にその謁見を実現させた。プーチンは信頼する相手にしか「お願い」はしない。しかも、無理難題を押し通すのではなく、あくまでも「迷惑にならなければ」という態度で依頼する。

具体的な人間関係を通じて相手の民族や国家を見極め、時に鉄仮面の下に感情をさらけ出し、人の心にぐっと入り込んでくる。独裁者の多くは、人の心を掴む術に長けている。一方で、自身の地位を盤石なものとするために、敵と見定めた相手には容赦しないのである。

14. 2021年5月31日 06:01:43 : rm7jvQJ0P2 : bjgwVUxrVURvWi4=[3] 報告
2021.05.31
また明らかになった西側メディアのダブル・スタンダード、またはプロパガンダ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105310000/

 ギリシャのアテネからリトアニアのビリニュスへ向かっていたライアン航空4978便がベラルーシのミンスク国際空港へ緊急着陸、この旅客機に乗っていたラマン・プラタセヴィチなる人物が逮捕された。西側の有力メディアは「ジャーナリスト」というタグをつけているが、「ネオ・ナチの活動家」と表現する人もいる。

 交信記録によると、​4978便に爆弾が仕掛けられているとするリトアニア当局宛ての電子メールが5月23日9時25分(UTC)に送られたところから話は始まる​。CCやBCCで近くの航空当局へも送られたという。9時30分に4978便はベラルーシの領空へ入り、その直後にベラルーシの航空管制から4978便へ爆弾の件が知らされた。旅客機のパイロットは9時47分に緊急事態を宣言、その数分後にミンスクへ向かい始めている。

 5月26日にロンドンを拠点とする「書類センター」が「爆弾の脅迫」の電子メールはミンスク当局からパイロットへ連絡があってから24分後だと「スクリーンショット」付きで発表、西側の有力メディアはその話を垂れ流した。

 この「書類センター」はボリス・エリツィン時代に巨万の富を築いた「オリガルヒ」のひとりで、ジェイコブ・ロスチャイルドやヘンリー・キッシンジャーと関係が深いミハイル・ホドルコフスキーをスポンサーにしている。

 ホドルコフスキーが富豪と呼ばれるようになったのはエリツィン時代だが、ソ連時代から怪しげなカネ儲けに手を出していた。ミハイル・ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)を推進する中、1989年に彼はリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めたのだ。この年、ホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得した。違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 この怪しげなビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーのKGB人脈に助けられて入手できたという。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 ホドルコフスキーは1963年6月に生まれた。父親はユダヤ教徒、母親はロシア正教徒で、ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めている。こうしたポジションにつくことができたのも、KGB人脈があったからだろう。

 ソ連消滅後、ロシアに君臨したのがボリス・エリツィン。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。国民の資産を奪う新自由主義的な政策を推進したグループに属していたということだ。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 石油ビジネスに興味があってユーコスを買収したわけではないと見られている。ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたのだ。つまりロシアにとって重要なエネルギー産業を西側の私的権力へ引き渡そうとしていたのだが、ウラジミル・プーチンに阻止されてしまう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 この一方、ホドルコフスキーはジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れた。

 プーチンはオリガルヒに対し、政府に従うことを要求、その要求をのめない人びとはロンドンやイスラエルへ逃亡したが、ホドルコフスキーはロシアへ残ってプーチンと戦う道を選んだ。違法な手段で富を築いたホドルコフスキーが摘発されるのは必然だった。

 そうした背景を持つ団体が出し、有力メディアが流している「証拠」だが、証拠になっていない。スタンプされた時刻はコンピュータがどこにあるかで違うため、そのスクリーンショットが本物だとしても、詳しく調べない限り、「24分」という数字に意味はない。

 また、問題の電子メールは​プロトンメール​というスイスのプロバイダーが提供しているサービスなのだが、このメールは全て暗号化されていることが特徴。会社側の説明によると、読めるのは送信者と受信者だけ。プロバイダーは読むことができず、スクリーンショットを提供することはできない。もし電子メールが本物なら、受信者の誰か、あるいは傍受した情報機関から出たということになる。しかも西側の有力メディアは発表されていない「プロトンメールの声明」が引用されている。

 プラタセヴィチを「ジャーナリスト」と呼べるのかという問題もある。勿論、自分でそう名乗ればジャーナリストだと言えるのだが、この人物がウクライナのネオ・ナチと関係があることは否定できない。

 ウクライナでは2013年からクーデターが始まり、翌年の2月に合法政権が転覆している。このクーデターはバラク・オバマ政権が仕掛けたもので、現場の指揮官はネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補だった。ホワイトハウスの責任者は副大統領だったジョー・バイデンだと言われている。

 クーデター後、ウクライナの軍や治安機関から離脱、反クーデター勢力へ合流する人が少なくなかったようで、キエフのクーデター軍の能力は高くなかった。そこでアメリカの傭兵会社から戦闘員が派遣されたほか、ネオ・ナチの武装勢力が投入された。

 ウクライナ軍に残った兵士やネオ・ナチを訓練するため、オバマ政権はイタリアのビチェンツァを拠点にする第173空挺旅団の兵士290名を送り込んだと伝えられた。

 ネオ・ナチの武装勢力にはアゾフ、ジャガー、オメガの3大隊をはじめ、50大隊ほどが含まれているが、中心的な存在はアゾフ。この武装集団の資金源であるイゴール・コロモイスキーはウクライナ、イスラエル、キプロスの三重国籍を持つ富豪だ。プラタセヴィチはアゾフと行動をともにしていた。​彼の父親は自分の息子は戦闘員だとしている​ようだが、アゾフ側は「ジャーナリスト」として反クーデター軍と戦ったと主張している。

 しかし、西側の有力メディアは「ジャーナリスト」が逮捕、拘留されても沈黙することがある。その典型例がアメリカの政府や有力者による不正行為を明らかにしてきたウィキリークスに対する姿勢。この団体の象徴的な存在であるジュリアン・アッサンジは2019年4月11日、ロンドンのエクアドル大使館内でロンドン警視庁の捜査官に逮捕されている。

 ラファエル・コレア時代のエクアドル政府はアッサンジの亡命を認めていたが、2017年5月に大統領がレニン・モレノに交代、このモレノが亡命を取り消したのだ。エクアドルではモレノが汚職で受け取ったカネのロンダリングを行うためにINA投資という名前のペーパーカンパニーを2012年にベリーズで作ったという話がリークされたのだが、その情報が漏れた責任はウィキリークスにあるという理由で亡命を取り消したという。

 また、この亡命取り消しにはIMFも関係していると考えられている。エクアドルに対する融資の条件としてアッサンジの亡命取り消しをIMFは要求、それにモレノは応じたのだというのだ。

 アッサンジがエクアドル大使館へ逃げ込んだ理由は、2010年11月にスウェーデン検察が幹部の判断でアッサンジに逮捕令状を出したからだ。レイプ容疑だが、嫌疑なしということで2017年に捜査は中止され、逮捕令状は取り消されている。

 ところが、イギリスの警察当局はエクアドル大使館の包囲網を解かなかった。その理由はアメリカの司法当局が2011年初めまでにアッサンジを秘密裏に起訴していたからである。この情報は2012年2月にウィキリークスが公表した民間情報会社の電子メールに記載されていたが、その後、公的な文書で確認される。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されている​のだ。

 スウェーデン検察が逮捕令状を出す7カ月前、ウィキリークスは​2007年7月にバグダッドで非武装の十数名をアメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターから銃撃、射殺する様子を撮影した映像​を含む情報を公開している。死亡者の中にはロイターの特派員2名を含まれていた。

 ヘリコプターからは武装集団への攻撃であるかのようにクルーは報告しているが、映像を見れば非武装のグループだということは明白だ。「ジャーナリスト」を名乗るなら無視することのできない衝撃的な情報だった。西側の有力メディアがジャーナリストの集まりなら、この情報を伝えたジャーナリストが逮捕、拘留されていることに激しく抗議しなければならない。

 アメリカの情報機関による不正行為を内部告発したエドワード・スノーデンもアッサンジと同じように「1917年スパイ活動法」で起訴されている。

 スノーデンは2013年5月にNSA(国家安全保障局)の不正行為を示す証拠を持ち出し、香港でジャーナリストのグレン・グリーンワルドへ渡した。アメリカと連携しているイギリスはグリーンワルドのパートナーであるデイビッド・ミランダをヒースロー空港で拘束して尋問しするなど追跡を開始する。

 その一方、NSAとUKUSAを形成しているイギリスの電子情報機関GCHQに派遣された2名が監視する中、グリーンワルドが記事を書いていたイギリスのガーディアン紙の編集者はスノーデンから受け取った情報が記録されたハード・ドライブを破壊させられた。それ以降、ガーディアン紙はイギリスやアメリカの支配者に逆らおうとしなくなる。

 スノーデンはアメリカやイギリスの情報機関が網を張り巡らせている香港から脱出、モスクワへ向かう。そこからキューバへ逃げると見られていたが、そのタイミングでボリビアのエボ・モラレス大統領がモスクワを訪問していた。

 帰国するためにモスクワの空港を離陸したボリビアの大統領専用機はポルトガルで給油する予定になっていたのだが、そのポルトガルが着陸を拒否、やむなくカナリア諸島へ向かおうとしたところ、フランス、スペイン、イタリアが領空の通過を拒み、オーストリアへ着陸せざるをえなくなる。そこで外交のルールを無視して大統領専用機の機内を捜索するのだが、そこにスノーデンはいなかった。その後、スノーデンはロシアで生活することになる。

 プラタセヴィチの件は今後、明らかになってくるだろうが、現時点で言えることは、アメリカとその従属国の政府は自分たちにとって都合の悪い事実を明るみに出した「ジャーナリスト」を逮捕、拘束し、そうした「ジャーナリスト」が乗っている可能性があると思えば大統領専用機でも強制着陸させる。そうした行為を西側の有力メディアに沈黙している。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202105310000/

15. 中川隆[-15998] koaQ7Jey 2021年10月15日 18:54:56 : 3arTuvWsoQ : UHhWa0FFaE5VT2M=[34] 報告
謀略で大統領になった男・プーチンとユダヤコネクション 「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
2021.10.13
https://tocana.jp/2021/10/post_222938_entry.html


【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

謀略で大統領になった男・プーチンとユダヤコネクション 「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!の画像1


ジェームズ 今回は世界を知る上で欠かすことのできないロシアについてお話したいと思います。以前、ロシアは国そのものがフェイクだという話をしましたが、今回はプーチンが権力を手にした方法から紹介しましょう。そもそも、プーチンという男はロシア史上だけでなく、世界的に見ても異例中の異例の男なんです。なにしろ、まったく無名だった元KGBの中佐が1998年にFSB長官、1999年に首相、2000年に大統領と1年毎に大出世です。普通はありえません。

──FSB長官からたった3年で大統領になっていたんですね。

ジェームズ ただのKGBの中佐が、ですよ。この大出世の裏には彼がユダヤ人だったことがとても大きいのです。プーチン=ユダヤ人説は前の記事でも話しているので見てほしいのですが、1つ言っておくと母親の名前がロシア人ではありえないシャロモビッチだったといった点です。

 つまり、プーチンはユダヤ勢力から推薦されて大統領になっているんです。具体的に動いたのはロシアとイスラエルの二重国籍を持つロマン・アブラモヴィッチという男です。彼は英国サッカークラブのチェルシーFCのオーナーとしても有名で、プーチンを当時の大統領だったエリツィンに紹介し、プーチンを大統領にするように進言しています。

──エリツィンに進言できるんですか?

ジェームズ エリツィンはウォッカを飲みまくるただの酔っぱらいで完全にユダヤの傀儡でしたので。彼はまったく政治をする気がなく、国内も統制できず、全世界のユダヤ系のヘッジファンドにロシアの財産を貪らせていたんです。

──エリツィンってロシアの民主化に向けて一定の評価がされていたと思っていたんですが、違ったんですね。

ジェームズ いえ、まったく評価できません。彼はロシアの財産をユダヤ人たちがシティ・オブ・ロンドンのユダヤ系ヘッジファンドに売りさばくのを黙認していました。そして、そのユダヤ系ヘッジファンド関係者の一人がロマン・アブラモヴィッチだったわけで、彼らがロシア政府を完全に乗っ取るために送り込んだのがプーチンだったんです。

 アブラモヴィッチに限らず、ロシアのお金持ちはマネーロンダリングでロンドンにたくさん口座を持っています。ロンドンに行くとロシアのお金持ちたちが買った高級アパート街があるんですよ。彼らはそういうところに住んでいるんです。

 プーチンは自分よりも10歳ぐらい下のアブラモヴィッチに推薦されて大統領になったんです。ちなみに、アブラモヴィッチの裏の顔はハバド・マフィアのリーダー格です。ハバド・マフィアとはユダヤの正統派保守系で聖職者とマフィアを兼業する人たちです。しかも、アブラモヴィッチのパトロンはロスチャイルド家です。ちなみに、いわゆる「ロシアマフィア」と言われるのはすべて「ユダヤマフィア」です。

──マフィアマネーと、ロスチャイルドマネーでプーチンは大統領になったんですね。


ジェームズ そうです。99年にプーチンが総理大臣になったのもその関係です。また、エリツィンは同じ年の12月31日に大統領職辞任を発表するのですが、そのお別れの挨拶でプーチンを次の大統領に指名しています。現役の大統領が後継者を指名するなど前代未聞です。

──民主主義ではありえませんね。

ジェームズ それによってロシアが民主主義の国ではないと露呈したわけですが、さすがに翌2000年には大統領選が行われ、当初プーチンは劣勢でした。ところが、選挙の2週間前にモスクワアパート爆破事件というのが起きるんです。

 夜の2時ぐらいにアパートがいきなり吹っ飛んで300人ぐらいが死んだんですが、プーチンは即座にチェチェンのテロリストの仕業だと言って、チェチェン戦争を開始するんです。この事件がきっかけでロシア人のナショナリズムが高まり、プーチン人気も盛り上がって大統領に当選しています。しかし、もちろん、この爆破事件には裏がありました。

──不審な証拠があがってきたと。

ジェームズ そうです。まず、モスクワアパートで死んだのは全員ロシア人でユダヤ人は一人もいませんでした。次に出てきたのが、爆破の直後に住民が不審な車を発見しているんです。その車のナンバーを照合するとFSBの所有だったんです。さらに、付近にいた不審者をロシア警察が捕まえていて、身分を照合するとやはりFSBの職員だったんです。つまり、アパート爆破はFSBの仕業であり、当時のFSBの裏にはプーチンがいたことは否定できません。

──謀略で大統領になったんですね。

ジェームズ はい。しかも、その裏にはユダヤコネクションがいます。ですから、プーチンのミッションは明快です。ロシアを欧米の対抗勢力に仕立て上げること。世界各地で戦争を繰り広げ、戦争経済を回すことです。また、国内では、エネルギー資源を独占し、人口の0.0001%のスーパーエリートに利権を配分し、同時に歴史的ユダヤ問題を解決するということです。彼の過去21年間の軌跡を見ると忠実にミッションをこなしていることがわかります。

──プーチンはユダヤのために動いていると。

ジェームズ というよりもロシアという国はユダヤそのものです。それはロシアの国旗を見ればよくわかります。

──ロシア国旗? そうか、あの赤地に鎌と槌のマークのやつはソ連の国旗か。ちょっと検索してみますね……ありました。上から白青赤の横縞の三色旗ですね。

ジェームズ それは表向きのロシア連邦国旗です。それではなく、ロシア連邦大統領旗というのを見てください。

──大統領旗? あ、ありました、三色旗の真ん中に双頭の鷲がいますね。あれ、双頭の鷲って!?

ジェームズ そうです。実はその双頭の鷲はロスチャイルド家の家紋の1つで、ロシア大統領旗のど真ん中にはロスチャイルド家がいることの証明です。つまり、ソ連崩壊後のロシアをロスチャイルド家が完全に乗っ取ったということを象徴しているのです。

 ちなみに、ロシア国旗の真ん中の絵は、軍や農民の守護聖人である聖大致命者凱旋者ゲオルギイ(聖ゲオルギオス)がサタンを退治するイコン(聖像)でロシア正教会、ロシア軍、ロシア人を象徴しています。双頭の鷲はクレムリンと帝国主義を象徴しています。

 つまり、ロシアの基本政策というのは、ユダヤのロスチャイルド家が出資し、クレムリンが戦争を起こし、正教を信仰する一般の素朴なロシア人たちが戦場に駆り出されるということです。その結果、何が起こるのかというと、戦争で得た利潤をロスチャイルド家が握り、クレムリンに寄生するユダヤ人の支配層に分配するということです。

 ロシアはロシア人だけが苦悩する国家レベルのブラック企業体質なのです。ロシアの帝国主義も正教ナショナリズムもすべてロスチャイルド家の投機対象だと言っていいでしょう。

──それがロシアの正体だと。このまま世界も乗っ取りそうですね。

ジェームズ ほとんどもう乗っ取られています。アメリカもヨーロッパも日本も。

──中国もですか?

ジェームズ 中国は周恩来がユダヤ人なんです。

──えっ!

〜後編に続く〜

16. 中川隆[-15997] koaQ7Jey 2021年10月15日 19:10:55 : 3arTuvWsoQ : UHhWa0FFaE5VT2M=[35] 報告
「ユダヤとロシアをみると世界がわかる」プーチンとロスチャイルド、新世界秩序の本当の目的…ジェームズ斉藤が暴露
2021.10.14
https://tocana.jp/2021/10/post_222960_entry.html

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

ジェームズ ロシアという国はユダヤそのものです。それはロシアの国旗を見ればよくわかります。ロシア連邦大統領旗というのがあるのですが、真ん中の双頭の鷲はロスチャイルド家の家紋の1つで、ロシア大統領旗のど真ん中にはロスチャイルド家がいるんです。

──それがロシアの正体だと。このまま世界も乗っ取りそうな勢いですね。

ジェームズ ほとんどもう乗っ取られています。アメリカもヨーロッパも日本も。

──中国もですか?

ジェームズ 中国は周恩来がユダヤ人なんです。

──えっ!

ジェームズ 中国に住み着いているユダヤの末裔です。しかも隠れ●●でした。だから、同じく隠れ●●でユダヤ人のキッシンジャーが周恩来を通じて毛沢東に会ったんですよ。キッシンジャーというのは重要な存在でバリバリのユダヤでグローバリストなんです。しかも両者は「裸の付き合い」ができる関係です。そして、プーチンが最近よく会ってるアメリカ人がキッシンジャーです。

──キッシンジャーが昔から中国べったりだったのはそういうことだったんですね。

ジェームズ そうです。だから、キッシンジャーが話す相手は必ず、ユダヤをバックに持っているんです。しかも、キッシンジャーはペドでもあります。だから、プーチンとも話が合うんです。

──キッシンジャーもプーチンもですか!? ユダヤ教的にいいんですか、ペドは?

ジェームズ だから、ここでもやっぱりユダヤの特異性が出てくるんですよ。プーチンはロシア正教会の敬虔な信者として振る舞っているんですけど、これも完全なフェイクで、なんとペドの決定的瞬間を映像で捉えられているんです。ユーチューブにあると思いますが、クレムリンを観光してきた金髪の小さなロシア人の男の子の頭を撫でたと思ったら、いきなりしゃがんで男の子の服をペロっとめくってお腹にキスしたんです。

──大胆ですね。

ジェームズ 日本でいう戦国武将のお稚児さん感覚でしょうね。この映像がリークされて凄い問題になった時期があったんです。そして、この映像をリークしたのがプーチンのKGB時代の元同僚と言われているアレクサンドル・リトビネンコです。彼は亡命先のイギリスで2006年に放射性物質ポロニウムを漏られて死にました。犯人はプーチンだと言われています。


画像はwikipediaより引用
 リトビネンコはペドの事実を暴露しただけではなく、チェチェン侵攻のきっかけとなった99年のモスクワのアパート爆破事件がプーチンの仕業だったということも暴露しているんで、ずっと命を狙われていました。

 また、以前お話しした、911とロシア黒幕説を世界で初めて暴露したのもリトビネンコです。

日本メディア初「9.11本当の陰謀と真実」公開!この情報を発言した人間は”毒殺”…ジェームズ斉藤【タリバン・アフガン】
https://tocana.jp/2021/08/post_218816_entry.html

ちなみに、彼の暗殺の最大の理由は「プーチン・ペド説」ではなく、「911ロシア黒幕説」(過去のジェームズ斉藤911特集記事を参照)を暴露したからです。これは諜報機関関係者の間では常識です。


タリバンと911の陰謀
https://tocana.jp/tag/%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%90%e3%83%b3%e3%81%a8911%e3%81%ae%e9%99%b0%e8%ac%80


アレクサンドル・リトヴィネンコ氏 画像はwikipediaより引用
──いまのロシアはユダヤ人が完全に牛耳っているということなんですね。

ジェームズ ロシアの歴史には法則があって、異民族が必ずロシアを統治してきたんです。まあ、ロシアの定義も曖昧なんですが、ロシア正教を信じているスラブ系白人のロシア人がロシアを主導しているかというと必ずしもそうではなく、異民族、異教徒が政権の座に座っているんですよ。

 何しろ、ロシアの語源である「ルーシ」は「スウェーデン東部沿岸地域のヴァイキング」という語源で、当時ロシア貴族が利権争いに明け暮れた挙句、スウェーデン系のリューリク家を招待し、ロシアを統治させたというあり得ない歴史背景を反映しています。そして、異民族の支配者とそれに群がり利権を貪る「訳あり」なロシア人の集団を頂点とするロシア特有の権力ピラミッドができたのです。ユダヤ系のプーチンも例外ではないですし、ロシア革命もユダヤ人のグループでした。

──革命前の人たちもロシア人ではないということですか? 

ジェームズ そうです。ロシア王室のエカテリーナ女帝はプロイセン生まれですからドイツ人です。それ以前はロシアはタタール人、モンゴル人、スウェーデン系ヴァイキングによって支配されていました。エカテリーナ女帝を含むドイツ系ロマノフ家の統治時代にユダヤ系国際金融資本勢力がクレムリンに浸透し、本格的にクレムリンを乗っ取り始めたのは1904年の日露戦争が契機です。そして1917年のユダヤ人グループによるロシア革命によって「クレムリンのユダヤ化」は完了しました。

 ちなみに日露戦争はユダヤのマネーゲームに日露両国が駒として使われた戦争で、戦争終結後、日露両国は後に亡国となり、現在に至るまで完全にユダヤ系国際金融資本勢力に乗っ取られています。


──高橋是清がユダヤ人のジェイコブ・シフから金を借りて日露戦争を戦っていますね。

ジェームズ その金を日本は昭和の中頃になってやっと完済しています。一方、「敗戦国」のロシアは「戦勝国」の日本に賠償金を払わず、のちに日本がシベリア出兵を口実にロシア皇帝のゴールドを回収される羽目になっています。

 いずれにせよ、ロシアは常に異民族が統治してきた歴史を持っています。

──考えてみれば中国もそうですよね。漢民族が統治した時代はあまりありません。

ジェームズ そうです。ユーラシアの大陸国家というのはほとんどの場合、マイノリティの異民族が支配しています。実は、日本の天皇制もユーラシアの大陸国家の政治モデルを輸入してきたんですよ。マジョリティであった縄文系を支配していたのが当時、弥生系のエスタブリッシュメントだった天皇家でした。

 ロシアはでかい国なので、マジョリティは圧倒的にロシア人、ロシア正教会を信じる人ってことで定義するロシア人ですね。しかし、トップはほとんどが異教徒ですから。特にソ連自体がユダヤとタタールの連合政権なんです。レーニンもユダヤが入っていたし、トロツキーなどは生粋のユダヤ人です。

 また、KGBという組織は歴代のトップが全部ユダヤと言われています。だから、あんなメチャクチャなことができたんです。ファイクな罪を異民族に着せてすぐに死刑にしたり、あとは収容所をたくさん作ったのですが、あれはロシア人を大量に収容所に送り込んでそこで無給の奴隷にしたんです。

──なぜ、そんなにユダヤ人は他民族を迫害するんですか? 

ジェームズ それはイスラエルを失い世界を漂流する上で各地で迫害されてきたからです。特にロシアはずっとユダヤを弾圧したんですよ。ニコライ2世の時は徹底的にユダヤを弾圧しましたね。ロシアから見ると、ユダヤ人は高利貸し事業で借金まみれのロシア人を大量に作り出し、その一方で支配層に寄生して甘い汁を吸う「アンチキリスト(サタンと同意義)」という位置づけです。ですから、どっちもどっちなんですよ。

 結局、世界はユダヤ教とキリスト教の確執で動いているんです。この2つの宗教が国の歴史を動かしていることが最もよくわかるのがロシアです。「ユダヤを見ると世界がわかる」という本が以前流行りましたが、ロシアを見ると世界がわかるというのが私の持論で、世界の仕組みを見る上ではとても重要な視点となります。

文=ジェームズ斉藤

17. 中川隆[-15996] koaQ7Jey 2021年10月15日 19:14:24 : 3arTuvWsoQ : UHhWa0FFaE5VT2M=[36] 報告
「プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいる」ジェームズ斎藤が徹底解説! プーチンとロスチャイルド、ユダヤ、ロシアの真実とは!?
2021.06.22
https://tocana.jp/2021/06/post_212901_entry.html


【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】


──先日、プーチン大統領とバイデン大統領の米露首脳会談が行われましたが、何かこの二人に関連するニュースを教えてください。

ジェームズ それでは今回は特にロシアとプーチンについてぜひ知っておいて欲しいことがあります。まず、ロシアという国を見る時は、すべてがフェイクという前提で見ないといけません。もともとフェイクニュースの発祥の地がロシアなんですが、それはロシアそのものがフェイクの国だからです。

──ロシアはまるごとフェイクだと。

ジェームズ そうです。実は、その視点こそがロシアを、ひいてはプーチンを理解する際に凄く重要な点になります。いまのロシアに限らず、ソ連時代、さらにロシア帝国、モスクワ公国、キエフ公国時代からあの国はずっとフェイクだったんです。もちろん、共産党もフェイクです。多くの日本人は良くも悪くもロシアの革命の原動力だったと、共産党のことを考えていますが、全然違います。あれはユダヤ人やタタール人等の非ロシア人によるロシアの乗っ取りです。レーニンもユダヤの血が入っていましたし、トロツキーは生粋のユダヤ人です。

──つまり、フェイクとユダヤが関係しているんですね。

ジェームズ そうです。そもそもロシアという国は帝政時代にはポグロムといって、ユダヤ人をずっと迫害してきたんです。特に18世紀が一番ひどくてユダヤ人村を取り囲んで虐殺を繰り返していました。ユダヤ人たちにはその時の恨みがずっと残っているんです。その中で、ロシア革命が起きているんです。ですから、ロシア革命を単なる共産革命だと思ったらロシアという国を完全に見誤りますね。

──考えてみたら資本論を書いたマルクスがそもそもユダヤ人でした。

ジェームズ マルクスもフェイクです。彼はロスチャイルド家と親戚でかなり裕福な家庭で育ってますからね。

──えっ! そうだったんですか? プロレタリアートの味方じゃなかったんですか!?

ジェームズ まったく違います。彼は資産家でした。これひとつ取っても共産主義を導入したロシアのフェイクぶりが見えてくるでしょう。で、ここで大切なのが、ソ連時代の諜報組織KGBの歴代トップが全員ユダヤ人だと言われていることです。

──KGBまでユダヤなんですか!?

ジェームズ そうです。ということは当然プーチンもユダヤなんです。隠れユダヤです。

──えっ!


ジェームズ いえいえ、驚くことではありません。私のいる諜報の世界では常識ですし、いくつも証拠があります。まず、彼の母親の名字はシャロモビッチというのですが、最後にビッチがつくのはウクライナ系に多く、シャロモはシャロームで、ヘブライ語で平和を意味します。ロシア人ではこういう名前はありません。しかも、プーチンは自伝を書いているのですが、初版では母の名をシャロモビッチと書いています。しかし、第2版からはロシア風のシャロモーバに変えているんです。母親の名前が変わるなんて普通では考えられません。そして彼の父親ですが、タルムードの研究家なんです。

──シャロームにしろ、タルムードにしろ、完全にヘブライ、完全にユダヤ教ですね。

ジェームズ そうです。そしてプーチンの出身地、サンクトペテルブルク、当時はレニングラードと呼ばれていたんですが、彼が生まれたアパート街はユダヤ人居住区だったんです。あとは過去の発言を聞いてみるとソ連を礼賛しているようでいてユダヤを持ち上げることばかり言っています。一番はっきり言ったのは2010年で「私はユダヤ人のためならなんでもやる」と。ですから、プーチン・ユダヤ人説はほぼ確定しています。

──じゃあ、プーチンはユダヤ教の信者なんですね。

ジェームズ いいえ、プーチンは表向きは敬虔なロシア正教徒です。だから、そこもフェイクなんですが、もっと凄いのはロシア正教会自体もフェイクです(笑)。なぜなら、ロシア正教会を運営しているのはFSBという諜報機関だからです。ロシア正教会はソ連時代にKGBが乗っ取っていて、そのあとKGBの後継組織であるFSBが運営しています。事実、いまのロシア正教のトップ、キリル一世はFSBの大物エージェントです。

──FSBが裏で操っているとかじゃなくて。

ジェームズ そうです。ロシア正教会そのものがFSBなんです。ですから、キリルー一世は高額な給料を貰っていて、ベンツのリムジンに乗っていますし、ブレゲの高級銀時計も付けています(笑)。キリルー一世がブレゲを着けて宗教活動をしている画像もあります。これがロシアという国です。大統領がユダヤ教であることを隠して、民族を隠して、宗教が秘密組織そのものという国です。

──いやぁ、徹底的ですね。そういえば、昔、ジェームズさんが言っていた「プーチンは4人いる説」もありましたね。

ジェームズ プーチンは今は3人で、本物はもう死んでいると言われています。

──逆に本物がいない!?

ジェームズ そうです。ですから、これが一番のフェイクかもしれませんね(笑)。ともかくプーチンという存在はロシアのアイコンでしかありません。敬虔なロシア正教徒として世界のキリスト教徒を守る救世主であるというカバーをプーチンというアイコンはやっています。また、KGBとしてのプーチンは、大統領としての職業もカバーでしかありません。だから、彼は根っからの諜報員で、工作員のやり方で政治をやっているんです。つまり、プーチンのロシアそのものが謀略工作です。

──裏と表がまるで違いますね。

ジェームズ そうです。ロシアの裏側には常にユダヤがいます。ただし、ユダヤと言ってもプーチンのユダヤコネクションはユダヤの正統派、保守系で「チャバッド・マフィア」と呼ばれる、聖職者とマフィアを兼職する離れ業を生業にしている人士です。彼らの多くはヴァチカン、ロシア正教会、ヨーロッパ王室の金庫番を務めており、「権力者に擦り寄り稼ぐ」という独特のユダヤ流生き残り戦略を持っています。当然彼らはプーチンや彼の「お友達」の金庫番も務めています。彼らのお陰で大統領名義の個人資産は米国、英国、スイス等に厳重に保管され、その額は200兆円に上ります。おそらくプーチンは世界の指導者で最も資産家で、トランプやバイデンが小物に見えるほどです。プーチンのロシアはチャバッド・マフィアが支配し、国民から資産をカツアゲするただの泥棒国家です。そして、プーチンが表向き反グローバル主義を掲げている理由はここにあるんです。


──ただ、グローバリストたちもユダヤですよね?

ジェームズ そうです。ですから、グローバリストと反グローバリストの戦いというのは、実はユダヤの内ゲバなんです。ここを多くの人が理解していません。
 グローバリストという呼ばれる人たち、典型的なのがジョージ・ソロスですが、彼にしたって基本的にユダヤ系なんですけど、本音は無神論者です。彼らはユダヤ系ですけど、ナチスにも協力するような化け物なんですよ。ですから、彼らは神と決別し、約束の地もないような人たちなんです。
 しかし、反グローバリスト派は約束の地があるという立場で、それがカナンの地であるイスラエルです。プーチンはイスラエルを認める立場で、バリバリのシオニストです。なにしろ、いまロシアではホロコーストに関する疑問を持つだけで5年間の収容所行きです。プーチンは反ユダヤ主義に関しては物凄く厳しいです。ホロコースト説を法律によって守っている国なんです。反グローバリストとグローバリストの対立の軸はここです。

──ロスチャイルド家とかは保守系なんですか?

ジェームズ ロスチャイルドはどちらにも加担しています。ロスチャイルドにとっては、プーチンもソロスも投資のためのひとつのコマでしかありません。それはロックフェラーも同様ですが、影響力は遥かにロスチャイルドのほうが大きいです。ちなみにスターリンも革命家だった当時はロスチャイルド家がパトロンでした。もともとスターリンはギャングのメンバーで銀行強盗とかをやりまくっていたんですけど、それを裏で支援したのがロスチャイルド家です。彼はロスチャイルド家のためのマフィアだったんです。

 ともかく、プーチンはロシアファーストではなくてユダヤファーストです。ロシアファーストのように見せかけていますけど、ユダヤに忠誠を尽くしているという視点で見ると世界が見えてきます。

──確かに、こういった話を聞くと、いまの世界が見えてきますね。

ジェームズ ロシア、ユダヤ、プーチンを見ないで世界は語れないんです。恐らく読者の皆様にはプーチンファンが多いかと思われますが、彼も結局は私が以前から何度も唱えている「コントロールされた反対勢力」なのです。このようなことはマスコミや学会では絶対に知ることができず、クレムリンの中枢でしか知ることができません。ロシアを知ることで見えてくるのは、近代国家というのは一握りの異民族が多数派の民族を支配する、フェイク国家です。日本も然り。ロシアを注視することで、日本の将来も見えて来ます。

文=ジェームズ斉藤

18. 2021年10月16日 19:43:14 : HgY6pzfAl2 : eXFsSnk4elZ4anM=[19] 報告
プーチンがイルミナティ撲滅を宣言! ドゥテルテ躍進、トランプ旋風… 世界で進む“反ロスチャイルド”の決定打か!?
TOCANA2016年11月6日
https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201611_post_11354/


プーチンがイルミナティ撲滅を宣言! ドゥテルテ躍進、トランプ旋風… 世界で進む“反ロスチャイルド”の決定打か!?拡大する(全1枚)

 ロシアのプーチン大統領が、強大な敵を相手に戦うことを宣誓したという。打倒を誓ったプーチン最大の敵とは、あの“イルミナティ”だ。

■プーチン、打倒イルミナティを誓う

 収束への糸口が一向に見えてこないシリア情勢だか、その理由のひとつに大国同士の思惑がある。混迷深めるシリア情勢をひとまず安定へ向かわせることは国際社会の総意であるにもかかわらず、各国の利権に基づく代理戦争的な性格は一層強まっており、そう容易く事態が収束しそうにないことが指摘されている。

 この10月より、アサド政権を支援するロシアはシリアに最新型ミサイル防衛システムを配備したと考えられているが、これに対抗するため米軍も戦力を増強、支援するシリア反政府勢力に対して武器を大量に供給したと噂されている。実のところ、大国同士も一触即発といえる事態を迎えているのだ。さらに先日は、ロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」を含む艦隊が大西洋から地中海に入っている。

【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2016/11/post_11354.html

 さて、このロシアの動きには、世界を影で操ると噂される秘密結社イルミナティの思惑を断じて許さないというプーチン大統領の決意が現れているという。複数の海外オルタナティブメディアによれば、プーチンは先頃、世界の富を牛耳るハザール・マフィア(ユダヤ金融資本)の中心的組織であるイルミナティの撲滅を目指し、全面対決の狼煙を上げたという。果たして、これから世界でどんなことが起きるというのだろうか――。

■大統領就任直後から始まっていたアンチ・イルミナティ戦略

 報道によると、本来はプーチンの出自もイルミナティ側であり、今日の権力を得るまでには、そのメンバーであることを巧みに利用してきたようだ。この男が、ソ連時代にKGBの実力者として頭角を現してきたことからもそれが窺えるという。なぜならば、ソ連もまたイルミナティが作り上げた人造国家であったためとのこと。

 しかし、プーチンは決してイルミナティの中核にある悪魔崇拝組織への“入会の儀式”は行なっていないという。そして大統領就任後は、“アンチ・イルミナティ”へと国内政治の舵を大きく切ることになった。

 ソ連崩壊後のエリツィン政権時代、ロシアでは資本主義の名のもとに「オリガーキー」と呼ばれるロスチャイルド家(欧州のユダヤ系大資本)の息がかかった特権的新興財閥がいくつも勃興し、国家と国民を脅かすほどまでに力をつけてきた。プーチン政権は、その初期の段階において、まずこれらオリガーキーを国内から締め出し、ロンドンなどへと追いやることに成功した。

 このプーチンの手腕は、ロスチャイルド家の4代目ことジェイコブ・ロスチャイルド(80)をして「プーチンは新世界秩序の裏切り者であり、イルミナティにとって最も危険な人物だ」と言わしめるほどであった。そしてプーチンは今、国内から追い出すだけにとどまらず、イルミナティをこの地上から抹殺せんと行動を開始したというわけだ。

■徐々に進むトルコの“アメリカ離れ”、その背後にもプーチンの影!?

 天然ガスのパイプライン利権をめぐる大国同士の争いが水面下に見え隠れするシリア内戦だが、アサド政権側を支援するロシアやイランに対し、アメリカと欧州各国をはじめとする有志連合は反政府勢力をサポートし、そこに隣国のトルコも加わるという構図がこれまで形成されていた。

 しかし、その状況がやや崩れてきたのが、今年7月に起きたトルコのクーデター未遂事件だろう。あまりにも突然の話で、一時はどうなることかと思われたこのクーデター騒ぎであったが、最終的には正規軍によって鎮圧された。しかし、隣国シリアを上から目線で“更正”させようとしていたトルコ政府にとってみれば完全に足元をすくわれた格好になり、対シリア戦略の見直しを求められることになったようだ。これまでアメリカとの関係を基盤にシリア情勢に対処していたトルコだったが、この事件を境に独自路線を歩む色彩を強め、対ロシア外交で関係修復の動きも見られるようになったのだ。

 昨年11月、ロシア軍の戦闘機をトルコ空軍の戦闘機が撃墜するという事件が起きたが、激しく抗議するロシアに当時のエルドアン政権は一切の譲歩を見せなかった。ところが今年の半ばになり、まさにこのクーデター直前というタイミングで、エルドアン大統領がロシアのプーチン大統領にこの件に対する謝罪の意を伝えている。この時期から、すでにトルコの“アメリカ離れ”がはじまっていたことになるのかもしれない。そして、クーデター未遂事件でそれが決定的になったとも考えられる。

“アメリカ離れ”といえば、現在一躍時の人となっているフィリピンのドゥテルテ大統領だろう。そして、今回のアメリカ大統領選で見られるトランプ旋風もまた、皮肉にもアメリカ人による“アメリカ離れ”の現象といえるのかもしれない。プーチンが思い描く“イルミナティ”撲滅作戦(!?)は、まずは“アメリカ離れ”というところから徐々に準備が整ってくるともいえそうだ。
(文=仲田しんじ)

https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201611_post_11354/

19. 中川隆[-14787] koaQ7Jey 2021年12月07日 06:00:41 : 2zSsj4hxA6 : M1FvMG5mVWxiOGc=[39] 報告

2021.12.06
経済戦や軍事的恫喝で米国は露国を屈服させようとして失敗した中、米露首脳会談
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112060000/

 アメリカのジョー・バイデン大統領とロシアのウラジミル・プーチン大統領が12月7日にオンライン会談を実施するという。バイデン政権の恫喝政策で急速に悪化した両国の関係などについて話し合うと見られている。

 ひとつの焦点はウクライナ情勢。この国では2014年2月にネオ・ナチを中心とする戦闘集団がキエフでクーデターを成功させ、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。ネオ・ナチを背後から操っていたのがバラク・オバマ政権で、現場で指揮していたのは国務次官補だったビクトリア・ヌランドだ。

 東ヨーロッパに支配地域を築いてロシアに圧力を加えることはアングロ・サクソンが19世紀に始めた長期戦略の一部だが、2014年のクーデターは天然ガスを介して接近するEUとロシアを分断することを狙っていた。EUとロシアを結ぶパイプラインの多くがウクライナを通過しているからだ。

 しかし、クーデター後に「ノード・ストリーム2」というパイプラインの建設が決まり、完成した。いつでも輸送を始められるが、それをアメリカは強引に止めている。

 ウクライナでのクーデターがひとつの切っ掛けになり、ロシアと中国が急速に接近、今では「戦略的同盟関係」にある。これにはアメリカだけでなく日本の「エリート」も驚いたようだ。

 クーデターで制圧できなかった東部地域のドンバス(ドネツクやルガンスク)は不安定な状態にある。ウクライナではクーデターの中心がネオ・ナチだったこともあり、軍や治安部隊の少なからぬ隊員がドンバス軍へ合流、将兵の戦闘能力はドンバス側が上回っていたと言われいる。そこでアメリカは傭兵を送り込んだ。

 2014年6月から大統領を務めることになったペトロ・ポロシェンコはチョコレート王、あるいはチョコレート・マフィアと呼ばれていた人物で、​ウィキリークスが公表したアメリカ政府の2006年4月28日付け公電によると、アメリカ政府へ情報を提供してきた​。欧米の支配者を黒幕とする「オレンジ革命」と呼ばれる新自由主義クーデターで登場した銀行員あがりのビクトル・ユシチェンコと親しいことも知られている。

 ポロシェンコ政権でウクライナは国として破綻、2019年5月にコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキーが大統領に就任することになった。有権者はゼレンスキーに変化を期待したのだろうが、欧米の私的権力に支配された国の状況は悪化するばかりだ。

 手詰まりのゼレンスキー政権は部隊をドンバスの近くへ移動させて軍事的な圧力を強め、同時にアメリカは黒海へ艦隊を入れて軍事演習を実施してロシアを挑発。そうした中、ウクライナの国防大臣が辞意を表明し、その一方でネオ・ナチ「右派セクター」を率いるドミトロ・ヤロシュが参謀長の顧問に就任したと伝えられている。

 最近ではアメリカ軍のE-8Cやイギリス軍のRC-135といった電子情報戦用の航空機がロシアとの国境近くを飛行、また11月の始めにアメリカ軍の戦略爆撃機が核攻撃のシミュレーションを行ったとロシア側は発表している。並行してアメリカ/NATOは黒海へ艦隊を入れ、軍事演習を実施したり領海を侵犯するなどしてロシアを挑発してきた。

 こうした挑発に対し、ロシアはこれまでになく厳しい形で反撃をしている。プーチン大統領はアメリカに対し、一線を越えればロシアも動くと警告した。ウクライナからモスクワまで500キロメートル程度しかないこともあり、防衛体制を整えている。アメリカの脅しは失敗したということだ。脅しをエスカレートさせるか、戦術を変更するか、アメリカは決断を迫られている。どう進むか定まらない中、アメリカの政府や有力メディアは批判、日本のマスコミはアメリカの主張を垂れ流している。「アメリカに脅されたら素直に屈しろ」という姿勢だ。

 そうした中、今年10月にロイド・オースチン国防長官がキエフでゼレンスキーと会談、11月にはカレン・ドンフライド国務次官補がキエフを訪問した。アンソニー・ブリンケン国務長官とセルゲイ・ラブロフ外相はストックホルムで外交問題について話し合ったという。

 バイデンとプーチンとの会談がどのようになるかはわからないが、世界情勢は緊迫している。「アメリカ後」のヘゴモニーを握ろうとしている欧米の私的権力にとって重大な時を迎えている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112060000/

20. 中川隆[-14364] koaQ7Jey 2021年12月31日 13:49:48 : cCpxunnU4w : S3FPbENyS1BiVy4=[10] 報告

2021年12月31日
ロシア皇帝プーチンの本性
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68883463.html


大国主義の大統領
Putin 7731Putin 9990

  悪人というのは、一種類じゃなく何種類かある。兇暴なだけの単細胞もいれば、臆病なのに狡賢い奴もいる。ロシア大統領にまで上り詰めたウラジミール・プーチンは、根暗で何を考えているのか分からぬが、紛れもなく頭脳明晰な独裁者だ。このロシア皇帝は狐のように用心深く、豹と同じように鋭い。そして、鷹のような大局観を有し、熊と間違うような豪腕を持つ。

  深い闇に包まれたプーチンではあるが、その経歴は少しだけ明らかとなっている。少年時代にサンボや柔道を習っていたことは有名だ。レニングラード大学に入ると法律を専攻し、そこを卒業するや直ぐさまKGBへ就職。一年間だけモスクワにあるKGBの赤旗大学で学び、1985年に東ドイツのドレスデンに配属される。ソ連が崩壊間際だった頃、レニングラードへ呼び戻され、「現役予備役」になると、レニングラード大学で学長補佐官になる。その後、恩師だったアナトリー・サプチャークがレニングラード市のソビエト議長に就任したので、プーチンは彼の顧問となった。さらに、サプチャークがサンクトペテルスブルクの市長に当選すると、懐刀のプーチンは副市長と対外関係委員会の議長になったという。

  しかし、1997年、サプチャーク市長が再選に失敗。プーチンは大統領の資産を管理するクレムリンの部署で働くため、モスクワへと異動になった。1998年7月には、ロシア連邦保安庁(FSB)の長官職に就く。一年後の1998年、プーチンはエリツィン大統領によって第一副首相になった。そして、ついに彼の運命を変える1999年になると、辞職したエリツィンの後釜として大統領代行に就任した。2000年には選挙の洗礼を経て正式なロシア大統領となる。元KGBのケース・オフイサー(工作員)が、動乱の時代を乗り越えてツァーリのような大統領になった訳だから、異例の大出世としか言い様がない。

  これは筆者の単なる推測だけど、プーチンの背後には誰かいるんじゃないか? ユダヤ資本にロシアを売り渡したエリツィンに腹を立てた有力者が、有能なプーチンを抜擢したとも考えられる。つまり、ユダヤ人の"国家乗っ取り"を阻む、ナショナリストのロシア人がプーチンの後ろ楯になっても不思議じゃない。ただし、プーチンは絶対に自分の過去を明かさないだろう。

  ところで、専制君主なみの権力を恣(ほしいまま)にするプーチンは、一体どんな支配者を目指しているのか? 先ず言えることは、この男は机上の空論を口にする左翼ではない、ということだ。確かに、プーチンは共産党の下で諜報員を務めたが、その根底には共産主義の理想は無い。むしろ、伝統的なロシア思想が流れている。プーチンが欲したのは、ロシアを混沌から救い出し、社会秩序を取り戻すことだった。それゆえ、彼は綺麗事の「リベラル思想」なんかは足蹴りだ。プーチンはロシア第一主義を掲げていた。

  国民の団結を尊ぶプーチンでも、"生粋"の民族主義者には警戒心を持つ。なぜならば、ロシア帝國が多民族社会であるからだ。もし、タタール人とかチェチェン人、ウクライナ人、カルムイク人などに民族主義を許してしまうと、ロシア共和国に亀裂が生じ、バラバラになってしまうだろう。だから、プーチンにとっての政敵は、ヤブロコ党首のグリゴリー・ヤブリンスキーみたいなリベラル派ではなく、むしろアレクサンドル・レベデフ将軍のような民族主義の政治家、あるいは共産党のゲンナジー・ジュガーノフ党首みたいな政治家の方であった。

  ロシア帝國の復活を望んだプーチンは、民衆を束ねるため明確な国家のアイデンティティーを求めていた。しかし、それは自由主義に基づくデモクラシーではなく、モスクワのクレムリンがしっかりと管理できる国家体制であった。プーチンには甘っちょろい理想はない。彼の精神にはリアリズムが貫かれている。この大統領が優先したのは、中央集権化した国家機構の再興だ。「強いロシアの復活」こそが、国家主義者のプーチンが追求する目標であった。氷のように冷静で、残酷なまでに権力を求めるプーチンは、ソ連崩壊でバラバラになったロシア国民を纏め、人々を結び附ける固有の価値観を掲げている。共産主義の崩壊によってロシア国民は個人の自由や権利、表現・言論の自由を手にしたが、これはロシアの"伝統的な価値観"とは異質なものであった。

  では、その価値観とは何か? ブルッキングス研究所のフィオナ・ヒル(Fiona Hill)とクリフォード・ガディ(Clifford G. Gaddy)によれば、愛国心、集団主義、結束、大国性(deezhavnost / デルジャヴノスチ)、そして翻訳不能な"gosudarstvennichestvo"(ゴルダルストヴェンニチュストヴォ)であった。(フィオナ・ヒル / クリフォード・G・ガディ『プーチンの世界「皇帝」になった工作員』濱野大道 / 千葉敏生 訳、新潮社、2016年、p.62.)

  強力な国家は社会秩序を保障する源であり、あらゆる変革を開始する主な原動力である。プーチンは自分自身を国家の建設者(gosudarstvennik / ゴスダルストヴェンニク)、すなわち国家の公僕であると称した。ゴスダルストヴェンニクは国家そのものだけを信じ、自薦か他薦かを問わずに永久に国家に仕える約束をした人間なのである。(上掲書、p.62.)

Putin as Emperor 002( 左 / 皇帝に描かれたプーチン )
  歐米諸国のマスコミは、ロシア支配を目論むグローバリストに隷属するから、プーチンの国家運営を否定的に報道するが、個別の政策を調べてみると、意外にも保守的な一面があったりする。それは何故か? 答え。プーチンがロシア共和国を自分の「縄張り」と見なしているからだ。つまり、プーチンはマフィアのボスと同じである。「俺が手にした領土(シマ)だから、世界一の国家にするんだ ! 誰もが羨む素晴らしい国家にしてこそ、俺様に相応しい。だから、俺のシマに手を出す奴、ロシアを荒らす"よそ者"は容赦しないぞ。アメリカ人だろうがユダヤ人だろうが、全力で叩きのめしてやる !」とプーチンは思っているんじゃないか。

  これはアドルフ・ヒトラーにも通じる行動様式で、ある種の独裁者は民衆から選ばれる国会議員よりも立派である。なぜ、ヒトラーは歐米の知識人から全否定されるのに、一部の「右翼」からは称讃されるのか? なるほど、ヒトラーは残忍な独裁者なのかも知れない。だが、ドイツ第三帝國は彼の"所有物"になったから、ドイツを世界に冠たる超一流国にしようとしたのだ。それには、国家を支える民衆を豊かにし、藝術が栄える文明国にしなければならない。藝術家を目指したヒトラーが、永遠のローマに憧れ、ドイツの都市を壮大にしよう、美しく光り輝く祖国にしよう、と考えたのも当然だ。

Germans 4435Hitler & Germans 88


( 上写真 / ヒトラーとナチス時代のドイツ人 )

  また、国家は国民で構成されるから、国民の"質"を考えることも重要である。ユダヤ人のような浮浪民族は、素晴らしいドイツにとって目障りだから排除せねばならない。ドイツにはゲルマン系ドイツ人、ないし北方種族のヨーロッパ人が住むべきで、穢らわしいユダヤ人はパレスチナへ追放するに限る。日本人はワイマール共和国を理想のデモクラシーと考えるが、実際は貧困と腐敗の巣窟だった。以前、当ブログで紹介したように、ユダヤ人が経営する風俗店やナイト・クラブでは同性愛、SM、頽廃藝術がはびこり、不健康な文化が至る所に満ちていた。(記事A参照) 高校や大学で西洋史を担当する先生で、ゲオルグ・グロスを紹介し、彼の卑猥な絵を見せてくれる教師は何人いたのか?

Germany 662Germany 332


(上写真 / ワイマール時代の頽廃したドイツ人 )

  左翼の知識人はナチス時代のドイツを徹底的に糾弾するが、本当にナチスは悪事ばかりを働いていたのか? 具体的に考えてみれば、日本人やイギリス人だってドイツ人と同じ行動を取るんじゃないか? 例えば、学校や会社の清掃は気が進まないから、校庭の草むしりなんて苦痛だし、便所掃除や倉庫の床磨きなんて真っ平御免だ。しかし、自分の部屋とか自宅になると話は別になる。普通の庶民が書斎やリビングをエドワード朝の家具で豪華にするのは無理だけど、ちょっと奮発して、クリ木製の書斎机(chestnut executive desk)を置いたり、スウェーデン製のストーブを購入することくらいは可能だ。

  巷(ちまた)の女子高生だって似たり寄ったりだろう。ポケモンやトトロの縫いぐるみを並べることもあれば、アンティークのランプを買ってきて、御洒落な勉強部屋にすることもある。中高年になると草木に目が向くようで、マーサ・スチュアートの番組などを観て、生活のクォリティーを考えたりする。ちょいと気取った奥様は、庭の一角に紫陽花(アジサイ)とか薔薇(バラ)を植えたりして御満悦。定年間近の亭主は、長年連れ添った女房よりもペットを大切にするから、庭にドッグ・ランを拵えたり、部屋にキャット・タワーを設置したりと大忙し。

  自分の所有物なら素晴らしくしたいと思うのは人情だ。もちろん、世の中には自分の家を「ゴミ屋敷」にする人は居るけど、そんなのは極僅かで、大抵の日本人は家を綺麗にし、娘や息子の結婚相手にも気を配る。自宅の隣に浮浪者が住み着けば追い払うし、在日朝鮮人の居候なんて寒気がする。もし、娘が黒人兵の恋人を連れてきたら両親は激怒するし、息子が支那人かフィリピン人と結婚すると言い出せば「絶対だめ!」と許さない。こうした日本人はネオナチの右翼みたいだけど、昭和時代には普通だった。

  アメリカ人同様、日本人もユダヤ勢力によって精神を改造され、ドイツの主人であるドイツ人を非難し、居候のユダヤ人を支援する。フランス人やイギリス人だってジプシーとユダヤ人は嫌いなのに、ジプシーだけ追い払うというのは、どういった了簡なのか? ジプシーをルーマニアやユーゴスラビアに突き返すのであれば、ユダヤ人を叩き出し、パレスチナに送ってしまえばいいじゃないか? 居候がぶん殴られて、国外追放になるのは仕方ない。「追い出した方が悪い」という反論は馬鹿げている。

  第21世紀のロシア皇帝となったプーチンは、ロシア特有の価値観に基づく「強い国家(シリノエ・ゴスダルストヴォ / sil'noye gosudarstvo)」を目指した。独裁者のヒトラーはドイツ国民の健康や道徳に配慮したが、プーチンもロシア国民の精神衛生に敏感だった。なぜなら、国民精神の退廃は国家の弱体化を招くと解っていたからだ。それもそのはず。対外工作を専門とするKGBは、歐米諸国を弱体化させるため、現地の若者を根底から腐敗させたし、倫理道徳を蔑ろにするよう仕向けていた。ソ連の工作員は過激思想を広めたり、反戦運動や学生運動を金銭的に支援した。その他にも様々な悪事を企てたから、アメリカや西ヨーロッパの社会は今でも滅茶苦茶だ。KGBの協力者になった知識人は、フェミニズムを使って家庭崩壊を目論んだし、赤いユダヤ人は人種対立を煽って西歐社会の破壊を楽しんでいた。

  敵を倒すにはミサイルや刃物は要らない。相手が自滅するよう仕向ければいい。これに気づかない馬鹿を利用するのが工作員の秘訣である。東大医学部の赤色学生なんて、所詮は世間知らずの受験秀才で、自分達が社会革命の先駆者だと思っていた。1968年のパリに憧れて、ゲバ棒を振り回していた学生なんか、卒業間近になると急に就職先が心配になり、床屋に行って髪を切っていた。東工大で「全学改革推進会議」を創った菅直人や、信州大で全共闘議長だった猪瀬直樹に訊けば、コッソリ転向した者を紹介してくれるかも知れないぞ。ちなみに、新宿騒乱事件が起きた1968年、猪瀬は裏通りのパチンコ屋を覗いたそうだ。その時、彼は店内で「普通の生活」、すなわち現実の日常を目にしたという。作家になった猪瀬は昔の自分を回想し、斜めに構えて呟く。「学生運動で世界が変わる」とは思わなかった、と。(臼井敏男『叛逆の時を生きて』 朝日新聞出版社、2010年、p.145.) しかし、猪瀬は東京都知事になっても世界を変えられなかったじゃないか !

  脱線したので話を戻す。プーチンはKGBの対外工作を実際に知っていたから、不道徳な思想の浸透には殊のほか厳しかった。無神論やニヒリズム、同性愛などは以てのほか。ロシア社会を腐敗させるだけだ。宗教を敵視する共産党に属していたのに、プーチンは意外と信仰深く、ロシア社会にはロシア正教が必要だと解っていた。もちろん、敬虔な信仰心は政治的なポーズで本心じゃない。だが、プーチンはロシア国民の精神的空白を懸念していた。なぜなら、民衆には心の支えとなる思想が必要で、共産主義は国民の士気を高める思想じゃない。確固たる信念を持たない人間は、利用されるばかりか、国家にとって有害な人物となる。金銭や報償で容易に外国の手先となるし、健全な家庭を築くこともない。プーチンは勇猛果敢なロシア兵や愛国心に満ちた国民を求めていた。彼は立派な人間を育成するロシア正教を支援する。

  ロシアの民衆を一つに束ねる組織があるとすれば、それはロシア正教に他ならなかった。KGBは宗教家の活動が政治活動に変化するのではと恐れていたので、反体制派の司祭達は迫害されていたという。しかし、ロシアの大地に根づく伝統的宗教は強い。現実派(リアリスト)のヨシフ・スターリンは、共産主義というユダヤ思想ではロシア人は動かないと解っていた。それゆえ、この大元帥はロシア人の愛国心に訴えた。対独戦争は祖国防衛戦争である、と。ロシアの民衆は愚鈍だけど、信仰心と愛国心は非常に強かった。となれば、ロシアの為政者は宗教心で国民を鼓舞しなければならない。ロシア正教は多くの人々に訴えかける力を持つ統一的な思想であり、奥深い思想と影響力を提供してくれるものだった。

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( 左 : プッシー・ライオットのメンバー / 右 : ロシア正教の聖堂を侮辱するプッシー・ライオット )

  宗教の重要性を認識するプーチンだからこそ、西歐風のリベラリズムや世俗主義には大反対。彼が人気藝人の「プッシー・ライオット」を目の敵(かたき)にしたのも当然だ。プッシー・ライオットのメンバーは「フーリガン」であり、彼女らの楽曲「パンク・プレイヤー」が侮辱したのは、プーチンではなくロシア正教会であった。彼女達のパフォーマンスはロシア正教の神聖な場所である「至聖所」を穢したのだ。(『プーチンの世界「皇帝」になった工作員』、p.307.) プッシー・ライオットのメンバーは無政府主義者だったが、それよりも性質(たち)が悪かったのは、信仰を持たない無神論者であったことだ。彼女たちのような人々--- ロシアのインテリゲンチャ(知識階級)やその理念の支持者 ---- は「よそ者」であり、ロシアの一員ではなかった。(上掲書、p.308.)

  以前、AP通信のインタヴューに応じたプーチンは、ジョン・ダニゼウスキからの質問を受けて、次のように答えていた。

  世の中には、常に国家や社会的有機体を蝕む、ある種の病原菌が潜んでいる。しかし、その病原菌が活性化するのは、免疫力が低下し、問題が現れ、一般民衆が苦しみ始めた時である。これら何百万もの人々は、それ以上事態は悪くならないと信じる。どんな対価を払ってでも変革を成し遂げよう、そこにあるもの全てをぶち壊そう、我々は新たな世界を創るんだと思い、中身の無い者が全てになる。

 エリートの忠誠心不忠についてだが、おそらく、こうした特殊問題は存在する。そう言えば、確かプーシキンが述べていたけど、「誰も彼を国家の総督あるいは皇帝の太守(satrap)とは思わず、反対に彼は自由を愛する者、デカブリストの友、そして誰もそれを疑わない。さらに、プーシキンは言った。「政府じゃなく、ロシアに反対する者が実に多い」と。残念ながら、我が国のインテリゲンチャにもこうした伝統がある。しかし、これは人々が常に文明人としての躾の良さ、つまり、いかに自分が深い教養をもっているかを強調したいからだ。人々はいつも最良の模範に従うことを欲する。たぶん、それは一定の発展段階まで来れば避けられないことなんだろう。

  だが、このように国家との一体感を失ったことが、ロシア帝國の崩壊、およびソ連の瓦解に甚大な影響を与えたことは否めない。我々は前もってそれを理解せねばならないし、第一次世界大戦の末期やソ連の晩年と同じような状況に陥ることは、何としても防がねばならない。(Interv'yu Pervomu kanalu i agentstvu Assoshieyted Press , Vladimir Putin's Channel One and Associated Press interview) 4 September 2013.)

  このインタヴューを聞くと奇妙なことに、あのプーチンが"まともな"常識人に見えてくる。権謀術数に長けたプーチンとくれば、暴力団の組長みたいな頭目なのに、国家運営に関しては妙に道徳的だ。しかし、この独裁者は岸田文雄みたいな"お坊ちゃん"じゃない。本音どころか、素顔さえも隠す古狸。口にする発言だって紛らわしく、幾つもの解釈ができるように予め計算したりする。プーチンの真意を摑めない相手は、額面通り受け取っていいのか判らず、ただ困惑するばかり。偽情報を流したり、心理戦を用いて相手を操るのは、プーチンにとって朝飯前だ。

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(上写真 / ロシア正教の司教とプーチン大統領)

  このプーチンは根っからの策士だから、ロシア正教会を大切にするといっても、それは彼の管理下での宗教組織に過ぎない。つまり、プーチンはビザンツ帝國の皇帝みたいなものである。東ローマ帝國に君臨する皇帝は、キリスト教徒になっても、ヨーロッパの国王みたいに教皇の臣下にはならない。むしろ、コンスタンティノポリスの総大司教を従える帝王だ。ロシアにおいて聖職者が政治活動に参加するのは御法度。教会の司祭は魂の救済にだけ専念しろ、という訳だ。

  ウクライナ問題で歐米諸国と対峙するプーチンだが、この豪腕大統領は米国の圧力に屈服して負け犬の道を歩むことはないだろう。彼は常に「国父のような皇帝」を演じる。ロシア人は暴君でもいいから、力強い指導者を求めてしまう。今でも、一部のロシア国民がスターリンを懐かしむのは、第二次世界大戦でロシアを勝利に導いた英雄であるからだ。

  翻って、我が国を見渡せば、どの政治家もクズばかり。外務大臣を経験した河野太郎や茂木敏充は支那人の下僕だし、ウォール街へ参拝した菅義偉は、お代官様に怯える村役場の事務員みたいだった。岸田文雄は財務省の親戚に囲まれた操り人形。小泉内閣からずっと政権にタカっている竹中平蔵は売国奴の典型だ。吉村洋文知事が率いる日本維新の会も売国奴の集まりで、大阪を賭博屋のMGM(ユダヤ人のリゾート開発業者)に売り渡そうとしている。未来の総理大臣たる小泉進次郎は、これまた情けなく、米国のCSISに養われる人質だった。日本にプーチンのような首相がいれば、ちょっとはマシなんだけどねぇ〜。

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68883463.html

21. 中川隆[-13581] koaQ7Jey 2022年3月05日 15:02:00 : PmxMfKaAno : V3A4SVpzQXM1UU0=[5] 報告
2022.02.08
プーチンは「焦ってる」…ロシアで起きている「3重苦」の危ない正体
藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/92036?imp=0


じつは、プーチンは「焦っている」
ロシアが昨年末からウクライナの国境に10万人規模の軍を集結させたことを警戒する欧米諸国は、ウクライナ周辺の東欧地域に派兵する準備に入った。

米国とロシアの関係は冷戦期以来の緊張状態にあると言われている。

ロシアは天然ガスで世界第2位、原油では世界第3位の生産量を誇っており、同国への経済制裁は世界経済全体に悪影響が及ぶ「諸刃の剣」にもなるが、「プーチン大統領にとって欧米諸国の経済制裁も想定内であり、ロシアの攻勢を食い止めるためには強硬な措置が不可欠だ」とする論調が強まっている。

果たしてそうだろうか。

強気のウラにはどんな本音が隠されているのか Photo/gettyimage


筆者は「ロシア経済は危機に瀕しつつあり、欧米諸国から追加制裁を科されることを非常に恐れている」と考えている。

天然ガスが話題になることが多いが、ロシア経済の屋台骨は原油である。ロシアの石油産業は同国のGDPの15%、輸出の40%、連邦財政の歳入の30%を占めている。

「ソ連崩壊を招いた大本の原因は1980年代後半の原油価格の急落であり、21世紀に入り世界の原油価格が再び上昇したことでプーチン大統領はロシアを大国の地位に復活させることができた」とする説があるくらいだ。

だが、いまそんなロシアの命運を握る石油産業に異変が生じつつある。


ロシアの虎の子が「枯渇」…?
ロシアの昨年12月の原油生産量は日量1090万バレルで前月と同水準だった。

OPECとロシアなどの大産油国で構成されるOPECプラスは毎月日量40万バレルの増産を計画しているが、ロシアは自国に課された生産量の目標に4万バレル届かなかった。

ロシアの昨年の原油生産量は前年比25万バレル増の日量1052万バレルだったが、ソ連崩壊後で最高となった2019年の水準(日量1125万バレル)に達していない。

ウクライナ情勢で対応に苦慮する米・バイデン大統領 Photo/gettyimage


ロシアのノバク副首相は「今年の原油生産量は日量1080〜1120万バレルに増加し、5月までにコロナ禍前の水準に戻るとしている」が、「夏の終わりまでコロナ禍前の水準に戻らない」とする懐疑的な見方が出ている。

ロシアの原油埋蔵量自体が減少していることが明らかになりつつあるからだ。


「経済制裁はなんとしてでも回避したい」本音
ロシアを石油大国の地位に押し上げたのは、西シベリアのチュメニ州を中心とする油田地帯だった。巨大油田が集中し、生産コストが低かったが、半世紀以上にわたり大規模な開発が続けられた結果、西シベリア地域の原油生産はすでにピークを過ぎ、減産段階に入っている(過去10年で約10%減少)。

ロシアが原油生産量を維持するためには東シベリアや北極圏などで新たな油田を開発しなければならないが、2014年のロシアによるクリミア併合に端を発する欧米諸国の経済制裁の影響で技術・資金両面から制約を受け、期待通りの開発が進んでいない。

ロシアのエネルギー戦略は長期的に弱体化する可能性がある Photo/gettyimage


ロシア政府が2020年に策定した「2035年までのエネルギー戦略」では「2035年時点の原油生産量は良くても現状維持、悪ければ現在より約12%減少する」と予測している。その後ロシア政府高官が相次いで「自国産原油の寿命は20年に満たない可能性がある」とする悲観的な見方を示している。

西シベリア地域の油田の枯渇が進み自国の石油産業がじり貧となるリスクが高まる中で、ロシアにとっての喫緊の課題は、現在欧米諸国から科されている経済制裁の解除だ。

「ウクライナ情勢のせいで欧米諸国から追加制裁を科されることをなんとしてでも回避しなければならない」というのが本音だろう。

さらに、ロシア経済のもう一つの悩みは深刻な人口減少だ。


ロシアを襲う「人口減少」は日本よりヤバい
ロシア連邦統計局は1月28日に、「同国の人口が昨年に100万人以上減少した」と公表した。

減少幅はソビエト連邦崩壊以降で最悪であり、日本の年間の人口減少数をも上回っている。経済が悪化したことで出生率が低下し死亡率が上昇しているロシアに対し、新型コロナのパンデミックが追い打ちをかけた形だ。

ロシア政府は2020年夏に世界で初めて新型コロナのワクチン(スプートニクV)を承認したが、自国産ワクチンに対する国民の根強い不信感から接種率が低迷している(40%台)。このことも出生率に悪影響をもたらしている。

「ロシアはいつでもウクライナに侵攻できる」とする論調が高まっているが、人口減少が深刻化する国が大規模な戦争を遂行できるとは思えない。

それだけではない。

新型コロナ以上に国民生活を苦しめているのはインフレだ。


ロシアでは2020年から食料品を中心にインフレが進んでいる。昨年12月のインフレ率は8.4%と中央銀行の目標値(4%)の2倍以上となった。

ウクライナ情勢の緊迫化により通貨ルーブル安も進み、「輸入品の価格上昇でインフレ率が2桁になる」との懸念が高まっている。

ロシアの国内情勢は戦争を許さない Photo/gettyimage


本当は戦争できないロシア
ロシアの中央銀行は昨年12月、主要政策金利を7回連続で引き上げており、金利高による景気悪化も現実味を帯びつつある。

プーチン政権の長期化への不満がこれまでになく高まっている中で、インフレと不景気の同時進行(スタグフレーション)が起きるリスクが生じている。ソ連崩壊後の1990年代前半のインフレや経済の混乱は極めて深刻だった。

忍び寄るインフレの足音がソ連崩壊時の悪夢をプーチン大統領の脳裏に呼び覚ましていたとしても不思議ではない。

強面に映るロシアだが、経済は非常に脆弱なのだ。


窮地のロシア
欧米諸国が追加の経済制裁を発動すればロシアは確実に窮地に追い込まれる。

経済制裁には「効果が強すぎるとその意図に反して相手の軍事行動を惹起してしまう」という深刻な副作用がある。

悩めるプーチン Photo/gettyimage


追い込まれたロシアが経済を度外視した行動に打って出ることがないよう、国際社会は冷静かつ慎重な対応を講じていくべきだ。

22. 中川隆[-13579] koaQ7Jey 2022年3月05日 15:03:50 : PmxMfKaAno : V3A4SVpzQXM1UU0=[8] 報告
「バイデンはウクライナをプーチンに渡す」米露の“密約”をジェームズ斉藤が暴露! 危機は出来レースだった!?
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1508.html
23. 中川隆[-13570] koaQ7Jey 2022年3月06日 11:00:21 : kX0jb7jQbo : UGVLeHl5VmtMTXc=[7] 報告
プーチン大統領は破滅へ向かって驀進中

Putin plays katyusha on piano

24. 中川隆[-13558] koaQ7Jey 2022年3月07日 18:47:08 : kvmYCXGq46 : SUR0MEpYSFdhamM=[12] 報告
※調整版 3/3 16:30〜『いわんかな#57』ゲスト:渡辺惣樹(日本近現代史研究家)露・ウクライナ侵攻報道に見る日本を覆うリベラル思想(高山正之・馬渕睦夫・塩見和子・宮崎正弘・福島香織)

25. 中川隆[-13539] koaQ7Jey 2022年3月09日 17:16:06 : 6RXKtDV6I6 : NldSY1NTcjE1QlE=[9] 報告

2022年03月08日
オリガルヒの対立と暗躍 / ウクライナ紛争の背後に潜む闘い
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html


新興財閥の影がちらつく戦争

Ukraine at war 43Oleg Deripaska & Putin 2

(左 : 戦場となったウクライナ / 右 : プーチン大統領と親しいオルガルヒのオレグ・デリパスカ )

  海外報道によれば、ウクライナ紛争はようやく停戦交渉の段階に入ったようで、今のところ、ウクライナの命運がどうなるのか日本人にはよく分からない。トルコを仲介役にし、ロシアが様々な条件を出すと思うが、戦後処理の取引には両国の思惑が交差するので、ある程度の時が経たないと我々には全体像が摑めないと思う。

  今回、日本の一般国民はロシア軍とウクライナ軍の戦闘ばかりに目を向けたが、本当に注目すべきは、どのような計画や魂胆で紛争状態になったのか、あるいは誰の野望や組織の利益で戦闘状態になったのかである。こうした疑問を解く鍵になるのは、ロシアやウクライナ、そしてアメリカの政財界で暗躍する人々の動向だ。

  政府は有力議員や高級官僚が動かす。しかし、彼らの背後には資金提供する者や人事を操る者、財界や軍需産業に影響力を行使する者、世界政治を動かしてしまう勢力などいる。だいたい、あのジョー・バイデンがホワイトハウスで采配を振るい、微妙な作戦を監督したとは到底思えない。確かに、ブリンケン国務長官やオースティン国防長官が何らかの方針を固め、対ロシア戦に影響力を持っていたのだろうが、彼らが一連の騒動を仕組んでいたとは考えられない。おそらく、彼らに指令を与え、想像もしない利益を狙う闇組織がいたはずだ。「大統領」を演じるバイデンなんか、単なる操り人形に過ぎない。せいぜい、ジル夫人に介護される痴呆症患者といったところだ。

Petro Poroshenko 2016(左 / ペトロ・ポロシェンコ)
  日本の主流メディアは決して報道しないが、ウクライナやロシアには両国の政財界を動かす大富豪が存在する。なぜか日本では一般的に知られていないが、2014年から2019年までウクライナ大統領を務めていたペトロ・ポロシェンコ(Petro O. Poroshenko)も元々は裕福なビジネスマンで、お菓子や自動車などを製造する投資会社、「UkrPromInvest」を創業した人物だ。1996年、彼は「ロシェン菓子グループ(Roshen Confectionery Group)」を設立し、ここが製造するチョコレートやビスケット、キャンディーにどは日本にも輸出されている。(同社の日本支部は、津田沼パルコや横浜ポルタに出店しているそうだ。) という訳で、ポロシェンコは政界進出前に「チョコレート・キング」と呼ばれていたらしい。

  しかし、この元大統領はカタギの商売人じゃなく、腐敗に満ちた政治屋だった。2020年にはウクライナの検事当局が、元権力者のポロシェンコを20件以上の犯罪容疑で起訴したというから凄い。しかも、2021年12月には国家反逆罪に加え、テロ支援でも訴えられていたのだ。彼はドネツクやルガンスクで独立運動を画策するテロリスト・グループに資金を流したという廉で槍玉に挙がり、またもや裁判沙汰になっている。もし、有罪判決を受ければ15年以上の懲役になるから、彼は急いでポーランドへ逃げてしまった。ところが、今回、ウクライナ紛争が勃発したため、ホロドミール・ゼレンスキー大統領は事態の打開を目指したのか、この政敵と和解することにしたらしい。確かに、ポロシェンコは西側と太いパイプを築いていたから、何らかの助けになると考えたのだろう。これにより、司法当局は前大統領の逮捕を断念した。

Kostyantyn Zhevago 03( 左 / コスティアンチン・ゼヴァゴ )
  ウクライナには他にも大物がいる。例えば、ロシア生まれのコスティアンチン・ゼヴァゴ(Kostyantyn Zhevago)は、ウクライナにある鉱山会社「Ferrexpo」を所有する大富豪だ。彼はまた、「Fianace & Credt」という銀行を所有する金融業者でもあり、政界にも食指を伸ばしていた。1998年に代議士となったゼヴァゴは、再選を果たすと2006年に「ユリア・ティモシェンコ党(Yulia Tymoshenko Bloc」に入った。しかし、2019年の選挙ではどの政党にも属さぬ独立候補となったから、美味しい議席を失ってしまった。

  政治腐敗で知れ渡るウクライナでは、瀆職議員や売国議員なんか珍しくない。落選したゼヴァゴも公僕とは程遠い人物で、カタギのビジネスマンでもなかった。彼は自分の銀行である「Finance & Credit」を使ってマネーロンダリングをやらかしていたし、銀行の横領事件にも手を染めていた。日本人も呆れてしまうけど、ゼヴァゴが横領した金額は1億1千300万ドルであったという。('Ex-MP Zhevaho put on international wanted list', The Kyiv Post, July 15, 2021.) しかも、銀行制度を利用して"クスねた"お金は、25億フリヴニャ(Hr)に上るというから、日本円に換算すれば約96億2千500万円もネコババしたことになる。(1フリヴニャ = 3.85円で計算。)

  捜査当局(SBI)のローマン・トゥルバ(Roman Truba)長官によれば、ゼヴァゴ元議員は今や「お尋ね者」であるという。('Zhevaho declared wanted in Ukraine, placing on intl wanted list being prepared', Interfax Ukraine, 9 October 2019.) しかし、お金持ちは選挙に落ちても、逃亡者になっても大丈夫。米国のフォーブス誌によれば、彼は14億ドルもの資産を持っていたのだから。日本のチンピラ議員とは大違い。何しろ、ゼゴヴァは豪華なヨットやプライヴェート・ジェット機まで所有していたんだから。彼には息子と娘がいるらしいが、女房のアリーナ(Alina)夫人だって養育費の心配は無かろうし、生活費の苦労だって無いはずだ。

Kostyantyn Zhevago private jet 443Kostyantyn Zhevago super yacht 01

(左 : プライヴェート・ジェット機 / 右 : 豪華なヨット)

  話を戻す。陰謀渦巻くロシア同様、ウクライナでも政界の腐敗は深刻で、ユダヤ系の新興財閥があちこちで跋扈している。そもそも、大統領のゼリンスキーや首相のホロドミール・グロイスマン(Volodymyr B. Groysman)が、スラヴ系とかノルマン系のウクライナ人ではなく、異人種のユダヤ人なんだから、日本人じゃなくても「何だ、この国は !!」と叫びたくなる。以前、当ブログで紹介したヴィクトル・ピンチュク(Victor Pinchuk)もユダヤ人で、投資会社の「EastOne Group」やパイプ製造の大手企業「Interpipe Group」を率いる総帥だ。彼が"親西歐"なのはウクライナ人のためじゃなく、自分のビジネスを拡大させるためだろう。また、ユダヤ人オリガルヒであるイゴール・コロモイスキー(Ihor Kolomoyskyy)が西側に接近するのも、国民のためじゃなく、自分が所有する「PrivatBank」の利益を考えてのことだ。

Victor Pinchuk 991Ihor Kolomoyskyi 155Rinat Akhmetov Leonidovich 03


(左 : ヴィクトル・ピンチュク / 中央 : イゴール・コロモイスキー / 右 : リナット・アフメトフ )

  一般のウクライナ国民とは程遠く、自分のビジネスばかりを心配する大富豪は他にもいて、ウクライナで最も裕福と評されるリナット・アフメトフ(Rinat Akhmetov)は、その典型である。彼は金融や投資、鉱山、金属加工、製造業、農業、運輸、通信など、多彩な分野に跨がる「System Capital Management」を創業した経営者ときている。このオリガルヒは意外にもユダヤ人ではない。彼はドネツク生まれのヴォルガ・タタール人らしく、スンニ派のイスラム教徒であるという。

Alina Zagitova 1( 左 / アリーナ・ザギトワ )
  ただし、ユダヤ系雑誌の『Tablet』によれば、アフメトフは"ユダヤ系"の大富豪らしい。(Marc Tracy, 'The Richest Jews in the World', Tablet, March 15, 2011.) 我々は「タタール人」と聞けば、直ぐにモンゴル系やテュルク系のアジア人を想像してしまうが、ロシアの「タタール人」にはスラヴ人に近い人々が多い。例えば、日本でも人気のフィギュア・スケート選手、ロシアのアリーナ・ザギトワ(Alina I. Zagitova)は、ロシアのマスコミでも言われているように、おそらく「タタール系ロシア人」の子孫であろう。

Irina Shayk 0332(左 / イリーナ・シャイク)
  2014年に公開された映画『Hercules』に出演したイリーナ・シャイク(IrinaShayk)もタタール系ロシア人だ。彼女はクレイグ・ファーガソンのトーク・ショーに招かれた時、本名に言及し、難しい発音で「シャイクイスラノワ(Shaykhlislamova)」と披露していた。一般的に、アフメトフはヴォルガ・タタール人と思われているが、もしかすると血統的にはユダヤ人なのかも知れない。記事を書いたマルク・トレイシーは同胞だからこそ、躊躇なくアフメトフの素性を明かしたのだろう。

  日本人は国籍で血統や民族を考えてしまうが、ロシア国籍者だからといって、必ずしもスラヴ系民族とは限らない。カザフスタンやグルジアから流れてきたユダヤ人もいるし、ガリツィア地方からやって来たユダヤ人も少なくなく、ロシアやウクライナで裕福になり、アメリカやブリテンに移住する連中もいる。カナダやオーストラリアに渡ったアシュケナジム系のユダヤ人なんかは図々しいから、素性や家系を隠してヨーロッパ系の「移民」に成りすます奴も結構いるんだぞ。

Vadym Novynskyi 03( 左 / ヴァディム・ノヴィンスキー )
  ウクライナには親ロシア派の大富豪もいて、それがロシアとの交渉を呼びかけたヴァディム・ノヴィンスキー(Vadim Novinsky)である。ただし、彼の本名は「ヴァディム・ルドルフォヴィッチ・マルカシアン(Vadim Rudolfovich Malkhasyan)と言うそうだ。当初、ノヴィンスキーは"愛国者"を演じており、英国の諜報組織が「ロシアでクーデタが起きるかも知れないぞ」という情報を流した時、彼はそれに同調しなかった。彼はフィナンシャル・タイムズ紙のインタヴューに応じた際、「そんなのは全くのナンセンスだ」と否定した。

  ところが、ロシア軍がウクライナに侵攻すると、ノヴィンスキーは態度を一変させ、プーチン政権の危険性を理解し始めた。ウクライナ人の政治アナリストであるタラス・ベレゾェツ(Taras Berezovets)によれば、親露派のノヴィンスキーでも、戦争という深刻な状態に直面したから、ウクライナのオルガルヒもプーチンのターゲットになっている、と悟ったそうだ。(Giacomo Tognini, 'Richest Ukrainians with billions to lose close ranks as Putin unleashes war', Forbes, February 24, 2022.)

プーチンを支えるエリート・ビジネスマン

Igor Rotenberg 22Boris Rotenberg 1223(左 : イゴール・ロテンベルク / 右 : ボリス・ロテンベルク)
  翻ってロシアに目を向ければ、ここにもユダヤ系オルガルヒが存在する。プーチン支持派のユダヤ人も困った状態に陥ったようだ。米国や歐洲の政治家は、侵略国となったロシアを経済的に苦しめるべく、「SWIFT」からロシアの企業や個人を排除し、取引や送金のドル決済を出来ないようにした。プーチンに近い大富豪どもは、西側による経済制裁は"かなり"重傷となり得るぞ、と予想しており、大御所の投資家であるウィリアム・ブローダー(William Felix Browder)も、前々からプーチンに警告を発していたそうだ。石油やガスの輸送販売を手掛ける「S.G.M. group (Stroygazmontazh)」を創設したイゴール(Igor Rotenberg)とボリス(Boris Rotenberg)のロテンベルク兄弟も、制裁リストに載ったユダヤ人オルガルヒで、個人的にプーチンと親しいから、何らかの忠告をしたのかも知れない。

  ちなみに、ブローダーは投資アドヴァイザー会社の「Hermitage Capital Management」でCEO(最高経営責任者)を務める人物として知られている。だが、日本人には合衆国共産党(CPUSA)のリーダー格であった、アール・ブローダー(Earl Browder)の孫と紹介した方が良いだろう。父方の祖父に当たるアールは、ロシア系ユダヤ人のライザ・バークマン(Raisa Berkman)と結婚したから、孫のウィリアムにはユダヤ人の血が流れている。

  ついでに言うと、アールの同志であったジェイ・ラヴストン(Jay Lovestone)も米国共産党のリーダー格であったが、彼の本名は「ジェイコブ・リープシュタイン(Jacob Liepstein」という。この共産主義者はリトアニア系ユダヤ人の息子であった。CPUSAの前身である「アメリカ共産党(Communist Party of America)」の総書記となったウィリアム・ワインストーン(William Wolf Weinstone)も同類で、ロシアからアメリカへ流れてきたユダヤ移民の息子であったという。

Jay Lovestone 1121William Weinstone 01Mossaye Joseph Olgin


( 左 : ジェイ・ラヴストン / 中央 : ウィリアム・ワインストーン / 右 : モシェ・ヨセフ・オルギン )

  共産主義者にはユダヤ人が異常に多く、ニューヨーク市で創刊された『Morgen Freiheit』紙はイディッシュ語で書かれた日刊紙であったし、これを創刊・発行したのもユダヤ人のモシェ・メヨセフ・オルギン(Moissaye Joseph Olgin)であった。彼はロシア帝國時代のキエフで生まれ、キエフ大学で勉強した反ロシア主義の赤色学生だった。ロシア人のポグロムを憎み、ロシア革命に共感した「ユダヤ人ブント」のオルギンであったが、第一次世界大戦が勃発したため、活動拠点のロシアに戻れず、1915年にアメリカへ移住することにしたそうだ。こういう厄介者や有害分子が流れ込んでくることを思えば、やはりユダヤ人を排斥する移民法が必要なんだなぁ、と日本人でも解るだろう。

Bill Browder 5Felix Browder 33Earl Browder 1939


(左 : フェリクスの息子であるウィリアム・ブローダー / 中央 : 父親のフェリックス・ブローダー / 右 : 祖父のアール・ブローダー )

  アールの息子であるフェリックス・ブローダー(Felix Browder)も父親と同じく、ユダヤ人女性のエヴァ・ツィロウィッツ(Eva Tislowitz)と結婚する。しかし、フェリクスは幼い頃から数学の才能を発揮し、16歳でMITに入るや、2年で卒業したというから、本当に神童だった。しかし、プリンストン大学で博士号を取得し、数学者の道を歩もうとするフェリクスであったが、前途有望な青年の前には巨大な壁が現れた。運悪く彼の就職時期は、丁度マッカーシー旋風と重なっていたのだ。共産主義者の親爺を持つから仕方ないけど、ほとんどの大学は赤い家庭で育った子息を雇うことに躊躇いを示した。

Eleanor Roosevelt 021( 左 / エレノア・ローズヴェルト)
  ところが、「類は群れる」というか、「赤は紅を助ける」のか、共産主義に好意を寄せる元ファースト・レディー、あのエレノア・ローズヴェルトが現れ、就職に困っているフェリクスに助け船を出したのだ。マルキスト夫人エレノアのお陰でフェリクス・ブローダーは、ユダヤ系のブランダイス大学に就職ができ、その後、彼はイェール大学に移り、シカゴ大学でも教鞭を執ることが出来たという。これは何となく、日本の左翼学会と似ている。日本でも学生運動で就職できなかった奴に同情し、大手企業で出世した仲間が色々な業界で奔走し、適当なポストを用意することもあった。

  脱線したので話を戻す。歐米の財務担当者はプーチン大統領を兵糧攻めにしたいのか、彼の資金源を枯渇させる目的で「プーチンのリスト」なるブラックリストを作成した。ここには有力者のユダヤ人オルガルヒが列挙され、「Alfa Bank」を創設した金融業者のミハイル・フリードマン(Mikhail Fridman)や、「Alfa Group」の最高幹部を務めるピョートル・アーヴェン(Petr Aven)、「Alfa Group」の共同創設者であるゲルマン・カーン(German B. Khan)などが名を連ねているそうだ。

Mikhail Fridman 344Petr Aven 022German Khan 3


(左 : ミハイル・フリードマン / 中央 : ピョートル・アーヴェン / 右 : ゲルマン・カーン )

  ところが、この億万長者達は「ジェネシス慈善グループ(Genesis Philanthropy Group)」のスポンサーになっており、ロシアにも存在する正統派ユダヤ教徒の「シャバッド・ルバヴィッチ(Chabad-Luvavitch)」運動や「ハシディズム(Hasidism)」運動、そしてモスクワにオープンした「ユダヤ博物館・寛容センター(Jewish Museum and Tolerance Center)」へ多大な寄付をしていたのだ。

  「ジェネシス慈善グループ」は、この他にも様々なユダヤ人組織を手懐けていたそうで、歐米ではよく知られている「Jewish Agency for Israel」、「Joint Distribution Committee」、「Federation of Jewish Communities of Ukraine」、「Hillel」、「Moishe House」、「 Birthright」、「Limmud」などにも寄付金を渡していた。さらに、同グループは「ユダヤ・ノーヘル賞」とも評される「ジェネシス賞」を設立し、高名なユダヤ人を対象に年間で100万ドルの報奨金を与えているそうだ。(Asaf Shalev,' Sanctions highlight money flow from Russia Jewish billionaires to Jewsih nonprofits', The Times of Israel, 2 March 2022.) もう、ユダヤ人ってホントお金をばら撒くのが上手い。

  あまり言いたくはないけど、正直に意見を述べるとすれば、宗教団体の役員や信徒といえども、お金を前にしたら只の俗人で、気前よく御褒美をくれる旦那衆には滅法弱い。それゆえ、歐米諸国に住むユダヤ人は同胞を窮地から救うべく、地元の政治家や政権の要人に働きかける。各界に影響力を持つユダヤ人は、個人的ネットワークや団体役員を通して、米国財務省の役人とか政権の閣僚に「何とかなりませんかねぇ〜?」とお願いするらしい。悪代官に媚びる越後屋じゃないけど、彼らは太っ腹の支援者をブラックリストから除外してもらうよう頼み込む。

Roman Abramovich 011(左 / ローマン・アブラモヴィッチ )  
  プーチンを支えるユダヤ人オルガルヒとして有名なのが、ロシアからブリテンへ移り住んだローマン・アブラモヴィッチ(Roman Abramovich)である。彼は投資会社の「ミルハウス(Millhouse LLC)」を経営する大富豪なのだが、日本では英国のサッカー・チーム「チェルシー(Chelsea)」を所有するロシア人の方が馴染み深い。(報道によれば、ロシア軍のウクライナ侵攻を聞いて、彼は「チェルシー」を売却したそうだ。) しかし、彼は純粋なロシア人ではなく、イスラエル国籍やポルトガル国籍を保持する三重国籍のユダヤ商人である。 

  ユダヤ人というのは何時の時代でも、何処の地域でも嫌われ者となる。それゆえ、彼らは常に迫害とか暴動、虐殺、追放、不景気などに対する備えをしている。アブラモヴィッチも用心深く、彼は色々なところに"保険"を掛けていた。その一つがホロコースト記念博物館の「ヤド・ヴァシェム(Yad Vashem)」だ。とても慈善活動家とは思えないアブラモヴィッチであるが、このオルガルヒは数千万ドルの寄付を行っていたらしい。そこで、ヤド・ヴァシェムを統括するダニー・ダヤン(Dani Dayan)館長に加え、首席ラビのダヴィド・ラウ(David Lau)、「シェバ医療センター」の総括部長であるイツァク・クレイス(Yitshak Kreiss)教授が、在イスラエル米国大使宛ての嘆願書に署名し、アブラモヴィッチを制裁リストに加えないよう求めた。('Yad Vashem, chief rabbi urged US not to sanction Roman Abramovich', The Times of Israel, 27 February 2022.)

Dani Dayan 7765David Lau 11Yitshak Kreiss 1


(左 : ダニー・ダヤン / 中央 : ダヴィド・ラウ / 右 : イツァク・クレイス)

  自分の地位と財産を守ろうとしたのか、2018年、アブラモヴィッチは140億ドルの資産を携えてイスラエルに移住した。しかし、生活の拠点は依然としてイングランドであったから、イスラエルは「もしも」の為の「セイフハウス(安全な避難場所)」なんだろう。しかし、彼は自己保全のために餌をバラ撒いており、様々な団体に5億ドルほど与えていたのだ。まぁ、40億ドルもするサッカー・チームを持っていたくらいだから、非営利団体への寄付なんか、小遣い程度の出費なんだろう。

  ユダヤ人ではないが、ロシア人でもないウズベキスタン出身のアリシェル・ウスマノフ(Alisher Usmanov)も、制裁リストに載らなかったそうだ。彼は金属業界の大物で、140億ドルくらいの資産を持つという。そして、彼も英国のサッカー・チームである「アーセナル(Arsenal)」を所有していたが、最近7億ドルで手放したそうだ。

Alisher Usmanov 7743Irina Viner 54


( 左 : アリシェル・ウスマノフ / 右 : ウスマノフ夫人となったイリーナ・ヴィネル)

  ここで我々が注目すべきは、ムスリムのウスマノフが結婚したユダヤ人女房、イリーナ・ヴィネル(Irina Viner-Usmanov)の方だ。彼女はロシアとウズベキスタンで活躍する女傑で、プーチンに女を斡旋して政治権力に食い込もうとした。柔道家のプーチンは日本でも有名で、野心家のイリーナが親露的ユダヤ人として接触し、スポーツを介して大統領に近づこうとしたのも当然だ。それに、意外とプーチンはユダヤ人に親切で、シャバッド・ルバヴィッチの首席ラビであるベレル・ラザール(Berel Lazar / Shlomo Dov Pinchas Lazar)によれば、プーチンは最も親ユダヤ的な人物であるという。(Walter Laqueur, Reflections of a Veteran Pessimist, London : Routledge, 2017, pp.85-86.) 確かに、プーチンが小学生の時、ヤンチャなウラジミール少年を可愛がってくれたのは、ユダヤ人教師のヴェラ・グレヴィッチ(Vera Gurevich)先生であったし、柔道の練習相手もユダヤ人オルガルヒのアルカディー・ロテンベルク(Arkady Rotenberg)だった。(このアルカディーは、先ほど紹介したイゴールとボリスの父親である。)

Arkady Rotenberg & Putin 02Berel Lazar & Putin 55


( 左 : アルカディー・ロテンベルクとプーチン / 右 : ベレル・ラザールとベレル・ラザール )

  新体操のトレーナーだったイリーナは、ロシアのオリンピック・チームでヘッド・コーチを務め、彼女が育てた選手の中には、金メダリストのアリーナ・カバエヴァ(Alina Kabaeba)もいた。タブロイド紙によれば、38歳のアリーナは69歳になるプーチン大統領の愛人というか、前々からの恋人であるようだ。しかし、公式な結婚式を挙げていないから、内縁の妻としか言い様がない。ところが、驚くことに、アリーナは既にプーチンの子供を身籠もっていたというのだ。ゴシップ誌によると、アリーナは7歳になる双子の娘を2015年からスイスで育てているという。(Emily Smith, 'Vladimir Putin hiding lover Alina Kabaeva and their kids in Switzerland', Page Six, March 6, 2022.)


Alina Kabaeva 9922Alina Kabaeva & Putin 662


(左 : アリーナ・カバエヴァ / 右 : カバエラとプーチン )

  日本のワイドショーでもプーチンの離婚や恋愛を取り上げていたが、それはあくまでもゴシップ・ネタとしてである。プーチンは既に最初の女房であるリュドミラ・シュクレプネヴァ(Lyudmila Shkrebneva)と離婚しており、一応、「独身者」となっているから、どんな女性と付き合おうが問題は無い。ただし、別れた女房との間には、マリア(36歳)とカトリーナ(35歳)という二人の娘がいるから複雑だ。さすがに、この娘達も自分と同じ世代の「継母」を持つとなれば、権力者の父親に呆れてしまうだろう。一方、24歳も離れたスロヴェニア美女(メラニア夫人)と再婚したドナルド・トランプ(75歳)なら、「男だから仕方ないよなぁ〜」と解ってくれるかも。にわかに信じられないが、エミリー・スミスの記事にれば、アリーナとプーチンとの間には二人の息子もいるそうだ。

  これは流石に「噂話」だろうが、もし存在するとなれば、プーチンの遺産相続人になるはずだ。隠し子騒動はともかく、歐米や日本のワイドショーでは、「プーチン狂人説」や「独裁者プーチン」の一大キャンペーンが花盛り。米国の大手メディアから情報をもらう日本の地上波テレビは、「プーチン発狂」というテーマを取り上げ、この独裁者は核戦争までも覚悟していたから、愛人のカバエヴァと子供達を核シェルターに避難させていたんだ、との憶測を流していた。真相は闇の中だが、とにかくプーチン包囲網を形成したい勢力は、盛んに「プーチン極悪人説」や「ハルマゲドン説」を唱えていた。こうやって一般国民は、知らず知らずのうちに、政治プロパガンダで洗脳されて行く。

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( 左 : 傀儡政権のゼレンスキー / 中央 : 痴呆症のバイデン / 右 : 独裁者のプーチン )

  隠し子の父親となったから、「もう一稼ぎ」として現役を続ける訳じゃないだろうが、プーチンには権力を支えてくれる強力なパトロンや支援者がいるようだ。敵対するゼレンスキーやバイデンの背後にも資金提供者がいるはずで、たぶん彼らには命令を発する黒幕もいるんだろう。日本人は映像に現れる戦闘シーンばかりに目を奪われるが、本当に重要なのは水面下で戦う大富豪達の方である。彼らにとって、デモクラシーとかファシズムといった観念論は関係ない。ウクライナ国民やロシア兵が何人死のうとも"お構いなし"で、武器や軍需物資の販売で大儲けできればよく、ついでにロシアの天然資源も掠奪できれば大喜び。たとえ、ウクライナ軍が敗れても、経済制裁でプチン政権を潰せるから、NATOの拡大なんてどうでもいい。一方、巻き添えになったウクライナ人は本当に憐れだ。家を失って難民になるんだから。

  大富豪や闇組織の連中が次に何を狙っているのか判らないけど、アメリカの中間選挙までは、"もう一波乱"あるかも知れないし、中間選挙が終わってから、また何かを仕掛けるつもりなのかも知れない。様々な情報に惑わされる一般人は、月日が経ってから紛争の全体像がボンヤリと解る程度。それよりも深刻なのは、ウクライナ紛争にばかりに気を取られる日本人が、北方領土の奪還に興味が無いことだ。ロシアが経済的に沈没すれば、占領された国土を取り戻す絶好のチャンスだ。しかし、岸田総理はポンコツ宰相だから、日本版リコンキスタには無関心。岸田内閣が熱心なのはワクチン接種や増税なんだから馬鹿らしくなる。

  そう言えば、南鮮人が占領する竹島の奪還はどうなったんだ? 我が国の領土を侵食する南鮮には、巡航ミサイルくらい撃ち込んでやればいいのに。ウクライナに向けてイスカンデルを発射したロシアが羨ましい。岸田総理もプーチンを見倣って強硬手段に出てみろ ! 以外と支持率が上がるかも知れないぞ。対南鮮攻撃なら、筆者もジャベリンを担いでソウル辺りを駆け巡りたい。国土恢復の竹島奪還となれば、志願する元自衛官も100名を超えるんじゃないか? ただし、外務大臣があの林芳正(リン・ホウショウ)じゃ無理だよねぇ〜。(あっ、うっかり支那風の発音をしてしまった。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68890538.html

26. 2022年3月12日 14:30:28 : ojHKLDjLaQ : S21qS2x6MWlYaXM=[5] 報告
《プーチン大統領はなぜ支持されるのか》安倍元首相をも虜にした“悪魔の魅力”とは「フレンドリーで初体験の年齢を聞かれても笑顔で」 「人たらし」
「文春オンライン」特集班2022/03/11
https://bunshun.jp/articles/-/52567

「彼はとにかく人たらしとして知られています」

「彼」とはウクライナに侵攻し、世界中から批判の嵐に晒されているロシアのプーチン大統領のことだ。元産経新聞モスクワ支局長の佐々木正明氏はプーチンについて、こう続けた。

「例えば、プーチンは様々な行事に遅刻することで有名で、大事な要人との会談にも遅れてきます。2014年の森喜朗元首相との会談では3時間半遅刻し、2016年に来日し当時の安倍首相と会談した際にも、約2時間半遅刻してきました。


 プーチンは会談の場に姿を現すと、即座に首相や官僚など全ての関係者、1人1人の目を見て、両手でガッチリと握手をします。しかも、その握手は一瞬ではなく数秒続き、長い。握手の後、会談の場はプーチンに友好的な雰囲気へと一気に変わってしまうと外交関係者から聞いたことがあります」


 待たせた後の固い握手。“アメとムチ”を使い分ける彼の演出力の高さに、各国の政治指導者も“騙されてきた”部分があるようだ。

国民からの公開質問に“チャーミング”に回答
 政府関係者のみならず、ロシア国民にとってもプーチン大統領は“魅力的な男”であり続けてきた。“兄弟国”ウクライナへの侵攻にロシア国内では反戦運動が繰り広げられているが、ロシアの独立系機関「レバダ・センター」が2月頃に行った調査では、プーチン政権への支持率は69%。12月の調査から4%上昇するなど依然、高水準なのはその証左だろう。

 モスクワに住む日本人男性は、プーチン大統領の人心掌握の巧みさを、こう証言する。

「国外から見える姿と異なり、意外にも、ロシア国民にとってプーチンは親しみやすい印象があるのです。例えば、年1回の恒例テレビ番組『プーチン・ホットライン』。これはプーチン大統領がスタジオに生出演し、100個近い視聴者の質問に、約4時間かけて本人が答える番組でした。


 質問の中身はさまざま。政治的な質問だけではなく、プーチンのプライベートへの質問や、国民の人生相談にも答えます。初体験の年齢を聞かれ、プーチンが『覚えていない。でも最後にした時のことは覚えているよ。何時何分かも正確にね』と笑顔で答える一幕もありました」

 番組内では、プーチン大統領の“頼れる兄貴ぶり”がいかんなく発揮されたという。


「ある質問者は『地元の道路が整備されていなく、自転車に乗ることもできない。町の責任者に頼んでも対応してくれない』と相談。するとプーチンは『それは深刻な問題だ』といい、番組中に町の幹部と電話し、『道路を修繕させる』と約束させました。

 他にも、田舎に住む質問者からガスが通っていないことを相談されると、すぐにガス会社に連絡してパイプラインを通すことを確約。その強権で、住民を長年悩ませてきた問題が一夜で解決してしまうのです」(同前)

国民からの要望に「5日で新列車を走らせた」
 プーチンが国民に“魅力”をアピールするのは、そういった番組だけではない。記者会見でも、都市部だけでなくロシア全土に寄り添う姿勢を見せつけてきた。


「昨年12月の記者会見では、地元紙記者から『地方都市ヨシュカルオラから、大都市のサンクトペテルブルクまで乗り換えなしで行けないのはなぜか』と質問され、調査を約束。そのわずか5日後、本当にサンクトペテルブルク行きの直通夜行列車が開通してしまいました。これは日本でも、昨年12月31日に共同通信が『ロシア大統領「鶴の一声」健在 5日で新列車走らせる』と驚きをもって伝えています」(同前)

 プーチンは「強面だが実はフレンドリーで頼れる」というイメージ戦略をとってきたようだ。その演出に一役買っているのがスポーツだ。ロシアに詳しい日本人ジャーナリストが話す。


「黒海沿岸にあり、総工費1400億円とも言われる“プーチン宮殿”は、山手線の内側を超える広大な敷地面積を誇り、ジムにプール、アイスホッケー場、柔道場まであります。彼はスポーツが大好き。体を鍛え、筋肉質な肉体を披露するのは、衰え知らずの印象を演出するためでしょう。

 彼は幼少期から格闘技に熱中し、柔道やサンボ(ロシアの護身術)も得意。2000年に来日した際には、柔道の総本山である講道館から『黒帯』の上位にあたる『紅白帯』を締められる『講道館柔道6段』を授与されました。日本オリンピック委員会(JOC)会長でもある山下泰裕氏を尊敬しているとされます。出張がなければ毎日プールで1時間半ほどバタフライで泳ぎ、懸垂は今でも15回から17回できると公言しています。


 2012年には、大統領就任の式典のわずか数時間後にアイスホッケーの試合に出場し、得点を決めました。ロシアでは、アイスホッケーは人気スポーツの1つ。プーチンはわざわざプロ選手の特訓を受け、数カ月で試合に出られるまで上達しています。また、ウクライナ侵攻直前までは、側近が編集した、北京冬季五輪で活躍するロシア人選手のダイジェスト動画を毎日のように見て喜んでいたそうです」

スポーツ選手が反戦明言「プーチンにとって相当ショック」
 しかし、ロシアのスポーツ選手たちは口々に反戦を叫んでいる。プーチン大統領を支持してきたというアイスホッケー選手、アレクサンドル・オベチキン氏もそのうちの1人だ。

「オベチキン氏はこれまでプーチン支持を明言してきました。しかし今回のウクライナ侵攻にあたって、『ロシアにもウクライナにもたくさんの友人がいる。誰かがケガをしたり殺されたりする姿を見たくない』と声明を出しました。他にもテニス世界ランク1位のダニール・メドベージェフ選手やフィギュアスケートのエフゲニア・メドベージェワ選手も反戦を呼びかけています。今回、アスリートが次々に反対を示したのは、プーチンにとって相当ショックだったと思いますね」(同前)

 一方、こうした戦略的な“人気とり”の背後で、プーチン大統領は気に入らない人々に対して極めて残忍な仕打ちをし、そしてそれを隠し続けてきた。ウクライナ国営通信「ウクルインフォルム」の平野高志氏は憤慨しながらこう話す。


プーチン大統領をヒトラーになぞらえ批判 ©getty
プーチン大統領をヒトラーになぞらえ批判 ©getty
「今回の戦争は言語道断ですが、2014年のクリミア危機の際にも14000人が殺害されています。武器を捨てて逃げようとする兵士に、後ろから一斉射撃を加えるなど残虐的すぎる行動を取らせたほか、野党の政敵やジャーナリストが相次ぎ不審死しています。確たる証拠は挙がっていませんが、これらはプーチンが指示したとされています。そんな疑惑は数え上げればきりがありません。

 ウクライナでは、彼は最大限否定的に受け止められており、新聞の挿絵では耳の尖った姿で描かれるなど、まさに“悪魔”の扱いです。

 そもそも、プーチンはウクライナをかなり下に見ています。彼自身が過去、『ウクライナは国家ではない』とか『ウクライナはレーニンが作った人工的なものである』などと発言している通りです」


耳を塞ぎたくなるような残虐行為を隠し、情報戦に長けた“皇帝プーチン”。対するウクライナのゼレンスキー大統領は、国民の心を掴むことができているのだろうか。

「今、ゼレンスキーの支持率は9割以上。演説もスピーチライターが書いているとはいえ、言葉の1つ1つに心がこもっている気がします。また、これまで彼を批判してきた人たちも、応援に回っているのが大きいでしょう」

ヒトラーのような髪型と髭をコラージュしたプーチン大統領の写真 ©getty
ヒトラーのような髪型と髭をコラージュしたプーチン大統領の写真 ©getty
 ゼレンスキー大統領は元々コメディアンだった。

ロシアに徹底抗戦 ゼレンスキー大統領がノーネクタイなワケ
「ロシア側は彼の経歴を『政治にふさわしくない』という文脈でプロパガンダし、国内メディアからも2019年の大統領選で『あんなコメディアンが大統領になっていいのか』と批判の声がありました。ただ今は有事ですし、キエフに残って殺されるかもしれない状況で戦い続ける姿勢が、支持を集めているのだと思います」(同前)

 ゼレンスキー大統領も、情報戦に長けた政治家のようだ。彼が政界に進出したのは、テレビドラマに出演したことがきっかけだった。国民の民意をくみ取り、出馬のタイミングを見極める力を持っていた。


「ゼレンスキーが出演したドラマは、“政治エリート”に失望した多くの国民を惹きつける内容でした。その中で彼は、政治の素人だった元歴史教師が汚職政治を刷新するという理想的な大統領を演じていました。『あんな人が大統領になったらいいな』という国民の印象が抜けきらないうちに、その後、選挙まであと3カ月というところで急遽、立候補したのです。今でもニュース映像では、ノーネクタイ姿ですが、これは『できるだけ国民と同じ目線でいよう』という彼なりのこだわりを示しているのでしょう」(同前)

 しかし、政治家としての手腕や評判は、これまでプーチン大統領の足元にも及ばなかった。


「外交や国防に詳しい人からは、彼の大統領就任は危険視されていました。彼はプーチン相手に“対話路線”を主張していましたが、プーチンは対話にのってこなかった。1度、メルケル独前首相やマクロン仏大統領の仲介で会談しましたが、国内からは『プーチンと1対1での対話はやめた方がいい』『政治家として上手のプーチンに言いくるめられてしまう』と懸念する声が多かった」(同前)

 しかし、ゼレンスキー大統領は、その後努力を重ねてきた。


「ゼレンスキーはウクライナ語が苦手でした。ロシア語話者が多い地域に生まれたため、プライベートや、出演していたテレビ番組や舞台では全てロシア語でしたよ。『大統領になった時にウクライナ語を喋れるように最近頑張っている』とテレビで話していたこともあります。そのほかに専門家たちから教えを請い、大統領として“猛勉強”をしてきました」(同前)


 その勉強の成果もあったのだろうか。ゼレンスキー大統領はややもすると理想的すぎる対話路線から、徐々に多角的な戦略を立てて未来を見据え始めた。

プーチン大統領は「狂った」のか、それとも…
「専門家らの助言を受け、NATOへの加盟や軍備増強の準備を進めました。21年、22年にドイツとフランスを交えた4者会談を開きたいと訴えるなど『対話路線』は続けつつも、うまくいかない可能性も考慮し始めたのです。その頃には就任当初の“素人感”が消え、見違えるほど政治家として成長していましたね」(同前)


 人々の声に耳を傾け、現在は大国ロシアに必死の抗戦を続ける。ゼレンスキー大統領への支持はウクライナ国内から広がりをみせ、いま世界中に伝播している。

 一方、人心掌握に長けたとされているプーチン大統領は、国際社会を敵に回す暴挙に打って出た。これはプーチン大統領が「狂った」からか、はたまたこれまでの策略の延長線上にあるのか――。いずれにせよ、戦争の先行きはいまだ不透明だ。

27. 2022年3月14日 19:43:34 : 0NCqg4oANc : dFdqV25vaHdZckU=[2] 報告
「モスクワ川に浮くぞ」と警告が…佐藤優が見たロシア大衆の感覚「プーチンの恐さがなければ大統領はつとまらない」
#1
https://bunshun.jp/articles/-/52540

「クソ野郎」と公然と言い放つ大統領。その力の源泉とは。作家の佐藤優氏による「最強の独裁者プーチンの凄腕」(「文藝春秋」2014年4月号)を特別に再録します。

(※日付、肩書きなどは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

選挙で「うんと悪い候補者」を排除
 筆者の政治感覚は、標準的な日本人と比較するとすこしずれているような気がする。選挙とは、われわれの代表者を政治の場に送り出すことと頭ではわかっているのだが、どうも皮膚感覚がついていかない。


 われわれの日常生活とは次元の異なるところから候補者が降ってくる。「悪い候補者」と「うんと悪い候補者」と「とんでもない候補者」だ。その中から「悪い候補者」に一票を投じ、「うんと悪い候補者」と「とんでもない候補者」を排除するのが選挙であるというのが、筆者の率直な認識だ。これはロシア人の標準的な選挙観だ。

 筆者は1987年8月から1995年3月までモスクワの日本大使館に外交官として勤務した(正確に言うと最初の1988年5月まではモスクワ国立大学で研修)。

佐藤優氏
佐藤優氏
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 その間に1991年12月のソ連崩壊があった。まず、ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が進めたペレストロイカ(立て直し)に対する期待感と幻滅を目の当たりにした。中途半端な経済自由化によって、指令型計画経済のネットワークが崩れ、石けんや砂糖さえ満足に手に入らなくなった。

 また、アゼルバイジャンとアルメニアの民族紛争、沿バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)のソ連からの分離独立運動の現場を見た。ナショナリズムの力が、創造性、破壊性の両面において、桁違いに大きいことを実感した。

「モスクワ川に浮くぞ」と警告
 ソ連崩壊後のロシアで、もはや秘密警察を恐れることはなく、自由に政治活動、経済活動ができるというユーフォリア(陶酔感)を一時期、筆者もロシア人と共有した。しかし、その陶酔感は、ソ連崩壊から1年も続かなかった。「ショック療法」と呼ばれる新自由主義的な経済改革が行われ、1992年のインフレ率は2500パーセントに達した。

 ソ連時代の国有財産のぶんどり合戦が始まり、経済抗争はある閾値を超えるとカラシニコフ自動小銃で処理されることを知った。筆者が親しくしていた銀行会長とスポーツ観光国家委員会の次官が、カラシニコフで蜂の巣にされて生涯を終えた。

 利権抗争ではないが、北方領土関係でクレムリン(大統領府)と議会に対してロビー活動を行っていたら「モスクワ川に浮くぞ」と警告されたことが複数回ある。秘密警察関係者からの政治絡みの警告だったこともあるが、北方四島周辺の密漁で外貨を稼いでいるマフィア関係者と手を握った官僚からの警告だったこともある。後者の方が恐かった。


 日本に戻ってきたのは、1995年4月だが、その後もロシア各地に頻繁に出張した。特に1997年11月に西シベリアのクラスノヤルスクで橋本龍太郎首相とエリツィン大統領が会談し、北方領土交渉が動き始めてからは、3、4週間に1回はモスクワに出張した。

 そのような状態が2001年4月に小泉純一郎政権が成立し、田中真紀子氏が外相に就任するまで続いた。それだから当時のロシアの雰囲気が脳裏に焼き付いている。

小泉純一郎氏 ©文藝春秋
小泉純一郎氏 ©文藝春秋
プーチン独裁を正当化する“伏線”
 現在のロシアでは「混乱の90年代」という表現がなされることがある。エリツィン時代は、過度な民主化、自由化のために社会が混乱し、国民にとって不幸だったという意味である。ロシアの義務教育9年生(日本の中学3年生に相当)でもっとも広く用いられている「プロスヴェシチェーニエ(啓蒙)」出版社の歴史教科書において、エリツィン時代は次のように総括されている。


〈1990年代には、ロシア連邦を再建し、その統一性を保持し、国の連邦体制の新たな原則を定着させることに成功した。中央と地方の関係は、より対等になった。この関係は、多民族国家の現代的な発展傾向を考慮したのであった。これが連邦建設の主な結果であった。

 対立をすべて抑え、問題をすべて解決することはできなかった。地方との関係で連邦中央政権の役割は弱体化した。その一方で、民族問題がますます大きな意義をもった。ロシア人の民族運動が活発化し、その指導者は、ロシア人の諸問題に政権の関心が払われないことに不満を示した。

 ロシアの領土保全は、依然としてもっとも喫緊の課題のひとつであった。ロシアは、ソ連がたどった崩壊への道を繰り返しているように思われた。中央の経済的・政治的意義の低下は、地域間の結束を弱め、連邦権力の参加なしでもすべての問題が解決できるという印象を与えた。チェチェン共和国での失敗は、国の他地域の分離主義者を奮い立たせ、民族政策を変更する必要性が生じた。〉(アレクサンドル・ダニロフ/リュドミラ・コスリナ/ミハイル・ブラント[寒河江光徳他訳]『世界の教科書シリーズ32 ロシアの歴史【下】 19世紀後半から現代まで―ロシア中学・高校教科書』明石書店、2011年)

 エリツィン時代に「ロシアは、ソ連がたどった崩壊への道を繰り返しているように思われた」という評価は辛辣だ。現在のロシア政府は、あのままエリツィン路線が続いていたら、ロシア国家が崩壊していたという認識を義務教育で、生徒に叩き込んでいるのだ。これは、プーチンによる独裁に限りなく近い権威主義的体制を正当化する伏線でもある。


KGB出身で「しかるべき秩序」をもたらした
 プーチン政権の誕生について、この教科書の記述を見てみよう。

〈ロシアの第2代大統領となったウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンは、1952年10月7日に生まれた。レニングラード国立大学法学部を卒業したのち、1975〜1991年まで国家保安機関に勤務した。1991〜1996年までサンクトペテルブルク副市長を務め、その後、ロシア大統領府へ転属し、短期間のうちに大統領府副長官に上り詰めた。

 1998年にプーチンは連邦保安局(FSB)長官に任命され、1999年の夏にはロシア連邦首相に就任した。


 2000年3月26日の大統領選挙で、V・V・プーチンは、第1回投票で勝利を獲得し、ロシアの第2代大統領に選出され、同年5月7日に大統領に就任した。(略)

プーチン大統領 ©JMPA
プーチン大統領 ©JMPA
 V・V・プーチン大統領は、ロシアにおけるあらゆる進歩的改革を保障する強力な国家権力の推進者であることを鮮明にした。したがって、新大統領の最初の方針は、社会活動における国家の権威と役割を強固にし、しかるべき秩序をもたらすことに向けられた。

 こうして、1990年代に行われた民主主義路線はこれまで通り継承された。〉(前掲書)

 プーチンが、KGB(ソ連国家保安委員会)出身で、「社会活動における国家の権威と役割を強固にし、しかるべき秩序」をもたらしたことを強調している。

国内に統一した法治社会を復活
 具体的には、中央集権の強化である。プーチンは、ロシアを構成していた諸連邦を、7つの管区に集約し、各管区に大統領全権代表を置いた。

〈(それまで各連邦で)採択された3500以上の法令は、ロシア憲法や連邦法に合致していなかったため、そのうちの5分の4が改正された。

 こうした措置は、地方における中央権力の役割を強化させ、連邦を強固にし、ロシア国内に統一した法治社会を復活させることになった。〉(前掲書)

 さらには連邦会議(上院)も、それまでは各連邦の知事と議会議長から構成されていたのが、立法機関からの選出と、プーチンが指名した行政の長により任命された地方の代表者で構成されるようになった。さらには、

〈ロシアの多党制も改善されつつあった。政党法は、国民の大多数の支持を得ている組織のみを政党と認めた。結果として、国家活動における政党の意義が高まった。〉(前掲書)

 地方の自治権を取り上げて、中央集権制を強化することをプーチンは「法の独裁」と名づけた。教科書では、プーチンが好んで用いた「法の独裁」という言葉を記録していない。スターリン時代に「プロレタリアート独裁」の名の下で、大規模な人権弾圧が行われたことを髣髴させるからであろう。


地方が採択した法令の8割が変更されるというのは、統治のゲームのルールの大きな変化だ。知事選挙も廃止し、中央政府による任命制になった。さらに検察、警察、FSBなどの「力の省庁」を用いた統治メカニズムが導入された。

 さらに、プーチンは国家統合を強化するためのシンボル操作を行った。

〈ロシアの国家シンボルの問題をめぐる無益な争いは、約10年にわたって続いていた。プーチン大統領は、様々な社会階層の立場を近づける妥協案を提示した。2000年12月に国家会議(下院)は、ロシアの国家シンボルに関する法律を採択した。白・青・赤の3色旗と双頭の鷲の紋章は、ロシア1000年の歴史を想起させるものである。大祖国戦争におけるわが国民の勝利の赤旗は軍旗となった。ソ連国歌のメロディーにのせられたロシア国歌は、世代の統一と、わが国の過去と現在、未来の不可分な結びつきを象徴している。(略)


 V・V・プーチン新大統領の活動は、社会の賛同を得た。大統領の最初の任期終了までに、ロシア国民の約80%がプーチン大統領を支持した。〉(前掲書)

©JMPA
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「教育とは暗記なり」が常識
 この教科書には、課題がついている。例えばこんな内容だ。

〈社会的・政治的安定の達成は、過去2年間のもっとも重要な成功のひとつと認識されています。なぜ現代ロシア社会がそれほど強く安定を求めているのか、クラスで議論しましょう。安定は何によってもたらされますか。何のために安定が必要なのか、改革の成功のためなのか、あるいは改革から徐々に脱却するためなのか、考えましょう。大統領と政府は、この問題に対してどのような立場をとっていますか。本文中やマスメディアの資料を用いましょう。〉(前掲書)

 ロシア人は、6、7歳の子どもでも、本音と建て前の区別がつくようになっている。

「何のために安定が必要なのか、改革の成功のためなのか、あるいは改革から徐々に脱却するためなのか、考えましょう。」という設問に対して、「改革から徐々に脱却するためです」という間抜けた答えをする生徒は1人もいない。

 そもそも義務教育段階では、「教育とは暗記なり」というのが、ロシア人の常識だ。教師が提示する模範解答を丸暗記するのが、常識である。


「真の改革のためには、秩序と安定が必要だ。プーチン大統領と政府は、ロシアの国家体制(госудáрственность、ゴスダルストベンノスチ)を強化するために全力を尽くしている。この路線を国民も支持している」というのが模範解答である。

 現実問題として、ロシア人は、プーチン政権の現状を消極的にではあるが、支持している。ロシア人にとって、そもそも政治は悪である。政治における最大の悪は、スターリンのような、政治、経済、文化だけでなく、人間の魂も支配しようとする独裁者が現れることだ。

 また、政治指導者が弱く、国内が混乱することも、ロシア人の考える巨悪である。そう考えると、ゴルバチョフのペレストロイカやエリツィンの改革も巨悪なのである。


 現在のロシアには、そこそこの言論、表現の自由がある。経済活動も、プーチンの設定したゲームのルール、すなわち「経済人は政治に嘴を差し挟まず、金儲けに専心し、税金をきちんと納める」という原則さえ守れば、自由にできる。

安倍晋三氏とプーチン大統領 ©JMPA
安倍晋三氏とプーチン大統領 ©JMPA
 そもそも良い人は政治家にならない。プーチンは悪い政治家である。しかし、うんと悪い政治家、とんでもない政治家ではない。まあ、この程度の独裁者ならば許容できるというのが、ロシア大衆の平均的感覚なのだ。

「プーチンのような恐さがなければ…」
 普通のロシア人とプーチンについて議論すると、

「昔のような熱い支持はないよ。もう飽きた。しかし、プーチンの代わりに大統領を務めることが出来る人もいない。メドベージェフの小僧が大統領をやったが、力量不足だ。あいつは、ツイッターで軽々に発信する。それに英語でちゃらちゃら話をするあたりが軽い。プーチンのような恐さがなければ、ロシアで大統領はつとまらない」

 という返事が返ってくる。

 世論調査の結果でも、2013年11月の大統領支持率は61パーセントに過ぎない(2013年12月3日ロイター)。プーチンを熱烈に支持する発言をするのは、クレムリン、政府、議会与党、社会院(社会の代表者から構成されているという建前の機関だが、実態は謎で、クレムリンの裏工作に従事している)の関係者だ。プーチンをぼろくそに非難するのは、一部の知識人とジャーナリストだけである。こういう人たちは、基本的に西欧派的な世界観を持った人だ。

28. 2022年3月14日 19:46:53 : 0NCqg4oANc : dFdqV25vaHdZckU=[3] 報告
「クソ野郎」と公然と言い放つプーチン大統領にジャーナリストが“やらせ疑惑”の強烈な質問をぶつけると…
#2
佐藤 優 文藝春秋 2014年4月号
https://bunshun.jp/articles/-/52541


「クソ野郎」と公然と言い放つ大統領。その力の源泉とは。作家の佐藤優氏による「最強の独裁者プーチンの凄腕」(「文藝春秋」2014年4月号)を特別に再録します。(全2回の2回目/前編から続く)

(※日付、肩書きなどは掲載当時のまま)

◆ ◆ ◆

独裁者との対話
 世論調査の結果でも、2013年11月の大統領支持率は61パーセントに過ぎない(2013年12月3日ロイター)。プーチンを熱烈に支持する発言をするのは、クレムリン、政府、議会与党、社会院(社会の代表者から構成されているという建前の機関だが、実態は謎で、クレムリンの裏工作に従事している)の関係者だ。プーチンをぼろくそに非難するのは、一部の知識人とジャーナリストだけである。こういう人たちは、基本的に西欧派的な世界観を持った人だ。


ソチ五輪でのプーチン大統領 ©JMPA
ソチ五輪でのプーチン大統領 ©JMPA
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 その1人に著名なジャーナリストのマーシャ・ゲッセンがいる。彼女はユダヤ系で、1967年にモスクワで生まれ、81年に米国に移住した。ソ連崩壊直後の91年末にロシアに戻り、米国とロシアの二重国籍を持つジャーナリストとして活躍した。プーチン政権に対する批判を強め、2013年5月に拠点を米国に移してジャーナリスト活動をしている。

 2012年9月にゲッセンは、クレムリンでプーチンと面会している。その記述を読むと、プーチンの独裁者としての実態が浮き彫りになる。当時、ゲッセンは『世界を巡る』という科学雑誌の編集部に勤務していた。ペスコフ大統領報道官から、西シベリアのツルを野生に戻すときに、プーチンがハンググライダーで一緒に飛行するので、それを取材して欲しいという要請があった。プーチンのイメージアップを狙った「やらせ記事」なので、ゲッセンは断った。するとプーチンから直接、アプローチがあった。

プーチンから打ち合わせの電話が
〈翌日(9月2日)の早朝、私は面談取材の仕事でプラハに飛んだ。私はタクシーの中で疲れて、車酔いした。私の電話が鳴ったとき、どこにいるのかわからなくなった。男性の声が電話を切らないように求めた。2分間、私は沈黙を聞かされ、いらついた。「電話を切らないで。私がつなぐから」と先ほどの声とは違う男性の声が耳に入った。私は爆発した。「私は誰かに電話をつなぐように頼んだ覚えはないわ! どうして私が待たねばいけないの? 私に電話したいと言っている人は誰なの? あなたは自己紹介したいの?」。

「プーチンだ。ウラジミール・ウラジミーロヴィッチだ」と電話の向こう側から大統領の声がした。「君がクビになったというのを聞いたよ」と彼は続けた。私はこれが悪ふざけであるかもしれないという実感を、彼が何やら言っている間に、大急ぎで彼に何らかのメッセージを組み立てて話そうとした。「はからずも君がクビになったことについて私はあずかり知らなかった。ところで、私の自然保護活動の取り組みは、政治と分離しがたいものであることを知っておくべきだ。私の立場になれば、自然保護と政治を分離することは困難なのだ」。

 この独特の言い回しは、大統領職で威圧しながら、同情を求めるプーチンのお家芸として長らく結びつけられてきたものであった。


©JMPA
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「もし異論がなければ、私は我々が会ってこの問題について話し合うことを提案する」と言った。

「異論はありません。しかし、これが悪ふざけでないと私はどうしたらわかるのでしょうか?」

 プーチンは打ち合わせを手配する電話を私が受けることを約束させ、そうすれば自分が打ち合わせに現れると約束した。〉(マーシャ・ゲッセン[松宮克昌訳]『そいつを黙らせろ―プーチンの極秘指令』柏書房、2013年)

 ゲッセンがプーチンと面談したときの描写が興味深い。プーチンが、非公式の打ち合わせのときにどのような立ち居振る舞いをするかということについての証言は意外と少ない。その意味で、この記述は貴重な資料的価値がある。


「迫害されたジャーナリストの立場が君のキャリアに役立つことになるのかね?」
〈我々が中に入ったときプーチンは、デスクに座っていた。入り口で面会するものと思ったかもしれない訪問客に、そうではなく自分のデスクに近づくよう強いる典型的なロシアの権力者の官僚的な仕草を示すものだった。この執務室は1990年代のクレムリンの時代からあまり変わらない、1960年代の光沢のある木製の家具、大きなデスクに会議テーブルといったソビエト時代のクレムリンにこぎれいに手を加えた感じだった。デスクとテーブルの両方に、ソビエト時代のボタンのないプラスチック電話が置かれていた。完全にクレムリンの定型どおりに、プーチンが我々に挨拶をするために立ち上がる前、我々は部屋の中央に行って待機した。彼は握手をし、会議テーブルに我々を案内した。彼がテーブル先端の中央席に着いてから、ヴァシリエフと私は彼の両脇に座った。ヴァシリエフは顔を赤くして汗ばんでいた。プーチンはちょっと眺めただけではわかりにくいが、かなりの整形手術を施したせいか不相応に大きく見えた。

「会議を始める前に、この会話が意味あるものかどうかを確かめたい。君は自分の仕事が好きかね? もしくは君はたぶん他の計画を持っていて、迫害されたジャーナリストの立場が君のキャリアに役立つことになるのかね?」と彼は言った。

 彼は明らかに簡潔な情報さえ事前に与えられていなかった。彼は私が何者であるのかわかっていなかった。彼は本について知らなかったか、デモ運動における私の役割、ロシアの出版界で私が書いてきた彼や彼の行政に関する多くの記事について知らなかった。また彼はこの会議について事前に何らかの情報を求めなかったように思える。さらなる証しは、独裁者ならではの孤立感や自分中心に世界が回っているような自己中心性が目につくようになっていた。〉(前掲書)


「大統領はよいニュースだけを知りたがる」
 プーチンは、ゲッセンが彼を独裁者だと激しく非難し、不正蓄財やジャーナリスト暗殺疑惑について書いていることを知らないのである。

 ちなみにエリツィンは、新聞を読まず、テレビを見なかった。自分を非難する不愉快な情報を知りたくなかったからだ。ニュースについては、報道担当大統領補佐官がA4判3〜4枚にまとめたサマリーを毎朝、渡していた。筆者がこの補佐官から直接聞いた話だが、「大統領はよいニュースだけを知りたがる。悪い話については、それへの対策を記しておかないと機嫌が悪くなるので、この作業には神経を使う」ということだった。プーチンもエリツィンと同じような状態になっているのであろう。

 プーチンは、環境保護に強い関心を持っている。ゲッセンの著書から引用を続ける。


ゲッセンからプーチンに強烈な質問
〈「結構だ。それでは我々は話し合える。私は子猫や子犬、小さな動物が好きだ」と彼は微笑んだ。彼は絶滅危惧種のための彼の公共的努力が重大な問題に対する注意を惹くことに役立ったと感じ、「だから、私はシベリア鶴のプロジェクトを考え出したのだ」と言った。

 これは私にとってニュースだった。シベリア鶴の個体数を回復するプロジェクトは、1970年代後期に遡る。私は彼にこの考えの提唱者が自分であると主張することによって、彼が何を狙っていたのかを明らかにするよう彼に求めた。プーチンは数年前にこの計画について聞き、この計画に運転資金がないことを知り、この計画に再び支援資金をつけるのが彼の考えだった。〉(前掲書)

 このあと、ゲッセンはプーチンに強烈な質問を浴びせる。それまでプーチンが自然保護プロジェクトにおいてやらせを行ってきたことを、直接、ぶつけたのだ。


©JMPA
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「言うまでもなく、やり過ぎの事実があったな」
〈「(略)大統領がシベリア虎に衛星送信機の首輪をつけたとき、その虎がハバロフスク動物園から実際に借りてきたものだったことを、おそらく大統領はお気づきのことと思います。大統領が北極グマに送信機をつけたときも、そのクマは事前に捕獲され、大統領が到着されるまで鎮静剤を打たれた状態にされていたのです」と私は言った。

 プーチンは「言うまでもなく、やり過ぎの事実があったな」とむしろ陽気な調子で、私の指摘をさえぎり、「私はその仕事をさせるために人を連れて行ったのだ。とはいえ、私にはこの問題に注意を惹かせることがはるかに重要だったのだ! 確かに、雪ヒョウが鎮静剤を打たれていたな」と彼は言った(私は雪ヒョウについては言及しなかったのだが)。「しかし大事なことは、雪ヒョウ・プロジェクト全体を考え出したのは私だったということだ。虎もだ。私がそれを考え出したあとに、虎が生息する20カ国がこの問題に取り組み始めた。言うまでもなく、行き過ぎもあったことは確かだな」と彼は繰り返した。〉(前掲書)

 このように、プーチンの方から、自分に不利な事実を語る。これは独裁者の心性を考える上で非常に興味深い。そしてさらに言葉を重ねる。

「私が脳なしのクソ野郎のように…」
〈「あのときのように、私が古代ローマの両手付きブドウ酒の壺を潜水して持ってきたようにね」。

 私はプーチンが、古代ローマの両手付きのブドウ酒の壺を2つ抱えて黒海の海底から現れ、カメラに向かってポーズを取った1年前のあのことのあとに、すぐに判明してしまったような、彼が海底で見つけるように用意されていた両手付きのブドウ酒の壺を発見するやらせの類似例を引き合いに出すことなど信じられなかった。

「誰もが両手付きのブドウ酒の壺が用意されていたことを書き始めた。もちろん、それらはこっそりと持ち込まれていたものだよ! 私が海に潜ったのは自分の力を大きく見せつけるためでなかった。そのようなことは、海の中の一部の生物がライバルを威嚇するために自分を大きく見せることと同じさ。あの場所の歴史に注意を惹かせようとして潜ったのだ。あれから誰も彼も、私が脳なしのクソ野郎のように両手付きブドウ酒の壺を持って海中から現れたと書き始めた。ところが一部の人は、実際に歴史の本を読み始めたのだ」


©JMPA
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 彼が使用した「ムーダク」(引用者注・正しくは「ムダーク」)という言葉は、ロシア人が完全に不適任と見なした人間をけなすときに表現する言葉の一つである。相手を威圧するために自分を大きく見せるようなプーチン流の口の悪い野卑な話し方は、かつて自分がKGB要員のリクルーターのつもりでいた人間としてはひどい失言だった。彼の話し方は、私そして会見にとって穏当なものではなかった。〉(前掲書)


限りなくマフィアの親分に近い雰囲気
 ここで、ゲッセンが衝撃を受けた「мудак(ムダーク)」という言葉は、「キンタマ野郎」「クソ野郎」とかいう罵倒語で、高等教育を受けた人間が公の場で使うことはない。ゲッセンが伝えるプーチンの雰囲気は、限りなくマフィアの親分に近い。

◆ ◆ ◆

 筆者は、根っからの功利主義者だ。独裁者プーチンが、情報から遮断された環境にいることは、北方領土交渉にとってプラスになる可能性があると考える。


 2月8日、ロシアのソチで行われた日露首脳会談は成功だった。プーチン大統領の安倍晋三首相に対する信頼感が一層高まった。その理由の一つがソチに向けて飛び立つ直前、7日、東京の北方領土返還要求全国大会の挨拶で、安倍首相が「明日、プーチン大統領と、5回目の首脳会談に臨みます。私は、日露関係全体の発展を図りつつ、日露間に残された最大の懸案である北方領土問題を最終的に解決し、ロシアとの間で平和条約を締結すべく、交渉に粘り強く取り組んでまいる決意であります」と述べたことだ。安倍首相が「四島」に言及しなかったことをクレムリンは、日本の新たなシグナルと受け止めている。

安倍晋三氏とプーチン大統領 ©JMPA
安倍晋三氏とプーチン大統領 ©JMPA
 今回の首脳会談で筆者が最も注目するのは、谷内正太郎内閣官房国家安全保障局長を安倍首相がプーチン大統領に紹介したことだ。安倍首相が、「谷内さんはお酒を飲めない」と冗談半分に紹介すると、プーチンは「酒を飲めないでいったいどういう交渉をするのか。私の方で何とかしよう」と答えた。

 この発言は、谷内氏が、安倍首相の「個人代表」として、今後、プーチンとの連絡係になることを強く示唆する内容だ。プーチンが「私の方で何とかしよう」と述べたことは、今後、首相の個人代表として谷内氏を受け入れるという意味だ。

 谷内氏を通じて、北方領土問題解決に関する試案をプーチンに提示してみると面白い。プーチンの腹にストンと落ちると、それが大統領案になる。北方領土交渉に慎重な態度を崩していないロシアの外務官僚も、独裁者の意向に反することはできない。独裁者プーチンの心理に谷内氏が巧みに付け込むことに成功すれば、北方領土交渉の突破口が開けるかもしれない。

29. 中川隆[-13508] koaQ7Jey 2022年3月15日 18:46:28 : ddTeqfvkZA : SGdtN2p5YzNRYTY=[9] 報告
【松田学】親プーチンでも反ロシアでもなく“日本にとって”必要な視点とは?[R4/3/1]



国を想う国会議員達が、国会中継だけでは伝えられない政治の動きを、ビデオレターで国民の皆様にお伝えするシリーズ。今回は松田学元衆議院議員から、ロシア-ウクライナ戦争でまたも露呈した、日本人の情報感度と戦略的視点の欠如について指摘していただきます。
30. 2022年3月17日 09:28:02 : GSbvl9UWZY : ZnBzRnJaRlM3R0U=[1] 報告
2022.03.17XML
ウクライナを舞台とした米国と露国との戦争が激しくなる中、経済人脈に動きも
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203170001/


 ウクライナを舞台としてアメリカとロシアの戦いはロシア国内で経済を握っているウォール街やシティの傀儡勢力の粛清につながるかもしれない。

 アメリカ政府は経済戦争の一環としてロシアが保有する金と外貨の半分を凍結したとロシアの金融大臣は語っている。ロシア政府が管理できない国外へ持ち出していたことになるが、アメリカの影響下にある場所へ金を預けたなら盗まれる可能性があることは常識。それにもかかわらず、凍結される場所へ持ち出していたとすると、責任者はまさに責任を問われるだろう。

 その責任者とは中央銀行総裁のエルビラ・ナビウリナ。この人物はエゴール・ガイダルの仲間だと見られ、IMFの意向に沿う政策を推進してきたことでも知られている。

 ガイダルはジョージ・ソロスの知り合いで、ボリス・エリツィンの側近。エリツィン時代のロシアでガイダルはハーバード大学教授のジェフリー・サックスの下で働いていた。エリツィンの経済政策はサックスを含むシカゴ派の顧問団が作成していた。

 そうした政策をエリツィン政権に実行させる役割を負っていた人物がアナトリー・チュバイス。ソロスの配下で、HIID(国際開発ハーバード研究所)なる研究所と連携していた。ここはCIAとの関係が深いUSAIDから資金を得ている。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)

 チュバイスはエリツィンの娘であるタチアナを中心としたグループに入っていたことも知られている。彼女は飲んだくれで心臓病を抱える父親に代わり、クレムリン内外の腐敗勢力と手を組んでロシアを食い物にしていた。

 チュバイスとガイダルはラリー・サマーズの命令で動いていたとも言われている。サマーズがロシア工作のために雇ったデイビッド・リプトンとジョナサン・ヘイはCIAのエージェントだ。

 ウラジミル・プーチンが大統領になっても経済分野はウォール街やシティ、つまり米英の巨大金融資本にコントロールされてきた。手をつけようとすると、経済を不安定にする可能性が高いからだ。

 アメリカと事実上の戦争状態にある中、ロシアの経済人脈は自国にダメージを与えたわけであり、プーチンとしては米英金融資本の傀儡一派を粛清するチャンスだろう。それができないなら、プーチン政権の先行きは暗い。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203170001/

31. 中川隆[-13499] koaQ7Jey 2022年3月18日 07:29:05 : SruyHYNJ8U : TVdiVVlTQXpnZzI=[3] 報告
2022.03.18XML
ウクライナの戦争でも行われている歴史のぶつ切りは一種の歴史改竄
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203180000/


 ウクライナで戦争が続いている。西側の政府や有力メディアは今年2月21日にロシアのウラジミル・プーチン大統領はドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認し、2月24日にロシア軍が巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃したところから戦争は始まったとしているが、これはアメリカやEUの見方にすぎない。

 歴史は因果の連鎖であり、ひとつの出来事には原因がある。歴史を語る場合、始まりを設定しなければならないが、どこから始めるかで見える風景は大きく変わってくる。そうした連鎖を体制の要請に合わせて断ち切り、その断片を雇い主の都合に合わせて解釈して見せる人もいる。

 プーチンが独立を承認する前からウクライナでは軍事的な緊張が高まっていた。2月17日頃からウクライナ側からドンバスへの攻撃が激しくなっているが、その前からアメリカ/NATOはロシアに対する軍事的な恫喝を強めていたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。

 ウクライナの政治家、オレグ・ツァロフは2月19日に​緊急アピール「大虐殺が準備されている」​を出し、ボロディミル・ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始するという情報をキエフから得たとしていた。

 そのアピールによると、この地域を制圧してからキエフ体制に従わない住民を「浄化」するという作戦で、西側から承認を得ているともしていた。この作戦と並行してSBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。

 ウクライナへの攻撃を始めた後、ロシア軍はウクライナの生物兵器の研究開発に関する、そして​3月に予定していたドンバスへの攻撃計画に関する文書​を発見したとロシア国防省は発表している。

 西側ではロシア軍がウクライナへ軍事侵攻したと単純に表現しているが、ウクライナの現体制は2014年2月のネオ・ナチによるクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したところから始まっている。その時のアメリカ大統領がバラク・オバマだ。

 この事実を隠蔽したい人びとは2014年にロシアがウクライナを侵略したことにしている。事実を調べれば嘘だということが容易にわかるだろうが、事実を調べない人には効果があるだろう。

 その時にホワイトハウスでクーデターを統括していたのがジョー・バイデン、現場で指揮していたのが国務次官補だったビクトリア・ヌランド。クーデターの1ヶ月ほど前、ヌランドは電話でジェオフリー・パイアット米国大使に対し、ヤヌコビッチを排除した後の閣僚人事について指示している。その際、話し合いで混乱を解決しようとしていたEUに対し、彼女は「クソくらえ」と口にしたのだ。

 そのクーデターで主力になったネオ・ナチの中核は「右派セクター」だが、そのグループを率いていた人物がドミトロ・ヤロシュ。2007年からNATOの秘密部隊ネットワークに参加している。その時にアメリカのNATO大使を務めていたのがヌランド。その当時、ヤロシュなどネオ・ナチはチェチェンでアメリカが行っていた対ロシア戦争に参加、中東のジハード傭兵たちと結びついている。

 1991年12月にソ連は消滅、翌年2月にアメリカ国防総省はDPG(国防計画指針)草案として世界制覇プランを作成した。その最高責任者は国防長官だったリチャード・チェイニーだが、作成の中心になったのは国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツ。そのため「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。

 このドクトリンは旧ソ連圏の復活を阻止するだけでなく、潜在的ライバルの中国やEUを潰し、覇権の基盤になるエネルギー資源を支配しようとしていた。つまり中東もターゲットだ。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めていたウェズリー・クラークによると、1991年の段階でウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。(​ココ​や​ココ​)

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンのベースを考えたアンドリュー・マーシャルは国防総省のシンクタンクONAで室長を務めていた人物。バーナード・ルイスなる学者から世界観を学んだという。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ドクトリンが作成された当時、アメリカが「唯一の超大国」になったと信じた人は少なくなかった。そこで、アメリカは国連を無視して単独で行動できると考える人が出てくる。

 ところが、1993年8月に日本の総理大臣となった細川護煕は国連中心主義を維持。そこで1994年4月に倒れた。細川政権が設置した諮問機関の防衛問題懇談会はその考えに基づいて「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を作成するが、これをマイケル・グリーンとパトリック・クローニンは問題視、1995年2月に発表されたジョセイフ・ナイ国防次官補の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。これはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいている。

 この当時、ネオコンやアメリカの有力メディアは旧ソ連圏への軍事介入を煽っていたが、ビル・クリントン政権は軍事力の行使に消極的。その象徴が国務長官だったウォーレン・クリストファーだ。

 この人物がマデリーン・オルブライトへ交代になった1997年から流れは変わる。その背後にいたのがヒラリー・クリントンやヌランドだ。この年、ズビグネフ・ブレジンスキーは『グランド・チェスボード』(日本語版は『ブレジンスキーの世界はこう動く』、後に『地政学で世界を読む』へ改題)というタイトルの本を出している。

 この本(原書)が出版された2年後、NATOはユーゴスラビアを先制攻撃した。この攻撃ではスロボダン・ミロシェヴィッチ大統領の自宅が破壊されただけでなく、中国大使館も爆撃されている。こうした攻撃を容認した西側はロシアのウクライナ攻撃を許さない。

 ユーゴスラビア攻撃の目的はコソボのアルバニア系住民をユーゴスラビアから分離してアルバニアと合体させことにあったが、少なくとも結果としてこの国を解体し、NATOを拡大させる第一歩になった。ここからアメリカは侵略戦争を本格化させていく。

 コソボでアメリカが手先に浸かっていた勢力の実態は麻薬業者。アメリカ/NATOの保護下のアフガニスタンではケシが栽培され、ヘロインが生産されてきたが、その麻薬販売ルートはコソボを通過している。彼らは後に臓器を売買していたことも判明する。

 ただ、1990年代には支配層の内部にもNATOの拡大は危険だと考える人がいた。例えば「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンはNATOの拡大がロシアを新たな冷戦に向かわせると警告していた。こうした意見を封印することになるのが2001年9月11日に行われたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎への攻撃、いわゆる「9/11」だと言えるだろう。

 ウェズリー・クラークによると、その直後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺は新たな攻撃予定国リストを作成していた。そこにはイラク、シリア、イランのほか、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンが載っていたという。レバノンをリストに載せた理由のひとつはイランとの関係が強いヒズボラの存在にある。ハリリはそのヒズボラを連合政府へ参加させようとしていた。

 9/11の後、アメリカはアフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ソマリアなどを攻撃している。2020年1月3日にはバグダッド国際空港でイランのコッズ軍(特殊部隊)を指揮していたガーセム・ソレイマーニーを暗殺した。その時、緊張緩和に関するサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書を携えていた。

 2014年2月のクーデターで危機感を強めた人の代理人として動いたのであろう人物はヘンリー・キッシンジャー。2016年2月10日に彼はロシアを訪問してプーチン大統領と会談、22日にはシリアにおける停戦で合意した。そして大統領候補として浮上してきたのがドナルド・トランプだ。ヒラリーはオバマやバイデンと同じ流れに乗っていた。

 日本の近代史でも呼称は問題になる。典型例は日本軍の中国における戦争。「満州事変」、「上海事変」、「日支事変」、「大東亜戦争」というように歴史をぶつ切りにして別個の出来事だとする人がいる。「太平洋戦争」という呼称もある。そうした見方への疑問から「日中戦争」や「十五年戦争」という呼称が出てきたのだろうが、今でも歴史をぶつ切りにしたがる人が少なくない。ウクライナにおける戦争でもそうした手口が使われている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203180000/

32. 2022年3月19日 16:07:04 : AnixODhVqM : cWdxMGhCU2h1NEU=[6] 報告
「プーチン失脚」は時間の問題か…ロシア国内「3つの支持基盤」が反逆する異常事態に
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https://news.yahoo.co.jp/articles/161242c45501a462699552acd5397c4c8c7f9654


 ロシアによるウクライナ侵攻がつづいている。しかし、短期間でゼレンスキー政権を打倒し、傀儡政権を樹立、ロシアの要求を受け入れさせるという当初の計画は挫折した。

【写真】全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…! キエフ制圧でも長期的に敗北

 戦いは長期化し、国際社会はウクライナ支持で一体化している。ロシアは完全に孤立し、プーチンは「現代のヒトラー」(プトラー)と呼ばれている。

 そんな中、これまでプーチンを支えてきた支持基盤も、いよいよボロボロになってきたーー。

プーチンが抱える三つの支持基盤
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 プーチンには、大きく三つの支持基盤がある。

 一つ目の基盤は、「シロビキ」と呼ばれる軍、諜報、警察などだ。

 軍は、戦争を遂行し、勝利することで、プーチン人気を支えてきた。実際プーチンは、「チェチェン戦争」「ロシア‐ジョージア戦争」「シリア内戦への介入」「クリミア併合」「ウクライナ内戦への介入」「IS攻撃」「カザフスタンの大規模デモ鎮圧」などで、ことごとく勝利してきた。

 日本人にはなかなかわからない感覚だが、プーチンは、戦争をすることで、高い支持率を維持してきたのだ。

 諜報は、わかりやすいだろう。プーチンは、元々KGBの諜報員だった。ソ連崩壊後は、KGBの後継機関FSBの長官までのぼりつめた男だ。諜報機関は、プーチンの手足となって働き、反プーチン派を容赦なくつぶしてきた。

 警察は、ロシアで時々起こる大規模デモ(たとえば今なら反戦デモ)を、力で鎮圧している。

 二つ目の基盤は、新興財閥だ。日本でも「新興財閥=オリガルヒ」という言葉が知られている。

 そしてその新興財閥には、筆者が「譜代新興財閥」と「外様新興財閥」と呼ぶ二つの層がある。

 「譜代」とは、プーチンが大統領になる前から、彼に従っている新興財閥のことだ。彼らは、東ドイツでプーチンがスパイ活動をしていた時期、あるいはサンクトペテルブルグの副市長だった時代に彼と知り合った。代表的な人物は、国営石油会社のCEOセーチンと国営ガス会社ガスプロムのCEOミレルだ。

 では、「外様新興財閥」とは、なんだろうか? これは、「プーチンが大統領になった後に忠誠を誓った新興財閥」のことだ。

 プーチンが大統領になる前の90年代、ロシアの政治経済は新興財閥に支配されていた。当時の代表的新興財閥は、「クレムリン・ゴッドファーザー」と呼ばれたベレゾフスキー、「ロシアのメディア王」グシンスキー、「ロシアの石油王」ホドルコフスキーなどだ。3人とも「ユダヤ系」という共通点がある。

 この3人は、2000年から03年にかけて、プーチンに挑戦し、敗北した。そしてベレゾフスキーは英国に、グシンスキーはイスラエルに逃げ、石油最大手ユコスのCEOだったホドルコフスキーは2003年、脱税などの容疑で逮捕され、シベリア送りにされた(彼は2013年に釈放された後、英国に逃れ、今も熱心に反プーチン活動を行っている)。

 新興財閥の超大物3人が敗れ、他の新興財閥はプーチンに勝てないことを悟った。それで、彼らはプーチンに恭順を誓ったのだ。

 三つ目の支持基盤は、「メディア」と「洗脳された国民」。プーチンは2000年代、テレビを完全支配することに成功している。

 ロシアの3大テレビ局は「ロシア1」「1カナル」「NTV」だ。どの局でも、プーチン批判はまったく聞かれない。それは、他のテレビ局でも同じだ。

 プーチンは、テレビを通して、国民を自由自在に洗脳しつづけている。だから、プーチン政権は盤石に見えたのだが……。

シロビキの忠誠が揺らいでいる
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 先述の通り、「シロビキ」といえば軍、諜報、警察などのことだ。

 軍については、以前「全ロシア将校協会」が1月31日、「ウクライナ侵攻計画中止」と「プーチン辞任」を求める「公開書簡」を発表したことを書いた。

 参考)2022年2月16日付『全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…!  キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない』

 つまり、プーチンの支持基盤であるはずの軍将校たちが、この戦争に反対しているのだ。

 これについて「フェイクだ」と主張する人もいるようだが、「フェイクではない」ことを強調しておきたい。公開書簡をまとめたイヴァショフ退役上級大将自身が、YouTubeでその意図を語っているからだ。

 参考)Леонид Ивашов и Общероссийское офицерское собрание “Путин должен уйти в отставку”

 そういえば、ロシア軍の士気の低さがたびたび報じられている。イヴァショフの公開書簡を読めば、前線の兵士たちの士気が下がるのも理解できる。

 彼は書簡の中で、ウクライナ侵攻の結果、「ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう」と書いていた。

 「独立国家の地位を奪われる」以外は、すべて現実のものとなっている。しかも、これが、ウクライナ侵攻の25日前に公開されていたという事実に注目する必要があるだろう。

 さて、「シロビキ」の構成要素である「諜報機関」にも、大きなできごとがあった。3月14日付の時事を見てみよう。

 〈 ウクライナ侵攻後、ロシアのプーチン大統領が在籍した旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関、連邦保安局(FSB)内部で異変が生じているもようだ。〉

 〈 プーチン氏にウクライナ情勢を報告する立場にあったFSB幹部が自宅軟禁されたとの見方が浮上。事実なら、戦況が思うように進まない「誤算」の責任を取らされた可能性が高い。「侵攻から2週間。プーチン氏は第5局に対する弾圧を始めた」。ロシア独立系メディアは12日、FSBに情報筋を持つ著名記者2人の話を基に伝えた。〉

 〈 独立系メディアは「第5局は侵攻に先立ち、プーチン氏にウクライナの政治状況を報告する任務にあった。第5局はリーダー(プーチン氏)を怒らせることを恐れ、聞き心地のいいことだけを報告したもようだ」と分析している。〉

 「自宅軟禁された」といわれているのは、FSB第5局セルゲイ・ビセーダ局長だ。彼は、「全ウクライナが、解放者としてのプーチンを待ち望んでいる」などと報告していた。

 プーチンは、2〜3日でゼレンスキー政権を打倒できると確信し、ウクライナ侵攻を決断したといわれる。この判断は、第5局の間違った情報を基に下されたのだろう。

 しかし、記事内にある「第5局はリーダー(プーチン氏)を怒らせることを恐れ、聞き心地のいいことだけを報告したもようだ」という部分が重要だ。「プーチンが恐ろしすぎて本当のことをいえない」というのは、プーチン政権の致命的欠陥に思える。

 たとえば2月21日、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の独立承認に先立ち、プーチンは安全保障会議のメンバー一人ひとりに、自分の意見をいわせた。

 しかし、メンバーたちは、プーチンの反応が恐ろしく、「プーチンが聞きたいことをいう」ことだけに神経を使っていた。

 その中で、対外情報局(SVR)のナルイシキン長官は、独立を承認する前に、西側に最後のチャンスを与えようと提案した。

 すると、プーチンが、「対話プロセスをはじめようと提案しているのか?」と問う。その一言で、ナルイシキンはおびえてしまい、前言を撤回。

 「はっきりいえ」というプーチンに押され、「私は、ドネツク、ルガンスク人民共和国がロシア連邦の一部になることを支持する」と発言した。

 プーチンは、「私たちはそんな話はしていない。彼らの独立を認める否かの話をしているのだ」と笑った。

 このエピソードからわかることは、ナルイシキンのようなシロビキの超大物でも、プーチンには本音を語ることができないということだ。

 そして、ナルイシキンは、ドネツク、ルガンスクの独立承認すら本音では反対していた。そうなると、ウクライナの首都キエフや第2の都市ハリコフへの侵攻は、「プーチンが独断で決めたのではないか」という疑念がでてくる。

 その判断の基になっている情報は、FSB第5局から出ている。その5局は、「プーチンを怒らせると怖い」ので、「彼が聞きたい情報」を出していた。

 つまり、プーチンは、その「怖すぎるキャラ」によって、「本当の情報」を得ることができなくなっているのだ。


外様新興財閥がプーチンに反旗
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 プーチン政権第2の支持基盤である新興財閥も揺れている。

 新興財閥は、ウクライナ侵攻で甚大な被害をこうむっている。欧米では、新興財閥の銀行口座、豪邸、高級マンション、プライベートジェット、スーパーヨットなどを差し押さえる動きが広がっている。

 そんな中でも、譜代新興財閥のプーチン支持は揺るいでいない。しかし、外様新興財閥は、公然と反旗を翻すようになっている。

 ウクライナ侵攻に反対している新興財閥は、たとえば、ルサルの元CEOデリパスカ。彼は2008年時点で世界10位、ロシア1位の大富豪だった(2020年時点で、ロシアで41位まで資産を減らしている)。

 ロシア石油2位ルコイルのアレクペロフ社長。彼は2020年時点で、ロシア5位の富豪だ。

 ロシア4位の銀行アルファバンクなどを傘下におさめるアルファグループの創業者フリードマン。彼は2020年、ロシアで8位の富豪だった。

 さらに、2020年ロシア1位の富豪だったポターニン(インターロスグループ会長)も、ロシア政府の政策を厳しく批判している。

 具体的には、政府が、「ロシアからの撤退を決めた外国企業の資産を没収すると決めたこと」に反対したのだ。

 3月12日付CNN.co.jpを見てみよう。

 〈 ロシアで最も裕福な実業家ウラジーミル・ポターニン氏は10日、大統領府がウクライナ侵攻を受けロシア事業撤退を表明した企業の資産差し押さえを示唆したことに触れ、国を100年あまり逆戻りさせる措置だと警鐘を鳴らした。〉

 〈 ポターニン氏は金属大手ノリリスク・ニッケルの社長で、同社の筆頭株主を務める。欧米企業や投資家に対して門戸を閉ざせば、1917年の革命以前の混乱した時代に逆戻りする恐れがあるとして、資産接収に関しては極めて慎重に対応するようロシア政府に促した。

 ポターニン氏はテレグラムに投稿したメッセージで、資産接収に動けば「今後数十年にわたって世界の投資家からロシアに不信感が向けられる結果になる」と指摘した。〉

 これまで、新興財閥にとってプーチンは、「自分の富を守ってくれる存在」だった。ところが、ウクライナ侵攻後のプーチンは、「資産を没収される原因を作った迷惑な存在」になっている。

 彼らは、すでにウクライナ侵攻やロシア政府の政策に反対することで、「反逆者」になってしまった。果たして外様新興財閥は、プーチンに黙ってつぶされるのだろうか? 彼らの立場に立ってみれば、プーチン打倒を目指してもおかしくはない。


内部崩壊するロシアメディア
写真:現代ビジネス

 3番目の支持基盤は、メディアだ。ここでも、大騒ぎが起きている。

 3月14日、国営テレビ「1カナル」のニュース番組中、同局の女性スタッフ が「反戦プラカード」をもって現れた。そこには、「戦争反対」「プロパガンダを信じないで」「あなたは騙されている」と書かれていた。

 女性の名は、マリーナ・オヴシャンニコヴァ。彼女は、YouTubeに投稿した動画の中で、「今ウクライナで起こっていることは犯罪だ。ロシアは侵略国だ。責任はプーチン一人だけにある」「1カナルで働き、クレムリンのプロパガンダを行ってきたことは、とても恥ずかしい」「テレビでウソをつくことを許してきたことが恥ずかしい」「ロシア人をゾンビ化することを許してきたことが恥ずかしい」などと語っている。

 同じように考えているメディア関係者は、少なくないようだ。日本では報じられていないが、ウクライナ侵攻後、キャスターや記者が続々とテレビ局を去っている。

 たとえばロシアの民放最大手NTVで、ニュース番組「シヴォードニャ」のキャスターだったリリヤ・ギリデェーヴァは、辞職し、即座にロシアから脱出した。国営1カナルでは、在ニューヨーク、在パリ駐在員を務めたジャンナ・アガラーコヴァが辞職した。

 日本で知られていない名前を列挙しても意味がないので、この辺でやめておくが、とにかく「良心の呵責」に耐えられなくなり辞めるメディア関係者が続出しているのだ。

 というように、ロシア国内で今、プーチンを支える三つの支持基盤「シロビキ」「新興財閥」「メディア」が、同時に全て揺らいでいる。

 それでも、仮にロシアがウクライナ戦争に勝利すれば、しばらくはプーチン政権がつづくだろう。だが、世界中からの「地獄の制裁」は解除されず、ロシア経済は沈みつづけていくのだから、先は見えている。

 ロシアがウクライナ戦争に敗北すれば、当然、プーチン失脚の時期は早まるだろう。プーチンは、ウクライナ侵攻という「歴史的愚行」によって、自ら「墓穴」を掘ってしまったのだ。

北野 幸伯(国際関係アナリスト)

33. 中川隆[-13396] koaQ7Jey 2022年3月31日 12:03:36 : bL68MO5PpA : VlB6R3hBU3dPMi4=[15] 報告
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34. 中川隆[-13389] koaQ7Jey 2022年4月01日 05:36:37 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[6] 報告
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この番組は、米ワシントンに30年以上在住で、外交・国際関係・金融問題に定評のある国際政治アナリストの伊藤貫氏が、月並みな時事解説とは一線を画す真剣な雑談を、毎月1回のペースでお送りいたします。

出演:伊藤貫(国際政治アナリスト)

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35. 中川隆[-13388] koaQ7Jey 2022年4月01日 05:37:56 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[7] 報告
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36. 中川隆[-13381] koaQ7Jey 2022年4月01日 16:55:02 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[16] 報告
【桜無門関】馬渕睦夫×水島総 第37回「ロシアとソ連を同一視する人々の限界、ウクライナの命運は天然ガス利権と米中間選挙に翻弄される」[桜R4/3/31]



既成概念にとらわれない大きな視座で国際情勢を俯瞰し、ぶれることのない日本の軸を示し続けている馬渕睦夫氏。
閉ざす門を一度解き放つことによって見えてくるものがあるように、物事の本質を見極める言葉と思考を、対談を通じて伺います。

出演:馬渕睦夫(元駐ウクライナ兼モルドバ大使)・水島総(日本文化チャンネル桜代表)
37. 中川隆[-13376] koaQ7Jey 2022年4月01日 17:02:25 : jZtrjXCxpU : S3Z5VHkyVFhXMW8=[22] 報告
※LIVE 3/24 16:00〜『ひとりがたり馬渕睦夫 #73』ウクライナ情勢―歴史の教訓

38. 中川隆[-13171] koaQ7Jey 2022年4月24日 19:37:56 : BZN3AY6AYA : a2lqa3RnYmIzL2s=[15] 報告

特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、その”悲しみの歴史”を紐解く。その1、キエフ公国〜ソビエト連邦建国まで』*その2は概要欄
2022/03/20



特番『茂木誠先生の歴史講義、ロシアとウクライナ、その”悲しみの歴史”を紐解く。その2、第2次世界大戦〜現在まで』 *その1は概要欄から
2022/03/24

39. 2022年5月31日 16:08:35 : 9eSYFKpxnY : VGdZOHdsQUdGbG8=[4] 報告

2022.05.31XML
ソロスは露国を崩壊させるために軍や情報機関の幹部を買収済みなのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205310000/


 投機家の​ジョージ・ソロス5月24日、ダボスで開かれたWEF(世界経済フォーラム)の総会で、2月24日に始まったロシア軍の攻撃で「第3次世界大戦」が始まったかもしれないと語った​。ソロスやヘンリー・キッシンジャはウクライナの軍や親衛隊の敗北が決定的だと考えているのだろう。ただ、キッシンジャーはゼレンスキー政権に対してロシア側の要求を全て呑み、ドンバスやクリミアのロシアへの割譲を認めて2カ月以内に停戦交渉を始めるべきだと訴えている。ソロスは「第3次世界大戦」が始まれば西側文明は生き残れないかもしれないとした上で、西側文明を守る唯一の方法はできる限り早くプーチンを打倒することだと主張する。

 ソロスの言い方からすると、「第3次世界大戦」でロシアに勝ち、プーチンを排除しようと考えているわけではないようだ。クーデターで体制を転覆させたがっているように思える。ソ連を消滅させたときの手口を使うつもりかもしれない。

 しかし、ロシア国民は1990年代、ボリス・エリツィン時代の新自由主義的な政策で塗炭の苦しみを味わっている。欧米に対する幻影は消えているはずだ。ただ、エリートの中には西側のシステムで甘い汁を吸いたい人もいるだろうが、西側が「カラー革命」を実行できる状態にはないが、ウラジミル・プーチン政権の内部に親欧米派はいる。

 エリツィン時代、ロシアの経済政策はソロスの友人としても知られているハーバード大学教授のジェフリー・サックスなどが決定、その下で働いていたのがソロスの知り合いだというエゴール・ガイダル。それ以来、ロシアの金融や経済は米英金融資本の手先が支配している。例えば、国家安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ、財務大臣のアントン・シルアノフ、中央銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナである。気候問題特使を務めていたアナトリー・チュバイスが辞任、国外へ出た。

 ネオコン、あるいは米英の金融資本はロシアのエリートが反旗を翻すことを願っているはず。ロシアのエリート層に対する「制裁」をアメリカが行う理由はそのためだろう。

 アメリカがソ連を崩壊させる秘密工作を始めたのは1970年代の終盤で、ローマ教皇庁とも手を組んでいた。ロナルド・レーガン米大統領がローマ教皇庁の図書館でヨハネ・パウロ2世とソ連の解体について話し合った1982年にレオニド・ブレジネフが死亡、84年にはユーリ・アンドロポフが死亡、85年にはコンスタンチン・チェルネンコが死亡、そして親欧米派に囲まれたミハイル・ゴルバチョフが実権を握った。

 ゴルバチョフはペレストロイカ(建て直し)を打ち出す。これを考え出したのはKGBの頭脳とも言われ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだとされているが、この人物はCIAのOBグループに買収されていたとする情報がある。そのOBグループのひとりがアメリカの副大統領だったジョージ・H・W・ブッシュだ。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 ボブコフだけでなく、アレクセイ・コンドーロフや1982年から88年にかけてKGB議長を務めたビクトル・チェブリコフも買収され、ソ連の解体と資産の略奪を目論んだというのだ。一種のクーデター。「ハンマー作戦」と呼ばれている。

 エリツィン時代、20歳代の若者がクレムリンの腐敗勢力と手を組んで巨万の富を築き、「オリガルヒ」と呼ばれるようになる。ミハイル・ホドルコフスキー(1963年生まれ)、アレックス・コナニヒン(1966年生まれ)、ロマン・アブラモビッチ(1966年生まれ)などだ。ボリス・ベレゾフスキー(1946年生まれ)でも40歳代。こうした若者たちを操っていた黒幕がいたことは容易に想像がつく。

 ソ連消滅劇の始まりは1991年7月にロンドンで開かれた主要7カ国首脳会議。そこに呼び出されたゴルバチョフは新自由主義の導入、いわゆる「ピノチェト・オプション」を求められるとさすがに難色を示す。ソ連で「クーデター未遂」が引き起こされるのはその翌月のことだ。

 このクーデター未遂はゴルバチョフの政策をソ連解体の策謀と考える「国家非常事態委員会」が権力の奪還を狙ったものだとされているが、KGBが行った「出来レース」だと推測する人がいる。

 この「クーデター未遂」を利用してボリス・エリツィンが実権を握り、ソ連を消滅させた。その後、エリツィンは議会を強制的に解散し、抗議する議員を砲撃させて殺害、新自由主義を導入してロシア国民の資産を略奪しはじめた。

 ハンマー作戦を実行するためには資金が必要。買収だけでも相当の金額を用意する必要がある。数百億ドルが投入されたと推測されているのだが、その出所は旧日本軍が東アジアを侵略していた際に略奪した財宝を元にした資金だと言われている。

 日本軍が略奪した財宝の一部は日本へ運ばれたが、戦局の悪化で輸送が困難になると集積地のフィリピンに隠された。その多くをアメリカは回収したと言われている。回収作業の責任者はエドワード・ランズデールだったという。後にCIAの秘密工作を指揮、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の現場にいたとも言われている人物だ。

 ランズデールの部下だった情報将校は自身が親しくしていたイメルダ・ロムアルデスをフェルディナンド・マルコスに紹介、結婚させている。そこでマルコスは財宝の隠し場所に関する情報を知っていた。そのマスコスをコントロールできなくなったアメリカは1986年2月に排除。アメリカ軍が拉致して国外へ連れ出したのだが、この作戦を指揮していたのはポール・ウォルフォウィッツだと言われている。

 ソ連を消滅させた時と同じ手口を使うなら、ロシアの軍や情報機関の幹部を買収していなければならない。その上でプーチンを暗殺、クレムリンを乗っ取るということになるだろうが、それだけの準備ができているのだろうか?

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205310000/

40. 2022年6月01日 10:22:01 : DnrH8hn2zg : bnFLZzV4NEdBcUU=[5] 報告

2022年05月30日
プーチンのイデオローグ / 神聖ロシア帝国の哲学
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68898773.html


三流学者のアメリカ政治解説

Alexandre Dugin 11213Russian Orthodox Church 23Putin 7732

  ウクライナ紛争が勃発して以来、我が国でも色々な学者や評論家、あるいは“ロシア専門家”と呼ばれる人々が、テレビや新聞、週刊誌などに登場し、独自の“見解”を述べている。しかし、心の底から傾聴に値すると思える分析はほんど無い。テレビ局の制作スタッフなんかは「宮仕え」の典型で、上司から叱られない程度の番組を作って「一丁上がり」だ。元々、彼らは軍事・外政といった国際政治に興味が無いから、とりあえず有名大学の「専門家」をスタジオに揃えておけばいい、と考えてしまうのだろう。一方、自宅でボケ〜と無料放送を眺める一般人は、“有り難い御意見”を拝聴できたことで至って満足だ。

  以前にも言及したが、筑波大学の中村逸郎とか慶應義塾の廣瀬陽子の解説は凡庸で、『週刊実話』や『週刊ポスト』のアカデミック版くらいだ。そもそも、彼らの話を聴いたら、リアル・ポリティックス理解の「足し」になるのか? 繰り返しになるが、テレビ局が目論む狙いは、英米から頂いた戦時プロパガンダを翻訳することにある。だいたい、普段から馬鹿にしている一般視聴者のために、テレビ局が「真相」を伝えようと努力するのか? テレビ局のプロデューサー達は、40歳代や50代の大人でも、「中学一年生くらいのアホ」としか思わない。「低学歴の庶民には、この程度の解説で充分だろう」と嗤(わら)っているのだ。

Watanabe Yasushi 001(左 / 渡辺靖 )
  最近のマスコミでは、東大教授に加えて、慶應義塾の教授が多く招かれている。TBSはロシア専科の廣瀬教授を御意見番として採用し、NHKはアメリカ政治を専門とする 渡辺靖を呼んでいた。そして、月刊雑誌の『中央公論』も渡辺氏を招いて対談をさせている。対談相手の横田増生なんてチンピラ・ジャーナリストで、新聞記者程度の知識しかないけど、渡辺氏の方は一応「慶應大学の教授」という肩書きを持っている。ところが、渡辺教授の発言を読んでみると、「えぇぇ〜?!」と首を傾げたくなるのだ。

  例えば、渡辺教授は、ジョー・バイデンの業績というか、上院議員・副大統領時代の言行に触れ、バイデンは基本的に「アトランティスト(アメリカ・カナダ・西歐諸国の協調政策を重視する人)」である、と述べていた。曰わく、

  ヨーロッパとの関係を重要視し、適切な距離を探ってきたバイデンだからこそ、NATO諸国の結束を呼びかけられたのでしょう。トランプ政権はヨーロッパ殿関係をかなり毀損していましましたから、ここまでの国際協調を演出するなどとてもできなかったはずです。(横田増生 X 渡辺靖「ウクライナ侵攻で揺れるアメリカ社会の行く末」『中央公論』2022年6月号, p.78.)

  確かに、若い頃から上院議員を務めていたバイデンは、アメリカの対外政策に噛んできたけど、評価される業績など“これっぽっち”も無く、むしろ有害で見当違いの行動ばかりだった。バイデンといえは、剽窃の常習犯、つまり他人の文章を盗んで自分の論文や演説に用いていたし、学業を自慢すれば、“水増し”の成績がバレるといった有様だった。渡辺教授は「ヨーロッパとの関係を重視した」と言うが、具体的にバイデンは「何」をしたのか? 「ウクライナとの関係を緊密にした」のは私腹を肥やすためだったはず。また、NATOの拡大はバイデンが主導権を握った策略じゃない。

  渡辺教授はアメリカへ留学し、多少は現地の事情に詳しいようだが、彼が述べる「白人ナショナリズム」とか「保守主義」、「新右翼」に関する説明には納得できない。(ここでは彼の著作に触れないけど、いずれ紹介して問題点を指摘したい。) 対談の中で渡辺氏は、「白人ナショナリストが何故プーチンを支持するのか?」という点にも触れていた。トランプ大統領の支持基盤となっている白人ナショナリストには、白人文化の精神的支柱となるキリスト教を守りたいという意識がある。だから、ポリティカル・コレクトネスや批判的人種理論、グローバリズムを批判するプーチン大統領に賛同する人も少なくないという。こうした背景を踏まえて、渡辺教授は説明する。

  グローバリストやリベラルがもたらした害悪の波が西洋を席巻する中で、防波堤となっているのが、移民やLGBTQの人たちに排他的な姿勢を見せるプーチンだと考えている。彼らにとってロシアは、冷戦時代の対立相手ではありません。逆説的ですが、自分たちが取り戻したいと考えている「古き良きアメリカ」をプーチンのロシアが体現していると見ています。トランプがプーチンを天才だと褒めそやしたのも、対ロシア政策が常に甘めだったのも、自らの支持基盤の一部を成す白人ナショナリストたちを刺戟したくないと考えたからかもしれません。(上掲記事、p.80.)

  ロシア帝国の復活を目指すプーチンが、自国を健全にするのは当然だが、今のロシアが「古き良きアメリカ」を体現しているなんて誰が信じるんだ? まぁ、アメリカには超一流の天才から、冷酷無情な極悪人、底抜けの馬鹿まで幅広く存在するから、プーチンのロシアを理想とするアメリカ人だって居るだろう。しかし、ある程度の教養を積み、常識を兼ね備えたアメリカ人かなら、ロシアに昔のアメリカを求めたりないぞ。また、トランプがプーチンを褒めていたのは、愚劣な外政を推進するバイデンを批判するためだ。現実派のトランプなら、あのような無茶はしないし、闇組織の要求には応じまい。

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(左 : 現実政治を理解していたトランプ / 右 : 業績が乏しい無能なバイデン)

  渡辺教授レベルだと謀略戦や心理戦に関する知識が乏しいのかも知れないが、大統領となったプーチンが歐米の移民政策や進歩主義を排斥したのは、それが国家にとって有害であると判っていたからだ。プーチンが属していたKGBは、西歐社会を腐敗堕落させるために、わざとこうした左翼思想を注入し、人材と資金を投じて猛毒の普及に努めていた。西側で活動する工作員や現地の協力者は、無防備な若者に自由恋愛と称してフリーセックスを勧めていたし、両親、教師、牧師、政府の権威を否定する「啓蒙主義」にも熱心だった。赤色思想の布教者は、背徳思想に基づくリベラリズムを媒介にして、子供や青年を放縦主義へと導き、ある者には社会正義で包んだマルクス主義を、別の者にはマリファナやコカインを勧めて享楽主義へと引きずり込んだ。貧乏黒人には白人への憎しみを植え付け、怒った白人にはレイシズムを囁いた。未来を担う若者に「自由」という名で包んだ「毒薬」を飲ませ、その精神を腐敗させれば、国家は自ずと滅んで行く。

  ロシアの指導者は、こうした毒麦をアメリカやヨーロッパの都市にバラ撒いたが、母なるロシアの大地には道徳の種しか撒かなかった。それゆえ、変態を増やすLGBTQ支援なんて以てのほか。ロシア人の肉体を変えてしまう、アフリカ人やアラブ人の移住も御法度。ロシアの子供には名誉を重んずる教育を施し、「ロシア国民は義務を優先すべし」といった薫陶を授ける。プーチンが目指すのは、国家への忠誠心を涵養する徳育だ。そして、立派な戦士を支える愛国心と伝統的な信仰心である。自分が君臨するロシア帝国は、最強の軍隊を誇り、世界を照らす太陽でなければならない。「核兵器は絶対にいけません !」と叫ぶ岸田総理は、サーカスのピエロよりも滑稽だ。

ユーラシア世界とロシアのナショナリズム

Aleksandr Solzhenitsyn 111Aleksandr Dugin 11(左 : アレクサンドル・ソルジェニーツィン / 右 : アレクサンドル・ドゥーガン )
  プーチンの哲学師匠には、二人のアレクサンドルがいる。一人はノーベル文学賞に輝いたアレクサンドル・ソルジェニーツィン(Aleksandr Solzhenitsyn)で、もう一人は、日本で全く知られていないアレクサンドル・ドゥーガン(Aleksandr Dugin)だ。彼はモスクワ国立大学の元教授で、政治哲学を専攻する著名な知識人で、別名「プーチンのブレイン(Putin's Brain)」と呼ばれている。(Peter Hughes, 'Putin's brain : What Alexander Dugin reveals about Russia's leader', The Spectator, 19 April 2022.)

  ソルジェニーツィンやドゥーガンは、ロシアのナショナリズムを信奉するインテリゲンチャだが、この二人はイワン・イリューイン(Ivan Alexandrovich Ilyin)の衣鉢を継ぐイデオローグでもあった。イリューインはリューリック王朝の血を引く貴族の家庭に生まれ、父親のアレクサンドル・イリューイン(Aleksandr Ivanovich Ilyin)は、クレムリン宮殿で育ったらしい。アレクサンドルの父親でイワンの祖父に当たるイワン・イワノヴッチ(Ivan Ivanovich Ilyin)が宮廷に仕えていたので、皇帝アレクサンドル3世が息子の洗礼式で代父(godfather)になってくれたそうだ。一方、母親のカロライン(Caroline Louise Schweikert / Yekaterina Yulyevna)は、ドイツ系のルーテル派キリスト教徒であったが、結婚を機会にロシア正教へ改宗し、名前をエカチェリーナへと改めたそうである。

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(左 : イワン・イリューイン / 中央 : 両親のアレクサンドルとエカチェリーナ/ 右 : 皇帝アレクサンドル3世)

  ロシア貴族として育ったイワンだから、君主政を支持する哲学者へと成長したのは当然で、ボルシェビキ革命が起こると、共産主義反対の立場を取った。彼はモスクワ大学の法学教授となっていたが、その反共主義ゆえに何度か投獄され、しまいには国外追放という処分になったらしい。祖国ロシアを離れたイワンは、母親の祖国であるドイツへと向かい、ベルリンの地に移り住んだ。「白色運動(Beloye dvizheniye)」のロシア人となったイワンは、ヨーロッパ各国で講義を行っていたが、ナチスの台頭を目にすると、この亡命者はアドルフ・ヒトラーの反共主義に共鳴した。彼がファシズム寄りと評されるのは、ボルシェビキのユダヤ人を憎んでいたからだ。1954年12月、彼はジュネーヴで息を引き取る。2005年、プーチン大統領はイリューインの遺体をモスクワのドンスコイ(Donskoi)修道院に移し、そこの墓地へ再び埋葬したそうだ。さらに、2009年、プーチンはイリューインの墓をロシア正教で清めたという。

  歐米や日本のロシア専門家は、KBGの出身であるから、未だにプーチンは共産主義を信奉しているんだろう、と疑っているようだ。しかし、プーチンの精神は異質なコミュニズムではなく、ロシアの大地に根ざしたナショナリズム、あるいは伝統的な帝国主義で形成されているのかも知れない。たぶん、共産党に組みしたのは出世のためで、心からユダヤ人の政治思想に共鳴した訳じゃないだろう。プーチンの行動様式(ethos)を眺めていると、ロシア皇帝の姿が浮かび上がってくる。

  プーチンの政治哲学に深い影響を及ぼしたアレクサンドル・ドゥーガンは、神秘的な国家論やハロルド・マッキンダー風の地政学を展開するが、その中核にはアメリカを含む西歐世界に挑戦する拒絶反応が見られる。彼は『Chetvertaya Policheskaya Teoriya(第四の政治理論)』という著書の中で、「四番目の政治理論(The Fourth Political Theory)」を提唱した。ドゥーガンの思想は、ムッソリーニやヒトラーのファシズム(national socialism)、ならびにロシアで蔓延したコミュニズム(international socialism)はもちろんのこと、西歐のリベラリズムをも排斥し、ユーラシアを主体とする民族主義の政治理論を打ち立てている。

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(左 : レーニン /  ムッソリーニ  /  ヒトラー  / 右 : ローズヴェルト )

  とりわけ、ドゥーガンは人間の精神を荒廃させるポスト・モダニズムが大嫌い。(日本の左翼学者がこぞって熱中し、マルクス主義の変形でしかない「ポスト・モダニズム」について説明すると長くなるので、別の機会で触れることにする。) 1968年に黄金期を迎えたヨーロッパの左翼主義は、メガトン級の大量破壊思想であったが、日本の庶民だって吐き気がするほど厭だった。それゆえ、ドゥーガンが猛烈に西歐のリベラリズムや物欲主義を毛嫌いするのも理解できる。ドゥーガンは西歐を「死の国」とか「生命無き世界」と評し、「排除されし者のたまり場」とか「反東歐の国」とも呼んでいた。(Giuliano Adriano Malvicini, 'Dugin sur lEthnicité contre la Race', Counter Currents, Septembre 16, 2014.)

  渡辺教授のように、歐米の学者はドゥーガンの政治思想を「新右翼(Alta-Right)」と同じタイプの思想と見なしているが、このロシア人は人種主義の立場を取らない。彼の主張によれば、ロシアは単一民族の国家ではなく、スラブ人やフィン人、トルコ系、モンゴル(タタール)系の人々から成る多民族国家であるという。したがって、ドゥーガンはナチスの人種に基づくナショナリズを却下する。ロシアというのは、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)を継承する「神聖な国家(sacred empire)」であり、「天主の王国(tsarstvie)」と「地上の王国(tsarstvo)」の均衡を保ちながら、その二つを融合させた国家であるという。(Alksandr Dugin, Metafizika blagoi vesti : Absolutnaia rodina, Moscow : Arktogeia, 1999, p.375.)

  トゥーガンのユーラシア地政学で特徴的なのは、世界には神聖なる啓示が現れる中心(枢軸)があり、この軸の周りにコスモス(均衡・調和を保つ世界)が存在する、という主張だ。これは丁度、北歐神話に出てくるイグドラシル(Yggdrasil)のようなもので、天界や地界をその根で繋ぐ巨大な樹木である。イグドラシルが九つの世界を結び附けるように、ロシアはユーラシアの中心(幹)となり、その根は周辺諸国の民族を結び附ける。この聖なるロシアには、家父としての皇帝が君臨し、司祭と戦士がエリート階級を形成する。この両階級は伝統的な社会で権力を持つ。

  全世界を救済するイエズス・キリストを信仰し、ロシア宗教を大切にするドゥーガンにとって、西歐人が標榜する人権思想とかポスト・モダニズム、ニヒリズムなどは薄っぺらな言葉遊びに過ぎない。さらに、彼はロシアの伝統や民族固有の精神、とりわけロシア人の魂を抹殺する西歐のグローバリズムを憎んでいる。(実際はユダヤ人のグローバリズム。) 確かに、アメリカの国際企業が持ち込む「世界標準」とやらが「主流」となれば、ユーラシアの豊穣な大地は資本家に蹂躙され、多種多彩な民族は「アメリカ風の地球人」に変貌し、単なる賃金労働者にされてしまうだろう。ロシアのナショナリストはグローバル企業の恐ろしさを目の当たりにしたから、西歐思想の浸透に警戒心を抱くのも当然だ。「アメリカン・スタンダード」に基づく法律や制度は、巨大なスチーム・ローラーのようなもので、ロシア社会を平坦にする圧殺機である。

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(左 : 自由と平等を叫ぶアメリカの黒人 / 右 : ワシントンの中央権力に群がるユダヤ人)

  アメリカの覇権主義に刃向かうドゥーガンにしたら、「アメリカ的人間(homo americanus)」というのは、ポストモダンの時代が産みだした平均的な人間でしかない。彼は西歐人が持ち込む基準と経済システムに打ち勝つため、あらゆる勢力を結集させねばならない、と呼びかけた。たとえ、それらの抵抗勢力がヒンドゥー教やイスラム教、仏教、キリスト教、ヨーロッパやラテン・アメリカに残存する異教であっても構わないそうだ。確かに、西歐の物質文明は圧倒的で、庶民を悉く魅了する魔力を持っているから、イスラム教みたいな宗教でなければ対抗できない。

  当初、プーチン大統領を支援していたドゥーガンであったが、プーチンが西側の資本制を取り入れ、愛国主義よりも経済発展や自由主義を優先するようになったから、ドゥーガンは段々とプーチンに対して批判的になったという。しかし、ロシア経済の発展や科学の進歩を考えれば、どうしても西側の資本や技術の導入は不可欠だ。いくら石油や天然ガスといった地下資源が豊富でも、それを掘鑿し、精製するとなれば高度な技術が必要で、歐米諸国や日本企業との提携はやむを得ない。

  ただし、アメリカの巨大企業が乗り込んでくると、ロシアの地元企業は潰されるか吸収されるのいずれかなので、自由市場とグローバル経済は劇薬となる。特に、テレビ局や新聞社といったマスメディアは狙われやすく、ロシア人が主役であるはずの映画や音楽だって、アッという間に支配されてしまうだろう。ちょっと賢いロシア人なら分かると思うが、大株主や経営者が西歐人とかユダヤ人になれば、その下でこき使われるのはロシア人と相場が決まっている。マクドナルドやスターバックスで雇われる低賃金労働者も、ほぼロシア人となるはずだ。ドゥーガンヤソルジェニーツィンといった知識人が、アメリカナイゼーションを嫌ったのも然だ。

  とにかく、アレクサンドル・ドゥーガは白人保守派の間で話題となった。これに気づいたからか、左翼メディアのニューヨーク・タイムズやCBSなども、彼にインタヴューをするようになり、一般のアメリカ人やヨーロッパの知識人も彼の思想に興味を抱くようになったらしい。ところが、我が国では無名知識人のまま。それもそまはず。日本の出版社は彼の本を和訳しないし、アマゾンにさえドゥーガンの著作は陳列されていないのだ。試しに、彼の名前で検索しても全くヒットしないし、一冊も販売されていないんだから驚きだ。大学の図書館を探してみてもほぼ皆無で、東大の駒場図書館に1冊、神戸大学の図書館に別の1冊があるくらい。

筆者が2012年頃にドゥーガンを知ったのは偶然で、Arktos Mediaのサイトを見ていたら彼の本が英訳されていたので興味を抱いたことを覚えている。ドゥーガンには『Fourth Political Theory』『Ethno Sociology』『Eurasia Mission』『The Theory of A Multipolar』『Political Platonism』『The Last War of the World Island』といった著作があり、知的好奇心の強い「白人ナショナリスト」に読まれている。しかし、普通の日本人はこの出版社の存在すら知らないはずだ。「Arktos」を創業したのは元スケート選手のダニエル・フライバーグ(Daniel Friberg)というスウェーデン人で、彼は自国の子供(北歐人)が有色移民の子供にイジメられているのを目にして、白人擁護活動に入ったそうだ。しかし、スウェーデン人のスキン・ヘッド連中が過激になったので、彼らと離れることにしたという。

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(左 : ダニエル・フライバーグ / 中央 : アラン・ド・ベノワ / 右 : ギョーム・フェイ )

  その後、フライバーグ氏はフランスの新右翼(Nouvelle Droite)知識人として高名なアラン・ド・ベノワ(Alain de Benoist)やギョーム・フェイ(Guillaume Faye)の思想に感銘を受け、「オルタ・ライト(AltRight)」に興味を抱く。ところが、彼はそのまま「新右翼」の活動家にはならず、ヨーテボリ大学に通ってMBAを取得し、金融業界や鉱山企業で働くことにした。それでも、彼は言論活動を諦めず、独自の出版社を設立して、西歐文明やヨーロッパ種族を肯定する本を出版することにした。彼の「Arktos Media」は、大手出版社が敬遠する「右翼本」を次々と出版する。だが、どれほど魅力的でも主流メディアで取り上げられることはない。例えば、保守派の日本人でも、ユリウス・エヴォラ(Juilius Evola)やエドワード・ダットン(Edward Dutton)、 ウィリアム・リンド(William S. Lind)、ウィンストン・バンクス (Winston C. Banks)、ジェイムズ・カークパトリック(James Kirkpatrick)の著作は知られて折らず、手にした人は多くないだろう。筆者が好きなクレア・エリス(Clare Ellis)の 『The Blackening of Europe』は秀作だが、日本の総合雑誌で紹介されることはない。

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(左 : ウィリアム・リンド / ユリウス・エヴォラ / エドワード・ダットン / 右 : クレア・エリス)

  なるほど、アレクサンドル・ドゥーガンの本は大衆受けするとは思えないが、それでも大手販売業者のアマゾンが、商品の陳列棚に置かないというのは不可解だ。おそらく、西歐白人の卓越性を称讃する「右翼本」は嫌いなんだろう。「ヘイト・スピーチ」の扱いになっていれば尚更だ。しかし、本の内容を判断するのは読者であり、本屋のアマゾンではない。いくら巨大企業であっても、アマゾンは本質的に小売店である。「ヘイト本」か否かの判断は、自分の肉眼で読む個人が下すもので、他人が「禁書」にするというのはおかしい。

アマゾンはエロ本だって堂々と販売しているのに、どうして「新右翼」の本はダメなのか? 左翼知識人やユダヤ人、黒人、グローバリストを批判する学術書や文藝書は、ポルノ小説よりもマシだろう。一方、 コーネル・ウェスト(Cornel West)やイブラヒム・ケンディ(Ibram X. Kendi)、クァンメ・フィリップス(Kwame Phillips)、デリク・ベル(Derrick Bell)といった札付きk極左なら歓迎され、彼らのクズ本はたくさん販売されているのにねぇ〜。

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(左 : コーネル・ウェスト / イブラヒム・ケンディ / クァンメ・フィリップス / 右 : デリク・ベル)

  そう言えば、廣瀬陽子の授業を取っている慶応の学生は、どんなロシア人の本を読んでいるのか? ソルジェニーツィンの名著『Dvesti let vmeste(200年共に)』を知っている学生は何人いるのか? まだ彼の本は日本語に訳されていないし、英語版も出ていないから知らないかもね。(ただし、ボランティアの個人が出した英訳本なら出ている。)

http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68898773.html

41. 2022年6月25日 23:43:11 : PrKLU1zFNs : a3VjNUphbThvUmc=[2] 報告
【伊藤貫の真剣な雑談】第7回「文明の衝突とロシア国家哲学」
ペテルブルグ大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
[桜R4/6/25]


42. 中川隆[-11886] koaQ7Jey 2023年12月30日 21:28:39 : RLPPFe1sZw : NUN4M2tMd25HRC4=[12] 報告
【伊藤貫の真剣な雑談 年末SP】伊藤貫×水島総「アメリカの偽善主義外交の破綻が露呈した2023年!!!」[桜R5/12/30]
https://www.youtube.com/watch?v=LOSWGf3my9w
43. 中川隆[-11623] koaQ7Jey 2024年2月12日 11:19:27 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[10] 報告
<■376行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024年02月11日
哲人皇帝プーチン / 国益を重視する民族主義者
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

言論の自由を失ったアメリカ
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(左 : タッカー・カールソン / 右 : ウラジミール・プーチン大統領)

  皮肉な事だが、冷戦に勝ったずのアメリカでは、報道や言論の自由が抑圧され、不気味な全体主義がはびこっている。かつて、ソ連には「プラウダ(真実)」という新聞があったけど、当時のロシア人(一般国民)は誰も「プラウダ」の報道が“真実”を伝えているとは思わなかった。西側のヨーロッパ人やアメリカ人は、言論封殺の独裁国家を嗤(わら)っていたけど、まさか自分たちの国が「ソ連化」になるとは夢にも思っていなかったはずだ。

  ミハイル・ゴルバチョフと交渉していたロナルド・レーガン大統領は、あるパーティーの席で次のようなジョークを披露していた。

  ロシア人を前にした或るアメリカ人が、自国の自由を自慢した。「私はホワイトハウスの執務室に怒鳴り込み、大統領の面前で机を叩き、“あなたの政策に私は反対だ”と言える自由があるんだぞ!」と喝破した。すると、話を聞いていたロシア人は驚かず、「私たちもできる」と言い返した。曰く、「私もクレムリンに乗り込み、書記長の前で“私はレーガン大統領の遣り方に反対だ!”」と。

  レーガン大統領のジョークを聞いた聴衆はみな大爆笑。2004年に亡くなったレーガン大統領が、現在の米国を目にしたら、一体どんな感想を述べるのか?

  2月8日、アメリカの保守派国民の間では、タッカー・カールソンのインタビュー映像が瞬時に話題騒然となった。FOX TVの元キャスターで、禁断の領域に踏み込んだカールソン氏は、失業者となったけど、ジャーナリストの魂までは失っていなかった。政府からの妨害工作にもめげず、彼はウラジミール・プーチン大統領に渡りをつけ、インタビュー交渉に成功した。カールソン氏は以前にもインタヴューを試みたが、この動きを傍受したNSA(国家安全保障局)の妨害を憂慮し、不本意ながらもインタビューを諦めたことがあるそうだ。もし、強硬に取材計画を進めていたら、カールソン氏は社会的に抹殺されていただろう。たぶん、何らかの人格攻撃を仕掛けられるか、個人的なスキャンダルを暴かれて、人生の終わりとなった可能性は高い。必要とあれば、政府の工作員は捏造記事をブレンドして攻撃を加えるから、民間人のカールソン氏は一巻の終わりだ。

  日本の地上波テレビはあまり取り上げなかったが、カールソン氏のインタビュー映像は、我々日本人にとっても非情に興味深い対談であった。(この動画はカールソン氏の独自サイト「Tucker Carlson Network」で視聴できる。ただし、英語通訳の対談となっているため、英語が苦手な日本人は、日本語字幕が附いたYouTube動画を観るといい。本来なら、NHKが翻訳を加えて全部を流すべきなんだけど、現在の日本では民間の有志が国民のために尽くしている。)

  インタビューで表明されたプーチンの見解や回答は、色々な解釈ができよう。しかし、大切なのは各国民が自分の目と耳で確かめ、自分自身の考えで判断することだ。日本のマスコミは論外だが、アメリカのCNNやABC、ブリテンのBBCとかフランスのAFPはバイデン政権の味方である。偏向報道が当たり前のメディアは、きっと「こんなのはプーチンによるロシア側の政治宣伝だ!」と盛んに批判するはずだ。でも、報道規制や言論封殺を繰り返してきた連中は、プーチンの発言を「嘘っぱち」と却下できるのか? タッカー・カールソンを貶す前に、自分たちの大衆操作を反省すべきだろう。

  予想通り、タッカー・カールソンはプーチンに対し、ウクライナ紛争に関する質問を投げかけていた。通訳を介して質問を聞いていたプーチンは、米国や日本の保守派国民が既に知っている見解を述べていた。例えば、英米側がミンスク合意を破り、NATOの東方拡大を強行したという内容だ。(軍事衝突の停止を決めた「ミンスク議定書Minsk Protocole」の件は日本でも報道されている。) この解釈はアンゲラ・メルケル前首相の発言を思い出せば、ある程度「もっともな反論」と頷くことができよう。メルケルはティナ・ヒルデブラントやジョヴァンニ・デ・ロレンツォによるインタビューを受けた時、次のように述べていた。

  2014年のミンスク協定(Minsker Abkommen)は、ウクライナに時間を与えるための試み(Versuch)だった。("Hatten Sie gedacht, ich komme mit Pferdeschwanz?" , Interview: Tina Hildebrandt und Giovanni di Lorenzo, Die Zeit, 7 Dezember 2022.)

  その後の展開を思い出せば判るけど、英米がミンスク合意を利用し、ウクライナを強くするために“時間稼ぎ”をしたことは確かだ。ヴィクトリア・ヌーランド達が仕組んだ「クーデタ」は、仲間内の会話が暴露され、今では日本人にも知られている。

  そもそも、当時の軍事バランスを考えれば、ウクライナ軍がロシア軍を撃退するなんて無茶な冒険だ。たとえ歐米諸国の支援があっても、ウクライナ側が苦戦するのは予想できたはずである。しかし、オルガルヒとバイデン政権にとっては、ウクライナ人は単なる“使い捨ての駒”でしかない。ウクライナ兵が何人死のうがお構いなしだ。仮に、ウクライナが勝たなくても、泥沼の長期戦に持ち込めば、ロシア側の国力を削ぐことになるし、新たな冷戦構造の構築にもなるから、軍産複合体にとったら“喜ばしい不幸”である。

歴史に残る偉大な指導者

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(左 : 1980年代のウラジミール・プーチン / 中央 : KGBを辞めて政界に入った頃のプーチン / 右 : 妙に銃が似合うプーチン大統領 )

  カールソンが行ったインタビューで、最も印象的だったのは、プーチン大統領が“優秀な指導者”に見えたことだ。もちろん、プーチンは有能な諜報局員であったから、一般の視聴者に自分がどう映るのかは計算済みだ。たぶん、プーチンは対談の前にプロパガンダ職員と協議し、「どのような対応にしたら最も効果的か」を入念に検討したんじゃないか。ただ、頭脳明晰でプライドの高いプーチンだ。部下の言いなりで動くとは思えない。岸田文雄とは全く逆だ。もしかすると、自分の構想だけで本番に臨んだのかも知れない。バイデンゆ岸田と違って、プーチンは普段から、つまり若い頃から非情に勉強熱心だ。

  大統領報道官のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)によると、プーチンは今でも常に本を読んでおり、その大半はロシアの歴史に関する書物であるという。彼はロシア史の偉人が記した回顧録を読んでいるそうだ。(Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, Washington, D.C. : Brookings Institution Press, 2013, p.64.)

  一方、ジョー・バイデンは学生時代から怠け者で、誇張と嘘の常習犯。まともに勉強していなかったから、政治家になってもボロが出ていた。

  例えば、大統領選挙に挑戦した1987年、バイデンは昔の“ズル”を認めて選挙戦から離脱したことがある。法科大学(ロー・スクール)に通っていた頃、バイデンは論文を書くにあたって、法学雑誌の文章を“拝借”したそうだ。ところが、担当教授がこの“剽窃”を見抜いてしまったから、さあ大変。アメリカの大学は“チョロまかし”に対して非常に厳しい。論文の不正行為が発覚したから、バイデンはかなり焦ったのだろう。往生際の悪いバイデンは、大学側に「退学処分にしないでください」と泣きついた。

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(左 : 大統領選挙候補から撤退したジョー・バイデン / 右 : 痴呆症の大統領となったバイデン)

  しかし、「一度淫売、一生淫売(Once a whore, always whore.)」と言うように、卑怯者は何時まで経っても卑怯者のままである。報道陣を前にしたバイデンは、この「剽窃事件」を指摘されると「引用における誤りだった」と言い張り、「騙すつもりはなかった」と釈明していた。 (Joe Perticone,‘Joe Biden's first presidential run in 1988 cratered amid multiple instances of plagiarism’March 13, 2019) でも、バイデンは心の底から根性が卑しい。アイオワ州で開かれたイベントでも、ニール・キノック(Neil Kinnock / 英国労働党の議員)の演説を盗み取って、自分の演説にしていたのだ。後にアメリカの報道陣は、この“剽窃”を指摘する。盗作が発覚したたげても恥ずかしいのに、バイデンは学業成績の“水増し”までバレてしまったのだ。(Harrison Kass, 'Joe Biden Has Plagiarism Problems He Admitted', The National Interest, February 4, 2024.)アメリカには「生き恥を晒すくらいなら、潔く死を選べ」という格言が無いのかなぁ〜?

  歐米の主流メディアは、プーチンの受け答えを“狡猾な演技”と批判するが、これはアメリカの大衆操作と同じで、政治家なら誰でもすることだ。例えば、大統領選挙の公開討論に臨む候補者は、事前に心理学者や演出家、PR会社の専門家を雇い、選挙参謀や法律顧問と組んで何回もシュミレーションを行うことがある。しかし、何度リハーサルを重ねても“駄目な奴”はいるもので、その典型例がジョージ・W・ブッシュだ。2004年に行われたジョン・ケリーとの討論会を覚えている者なら解るはず。本番でドジる姿を見た側近は、「駄目だ、こりゃ!」と呟き、暗い表情で頭を抱えていたのかも。

  悪い時に悪い事は重なるもので、映像に映ったブッシュの背中には、奇妙な“膨らみ(bulge)”があった。これに気づいた一部のマスコミは、「何だ、これ?!」と騒ぎ立てた。テレビ局のスタッフも、「ブッシュは“何か”を背負っているんじゃないか?」と疑っていたから、親父のハーバート・ブッシュやジェイムズ・ベーカー、デック・チェイニーが「ダメージ・コントロール」を命じてもおかしくはない。選挙参謀のカール・ローブ(Karl Rove)も焦ったんじゃないか?

Robert Nelson 1( 左 / ロバート・M・ネルソン博士 )
  NASAの研究員であったロバート・M・ネルソン博士(Dr. Robert M. Nelson)は、ブッシュの背広の下には何らかの電子機器が隠されている、と疑っていた。(Kevin Berger,‘NASA photo analyst: Bush wore a device during debate', Salon, October 30, 2004.) おそらく、背中の突起物は通信機器で、外部の誰かが適切な答えを送信し、その音声をブッシュが聞いて質問に答える、という仕組みであったに違いない。要するに、ブッシュは腹話術の人形になっていた、という訳だ。討論会の後、ブッシュ大統領はマスコミからの“疑惑”を笑い飛ばしていたが、リベラル派のマスメディアは猜疑心でいっぱいだった。天文学や地質学を専攻するピッツバーグ大学のブルース・ハプケ教授は、マスコミからの取材を受け、“疑惑の膨らみ”に関する推測を述べていた。

George W. Bush 0824George W. Bush & device
( 左 : 背中の「突起物」が目立つジョージ・W・ブッシュ大統領 / 右 : 推測された通信機器)

  話を戻す。カールソンから質問を受けたプーチンの受け答えは見事だった。このロシア大統領は用意周到で、ウクライナ侵攻の動機を話す前に、ロシアとウクライナの歴史を説明する。ただし、大卒でも一般のアメリカ国民は、基本的な東歐史はおろか、西歐史に関しても知識が乏しく、ロシア史に至ってはチンプンカンプンだから、どの程度アメリカ人が理解したのかは不明だ。何しろ、政治学の授業を取っている大学生だって、アレクサンドル・ソルジェニーツィン(Alexandr I. Solzhenitsyn)の『収容所群島』や、ロバート・コンクェスト(Robert Conquest)の『悲しみの収穫』を読んだことがある者は少ないし、ニコライ・ベルジャーエフ(Kikolai A. Berdyaev)の著作やセルゲイ・カラガノフ(Sergey A. Karaganov)の論文を知らない学生も結構多い。

George Clooney & puppy 222(左 / 仔犬を抱きかかえるアルマ夫人とジョージ・クルーニー )
  こんな塩梅だから、アメリカの一般国民は“特殊軍事作戦”の意味すら解らないし、“善悪二元論”でウクライナ紛争を判断して満足している。アメリカの一般国民は退屈な歴史講義よりも、スポーツ観戦や藝能スキャンダルの方に関心がある。俳優のジョージ・クルーニーが誕生日プレゼントとして、女房のアルマにセント・バーナードの仔犬を連れてきた、という記事の方に興味があるんだから。流血の戦場となったウクライナに大衆の関心は無い。

  プーチンは歴史的経緯を説明するため、キエフ公国やリューリック王朝(Rurikid dynasty)にまで遡ってロシア史を語っていたけど、対談を聴いていた一般人がどの程度理解したのかは判らない。しかし、ヨーロッパの歴史や文化に詳しい上層中流階級、そして軍事や地政学に一定の知識を有する教養人には、それなりのインパクトを与えたんじゃないか。というのも、“まとも”なアメリカ国民、特にウクライナ支援に懐疑的な軍人や保守派の国民、リアリスト学派の知識人がプーチンの話を聞けば、「まぁ、ロシア側にも一理あるよなぁ〜」と思ってしまうからだ。そもそも、平穏な暮らしを望むアメリカ人は、他国への「軍事介入」を嫌うし、「代理戦争」はベトナムでコリゴリときている。でも、ユダヤ人の上院議員であるチャック・シューマーは別。このユダヤ人左翼は、連邦議会、とりわけ共和党がウクライナへの財政支援を否決するなら、アメリカ軍を派兵すべきだ、と呼びかけていた。(Andrew Rodriguez, 'Schumer Warns U.S. Troops Will Be Sent to Fight Russians if Border Bill Is Not Passed, ' State of the Union, February 8, 2024.)

  歐米や日本のマスコミはロシアの侵略行為を糾弾するが、そもそも北方の熊を挑発したのはバイデン政権の方じゃないか! 政治力学を学んだ者がNATOの東方拡大を聞けば、「それは危険なギャンブルだ」と直ぐに解る。アメリカにとり中南米が“裏庭”なら、ウクライナはロシアにとっての“脇腹”だ。その脇腹に核兵器という匕首(あいくち)が突きつけられれば、プーチンじゃなくても蹶起するだろう。

国家主義者のプーチンと痴呆症のバイデン

  プーチンのインタビュー映像を観ていると、ソフト全体主義に陥ったアメリカと伝統的帝国主義を受け継ぐロシアの“どちら”が“まし”なのか判らなくなる。認めたくない光景だけど、現在のアメリカ合衆国大統領は、四軍の「最高司令官」どころか、その資格さえ無いボケ老人だ。痴呆症が進むジョー・バイデンは、ビックリするような事実誤認を口にしていた。まぁ、息子(ボー・バイデン)の死さえ間違えてしまうくらいだから仕方ないけど、聴衆を前にしたバイデンは、生きている人間と死んだ人間をごちゃ混ぜにしていた。

  例えば、ニューヨークで行われた資金集めの席で、バイデンは2020年の大統領選挙について触れていただが、その際、彼はヘルムート・コール首相と一緒に歐州事情を話していた、と発言していたのだ。だが、バイデンが話したのはアンゲラ・メルケル首相で、2017年に亡くなったコール氏ではない。現世と来世の区別がつかないバイデンは、ネヴァダ州でも“幽霊”と会話を交わしていたそうだ。バイデンは記者を前にして、1月6日の議事堂事件をフランソワ・ミッテラン大統領に語ったと述べていたが、それはエマニュエル・マクロン大統領のことである。('Biden mistakes living European leader for dead one – for second time in a week', The Guardian, 8 February 2024.) おそらく、バイデンは頭の中の記憶が錯綜しているんだろう。周知の通り、ミッテラン大統領は1996年に亡くなっている。バイデンの“迷言”を聴いたアメリカ国民は、「またかぁ〜」とウンザリしているんじゃないか。

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(左 : ヘルムート・コール / アンゲラ・メルケル / フランソワ・ミッテラン / 右 : エマニュエル・マクロン )

  一方、世界政治のキーパーソンと化したプーチンは、核大国の指導者らしく頭脳明晰だ。例えば、カールソンから経済問題を質問されると、プーチンは具体的な数字を挙げて貿易収支やエネルギー問題を語り出す。こうしたインタビュー映像を目にすれば、代理戦争に反対する軍人や国内経済を憂慮するビジネスマンは、何となく羨ましくなるし、保守派のアメリカ国民は“アメリカン・デモクラシー”に嫌気が差すだろう。言うまでもなく、米国は世界最強の軍隊を有する“超大国”なのに、それを統率する大統領が操り人形で、自分が何をやっているのか、何を喋っているのかも解らないボケ老人とくれば、高級将校じゃなくても涙が出てくる。

  「腐っても鯛」の米国で、未だにドナルド・トランプが人気を博しているのは、彼が「アメリカ・ファースト」、つまりアメリカ国民と合衆国の利益を優先し、偉大であった頃のアメリカを取り戻そうと呼びかけているからだ。プーチンも国家優先主義者で、ロシアの国益を追求する為政者である。プーチンは色々なイベントや会見でロシア固有の思想や民族性、そして歴史に根づくロシア正教といった信仰に言及している。彼が大切にするのは、愛国心や集団主義、結束、大国性(derzhavnost)、国家主義(gosudarstvennichestvo)といった価値観である。大統領に就任したプーチンは、次のように自身の国家理念を述べていた。

 我々にとり、国家とその制度および構造は、祖国と国民の生活において常に極めて重要な役割を果たしてきた。ロシア人にとって、強力な国家というのは敵対すべき変種ではない。逆に、強力な国家は秩序を保障する源泉であり、あらゆる変革を起動させる主な原動力である。・・・社会は国家の指導力や統率力の恢復を求めているのだ。(上掲、Fiona Hill and Clifford G. Gaddy, Mr. Putin : Operative in the Kremlin, p.36.)

  エリツィンの政権時代を経験したロシア人なら、政治的に混乱したロシアを立て直したプーチンの行政手腕を褒めるに違いない。何しろ、ソ連の崩壊を経たロシアは、ユダヤ人のオルガルヒが跳梁跋扈していた時代だ。ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky)はテレビ局を買収し、ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)は石油成金になっていた。ウラジミール・グシンスキー(Vladimir Gusinsky)やミハイル・フリードマン(Mikhail Friedman)、ウラジミール・ポタニン(Vladimir Potanin)、アレクサンドル・スモレンスキー(Alexander Smolensky)も“同じ穴の狢(むじな)”で、仲間とツルんでロシアの天然資源を強奪し、金融業界を牛耳っていた。

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(左 : ボリス・ベレゾフスキー / ウラジミール・グシンスキー / ミハイル・ホドルコフスキー / 右 : ウラジミール・ポタニン)

  こうした辛酸を嘗めていたから、ロシアの民衆がナショナリストのプーチンを称賛するのは当然だ。プーチンもロシアを強欲なユダヤ人から取り戻したという自負を持っている。プーチンが自分自身のことを国家の建設者(ゴスダルストヴェンニク/ gosudarstvennik)、すなわち国家の公僕と宣伝するのは、ちっともおかしくはない。ウォール街の大富豪とワシントンのネオコンに協力し、ロシアの資源をドンドン売り渡したボリス・エリツィンなんかは“国賊”だ。

  話を戻す。木偶の坊たるバイデンとロシアを憎むユダヤ人は、「ウクライナを侵掠したプーチンは赦せない! 政権転覆を目指せ!」と鼻息を荒くするが、一般のアメリカ国民にしたら、「南米からの侵入者を何とかしてくれ!」と言いたくなるだろう。南部だけじゃなく、ニューヨークやシカゴの国民も不満を漏らすくらいだから、アメリカの社会不安はかなり深刻だ。でも、バイデン政権は不法移民や偽装難民に苦しむ一般国民を無視。その一方で、勝ち目が全く無いウクライナには、600億ドルもの軍資金を与えようと必死なんだから、「お前はどこの大統領なんだ?!」と訊きたくなる。バイデンの言い草を聞いていると、穏健な国民だって激怒するぞ。自国を優先するプーチンと他国を優遇するバイデンとを比較すれば、普通のアメリカ人だって「何か変だ!」と感づく。

  カールソンのインタビューで面白かったのは、ノルドストリーム2の爆破に関する質問であった。カールソンの意図を察知したプーチンは、「あなた、判っているでしょ!」という反応で、二人とも笑みがこぼれていた。主流メディアしか観ていない人だと何を言っているのか解らないが、セイモア・ハーシュ(Seymour Hersh)の暴露記事を読んだ人なら、CIAや米国海軍、あるいはノルウェーかブリテンの諜報機関による破壊工作と判る。ドイツの政治家や知識人だって英米の極秘作戦に気づいているが、これを口に出せないのがドイツの悲劇だ。

  アメリカの闇を知っていても、カールソンは敢えてプーチンに答えを求め、なぜCIAの仕業と判っているのに、証拠を挙げて反論しなかったのか、もし証拠を提示すればプロパガンダ戦に勝つことができたのに、なぜあなたは使わないのか、と真面目に問い質していた。しかし、諜報機関の人間なら、一般的にこうした質問には答えない。下っ端の諜報員だって黙秘するのが鉄則だ。ましてや、KGB出身のプーチンなら絶対に情報源を口にしないだろう。公の席で“モグラ(潜入した手先)”の存在を明かすなんて、まず有り得ない。

  プーチンの受け答えは、本当に冴えていた。彼は不思議がるカールソンに向かって、その理由を説明する。プーチン曰く、たとえ証拠を提示しても、西側のメディアはアメリカの支配下にあるから、一般人を納得させるのは難しい、と。確かに、プーチンが仄めかす通り、歐米の主流メディアは金融業界や軍需産業の有力者、およびグローバリストのユダヤ人に牛耳られている。となれば、たとえロシアの報道機関が真相をリークしても、NBCやBBCといったマスメディアは、談合したかのように、息を合わせて「これはロシアの偽情報である!」と決めつけ、「プーチンの戦時プロパガンダ」に過ぎない、と斬り捨てる。

  2020年の大統領選挙だって、あれほどの不正行為が明らかになっても、大多数のアメリカ国民には伝わらず、八百長選挙の実態は闇に葬られていた。仕事や育児に忙しいアメリカ国民は、CNNのウォルフ・ブリッツァー(Wolf Blitzer)とか、MSNBCのレイチェル・マドー(Rachel Maddow)、PBSのジュディー・ウッドラフ(Judy Woodruff)、ABCのデイヴィッド・ミュアー (David Muir)といったキャスターの話を信じている。大手メディアのアンカーマンが、「根拠なき誹謗中傷」と却下し、「トランプ派による陰謀論」と断言するば、巷の大衆は「そうなんだぁ〜」と鵜呑みにする。「大手信仰」というのは、日本だけの国民病じゃない。

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(左 : ウォルフ・ブリッツァー / レイチェル・マドー / デイヴィッド・ミュアー / 右 : ジュディー・ウッドラフ )

Lester Holt 11Nora O'Donnell 111( 左 : レスター・ホルト / 右 : ノラ・オドンネル)
  カールソンが行ったインタビューは2時間を超える対談となってしまったが、インターネットで公開された映像は多くの視聴者を魅了していた。プーチン大統領に対する評価はともかく、この番組で印象的だったのは、大手メディアでは出来ないことを個人営業のカールソン氏がなしえたことだ。普通の日本人でも、「どうして、もっと早い段階(2022年か2023年)でプーチンへの取材を行わなかったのか?」と首を傾げてしまだろう。もし、全米放送のテレビ局が政府の“手先”でなく、“独立”したメディアであれば、NBCはレスター・ホルト(Lester Holt)を、CBSなら ノラ・オドンネル(Nora O'Donnell)をモスクワに派遣したはずだ。

  しかし、有名テレビ局の社長や重役は、「ブチャの虐殺」や「ケルチ大橋の爆発」が起こっても、クレムリンに特派員を差し向けず、一方的にロシアを非難するだけであった。本来なら、ニュース番組の名物キャスターを派遣し、直接、プーチン大統領や有力議員にコンタクトを試みるはずだ。たとえロシア側の「言い訳」でもいいから、反対意見の情報を紹介するのがジャーナリストの務めだろう。(日本のNHKや民放は、米国メディアの下請け企業だから最初から無理。)

  今回、クレムリンがカールソンの取材を承諾したのは、カールソンが“保守派のジャーナリスト”で、なるべく“公平性”を保とうと心掛ける人物であったからだろう。FOXをクビになって“独立系のジャーナリスト”になったカールソン氏は、テレビ局の上層部からの“圧力”を受ける立場ではない。YouTubeからは排除されたが、「X」で自由に発言できる身分になった。もし、彼が“忖度”を気にする「社員」のままであれば、冷静にプーチンの反論を聴くことはできなかったはずだ。

  “保守派メディア”と呼ばれるFOXでも、所詮、看板キャスターは「雇われ人」に過ぎない。プロデューサーや現場スタッフは、国務省の役人や社主のマードック家には逆らえないから、どうしてもプーチンを前にすれば“敵対的な態度”を取ることになる。保守派キャスターのショーン・ハニティー(Sean Hannity)やローラ・イングラム(Laura Ingraham)でも同じだ。上層部からの指令や禁止が言い渡され、不本意な質問しか口にすることはできない。おそらく、ハニティーやイングラムが特派員になっても、カールソンのようなインタビューにはならないし、不満を募らせるアメリカ人を満足させるような対談にもならないはずだ。

Sean HannityLaura Ingraham 111Rupert Murdoch 3234Victoria Nuland 1
( 左: ショーン・ハニティー / ローラ・イングラム / FOX所有者のルパート・マードック / 右 : 国務省のヴィクトリア・ヌーランド )

  プーチン大統領に対するンイタビュー番組には、様々な賛否両論があると思うが、岸田文雄へのインタビューよりマシだろう。まともな日本国民は岸田総理に対し、何も期待しないし、何を喋るのかさえ関心がない。「あの人は何がしたくて総理になったの?」というのが、一般国民の意見だ。日本の命運を左右する岸田総理がすることといったら、ウクライナへの巨額贈与とワクチン接種の更なる推進、新たな増税の準備、移民の本格的な輸入であるから、意気銷沈の国民は開いた口が塞がらない。

  新聞やテレビは「次の総理大臣は誰になるのか?」を話題にするが、候補者の顔ぶれを見た一般人はウンザリする。ゾッとするけど、唯一ヤル気満々で意欲的なのは小池百合子だ。この女帝なら、躊躇なくモスクワに飛んでプーチンと会談するんじゃないか? 元“美人キャスター”を自称する小池百合子ならやりかねない。「単独インタビューなら私に任せて!」と言いそうだ。もし、側近の誰かが「電撃訪問」を提案すれば、「あら、名案ね!」と喜ぶかも。“目立つ”ことが選挙の秘訣だからねぇ〜。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68956509.html

44. 中川隆[-11621] koaQ7Jey 2024年2月12日 11:26:04 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[12] 報告
<△24行くらい>
プーチン大統領 タッカー・カールソン インタビュー - 検索 動画
https://www.bing.com/videos/search?q=%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%20%20%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%20%20%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC&qs=n&form=QBVR&=%25e%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E5%B1%A5%E6%AD%B4%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86%25E&sp=-1&lq=0&pq=%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%20%20%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3%20%20%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC&sc=0-27&sk=&cvid=C10A9FEE0FFF4F608CC824A06B9E177B&ghsh=0&ghacc=0&ghpl=
45. 中川隆[-11613] koaQ7Jey 2024年2月12日 14:09:42 : EZ1Kcv5cQk : TTJaaXFRS29EeHc=[20] 報告
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プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
2024年2月10日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44262

元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏が、ロシアによるウクライナ侵攻後初めてアメリカのジャーナリストとしてロシアのウラジミール・プーチン大統領をインタビューした。アメリカでは大きな話題になっているが、ここでも内容を取り上げたい。

ドルを使ったアメリカの経済制裁

カールソン氏はアメリカでは有名な保守派の司会者であり、歯に衣着せぬ物言いで知られていたがFOXニュースの上層部と揉めたらしく解雇となり、フリーのジャーナリストとして活躍している。巷では誰かにとって都合の悪いことを喋りすぎたのではと噂されている。

そのカールソン氏がプーチン大統領をインタビューした。話題は多岐に渡っているが、まずはプーチン氏がアメリカのドルについて語っている部分を取り上げよう。

何故プーチン氏がドルについて語るのかと言えば、ロシアはドルを使ったアメリカの経済制裁の対象となっているからだ。ウクライナ侵攻後、ロシア政府やロシア人はドルを使った決済を禁じられたり、ドル建て資産を凍結されたりしている。

これをプーチン氏はどう見ているか。彼は次のように述べている。

ドルを外交の武器として使うことは、アメリカの指導者たちが犯した最大の戦略的失敗の1つだ。

ロシアは西側の支配する決済システムからほとんど追放されている。ではこれはプーチン氏の強がりだろうか。

だが、ここの読者ならば知っているだろうが、西側諸国による対ロシア経済制裁は西側の金融の専門家からすこぶる評判が悪かった。政治的にもロシア嫌いで知られるヘッジファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏にさえ批判されていた。

何故か。ドルを使った制裁は、当然ながらドルを使わなければ避けられるからである。

ドルからの資金流出

当然ロシアはドルを避けている。だがアメリカにとって悪いことに、ドルを避けたのはロシアだけではなかった。ドルを保有していれば、アメリカの政治的都合にそぐわないことをした場合に資産を凍結される。だからロシア以外の国々もこぞってドルから離脱しようとしたのである。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
例えばブラジルのルラ大統領はBRICS諸国にアメリカと無関係の貿易の決済をドルではなく自国通貨で行うよう呼びかけた。中国やインドも、ロシア制裁に協力的でないとされてアメリカから脅しを受けた国々であり、ドルから距離を置こうとしている。

また、アラブ首長国連邦は原油取引の決済をドルから現地通貨に切り替えるよう去年末に決定した。アメリカに近いサウジアラビアでさえもドル以外の通貨による決済を議論している。

こうした状況についてプーチン氏は次のように述べている。

アメリカが何処かの国に決済の制限や資産凍結などの制裁を課せば、世界全体に対して誤ったシグナルを送り大きな懸念を引き起こすことになる。

世界で起こっていることを見てみると良い。アメリカの同盟国でさえドルの外貨準備を減らしている。アメリカの行動を見て誰もが身を守ろうとしている。

ドルからの資金流出の意味するもの

だがそれの何がまずいのか。金融の専門家であればすぐに理解する話なのだが、ドルが基軸通貨だからアメリカは覇権を維持できたのである。

コロナ禍において1人あたり50万円を超えるドル紙幣を印刷して現金給付するような無茶な政策をしてもドルが暴落しなかったのは、それでも他の国が原油の決済などのためにドルを買ってくれていたからである。基軸通貨ドルと米国経済の関係についてはスタンレー・ドラッケンミラー氏が解説してくれている。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
そんなことは基軸通貨がなければできない。基軸通貨を持たないイギリスが同じようなことをやろうとして債券市場で英国債が暴落し、首相の首が飛んだ。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
基軸通貨を持っていることのアドバンテージを理解すれば、多くの国がドルを避けようとしている状況の何がまずいのかが理解できるだろう。プーチン氏は次のように述べている。

ドルはアメリカの持つ覇権の基盤となっている。だが彼らは紙幣印刷を止めない。33兆ドルの負債は何を意味するだろうか? 米国の上層部がドルを外交の武器として使うと決定すれば、殴られるのは他ならぬアメリカ自身の覇権だ。あまり強い言葉は使いたくないが、それは愚かな行動であり、酷い失敗だ。

何が起こっているか気づいているのか? アメリカでは誰もこれに気づかないのか? あなたがたは何をやっているのか? 自分で自分の首を切るようなものだ。

結論

今回はプーチン大統領のインタビューを紹介する記事なのだが、いつもの金融の記事のようになってしまった。

事実、このプーチン氏の発言は、普段取り上げているファンドマネージャーらの言葉と比べても遜色がない。勿論背後に専門家が居てプーチン氏に教えているのだろうが、正しい意見を持っている専門家に耳を傾けることのできることもその人の才能である。多くの日本人が金融庁発のつみたてNISAを信じているように。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
これらのプーチン氏の発言と、西側の政治家の金融に対する理解を比べると悲しくなってくる。イギリスのトラス元首相は最初から無理筋のばら撒き政策で英国債を吹き飛ばしかけた。

対ロシア制裁に関しては、ロシア嫌いで知られるファンドマネージャーのソロス氏がEUの政治家に対してもっと有効な制裁の方法を提案していた。だが2008年にリーマンショックを予想した彼の意見に政治家が耳を貸さなかったように、EUの政治家に彼の提案を理解できる頭などあるはずがなかった。

EU、ロシア産原油を禁輸、パイプライン経由は除外 ソロス氏の警告届かず
日本の政治家の金融に対する理解と言えば、ドル円が自分に都合の悪い方向に動けば「投機的な動きだ」と言って為替介入をする。だが自分に都合の悪い方向に動いた相場を資金力でねじ伏せようとする動きのことを投機的な動きと呼ぶ。そして彼らが投機的な動きと読んだものは、大抵の場合金利の上下に対応した妥当な動きなのである。

日本の為替介入は経済学者ラリー・サマーズ氏に皮肉られていた。

サマーズ氏: 為替介入でドル円が急落したらドル円は買い場
そしてアメリカのバイデン大統領は1ヶ月前に亡くなった議員を探し求め「ジャッキーはどこだ?」と言いながら講演会場をさまよい歩いた。

ガンドラック氏: バイデン氏は大統領選の討論さえ満足に出来ないだろう
本当に、日欧米の国民は自分たちの政府を支配している政治家たちの頭のレベルにそろそろ気づいたほうが良いのではないか。プーチン氏のインタビューを見ると本当に悲しくなってくる。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44262

46. 中川隆[-11605] koaQ7Jey 2024年2月13日 17:01:15 : DhCjcxppIg : R0RkZVJXLmRFZWs=[5] 報告
【緊急特番】西側メディア黙殺!プーチン×カールソン・インタビューの衝撃と真実[桜R6/2/13]
https://www.youtube.com/watch?v=Vw4gcOz7UBc

ロシア時間の2月8日、ウクライナ戦争開始後、西側メディアによる初のプーチン大統領への直接インタビューが公開された。米FOXニュースの元司会者タッカー・カールソン氏が引き出したプーチン大統領の発言は、これまで西側メディアが報じてきた「正義」とはかけ離れた内容であったが、徐々に明らかになってきた現地の戦況やグローバルサウスの動向を見た時、これまでも繰り返し行われてきた、報道を使った世論工作を疑わないのはむしろ不自然である。その疑惑を裏打ちするような西側メディアの沈黙と、ウクライナ支持を訴えてきた言論人の饒舌を考慮しつつ、大メディアでは論じる事の出来ない真実について分析・整理する特別番組をお送りします。

ゲスト:
 矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補)
 大高未貴(ジャーナリスト)
司会:水島総

47. 中川隆[-11602] koaQ7Jey 2024年2月14日 06:23:52 : nPTssfmOvQ : Q1E2ZVdESzU4bjI=[2] 報告
<■235行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
プーチン大統領: ロシアがウクライナに侵攻した理由
2024年2月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44288

引き続き、元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏によるロシアのウラジミール・プーチン大統領のインタビューである。今回はロシア・ウクライナ戦争について語っている部分を取り上げる。

2022年ロシアのウクライナ侵攻

2022年2月末、ロシアはウクライナに侵攻した。当時からここではウクライナ情勢については報じ続けており、西側のメディアでも繰り返しニュースになっているが、このインタビューでは何故この戦争が起こったのかをプーチン氏がロシアの立場から説明している。

状況がややこしくなっているのは、西側メディアでは2022年以前のウクライナ情勢についてほとんど報じられていないことである。誰もがウクライナ情勢について意見を持っているが、誰もウクライナの歴史を知らない。それどころかウクライナという国について大半の日本人はほとんど何も知らないのである。

だからウクライナ情勢について話すためには、話を少し遡ることになる。

オレンジ革命

ウクライナという国はロシアの国境に接している比較的ロシア寄りの国だった。文化的にも宗教的にもロシアに近い。いわば姉妹国とも言うべき国で、ロシアとの関係も悪くなかった。だがそれを親EU、反ロシアの国に仕立て上げようとする試みが絶えず行われてきた。

まずは2004年のオレンジ革命から話を始めることになる。2004年はウクライナ大統領選挙の年である。選挙は親ロシア派のヤヌコーヴィチ氏と親EU派のユシチェンコ氏の一騎打ちとなり、選挙ではヤヌコーヴィチ氏が勝利した。

あるいは勝利したはずだった。その時の状況についてプーチン氏は次のように説明している。

クチマ大統領の後、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ氏が大統領選挙に勝ったが、対立候補がその勝利を認めなかった。アメリカがその対立候補の主張を支持し、再投票が決定された。

親EU派の人々は、自分の支持する候補が敗北した選挙において不正が行われたと主張したのである。それはアメリカなど西側諸国の支持を得、実際に再投票が行われた。

それに対してプーチン氏は次のように言っている。

これがクーデター以外の何物であるだろうか? アメリカがそれを支持し、再投票の勝者が大統領となった。

例えばアメリカで誰かが選挙結果を嫌ったために、アメリカの憲法が認めていないような再投票が行われたらどう思うだろうか?

何処かで聞いた話である。というよりは、これは2020年アメリカ大統領選挙と同じ構図である。だが不正選挙を主張したトランプ氏は批判された。ウクライナでは逆のことが起きる。ウクライナでは西側諸国は選挙結果を覆すことを支持する。

プーチン氏は次のように言っている。

それでもウクライナではそれが行われ、西側に好意的と見なされていたヴィクトル・ユシチェンコ氏が大統領となった。良いだろう。それでもロシアは彼と関係を築こうとした。

彼が西側びいきだと言うならそうあるがいい。それでも構わない。彼は彼の仕事をすれば良い。

だが結局ウクライナで物事は上手く行かず、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ氏は結局大統領になることになった。

親EUのユシチェンコ政権は結局支持を失い、ヤヌコーヴィチ氏はその次の選挙で大統領に当選し2010年に大統領となる。

マイダン革命

だがこのヤヌコーヴィチ大統領は2014年にクーデターによってウクライナを追い出されることになる。マイダン革命である。

2014年、親EU派の反政府武装グループが議会を包囲した。ヤヌコーヴィチ氏はこのクーデターで追放されるのだが、その時にアメリカとロシアの間でやり取りがあったようだ。

プーチン氏は当時のことを次のように説明している。

アメリカはわれわれに、ヤヌコーヴィチ氏を落ち着かせろ、われわれは対立派閥を落ち着かせる、と言った。

われわれは了承した。アメリカはヤヌコーヴィチ大統領が軍も警察も動かさないことを要求した。だが対立派閥を支持した武装勢力はキエフでクーデターを行なった。

結局ヤヌコーヴィチ氏は違法に追い出された。アメリカとEUはこの違法なクーデターを支持していた。

これはでっち上げではない。大半の日本人は知らないだろうが、2015年にアメリカのオバマ大統領が、このウクライナのクーデターにアメリカが関与していたことを認めている。

それだけではない。当時、アメリカの外交官であるヴィクトリア・ヌーランド氏が、革命後のウクライナの政権を誰が担うべきかについて議論し、ウクライナへの介入に二の足を踏んでいたEUに対して「Fuck the EU」と言い放った通話音声がYoutubeにリークされている。

つまり、この2014年のクーデターにおいてウクライナの政権はアメリカによってアメリカの意向で置き換えられたのである。ここからウクライナ政府は実質的にアメリカの傀儡となってゆく。タリバンが戻る前のアフガニスタン政権と同じである。

タリバンのアフガニスタン早期制圧に見るアメリカの帝国主義
実際、当時オバマ政権の副大統領だったバイデン氏は、ウクライナへの補助金の蛇口を開けたり閉じたりすることによってウクライナの政治家を自分の好きなように使っていたのである。

2016年に解任されたウクライナの検事総長が次のように語っている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
わたしの解任はポロシェンコ大統領の要求に従い辞表を提出した形で行われた。ポロシェンコがわたしに辞任を頼んだのは、アメリカ政府の特にジョー・バイデンによる圧力のためだった。

当時バイデンは副大統領で、わたしを解任するまでウクライナへの10億ドルの補助金は渡さないと脅していた。

わたしが解任された本当の理由は、わたしがジョー・バイデンの息子であるハンター・バイデンが取締役を勤めていた天然ガス企業であるブリスマ社に対する広範囲な汚職捜査を行なっていたからだ。

ロシアのクリミア編入

さて、このマイダン革命からロシアはウクライナに軍事介入してゆくことになる。ロシア人が半分以上を占めるクリミアをアメリカの傀儡となったウクライナ政府が支配することを許容できなかったプーチン氏は、クリミアに軍を送りクリミアをロシアに編入した。

プーチン氏はマイダン革命とアメリカの振る舞いについて次のように言っている。

これは一体何なのだろう? 彼らは何様のつもりなのか。当時、それをアメリカの政権に聞きたいと思っていた。

何故このようにならなければならなかったのか? すべての目的は合法なやり方で、犠牲者も軍事行動もウクライナがクリミアを失うこともなく達成できたはずだ。マイダン革命がなければわれわれはクリミアに指を触れることさえ考えなかった。

何故ならば、ロシアはソ連が崩壊したときにソ連構成国の国境は変わらないということに同意していたからだ。だがわれわれはNATOの拡大には同意していなかったし、何よりウクライナがNATOに加盟することには合意していなかったし、われわれと対話することもなくウクライナにNATOの基地が出来ることに合意などしていなかった。

プーチン氏の言っているのは、ベルリンの壁が崩壊した時に西側と行なった口約束の話である。東西ドイツは東ドイツが西ドイツに吸収される形で統一されたが、ロシアと西側諸国の間では、ロシアがこれを受け入れる代わりにNATOはこれ以上東側に勢力を広げないという口約束が行われていた。

だが誰もが知っての通り、NATOはその後も拡大を続け、遂にはロシアの国境沿いまで迫り、アメリカの傀儡となったウクライナの政治家たちがNATOに加入して対ロシア用の軍をそこに置くことを話し合っている。

プーチン氏はこれらの経緯について次のように述べている。

われわれはNATOが東側に1インチも拡大しないということを約束されていた。だがどうなったか? 「それは契約書に書かれたことではない、だからNATOは拡大できる」と彼らは言い放った。

そして今やロシアの国境まで迫っている。この状況を理解しているアメリカ人もいる。投資家のジム・ロジャーズ氏は、例えばロシアがアメリカの南側にあるメキシコに介入して反米を煽ったらアメリカはどう思うか考えてみろと言っていた。

ジム・ロジャーズ氏: 米国のウクライナ支援はロシアが米国直下のメキシコの反米を煽るようなもの
NATO拡大からウクライナ戦争へ

NATOの拡大についてプーチン氏は次のように述べている。

われわれはもう何十年もそれを止めてくれと頼み続けてきた。

だが彼らはそれを止めない。何故か? 契約書に書かれていないからだ。

ちなみに「契約書に書かれたわけではない契約」はアメリカやヨーロッパ諸国のいつもの手段である。例えばウクライナも同じ約束をされていた。ブダペスト覚書である。

ブダペスト覚書とは、ウクライナが核兵器を放棄した時に、その代わりにウクライナに何かあった時にはアメリカなどが安全保障を提供するという内容の覚書である。

今、ウクライナはロシアに侵攻されている。何故アメリカは参戦していないのか? これが単なる覚書であって法的な書面ではないからだ。

アメリカの約束とはそういうものである。だから2022年2月にウクライナのゼレンスキー大統領はミュンヘン会議においてブダペスト覚書の放棄をほのめかした。この覚書があるよりは核兵器を持つべきだと暗に言ったのである。

それをプーチン氏はロシアに対する核兵器保有の宣言と受け取った。その数日後、ロシアはウクライナに攻め込んでいる。

結論

インタビューをしたカールソン氏はこう言っている。

プーチン氏がこのインタビューで言うことに同意してほしいわけではない。だがこのインタビューを少なくとも視聴してほしい。

あなたは出来るだけ多くのことを知るべきだ。そして奴隷ではない自由な国民として、自分の頭で結論を決めてほしい。

少なくともオレンジ革命もマイダン革命もブダペスト覚書も知らずにウクライナ情勢について意見を持つようなことは止めるべきだろう。自分が何も知らないことについて他人がメディアで流した結論を持っているとき、あなたは洗脳されているのである。

ウクライナ情勢について自分で考えるとき、その結論は日本を含む西側メディアの報じていることとはかなり異なるものになるだろう。

結果としてアメリカでは共和党支持者はウクライナへの支援をもはや支持していない。アメリカにとって大義もなければ軍需産業以外のアメリカ市民に何のメリットもないと気付き始めているからである。

一方でパレスチナ情勢はもっと簡単だ。この状況でイスラエルを良く見せようとする西側の政治家の努力はほとんど無理筋である。

ハマス・イスラエル戦争でメッキが剥がれかけている欧米諸国のメディア戦略

世界は、アメリカ国民でさえも、欧米のメディア戦略に白い目を向け始めている。日本人はまだ気付かないのだろうか。日本人は世界大戦に遅れてやって来てすべての罪をなすりつけられた時のように、また泥舟に最後まで乗り続けるのだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44288

プーチン大統領: ノルドストリームを爆破したのはタッカー・カールソン氏
2024年2月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44388

引き続き、元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏によるロシアのウラジミール・プーチン大統領のインタビューである。

今回はロシアから欧州に天然ガスを供給するパイプラインであるノルドストリームが爆破された件について語っている部分を取り上げたい。

ノルドストリームの爆破

ノルドストリームはロシアからバルト海を通ってドイツまでを繋ぐ天然ガスパイプラインで、ロシアが欧州に天然ガスを供給する主要な手段の1つだった。だが2022年9月にこれが何者かによって爆破された。

1年半ほど経つが犯人はまだ確定しておらず、様々な説が囁かれている。カールソン氏はインタビューでこの話を取り上げ、誰がノルド・ストリームを爆破したのかとプーチン大統領に聞いている。

プーチン氏はカールソン氏にこう答えている。

もちろんあなただ。

カールソン氏は笑いながらこう返している。

あの日は予定があって忙しかったのです。

誰がノルドストリームを爆破したのか

パイプラインの爆破については西側の政治家から最初にロシアを非難する声が上がった。欧州への天然ガス供給を止めるためにロシアがパイプラインを爆破したのだという理屈であり、ウクライナは明確にロシアの犯行と断定し非難、アメリカやドイツもロシアの責任を示唆した。

欧米メディアでは当初さもそれが正しいかのように報じられていたと記憶しているのだが、今では欧米でもその説はほとんど信じられていない。何故ならば、まず第一にノルドストリームはロシアの国営企業ガスプロムの所有資産であり、ロシア犯人説が正しければロシアは自分の資産を自分で爆破したことになる。

次に、ロシアが欧州への天然ガス供給を止めたければ単に蛇口を締めれば良いのであって、自分の資産を爆破する理由がない。実際、爆破時点ではガス供給は止まっていたのであって、ウクライナなどが主張した犯行動機は意味を為さないのである。

では誰が爆破したのか。欧米メディアでその後報じられた説は2つある。1つはピューリッツァー賞受賞のアメリカのジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏のアメリカ犯行説であり、ハーシュ氏はバイデン大統領の国家安全保障チームがCIAなどと協議してノルドストリームを爆破したと主張している。

もう1つはニューヨークタイムズやワシントンポストが報じたウクライナ説であり、ワシントンポストは爆破に関わったとされるウクライナ軍の大佐の名前を名指しで指摘している。ウクライナはその報道を「ロシアのプロパガンダ」として否定している。ワシントンポストはロシアのプロパガンダであるらしい。

プーチン氏の見解

では当事国であるロシアのプーチン氏はどう考えているのか。彼はカールソン氏を犯人とした冗談のあと次のように言っている。

あなた個人にはアリバイがあるかもしれないが、CIAにはそうしたアリバイはない。

プーチン氏はウクライナ説ではなくハーシュ氏のアメリカ説を信じているようだ。

プーチン氏は続けて理由について次のように説明している。

こうした事例では誰が得をするのかを考えるのが普通だ。だがノルドストリームの件では利害だけではなく、誰に可能だったのかを考えるべきだ。それで得をする人々は数多いだろうが、その誰もがバルト海の海底まで潜って爆破を行えるわけではない。

誰が得をし、誰に可能だったのか。この2つを繋げる必要がある。

もう1人の被害者

さて、利害ということを言うならば、資産を爆破されたロシアの他に被害者はもう1つ考えられる。ウクライナを除くヨーロッパである。

天然ガスを売るためのパイプラインを爆破されて困るのは売り手であるロシアと買い手である欧州である。実際、ヨーロッパはロシア産の天然ガス輸入がなくなったことでエネルギー危機に突入、ドイツの政治家などはガスの節約のため、国民に毎日風呂に入る必要はないのではないかと提案をした。

ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
だがドイツはガス供給の手段がなくなったことに文句を言っていない。ウクライナのためならばドイツの政治家は黙るのである。代わりにドイツ国民は風呂にも満足に入れなくなった。

日本も同じであり、対ロシア制裁によって変わったことと言えば、ロシアのエネルギー資源の売値よりも日本やドイツなどの買値の方である。

制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される
ロシアは別の国に売る選択肢がある。だが日本やドイツはロシアから買えなくなったのでより高い買値を受け入れるほかなくなった。アメリカ主導の制裁に参加した国が制裁の一番の被害者となっている。

プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
ドイツの政治家は何故国民の利害のために声を上げないのか。カールソン氏にそう聞かれてプーチン大統領はこうコメントしている。

理由は分からない。だが最近のドイツの政権は自国の利益ではなく西側全体の利害のために動いているように見える。そう考えなければ彼らの行動の理由、あるいは行動しない理由を論理的に考えることは出来ない。

ウクライナと自分の裏金のためならば金を出すが、国民からは搾取する何処かの政党と似ているではないか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44388

48. 中川隆[-11595] koaQ7Jey 2024年2月15日 06:49:40 : 960Uqy8Mcb : SXlRMlhwR2lSVVE=[2] 報告
【そうきチャンネル】プーチン・インタビューの衝撃@・ネオコン対タッカー・カールソン 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
渡辺惣樹 2024/02/14
https://www.youtube.com/watch?v=EihcEADz2LI
49. 中川隆[-11592] koaQ7Jey 2024年2月15日 07:05:53 : 960Uqy8Mcb : SXlRMlhwR2lSVVE=[5] 報告
米国で反ネオコンのFoxニュースのタッカー・カールソンが解雇に
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107548
50. 中川隆[-11552] koaQ7Jey 2024年2月18日 18:01:29 : 8HnbNqZgy2 : S1lqbnI2VWdoU2c=[8] 報告
【そうきチャンネル】プーチン・インタビューの衝撃A・穏やかな喋りの真意 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
2024/02/18
https://www.youtube.com/watch?v=lWb8N04VyCw
51. 中川隆[-11498] koaQ7Jey 2024年2月23日 12:10:08 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[22] 報告
<△26行くらい>
毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882

玉砕を覚悟したプーチン大統領が弾くソ連軍歌『カチューシャ』
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003159

ペテルブルク大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14015915

プーチン大統領は神の申し子
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html

プーチン大統領
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/809.html

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の「的」として使われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048884

52. 中川隆[-11495] koaQ7Jey 2024年2月23日 14:06:39 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[25] 報告
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説!タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc
53. 中川隆[-11493] koaQ7Jey 2024年2月23日 14:27:51 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[27] 報告
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi

54. 中川隆[-11490] koaQ7Jey 2024年2月23日 16:44:17 : mgjo1FSvBc : SnRXbnZ2OVQvUUE=[30] 報告
プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


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ウクライナはロシアではない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16827873

スキマにイストリヤ 私が生まれ育った「ウクライナ」とはどんな国なのかご紹介します!
https://www.youtube.com/playlist?list=PL5aGzPS3WGqAxZTTgLeyPe0EOHJOljT3x

55. 中川隆[-11479] koaQ7Jey 2024年2月25日 21:26:47 : ErGf6HbXqu : WjBhL09IVFJJR00=[6] 報告
川口マーン惠美×福井義高01◆タッカーカールソンのプーチン大統領インタビューを優しく解説
2024/02/20
https://www.youtube.com/watch?v=-bNVSgBiTg0

2024年2月6日にクレムリンで行われたプーチン大統領の2時間にわたるロングインタビュー。聞き手はアメリカの保守派政治コメンテーターで、FOXニュースなどで番組を持つタッカー・カールソン氏。
世界中で10億再生以上されているというこの動画について、誰かと語り合いたいという人も多いのではないでしょうか。
ロシア語にも精通するという福井義高先生と、ドイツの政治情勢に詳しい川口マーン惠美先生に、噂の「プーチンインタビュー」について伺ってみました!

56. 中川隆[-11476] koaQ7Jey 2024年2月25日 22:52:56 : ErGf6HbXqu : WjBhL09IVFJJR00=[9] 報告
プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k
57. 中川隆[-11468] koaQ7Jey 2024年2月26日 21:00:29 : pbgdrviH3o : YTJtc21vWjc5cm8=[7] 報告
<▽31行くらい>
朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:
【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


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ナワリヌイ暗殺か─「最大の敵」抹殺もプーチンに待ち受ける暗い未来...【朝香豊の日本再興チャンネル】
2024/02/17
https://www.youtube.com/watch?v=0G_SYnC03Ac

毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882


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朝香豊 - YouTube
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58. 中川隆[-11452] koaQ7Jey 2024年2月28日 11:56:26 : gzV41Zk8zs : d01sMGl1RkNGcGM=[9] 報告
<■60行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.02.28XML
ナチスに協力していたウクライナの民族主義者は大戦後、米英情報機関が育成
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/

 ウクライナの現体制はアメリカやイギリスの支配層を後ろ盾にしているが、体制を維持する仕組みを支えているのはステパン・バンデラを信奉するネオ・ナチにほかならない。ウクライナに限らず、第2次世界大戦後にネオ・ナチを保護、育成してきたのはアメリカやイギリスの情報機関だ。

 バンデラは第2次世界大戦の前に組織されたOUN(ウクライナ民族主義者機構)の幹部だった人物。当初、この組織を率いていたのはイェブヘーン・コノバーレツィだが、1938年5月に暗殺された後、内部対立が激しくなる。

 1941年3月にその対立は頂点に達し、アンドレイ・メルニクを中心とするグループ(OUN-M)とバンデラを中心とするグループ(OUN-B)に割れた。ドイツはOUN-Bに資金を提供、バンデラの側近だったミコラ・レベジはクラクフにあったゲシュタポ(国家秘密警察)の訓練学校へ入っている。この年の6月、ドイツはソ連へ軍事侵攻を開始した。バルバロッサ作戦だ。その一方、イギリスの情報機関MI6のフィンランド支局長だったハリー・カーはバンデラ派を雇っている。

 ウクライナのリビウを制圧したドイツ軍はOUNのような排他的なナショナリストとユダヤ人を虐殺しはじめ、6月30日から7月2日にかけて犠牲になった人の数は4000名から8000名だと推測されている。ウクライナ西部全体に拡大すると、7月に殺されたユダヤ人の数は3万8000名から3万9000名に達するという。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 レベジと同じようにバンデラの側近だったヤロスラフ・ステツコは仲間とウクライナの独立を宣言、ナチスの親衛隊は7月からOUN-Bのメンバーを次々に逮捕していくのだが、活動が止まったわけではない。8月にレベジたちはOUN-Mの幹部ふたりを射殺している。9月になるとゲシュタポがウクライナのナショナリストを摘発し始め、その年の12月にOUN-Bは1500名のメンバーが逮捕されたと発表している。(Grzegorz Rossolinski-Liebe, “Stepan Bandera,” ibidem-Verlag, 2014)

 1943年1月にドイツ軍はスターリングラードで降伏、ドイツの敗北は決定的になった。その年の春にOUN-BはUPA(ウクライナ反乱軍)として活動し始め、その年の11月には「反ボルシェビキ戦線」を設立。OUNやUPAの幹部のうち半数近くがウクライナの地方警察やナチスの親衛隊、あるいはドイツを後ろ盾とする機関に雇われていたと考えられている。(前掲書)

 UPAはユダヤ人やポーランド人を虐殺しているが、その際、妊婦の腹を引き裂いて胎児や内蔵を取り出すようなこともしている。脅しのために灌木に引っかけるといったことをしたという。1943年から45年の間にOUN-BとUPAが殺したポーランド人は7万人から10万人と言われている(前掲書)

 1945年5月にドイツが降伏した後、OUN-Bの少なからぬメンバーはオーストリアのインスブルックへ逃げ込み、夏になるとバンデラたちはドイツの情報法機関を統轄することになるラインハルト・ゲーレンの機関に匿われていく。

 ゲーレンはドイツ陸軍参謀本部第12課(情報部門)の課長を務めていた軍人で、ドイツの敗北が決定的になっていた1944年にOSSのフランク・ウィズナーを介してアレン・ダレスのグループと接触、ソ連に関する情報を持っていたゲーレンにダレスは興味を持った。そのゲーレンに雇われたバンデラがCIAの指揮下に入るのは必然だ。

 OUN-Bが組織した反ボルシェビキ戦線は1946年4月にABN(反ボルシェビキ国家連合)へと発展、APACL(アジア人民反共連盟、後にアジア太平洋反共連盟に改名)とともにWACL(世界反共連盟。1991年にWLFD/世界自由民主主義連盟へ名称変更)の母体になった。WACLはCIAが秘密工作を行う際の道具として機能している。WACL/WLFDの役割は小さくなったが、ウクライナで実権を握っているネオ・ナチは対ロシア戦争の最前線にいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402280001/

59. 中川隆[-11403] koaQ7Jey 2024年3月04日 05:44:12 : OJ9Ub1EJCA : TzFyN0V6NHhZYW8=[3] 報告
<■50行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ロシアがウクライナ人やポーランド人からあそこまで憎まれている理由

ウクライナとロシアの100年の歴史。真実を知って欲しい。- YouTube
クリススタイルチャンネル 2022/04/14
https://www.youtube.com/watch?v=OXG-CTIPY7g

なぜロシアはウクライナに侵攻しましたか?なぜウクライナ人は逃げないのですか?なぜ降伏しないのですか?ロシアのウクライナ侵攻について色々な質問が上がっていますがウクライナとロシアの100年の歴史を知ってたらほとんどの質問に答えが出ます。皆様に真実を知って欲しいので、特別な動画を作りました。できるだけ多くの日本人に知って欲しいのでSNSで広めて頂ければ幸いです。


クリススタイルチャンネル ウクライナ侵攻 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLS5FwsmTs1-W1SaW4rf5L1Y9Ir9yXaoyp


プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:

【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi


プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」 を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

ウクライナはロシアではない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16827873

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の 「的」として使われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048884

毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882

60. 中川隆[-11393] koaQ7Jey 2024年3月05日 06:12:55 : l07nMDTLIQ : a3prWXV0c3FibnM=[1] 報告
<■79行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.03.05XML
ウクライナやガザの問題にも関係していたジェイコブ・ロスチャイルドが死亡
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/

 ジェイコブ・ロスチャイルドが87歳で死亡したと2月26日に発表された。家族によると、ユダヤ教の慣習に従って埋葬されるという。

 ビクター・ロスチャイルドとバーバラ・ハッチンソンの子どもとして1936年4月に生まれた彼はイートン・カレッジを経てオックスフォード大学へ進み、歴史を学んだ。

 1963年からNMロスチャイルドで働き始めるが、投資信託のロスチャイルド・インベストメント・トラスト(その後、RITキャピタル・パートナーズ)の経営権を独立させ、1980年から活動の拠点にしている。彼がファミリー・ビジネスから離れた理由はエベリン・ロバート・ド・ロスチャイルドと経営上の対立が生じたからだという。

 RITキャピタル・パートナーズは2012年5月にロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズの発行済み株式のうち37%を取得した。ジェイコブ・ロスチャイルドはデイビッド・ロックフェラーと手を組んだのだ。

 ジェイコブは2006年に倒産したロシアの石油会社ユーコスを所有していたミハイル・ホドルコフスキーの代理人を務めていたことでも知られている。

 ホドルコフスキーは1963年6月、ユダヤ教徒の父親とロシア正教との母親との間に生まれ、ソ連時代に彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者を務めていた。

 ソ連時代の1989年、ホドルコフスキーはリチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。ミハイル・ゴルバチョフが始めたペレストロイカ(改革)のおかげなのだろう。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。

 このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。(Mark Ames, “Russia’s Ruling Robbers”, Consortium news, March 11, 1999)

 ソ連は1991年12月に消滅、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになる。ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任した。

 ホドルコフスキーは1995年にユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ユーコスは西側から資金を調達していたが、投資会社のカーライル・グループも調達源のひとつ。この投資会社にはジェームズ・ベイカー元米国務長官をはじめ、フランク・カールッチ元米国防長官、ジョン・メジャー元英首相、ジョージ・H・W・ブッシュなどが幹部として名を連ねていた。

 その一方、彼はジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ財団」をモデルにした「オープン・ロシア財団」を2002年にアメリカで創設、その際にホドルコフスキーとロスチャイルドはこのプロジェクトに共同で資金を提供している。ホドルコフスキーはヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルドを雇い入れている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしていたが、ウラジミル・プーチンに阻止された。プーチンの動きが少しでも遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、少なからぬオリガルヒはロシアからイギリスのロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕された。当時『サンデー・タイムズ』紙が報じたところによると、ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は、先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡っている。

 ウクライナでビクトル・ヤヌコビッチ政権がアメリカ政府主導のクーデターで倒された後、同国の経済は破綻し、国債の価格は下落する。フランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買い占めていたが、このファンドを操っているのはロスチャイルド家だと伝えられている。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが西側支配層のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 イスラエルとの関係が深いジェイコブは中東でも暗躍、2010年にはジーニー・エナジーの株式5%を取得している。この企業はゴラン高原一帯の独占石油採掘権を獲得したIDTコーポレーションの子会社で、取締役にはメディア王ルパート・マードック、ディック・チェイニー元米副大統領、ジェームズ・ウールジー元CIA長官、ヘッジファンド・マネージャーのマイケル・スタインハート、そしてロスチャイルド自身が名を連ねている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403050000/

61. 中川隆[-11240] koaQ7Jey 2024年3月19日 06:32:31 : ES7FY3FS4U : TTBTWEs0RnlDR0U=[7] 報告
プーチン「圧勝」で名実ともにスターリン超え【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/03/18
https://www.youtube.com/watch?v=1LxBKtY61-8
62. 中川隆[-11206] koaQ7Jey 2024年3月21日 22:28:54 : tfaGy4WHNQ : VHJjN283Q00yQ2c=[20] 報告
ロシアからのニュース!プーチンの支持が9割?その半分は偽物?
あしや
2024/03/20
https://www.youtube.com/watch?v=O_Fsbxvcpo4
63. 中川隆[-11201] koaQ7Jey 2024年3月22日 10:24:25 : oilRQF5uTM : SFNKdWRQNEN0S0E=[4] 報告
矢野義昭 超大物(岸田総理の上の上)に重大な動きアリ! いったい何が始まるのですか・・・・・
https://www.youtube.com/watch?v=9XIGo0V5abo&t=613s

【矢野義昭先生】世界の多極化と日本 グローバリズムの行方 ニコニコ同時配信(全編はニコニコで)2024.03.11.
https://www.youtube.com/watch?v=qXlYp8119Uw

64. 中川隆[-11179] koaQ7Jey 2024年3月23日 20:15:32 : FaIJUUkrtw : YVRLdUtqb0xCN2s=[9] 報告
「ビクトリア・ヌーランド退任の衝撃ー決定的となったウクライナの敗北と破綻したグローバリズム」矢野義昭 AJER2024.3.22
https://www.youtube.com/watch?v=m8O27__ROOk
65. 中川隆[-11041] koaQ7Jey 2024年4月01日 11:22:33 : hEM9sFQcF7 : aVIxQlhIVDJFT2c=[4] 報告
クリントン政権がエリツイン時代のロシアでやった事

伊藤貫【真剣な雑談】 第17回「アメリカ外交の巨悪と中東の絶望!!!」[桜R6/3/30]
https://www.youtube.com/watch?v=fTXHt0irDKE

特番『伊藤貫先生登場!その1  〜 アメリカ政治の混乱、民主主義という政治イデオロギーの欠陥〜』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2024/03/30
https://www.youtube.com/watch?v=QUPANdUBvUA

特番『伊藤貫先生登場! その2 〜冷戦後のアメリカ軍事外交政策の大失敗、今後の国際政治構造の変化〜』ゲスト:国際政治アナリスト 伊藤貫氏
2024/03/31
https://www.youtube.com/watch?v=Kh8-JFSx7So

66. 中川隆[-10974] koaQ7Jey 2024年4月08日 08:09:22 : E1qA2NTIvo : STVXeVExR1B5aTY=[5] 報告
【プーチンの歴史観?】ヒトラー亡き今も、ロシア人を滅ぼうそうとする「ナチズム」は生き続けている
調査報道 河添恵子TV / 公式チャンネル
※本動画は、2024年2月22日収録 『国際情報アナライズ』3月号の内容です。
https://www.youtube.com/watch?v=5JXcJgjywf0
67. 中川隆[-10744] koaQ7Jey 2024年5月03日 07:45:05 : guAr2dz0gs : WnRKSzE5Zk5rYkU=[3] 報告
<■109行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ゴールデンウィーク特番『ウクライナ戦争、継続派 VS 停戦派、いったいどちらが正しいのか』ゲスト:著作家 宇山卓栄氏
2024/05/02
https://www.youtube.com/watch?v=EpdNxYQ-D0A


70年代に登場してから現在まで対ソ連/ロシア戦争を続けるネオコンの背景
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14047374

ウクライナのゼレンスキー大統領はイギリスの対外情報機関MI-6の命令で動いていた
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14132864

ロシアを滅ぼそうとしているジョージ・ソロスの正体
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006933

ウクライナの親衛隊はネオ・ナチ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007512

ウクライナはナチズムに支配された国になりつつある。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14015856

ウクライナ紛争のその後
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006081

ウクライナ軍が勝つというのは欧米の大本営発表だった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14011568

西側の有力メディアは自分たちが支援するネオナチの残虐行為を隠すため大宣伝
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004783

マリウポリで人質になっていた住民が解放され、偽情報を流していた人権担当解任
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007790

ロシアがウクライナ人やポーランド人からあそこまで憎まれている理由

ウクライナとロシアの100年の歴史。真実を知って欲しい。- YouTube
クリススタイルチャンネル 2022/04/14
https://www.youtube.com/watch?v=OXG-CTIPY7g

なぜロシアはウクライナに侵攻しましたか?なぜウクライナ人は逃げないのですか?なぜ降伏しないのですか?ロシアのウクライナ侵攻について色々な質問が上がっていますがウクライナとロシアの100年の歴史を知ってたらほとんどの質問に答えが出ます。皆様に真実を知って欲しいので、特別な動画を作りました。できるだけ多くの日本人に知って欲しいのでSNSで広めて頂ければ幸いです。


クリススタイルチャンネル ウクライナ侵攻 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLS5FwsmTs1-W1SaW4rf5L1Y9Ir9yXaoyp


プーチン大統領のウクライナとロシアの歴史的関係についての話には悪質な嘘が多い:

【ゲスト:宇山卓栄先生】解説! タッカーカールソンによるプーチンインタビュー 2024.02.21.
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/watch?v=ZDtC5h1BdMc


プーチン大統領xタッカーカールソン インタビュー関連 - YouTube
Lizzy channel (愛国女子見習い)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLJDF9ZFIrooq7-ZHFPTbimpTyvTBmdrXi


プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本の「保守」 を論破します─タッカー・カールソンとの対談【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル
2024/02/22
https://www.youtube.com/watch?v=nwZR4GePA1k

朝香豊 _ プーチンのデタラメ歴史観に騙される日本 の「保守」を論破します
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841387

ウクライナはロシアではない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16827873

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の 「的」として使われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048884

毒を盛られた? ナワリヌイ氏やっぱり恐るべしプーチンロシア
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840882

玉砕を覚悟したプーチン大統領が弾くソ連軍歌『カチューシャ』
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003159

ペテルブルク大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14015915

プーチン大統領は神の申し子
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/297.html

プーチン大統領
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/809.html

プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html

ロシアの生活はモスクワと田舎で大差、少数民族は月収3万円程度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16826015

ロシアの一般庶民の生活レベルはどんな感じ?都市と地方で格差はあるのか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14100882

8年間日本に住んだ後ロシアに止むを得ず帰国:このご時世でロシアの生活は?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14101119

68. 中川隆[-10012] koaQ7Jey 2024年6月29日 11:05:13 : bot9dbbFBs : b1BoTXVpeXhGZ0E=[12] 報告
あなたは大統領が国歌を歌うのを見たことがありますか?〜 プーチン大統領 ー Putin Sings Russian National Anthem (日本語字幕)
https://www.youtube.com/watch?v=k6xn3iP-IZs

ロシアとウクライナの緊張が高まる中、欧米、そして日本のメディアでもプーチン大統領は諸悪の根源のような報道になっていますが、本当にメディアの報じるような人物なのでしょうか。
この動画は2018年3月、平昌オリンピックに参加した選手たちを迎えたモスクワでのイベントの様子の一部です。
(2018年2月、平昌オリンピックでは、ロシアのドーピング問題で、個人資格で参加したロシア選手たち(OAR)は国旗掲揚や国歌斉唱を禁じられていました。アイスホッケー男子で優勝したロシアチームがメダルの授与式で、音楽なしで禁止された国歌を歌ったことが違反行為とみなされ問題視されました。のちにIOCは不問としました。)

69. 中川隆[-10008] koaQ7Jey 2024年6月30日 01:54:27 : E3MZF76uNE : MjVhLjd5YjI1cDI=[2] 報告
<■78行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.06.30XML
日本はウクライナと同様に破滅へ向かうのか、主権を取り戻して存続できるのか
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406300000/

 ロシアの天然ガス会社、ガスプロムのアレクセイ・ミレルCEOは6月28日、サハリン島沖の天然ガスを極東ルートを利用して2027年から中国へ供給しはじめる予定だと述べた。同社が2022年2月に調印した極東ルートに関する契約によると、25年間にわたり、少なくとも年間100億立方メートル(10bcm)の天然ガスを中国へ供給することを想定している。

 すでにロシアは「シベリアの力」パイプラインを2019年12月に完成させ、天然ガスの供給を始めた。このパイプラインは来年にフル稼働する予定で、そうなると年間38bcmに達する。ロシアと中国は「シベリアの力2」と知られているパイプラインの建設でも話し合いが進められていて、合意が近いとされている。

 シベリアの力2はロシア北部のヤマル地方からモンゴルを経由して中国へ年間最大50bcmの天然ガスを輸送する。こうしたパイプラインが全て完全に稼働すれば、ロシアから中国へのガス供給量は年間100bcm近くに達する可能性がある。

 中国は天然ガスや石油を中東から運ぶ場合、軍事的な緊張が高い中東を出港してからアラビア海、アメリカ軍が支配するインド洋を経由して難所のマラッカ海峡を通過、アメリカや日本が締め付けを厳しくしている南シナ海へ入らなければならない。ロシアから運ぶ場合に比べて輸送距離が短いだけでなく、危険性が低い。

 中東やアメリカで生産されるエネルギー資源のコストが高いことは日本に対しても言える。そこでサハリンにLNG(液化天然ガス)や石油を生産するプラントの「サハリン1」と「サハリン2」を建設した。ソ連が消滅、アメリカに従属していたボリス・エリツィン大統領の時代に西側は何も心配する必要がなかった。ウラジミル・プーチン政権がそうした状況を変えたのである。

 エリツィン時代、ロシアには西側資本の手先になっていた複数のオリガルヒが存在していた。例えばミハイル・ホドルコフスキー、アレックス・コナニヒン、ロマン・アブラモビッチ、ボリス・ベレゾフスキーたちである。ソ連が消滅した1991年当時、ベレゾフスキーは45歳だが、その他は25歳から28歳と若い。彼らの背後に黒幕が存在していることは明白だった。

 そのひとり、​ホドルコフスキーはソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた​。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性が高い。このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。

 ソ連が1991年12月に消滅し、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになると、ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任。彼は1995年にユーコスなる石油会社を買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたが、プーチンに阻止された。プーチンの動きが遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、少なからぬオリガルヒはロシアからロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕されている。ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていた。

 ​ホドルコフスキーが彼とジェイコブ・ロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開された​。その中でモスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったと明らかにしている。ロスチャイルドはロシアのあらゆる富を奪うつもりだったのだろうが、その中には穀物、鉱物資源、そして石油や天然ガスが含まれている。

 ロシアでは西側資本に盗まれた富を取り戻すように求める声もあるようだが、プーチンはそこまで踏み込んでいない。西側の支配層がソ連を憎んでいた理由はイデオロギーにあるとプーチンは信じていたからだと推測する人もいる。

 しかし、それでも西側による略奪を止めたプーチンをロスチャイルド金融資本は許せなかった。西側資本がソ連を憎んだ理由もクレムリンが西側による略奪を許さなかったからであり、ロスチャイルドが拠点にしているイギリス、フランス、そしてアメリカの支配システムがロシアに対して敵意をむき出しにしている理由はここにあると考えられている。

 プーチンは現在、中国と手を組み、金融資本による「一極支配」を終われせようとしている。その支配システムが19世紀に計画されたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406300000/

70. 中川隆[-9951] koaQ7Jey 2024年7月04日 04:31:35 : Pgcis8pVBk : d1hxNkdqTXN0RUU=[1] 報告
<■95行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.07.04XML
戦争の相手がアメリカだということを認めたロシア政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407040000/

 ウクライナ軍はクラスター爆弾を搭載したATACMS(陸軍戦術ミサイル・システム)で6月23日、クリミアのセバストポリ近郊の海岸を攻撃した。使われたミサイルは5機で、そのうち4機は途中で無力化されたものの、残りの1機が浜辺の空中でクラスター弾頭を爆発させ、2名の子どもを含む4名が死亡、150名以上が負傷した。

 これまでもATACMSをウクライナ軍は攻撃に使ってきたが、このミサイルは複数の慣性航法ユニットをソフトウェアで組み合わせて使用しているため、ロシアのECM(電子対抗手段)でGPSを利用したシステムが機能しなくなっても目標に到達しやすい。それでも、ロシア軍の別の防空システムによって大半は撃墜されているようだ。

 このミサイルを目標へ到達させるためのオペレーターはミサイルを供給した国が派遣し、偵察衛星からの情報も必要だという。つまり、ミサイルの発射場所はウクライナでも、攻撃しているのはアメリカ人である可能性が高い。ロシアは攻撃の詳細を知っているようだ。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はリン・トレーシー米大使をロシア外務省へ召喚、ロシアとアメリカは平和な状態ではなくなったと伝えたと言われている。今後、ロシアはアメリカと同じように、シリア、イラン、朝鮮といった国だけでなく、ハマス、ヒズボラ、アンサール・アッラー(通称、フーシ派)へもロシア製の高性能兵器を提供する可能性が高まった。

 ラブロフの発言が強いものだったと指摘する人もいる。虐殺の責任者であるアメリカは報復されると警告しているように理解できるというのだ。アメリカと違い、ロシアは口にしたことを実行する。このメッセージを出して何もしなかった場合、プーチンやラブロフは国民から激しく非難されることになる。

 ミハイル・ゴルバチョフからウラジミル・プーチンに至るまで、ソ連やロシアの指導者はアメリカやヨーロッパを信頼できる体制だと信じていたようだ。ゴルバチョフはニコライ・ブハーリンを「別の選択肢」として研究していたグループのひとりで、西側の「民主主義」を信じ、アメリカの支配層を信頼していた。

 実権を握ったゴルバチョフはソ連の「改革」に乗り出し、打ち出したのがペレストロイカ(建て直し)だが、これを考え出したのはKGBの頭脳とされ、政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフだと言われている。(F. William Engdahl, “Manifest Destiny,” mine.Books, 2018)

 このボブコフは同僚のアレクセイ・コンドーロフと同じようにジョージ・H・W・ブッシュをはじめとするCIAのネットワークと連携していたとする情報がある。CIA人脈とKGB中枢が手を組み、ソ連を解体して資産を盗んだというのだ。このクーデターは「ハンマー作戦」と呼ばれている。私利私欲が絡んでいるかどうかはともかく、ソ連の仕組みは機能しないとKGBは考えたのだろう。

 しかし、ソ連が消滅して間もなく、西側が帝国主義体制にすぎず、信頼できない相手だということをロシア人は理解したはずだが、西側幻想を完全に払拭することのできない人もいた。そのひとりがプーチンだろう。

 しかし、西側の私的権力は約束を無視してNATOを東へ拡大させ、隣国のウクライナで2度にわたってビクトル・ヤヌコビッチ政権を転覆させた。アメリカに従属せず中立を主張する政権をネオコンは許せなかった。2004年から05年にかけて抗議活動を演出して倒したのが最初。いわゆるオレンジ革命だ。

 この革命で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは金融資本の手先で、新自由主義に基づく政策を進め、大多数の国民は貧困化した。西側の正体を知ったウクライナ人は2010年の選挙でヤヌコビッチを選ぶのだが、これをネオコンは許さない。そこで2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターを実行したのだが、ヤヌコビッチの支持基盤である東部と南部の住民はクーデター体制を拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバスでは内戦が始まったのだ。

 それでもプーチン政権は穏便な形での解決を目指したが、西側にはそうした姿勢を嘲笑する人がいた。西側を支配している米英仏の金融資本にそうしたことが通じないことを西側の人間なら知っている。

 2014年の段階では軍や治安機関の内部ではネオ・ナチ体制を拒否する人が少なくなく、一部はドンバス軍へ合流したと言われている。そこで西側はロシアと「停戦交渉」するポーズを見せ、ミンスク合意という幻影を見せた。その「交渉」で戦力を増強するために8年稼いだ。そして2022年に入るとキエフ政権はドンバス周辺に部隊を集め、砲撃を激化させ、本格的な軍事攻撃を始める兆候を見せ始めた。

 8年の間に軍事訓練を行なって兵士を育てただけでなく、兵器を供給し、偵察衛星や偵察機で収集した情報をウクライナ軍へ知らせる体制を整えていた。

 また、ドンバス周辺に要塞線を築いている。地下要塞のあったアゾフ大隊が拠点にしたマリウポリ、岩塩の採掘場があるソレダル、その中間に位置するマリーインカ、そしてアブディフカには地下要塞が建設されていたという。ドンバスで住民を虐殺、ロシア軍を要塞線の中へ誘い込み、そこで足止めさせている間にクリミアを別働隊が攻撃して制圧するという作戦だったとも言われている。ロシア軍がキエフへ迫った理由は別働隊の動きを止めることにあったと考えるべきだろう。

 その間、ロシア政府とウクライナ政府はイスラエルやトルコを仲介役として停戦交渉を進め、3月に入ることにはほぼ合意した。ロシア軍は約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えている。

 市長は虐殺の話をしていないが、ロシア軍が撤退した後に西側のメディアはロシア軍による虐殺という話を流し始める。その後の調査で、ロシア軍が撤退した後に現地へ入ったウクライナの親衛隊が住民を虐殺したと考えられている。

 停戦交渉を止めさせるため、イギリスの首相を務めていたボリス・ジョンソンは4月9日にキエフへ乗り込む。4月30日にはアメリカのナンシー・ペロシ下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。

 この後、ロシア政府は9月21日に部分的動員を発表したが、本格的な戦闘は始めない。それでもウクライナ軍は壊滅状態になり、NATOの兵器庫は空になった。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202407040000/

71. 中川隆[-9844] koaQ7Jey 2024年7月16日 01:50:00 : XokvAmjBHM : YnJCRjcwL1hBcXM=[2] 報告
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「電気ショック、性的暴行、背骨骨折」それでも自殺 ロシア起業家の凄絶な獄中死
By 太田清 2018/04/19
https://nordot.app/359504892144370785?c=899922300288598016

モスクワにあるマグニツキー弁護士の墓=2012年11月16日(AP=共同)

 ロシアの留置施設で2月、詐欺・横領の疑いで逮捕され勾留中の起業家の男性が首をつって死んでいるのが見つかった。当初は自殺として処理されたが、遺族は自殺ではなく、持病の心臓病の治療を受けられなかったための病死だと主張。しかし、実態はさらにおぞましいものだった。司法解剖の結果、男性の遺体から「電気ショックによるやけど、性的暴行、骨折した背骨、体中のナイフの切り傷」の痕跡が次々と見つかり、死因は頸部の外傷と首を絞められたことによる窒息死であることが分かったからだ。

 プーチン体制への批判を続けロシアの人権弾圧への調査報道で数々の人権・報道に関する国際賞を受け、ノーベル平和賞候補にもなった「ノーバヤ・ガゼータ」紙は事件について「男性は拷問にかけられ、死ぬ前に性的暴行を受けた」と報じた。

 ロシアでの勾留中の獄中死を巡っては、内務省当局者の巨額横領を告発した人権派弁護士マグニツキー氏が逆に逮捕され、2009年に獄中死した事件が有名で、米国では事件を受け12年、人権侵害に関与したロシア当局者への米国ビザ発給停止や資産凍結を定めた通称「マグニツキー法」が成立している。今回の起業家の凄惨な死をきっかけに、あらためてロシアの留置施設での人権問題が内外で議論を呼ぶ可能性もある。

 ▽ロシアのイーロン・マスク

 男性はロシア第2の都市、サンクトペテルブルクのワレリー・プシェニチヌイさん(56)で、同市でIT企業を起業。コンピューターによる最新の3Dモデリング技術を開発し、その革新性から、米電気自動車(EV)メーカー、テスラを起業したイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)にちなみ「ロシアのイーロン・マスク」とも呼ばれた。

 ロシア国防省と契約を結び同技術を使った潜水艦の建造・補修関連業務に携わっていたが2016年、会社の共同経営者が資金を使いこんでいるとして警察に訴えたことから運命が暗転する。逮捕された共同経営者は逆に、不正を働いているのはプシェニチヌイさんと証言。その後、警察は国防省との契約金額を不当に引き上げ、1億ルーブル(約1億7000万円)をだまし取った疑いで今年1月、プシェニチヌイさんを逮捕した。

 ▽金を払うな

 留置施設では3人の容疑者と房をともにしていたが事件が起きた2月5日、3人が弁護士との面会や取り調べのため房を離れ、戻ったところ首をつったプシェニチヌイさんが見つかった。最近になり行われた司法解剖の結果、電気湯沸かし器のコードを使ったとみられる電気ショックのやけどの痕が口内にあったほか、体中に刺し傷や裂傷が見つかった。背骨が折れており、性的暴行を受けた痕跡もあった。一部報道によると、留置施設側はなぜかその後、守衛全員のDNAを採取したが、性的暴行との関連を調べる目的で行った疑いもある。  

 留置施設側は暫定的な死因診断では自殺と断定されていると主張、今のところ司法解剖の結果を認めていない。勾留中のプシェニチヌイさんは妻ナタリヤさんにあて3回出した手紙で、いずれも「誰にも金を払うな」と警告しており、何者かに金銭の支払いを強要されたが拒否したため、拷問にかけられた可能性も指摘されている。  (共同通信=太田清)

© 一般社団法人共同通信社
https://nordot.app/359504892144370785?c=899922300288598016


72. 中川隆[-9701] koaQ7Jey 2024年7月29日 09:21:07 : H2oobfoylM : ZENzMm11VkE0NGc=[2] 報告
ロシアからのニュース7/27 海外にいるロシア人のパスポートを無効に、政治的な理由での懲役など
あしや 2024/07/27
https://www.youtube.com/watch?v=I0n-yW8eEs0


73. 中川隆[-9491] koaQ7Jey 2024年8月10日 05:08:58 : yuZkWcZiwk : MkRhbGd4WUZINGs=[4] 報告
<■70行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.08.10XML 櫻井春彦

 世界情勢は急速に悪化しています。局所的な悪化ではなく、地球規模で同時進行、世界大戦から核戦争への展開も懸念される事態だと言えるでしょう。個別の出来事に囚われていると、世界で何が起こっているのかを理解できません。本来なら全体像を明らかにする書籍を出すべきなのでしょうが、困難な状態です。ブログを利用して全体像を明らかにするしかありません。ブログの支援をよろしくお願い申し上げます。

 アメリカの好戦派は1991年12月にソ連が消滅した段階で自国が唯一の超大国になったと信じました。ロシアは落ちぶれ、自分たちの植民地になったと考えたのです。そう考えた私的権力の代表格がロスチャイルドだと言えるでしょう。

 ソ連消滅後、ボリス・エリツィン時代のロシアではオリガルヒと呼ばれる若い富豪が現れました。そのひとりがミハイル・ホドルコフスキーです。

 この人物はソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始め、ソ連消滅後にはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任、1995年にはユーコスなる石油会社を買収、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっています。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたものの、ウラジミル・プーチンに阻止されています。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 ユーコス株の支配権はホドルコフスキーからジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていますが、ホドルコフスキーが彼とジェイコブ・ロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開されました。

 ​その映像の中で、モスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったと明らかにしています​。ロスチャイルドはロシアのあらゆる富を奪うつもりだったのでしょう。その中には穀物、鉱物資源、そして石油や天然ガスが含まれています。

 ロシアを征服して解体、略奪するためにネオコンはNATOを東へ拡大させていきますが、これは新たな「バルバロッサ作戦」にほかならず、ロシアの親欧米派をも怒らせることになりますが、そうした展開になることは予想され、旧世代の「タカ派」も懸念していました。

 例えば、リチャード・ニクソンは1994年の段階でエリツィンの政治的な影響力が低下していると指摘、ロシア議会で反米機運が高まっていると警鐘を鳴らしています。そうした機運の高まりはエリツィンの後継者として反欧米の大統領候補を連れてくる可能性があるとしていましたが、実際、ウラジミル・プーチンを登場させます。

 そのほかジョージ・ケナン、ヘンリー・キッシンジャー、そしてズビグネフ・ブレジンスキーでさえネオコンの政策を危険だと警鐘を鳴らしていましたが、こうした旧世代や非ネオコンの意見を封じ込める出来事が2001年9月11日に引き起こされます。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎が攻撃されたのです。

 これで世界制覇を実現できるとネオコンは考えたのでしょうが、そうした展開にはなりません。2003年3月に始めたイラクへの先制攻撃は思惑通りにならず、2008年8月のジョージア軍による南オセチアへの奇襲攻撃もロシア軍の反撃で失敗しました。2011年春に始めたリビアとシリアに対するアル・カイダ系武装集団を使った軍事介入の場合、リビアは無法地帯と化し、シリアでは西側の傀儡軍が勝利できないことは明白です。2013年11月から14年2月にかけてウクライナではネオ・ナチを利用してクーデターを成功させたものの、東部の反クーデター派と内戦になります。

 アメリカはクーデター体制を支援するため、8年かけて戦力の増強を図り、2022年春に大規模な軍事攻勢を始める計画でしたが、その直前にロシアが軍事介入、NATOが軍事支援を強めたものの、敗北は決定的です。残る手段は核兵器だけでしょう。

 そして2023年にはイスラエルがガザで住民の大量殺戮を始めたのですが、パレスチナの武装勢力に勝つことができず、状況を悪化させてアメリカ軍の介入を誘う事態になっています。

 中東のイスラム世界ではイランやイエメンを除き、米英を後ろ盾とするイスラエルと対決しようとする政府はないようですが、反帝国主義を掲げる武装集団はイスラエルと戦う準備ができているようです。現地のアメリカ軍基地も攻撃され始めています。

 世界は歴史の転換期を迎えています。200年ぶり、人によっては500年ぶりだと言います。こうした時代にどのように生きるかを判断するためには状況を理解する必要があります。このブログが状況を理解する一助になればと願っています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202408100000/

74. 中川隆[-9201] koaQ7Jey 2024年9月04日 08:01:30 : rrSEbUDzN2 : ZjNkWEJDV0pOTW8=[8] 報告
09-04 日本に実害が生じているのにヘラヘラしている政治家は何なの?
妙佛 DEEP MAX 2024/09/04
武道家プーチンは妥協しない怖い政治家
https://www.youtube.com/watch?v=r6d2hC6WaoM
75. 中川隆[-9199] koaQ7Jey 2024年9月04日 08:55:11 : rrSEbUDzN2 : ZjNkWEJDV0pOTW8=[10] 報告
<■179行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
プーチンは反グロ−バリズム・反新自由主義とかユダヤ金融資本からの独立とかが如何に時代錯誤の考え方か良くわかっているのですね。そもそも国家の独立とかいうのは国民国家の存在を前提にした西ヨーロッパの国家間でのみ通用する考え方ですね。ロシアの未来を知るには500年前からの西ヨーロッパの歴史ではなく、ホモサピエンス誕生以降の20万年の歴史をすべて知らないといけません。

ホモサピエンスは元々 猿人、原人、ネアンデルタール人、デニソワ人をすべて絶滅させて、自分達だけが生き残ってきたのです。 ホモサピエンスが他の人類をすべて絶滅させた後は、今度はホモサピエンスの中での劣等民族絶滅の歴史が始まります。騎馬民族説で有名な民族学者の江上波夫が明らかにした遊牧民による農耕民の支配・搾取・絶滅です。

漢民族も元々は黄河に移住してきたコーカソイドで、周辺民族の男は全員殺し、女を性奴隷にして産ませた子孫が現在の漢民族です。ヨーロッパに先住していた農耕民族も4500年前に遊牧民のアーリア人によって絶滅させられました:

ヨーロッパ人の起源 ヨーロッパへの集団移動は2段階
 数千年間、狩猟採集民の小集団が暮らしていたヨーロッパ大陸に、初めて変化が起こったのは、約8000年前のこと。アナトリアから北上した農耕民が、新しい技術と生活様式をヨーロッパにもたらし、現在の定住生活の基礎を築く。考古学者の間では、この出来事を「新石器革命」と呼んでいる。

 その数千年後に、再び外からヨーロッパ大陸に人類の大移動があったことを決定づけたのは、ある2つの集団のDNAに多くの共通性が見られたため。1つは黒海の北岸で見つかった5000年前の人骨で、考古学で「ヤムナ」と呼ばれる集団に属するものだった。もう1つは、約4500年前に現在のドイツ中部ライプチヒ近郊で葬られた4人の人骨だ。こちらは「コーデッドウェア文化」に属する人々だった。

 ヤムナ文化に属する集団と、コーデッドウェア文化に属する集団の間には、500年の開きがある。さらに地理的にも1600キロは離れている。それにもかかわらず、両者は判明できた部分で75%(おそらくは100%)共通の祖先をもつと考えられたのだ。論文の著者の1人で米ハートウィック大学の考古学者デビッド・アンソニー氏は、「両集団の間には、直接の遺伝的関連がみられる」と話す。「控えめに言っても、近い親類だということです」

 そして、着目すべきは、コーデッドウェア文化に属する人のDNAが、それより数千年前の現在のドイツにあたる地域に暮らしていた農耕民のDNAと共通性が認められなかったことのほうだろう。つまり、これは過去に「侵略」と言ってもいいほど劇的なヨーロッパへの流入があったことを示す証拠だ。「集団が丸ごと入れ替わったと言っても過言ではない出来事だったのではないでしょうか」とラザリディス氏は考えている。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150305/438058/

▲△▽▼

大航海時代にはオーストラリア原住民・南米インディオ等の劣等種族は簡単に絶滅させられました。

アングロサクソンの文化
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007474

氷河時代以降、殆どの劣等民族は皆殺しにされ絶滅した。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14008921


RK: 彼らのやり方は、少数によって大多数の人々を管理して富を独占する。
  そのやり口を見ていると、まるで人間を家畜と考えていて、
  ある意味非常に効率的に管理支配していますね。

BEN:ここが農耕民族である日本人には理解しにくいところで、
  彼らの発想は非常に遊牧民的というか、非常に残酷なのです。

  それはユダヤ人の割礼なんかもそうですが、
  乳牛でもちょっとでも乳の出が悪いとすぐ殺処分するし、
  主人の言うことを聞かない暴れるオスだと、すぐに断種して
  睾丸を抜いてしまうんです。

  だけどこれが農耕民族だと、牛や馬は家族扱いにして大切にする。
  彼ら動物は田畑を耕したり、荷物を運んだりする使役動物だから、
  日本の昭和初期頃までは家の中で大切に飼って、
  潰して食用にすることもあまりなかった。それだけ感覚がまったく違うわけです。

  事実、遊牧民たちは農耕民族のことを、草を食べる
  あるいは穀物と言い換えてもいいのですが、
  羊人(Sheeple シープル)と呼んでいます。

  その羊人である農耕民族を管理するために「羊飼い」としての一神教
  (キリスト教やユダヤ教)があり、その神を動かすことで
  全体を支配するという考えです。

  これまでもその発想でずっと世界を支配してきたのです。

  ですから支配者たちから見ればその他大勢の庶民は同じ人間ではなく、
  「羊人」という家畜にすぎません。

  だから増えて管理が面倒になれば「間引こう」となるし、
  劣等な種族は断種して子孫を作らせないようにする。

  家畜を使って利益を得れば、当然のように牧場主がすべてを奪い取る。

  文句を言えば餌を減らし、ムチで叩いて大人しくさせる。

  このようにして食料と軍事力で世界を管理・コントロールしている連中が
  存在しているのです。


21世紀になってトロツキストやネオコンも有色人種と劣等コーカソイドを絶滅させて、自分達だけ生き残ろうとしています。

イスラエルの殲滅戦思想
【桜さろん・ちょい見せ】第17回 ゲスト:矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補)
https://www.youtube.com/watch?v=MZZ7qemKVXE&t=1002s

特番『ガザ紛争の裏側とは』ゲスト:越境3.0Ch 石田和靖氏 2024/06/23
ユダヤ人はパレスチナ人を絶滅させようとしている
https://www.youtube.com/watch?v=YEZFZC-OhV8


▲△▽▼
▲△▽▼


プーチンは反グロ−バリズム・反新自由主義とかユダヤ金融資本からの独立とかが如何に時代錯誤の考え方か良くわかっているのですね。 アングロサクソンやユダヤ金融資本はロシアから資源を搾取しようとしているのではなく、ロシア人を絶滅させようとしているのです:

ロシア 聖なる我等が国
ロシア 愛する我等が国
固き意志 偉大な栄光や
永久に汝が富ならん

   讃えよ我等が 自由なる祖国
   いざ集え 兄弟よ
   先人が知恵 我等がもとに
   讃えよ 汝が誇りを

新世紀を間近に控えた2000年。プーチン大統領は、それまでの愛国歌からソ連国歌のメロディーに変えました。

ソ連からの独立後のロシアには未来への希望が満ち溢れていました。共産主義の呪縛からの解放、独立、そして自由。しかしエリツィン政権のもとでは共産主義からは逃げられましたが、安定した生活は得られませんでした。そして独立を境にしロシアからは光が失われつつありました。ロシアの大国としての誇りが失われ、犯罪は多発し、誇りである軍隊はほぼ崩壊に近くなりました。

アメリカには頭が上がらなくなり、西欧との生活環境の落差は広がる一方。これらに追い討ちをかけたのが98年の経済危機。帝政ロシア、ソ連を通じ自らの経済を見つめてきた、またロシア人の誇りのルーブルが紙くず同然となりました。

ロシアの人々は現実に打ちのめされました。しかし。ロシアの人々はこんなことではへこたれません。・・ですが、やっぱり自分達の生活には限界が近づいてくるわけです。

エリツィンは何もせず酒ばかりのんでいる。国民の生活の不満は政治に向けられました。そんな中。1999年の大晦日。ロシアと全世界に衝撃が走りました。エリツィンが突如辞任したのです。

後任は元ペテルブルグ市長プーチン。名も知らぬ若き男に大国ロシアは委ねられたのです。国民はあまり期待をしませんでした。「エリツィンよかましなだけだろう」と。

しかし、そんな国民のさめた目を横目に、「強いロシア」を掲げた大統領は次々と改革を断行。経済はだんだんと回復。生活も苦しいながらも徐々に改善。なんと言っても「強いロシア」が現実に感じられるようになったのです。

もう昔の我々ではない。昔の栄光を取り戻そうじゃないか!

ロシアの人々は沸き立ちます。

▲△▽▼

アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。この
時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらい
いだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシ
アに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとる
でしょう。
 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなこ
とは考えない。これは当然、「ロシアが二度とアメリカに
反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。

 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改
革のやり方」を伝授した
 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西
側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業
は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼
るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハ
イパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした92
年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5
%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持
つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者と
なった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど
無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政
権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、
国家財政は大幅な赤字に転落した。


アメリカを心底恐怖させた国ソ連は消滅しました。この
時、アメリカ政府は、今後のロシアをどのようにしたらい
いだろうかと考えました。

 心優しい日本人であれば、「経済危機に陥っているロシ
アに支援を送る」とかなんとか善意に基づいた行動をとる
でしょう。
 しかし、「普通の国」アメリカはもちろんそのようなこ
とは考えない。これは当然、「ロシアが二度とアメリカに
反抗できないよう、この国を破壊し尽くそう」と考えた。

 アメリカは国際通貨基金(IMF)を通して、ロシアに「改
革のやり方」を伝授した
 まず「政府による経済管理の廃止」。貿易が自由化され、西
側の優れた製品がロシア市場になだれ込み、ロシアの国内産業
は壊滅した。

 次に「価格の全面自由化」。国内産業が駆逐され、輸入に頼
るしかない状況で、ロシアの通貨ルーブルは急落し、国内はハ
イパーインフレーションに見舞われた。改革がスタートした92
年のインフレ率はなんと2600%、GDP成長率はマイナス14.5
%。ロシア経済はアメリカの思惑通り破綻した。

 さらに大規模な「民営化」。国有財産はそれを今、手元に持
つ人の所有となった。アパートの住人は、アパートの所有者と
なった。そして国有石油会社のトップは、その会社をほとんど
無料で手に入れた。ここから生まれた新興財閥はエリツィン政
権に賄賂を送って、税金をほとんど免除してもらった。当然、
国家財政は大幅な赤字に転落した。

▲△▽▼

【伊藤貫の真剣な雑談】第7回「文明の衝突とロシア国家哲学」
ペテルブルク大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
https://www.youtube.com/watch?v=vd1jg5gcE3s

「そりゃあ、ロシアも戦争するわ」 (伊藤貫先生オンライン講演会)
2023/07/14
https://www.youtube.com/watch?v=BimDXef10D0

【ガイド】
 01:02 レーガンとゴルバチョフ
 02:03「NATOを1インチたりとも東に拡大しない」
 03:32 ウクライナから5分で核がモスクワ直撃
 04:08 オリガルヒと銭ゲバがロシアの宝を盗んだ
 07:03 ロシアでの腐敗が報じられなかった理由
 07:36 クリントン政権はロシア人に絶望をもたらした


ビルダーバーグ会議,アゾフ大隊,NATO…ヒトラーの血を引く現代版「ナチス」の正体
https://www.youtube.com/watch?v=3OBIfbzZIeM  

76. 中川隆[-9189] koaQ7Jey 2024年9月05日 15:55:58 : MFHCr2ZSVI : TzAwSFJ2anpKUS4=[2] 報告
<■101行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.09.04XML
ウクライナの耕作地や資源を事実上の担保にして融資した西側の金融資本が苦境に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409040001/

 ​200億ドルを超える債務再編計画を国際債券保有者が正式に承認したとウクライナ政府が発表したのは今年8月28日のこと​。この債務再編により、キエフ政権は今後3年間で114​​億ドルを節約できる。31日にウクライナ政府は債務返済を一時的に停止することを可能にする法律を発動し、8月からの債務返済を停止する。

 ロシア軍は2022年2月にウクライナ軍を攻撃、8月までにウクライナと債権者は2年間の債務凍結で合意したとされている。今年、その期限が来たわけだ。

 支払い猶予期限が迫ってきたことからウクライナの財務顧問を2017年から務めるロスチャイルド・アンド・カンパニーは会議を設定。ブラックロック、ピムコ、アムンディを含む資産運用会社の代表者、その法律顧問、そして財務顧問が7月16日にパリへ到着し、ウクライナの債務管理局長を務めるユーリー・ブツァ、法律顧問のホワイト・アンド・ケース、そしてロスチャイルドのチームと合流した。

 1990年代のウクライナは中立を掲げ、EUとロシアのどちらにも与しない姿勢を見せていた。ビクトル・ヤヌコビッチもそうした考え方の持ち主だが、ロシア征服を目指す西側の強大な私的権力は戦略上、ウクライナを属国化する必要があり、そうした人物を大統領にするわけにはいかなかった。そこで仕掛けたのが「オレンジ革命」にほかならない。

 しかし、その「革命」で大統領に就任したビクトル・ユシチェンコは西側の傀儡で、新自由主義政策を推進した。必然的に貧富の差が拡大してウクライナ人の怒りを買うことになる。そこで2010年の大統領選挙では再びヤヌコビッチが勝利した。

 ヤヌコビッチを受け入れられないアメリカのバラク・オバマ政権はより強硬な手段に出る。2013年から14年にかけてネオ・ナチを利用したクーデターを実行、西側資本の属国にしたのだ。

 ところがウクライナにはネオ・ナチ体制を拒否する人が少なくなかった。特にロシア語圏でヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部にそうした傾向が強い。

 南部のクリミアではロシアの保護下に入る選択をしたが、そうしたことが可能だったのは住民の圧倒的多数が自分たちをロシア人だと考えていたことだけでなく、駐留していたウクライナ兵の9割近くが新体制を拒否、軍を離脱したからだ。東部のドンバスでも似た状況で、反クーデター軍が編成された。ウクライナ全体でも軍人や治安機関メンバーの7割はネオ・ナチ体制を拒否して離脱、一部はドンバス軍へ合流したと言われている。

 クーデターの前からアメリカがウクライナの石油を奪おうとしていたとビクトリア・ヌランドは語っている。​2013年12月13日、米国ウクライナ財団主催の会合に彼女は登場、アメリカは1991年からウクライナに対して50億ドル以上を投資したと語っている​のだ。アピールしている相手は演壇に示されていた。アメリカの巨大石油会社、エクソンモービルとシェブロンの文字があった。

 クーデターの後、ロシアからの支援を失ったウクライナの経済は破綻し、ウクライナ国債の価格は下落する。​それを買い占めていたフランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買った​という。このファンドを操っているのはロスチャイルド家だ。フランクリン・テンプルトンを設立した人物の息子、ジョン・テンプルトン・ジュニアはバラク・オバマの選挙キャンペーンに多額の寄付をしていたことで知られている。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが「ハゲタカ・ファンド」のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 私的権力の手先はクーデター直後の3月7日深夜、ポリスポリ空港に4輌のトラックと2輌の貨物用のミニバスで乗り付け、40個以上の箱をマークのない航空機へ運び込んだと伝えられている。

 ​車両はいずれもナンバー・プレートが外され、黒い制服を着て武装した15名が警戒する中での作業だった​。作業が終わるとすぐに航空機は飛び立ち、車両も走り去ったという。その箱の中身は金塊だという情報がある。当時、ウクライナ政府42.3トンの金塊を保有していたとされている。

 西側の私的権力は消滅間近のソ連でも暗躍していたが、そのひとりがミハイル・ホドルコフスキー。彼はソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めた。この年にホドルコフスキーはメナテプ銀行を設立するためのライセンスを取得するが、違法送金やマネーロンダリングが目的だった可能性のだろう。このビジネスをソ連当局も怪しみ、モデルに対する出国ビザを出し渋るのだが、ホドルコフスキーはKGB人脈を持っていた​。そのコネクションに助けられてビザを入手できたという。

 ソ連が1991年12月に消滅し、ボリス・エリツィンが西側支配層の代理人としてロシアを支配するようになると、ホドルコフスキーはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任。彼は1995年にユーコスなる石油会社を買収、中小の石油会社を呑み込み、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっている。

 ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたが、プーチンに阻止された。プーチンの動きが遅れれば、ロシアは米英支配層の植民地になっていたことだろう。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 プーチンが実権を握った後、少なからぬオリガルヒはロシアからロンドンやイスラエルへ逃亡するが、ホドルコフスキーはロシアに残った。そして2003年10月、彼はノボシビルスクの空港で横領と税金詐欺の容疑で逮捕されている。

 ホドルコフスキーのユーコス株の支配権は先に結ばれた「取り引き」によってジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていた。​ホドルコフスキーがロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開された​。その中で、モスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったとホドルコフスキーは明らかにしている。

 ロスチャイルドが支配しようとしていたロシアとウクライナは世界有数の穀倉地帯であり、鉱物資源、石油や天然ガスといったエネルギー資源が豊富。こうしたロシアの富を「担保」にしてロスチャイルドのような金融資本は融資したのだろうが、富を盗めなければ不良債権になってしまう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202409040001/

77. 中川隆[-9186] koaQ7Jey 2024年9月06日 08:14:56 : j59Nu9TuiV : aks0b1JuSmt5cWM=[3] 報告
【ウクライナ越境攻撃】ロシアのクルスク州への侵攻について武田邦彦先生が伊藤貫さんに話を聞いてくれました(虎ノ門ニュース切り抜き)
真相深入り! 虎ノ門ニュース 2024/09/05
https://www.youtube.com/watch?v=Izje6rGAM0s
78. 中川隆[-8911] koaQ7Jey 2024年10月06日 16:40:35 : vdIApbkosc : Z2lSNk4zdVlFVGM=[13] 報告
<■54行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2024.10.06XML
イランがミサイルでイスラエルの軍事基地を攻撃した後、報復に出ないイスラエル
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410060000/

 イランは10月1日に数百機の弾道ミサイルをイスラエルの軍事基地などに向けて発射、イスラエル政府は数日以内に大規模な報復を開始すると主張していたが、レバノンの住民を虐殺しているものの、イランに対する報復は今のところない。

 10月1日の攻撃では、F-35戦闘機を配備するネバティム基地、ハッサン・ナスララをはじめとするヒズボラの指導者を殺害したネツァリム基地、弾道ミサイルのあるテル・ノフ基地、モサドの本部などがターゲットだという。イスラエルは防空システム「アイアン・ドーム」で防御に成功したと宣伝しているが、インターネットで伝えられている映像(例えば​ココ​)を見ると、イランが主張するように大半は命中したようだ。

 イスラエルがイランに対して報復攻撃を実行した場合、イランはイスラエルの基地だけでなく重要なインフラを破壊する可能性が高く、それだけでなく中東全域のアメリカ軍基地やアメリカの影響下にある国の石油施設を攻撃するとも言われている。イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)やイラクやシリアの反シオニスト勢力もアメリカ軍基地を攻撃すると推測されている。

 イスラエルによるパレスチナ人虐殺はアメリカ政府の承認なしには実行できないはずで、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はジョー・バイデン政権のジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官やトニー・ブリンケン国務長官らと連携しているはずだ。

 アメリカ側のグループはウクライナでロシアに戦争を仕掛け、苦境に陥っているが、中東でも厳しい状況になっている。このままイランを攻撃すれば世界は中東の石油を絶たれることになりかねず、抵抗は強くなるだろう。その抵抗を抑えこねなければ、イスラエル政府のカルト集団は攻撃できない。

 形勢を逆転させるため、アメリカの好戦派はウラジミル・プーチン露大統領の暗殺を何度か目論んだようだが、失敗している。最近の例としては、ロシアがサンクトペテルブルクで海軍記念日のパレードを開催した7月28日、要人が揃ったところで暗殺しようと計画したとセルゲイ・リャブコフ外務次官は語っている。

 アメリカ/NATOが残り少なくなったウクライナ軍に外人部隊を合流させてロシアのクルスクへ軍事侵攻したのはその9日後。この攻撃はロシア軍の反撃で壊滅的な状況になった。作戦が無謀だったからだが、これを計画したのは軍人でなく、マイケル・マクフォール元駐露アメリカ大使を含むネオコン一派だと言われている。

 ウクライナで2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターを仕掛けたが、その直前、12年1月には大使としてモスクワに赴任、その3日後に​ロシアの反プーチン派NGOの幹部を大使館へ招き入れ、2月に予定されていたロシアの大統領選挙に対する工作を指示した​と見られている。

 この対プーチン工作は失敗に終わったが、その工作で反プーチン派の人形として使おうとしたのがアレクセイ・ナワリヌイ。この人物はアメリカのエール大学で奨学生として学んでいるが、その手配をしたのはマクフォールにほかならない。

 ムスリム同胞団を使い、中東から北アフリカにかけての地域でアメリカ支配層にとって目障りな体制を転覆させようと目論んでいたオバマ大統領は2010年8月にPSD-11を承認した。その計画を作成したチームのひとりがマクフォールだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202410060000/

79. 中川隆[-8870] koaQ7Jey 2024年10月11日 07:17:21 : S5ZERITXNY : SWxYenozNG0uVDI=[14] 報告
<■1148行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
イラク戦争の背景

東北学院大学講師・世界キリスト協議会前中央委員
川端 純四郎

 ご紹介いたします。

 先生は1934年のお生まれです。東北大学文学部に学ばれ、博士課程を終えられてから、ドイツのマールブルグ大学に入学されました。帰国後、東北学院大学教員として35年間お勤めになりました。その後ひきつづき講師として、現在も勤務されています。一貫して平和、人権、政治改革の活動に積極的に関わっておいでになりました。

 「9条の会」の講師団メンバーとしても、全国を股にかけて講演なさっており、昨年は1年間で80回以上の講演会を開いておられます。

 先生は今朝8時前に仙台を発ち、はるばる鋸南町においで下さいました。今日の講師としてほんとうにふさわしく、よいお話をうかがえると思います。早速、先生からお話をうかがいたいと思います。 先生、どうぞよろしくお願いいいたします。
                                        安藤

 みなさん、こんにちは。 安房郡の水清き鋸南町に伺って、こうしてお話できることをありがたいと思っています。初めておうかがいしました。木更津まで来たことはあるのですが、今日、電車で君津を過ぎたらとたんに山が美しくなり、あそこまでは東京郊外のなんとまあみっともない風景でしたけれど、あそこから南に来ると一気にほんとうに昔のよき日本の風景がよみがえってくるようでした。ほんとうに嬉しく思いました。

 いま、「さとうきび畑」の朗読と、合唱団のコーラスをお聞きしたのですが、どちらも聞いていて涙が出ました。

 私は、戦争に負けた時小学校6年生でした。仙台で敗戦を迎えましたが、仙台も空襲で全滅いたしました。街の真ん中にいましたから、もちろんわが家も丸焼けでした。忘れられない思い出があります。街の真ん中の小学校でしたから、同級生が一晩で8人焼け死にました。隣の家の、6年間毎日いっしょに学校へ適っていた一番仲の良かった友達も、直撃弾で死にました。今でも時々思い出します。

 今このような歌を聞くと、どうしてもその人のことを思い出します。思い出す私の方はもう70になりますが、記憶に出てくるその三浦君という友達は、小学校6年生のまま出てきます。どうして小学校6年で人生を終わらなければいけなかったのか、生きていてくれたらいろんな事があったのに、と思います。戦争なんて二度としてはいけない、というのが一貫した私の願いです。

 私は牧師の家に生まれました。父はキリスト教の牧師で、教会で生まれ教会で育って、讃美歌が子守歌でした。牧師の中には戦争に反対した立派な牧師さんもおられたのですが、私の父のような多くの普通の牧師は、政治や社会に無関心で魂の救いということしか考えていませんでした。で、私もその親父に育てられましたから、大学を出、大学院に入って博士課程までいって、ずっとキルケゴールや実存哲学という、魂だけ見つめているような学問をやっていて、政治とか経済、社会とかは25歳までいっさい関心がありませんでした。

 25歳の時チャンスがあって、ドイツ政府の招待留学生となってドイツヘ勉強に行くことになりました。1960年のことでした。1960年にドイツへ行ったというだけで、どんなにノンポリだったか分かります。安保改訂問題で日本中が大騒ぎの時、それを尻目に悠々とドイツ留学に行ったのです。幸か不幸かまだ世界は貧しくて、飛行機などというものは贅沢な乗り物で、まだジェット旅客機機はありませんでした。プロペラ機でヨーロッパヘ行くには途中で何遍も何遍も着地し、給油して、今のようにノンストップでシベリヤを越えて、などというのは夢のような話でした。しかもベラ棒に高いのです。船の方があの頃はずっと安かったのです。特に貨物船に乗せてもらうと飛行機よりずっと安いのです。そこで一番安いのを探して、5人だけ客を乗せるという貨物船をみつけました。

 その船で神戸を出航し、インド洋からスエズ運河をぬけ、地中海を渡ってイタリアのジェノバに上陸。そこから煙を吐く蒸気機関車でアルプスを越えて、ドイツのマールブルクという町に着きました。

 実は、飛行機をやめて船で行ったということが、私の人生を大きく変えることになりました。あの時もし飛行機で行ったなら、私は一生、世間知らずの大学に閉じこもって勉強だけしている人間で終わった、と思います。

 ところが船で行ったおかげで、しかも貨物船に乗ったおかげで、私は途中のアジア・インド・アラブの国々をくわしく見ることができました。まっすぐ行けば船でも二週間で行くそうですが、何しろ貨物船ですから、途中港、港に寄って荷物を下ろし、また積んで、一つの港に4日から5日泊まっているのです。おかげでその間、昼間は上陸してそのあたりを見て歩き、夜は船に帰って寝ればいいのですから、東南アジアからアラブ諸国をくまなく見て歩きました。

 1ヵ月かかりました。神戸からジェノバまでのこの船旅。その時見たものが、私の人生を変えたのです。何を見たかはお解りですね。アジアの飢えと貧困という厳しい現実にぶつかったのです。

 降りる港、港で、ほんとうに骨と皮とに痩せせこけた、裸足でボロボロの服を着た子供達が、行く港も行く港、集まって来るのです。船の事務長さんに、「可哀想だが、何もやっては駄目だよ。1人にやると収拾がつかなくなるよ」と言われていました。だから心を鬼にして払いのけて通り過ぎるのですが、その払いのけて通り抜ける時に触った子供の肩、肉などなんにもない、ただ骨と皮だけのあの肩、あの感触が、今でも時々蘇ってきます。

 船に帰って、眠れないのです。明日も、あの子供たちに会う。どうするか。私が考えたことは、「神様を信じなさい。そうすれば救われます」と言えるか、ということでした。

どんなに考えたって、言えるわけがありません。飢えて捨てられた孤児たちに、こちらは着るものを看て、食うものを食っておいて、「神様を信じなさい、そうすれば救われます」などとは、口が裂けても言えないと思いました。牧師館で生まれて、キリスト教しか知らずに育って、キリスト教の学問をして来て、それではお前キリスト教って何なのか、25年お前が信じてきたキリスト教とは、飢えた子供たちに言えないようなキリスト教なのか。とれが私の考えたことでした。

 もし言えるとしたら、ただ一つしかない。そこで船を降りて、服を脱いで、子供たちに分けてやって、食っているものを分けてやって、そこで一緒に暮らす、それなら言える。言えるとしたら、それしかありません。言えるじゃないか、と自分に言い聞かせました。

 それなら、船を降りるか──。くやしいけど、降りる勇気がありませんでした。折角これからドイツヘ勉強に行くという時、ここで降りて、一生インドで暮らすのか、一生アジアで暮らすのか、どうしてもその気にならないのです。
 ですから理屈をこねました。

 「降りたって無駄だ。お前が降りて背広一着脱いだって、何百人人もいる乞食の子に、ほんの布切れ一切れしかゆきわたらないではないか。自分の食うものを分けてやったって、何百人もの子供が1秒だって、ひもじさを満たされる訳がないじゃないか。お前が降りたって無駄だ。それは降りたという自己満足だけで、客観的にはあの子らはなんにも救われない。」

 「だから降りない、勇気がないのではなく、無駄だから降りない。」と自分に言い聞かせるのです。でも、降りなければ「神様を信じなさい」とは言えません。言えるためには降りなければならない、しかし降りても無駄なのだ。

 堂々巡りです。寄る港、寄る港でこの間題に直面しました。毎晩毎晩同じ問題を考え続けて、結局、答えが見つからないまま、閑々として港を後にしました。、出港の時、あの子たちを見捨て自分だけドイツへ行くことに、強い痛みを感じました。これは永く私の心の傷になって残りました。

 このようにして初めて、世の中には飢えた仲間がいるという、当然分かっていなくてはいけない事実に、何ということでしょう、25にもなってやっと気づいたのです。飢えた子供たちがいる、それを知らんぷりしてドイツに行くのか、お前が降りてあの子たちと一緒に暮らすことはあまり意味ないかも知れない、しかしやっぱり船を降りないのだとしたら、せめて世の中に飢えた子供なんか生まれないような社会を作るために、自分で何かしなければいけないのではないか。ただ魂の中だけに閉じこもっていていいのか。

 これが、私がヨーロッパヘ行く1ヵ月の旅で考えたことでした。

 ドイツヘ行って、宗教の勉強をしました。ブルトマンというドイツの大変偉い先生の所に1年いて、いろいろ教わりましたが、結局、私の結論としては、実存哲学だけではだめだということでした。自分が自分に誠実に生きる──これが実存的、ということですが、それだけでは駄目だ。自分が生きるだけでなく、みんなが人間らしく生ることができるような世の中になるために、自分にできる何か小さなことでもしなければいけない。

 こう思うようになって、日本に帰ってきたのです。

 それじゃあ、世の中で、そのように飢えて死ぬような子がいなくなるような社会とは、どうすれば出来るのか。これはやっぱり、飢え、貧困、戦争、差別、そういうものが生まれる原因が分からなければ、除きようがありません。原因を勉強しなければいけない。そのためには社会科学を勉強しなければいけない。特に経済学を勉強しなければいけない──。

 ドイツヘの留学は、大学院の途中で行きましたので、帰国して大学院に復学しました。幸い東北大学は総合大学ですから、中庭をへだてて向こう側が経済学部でした。帰ってきた次の日から、私は、経済学部の講義を経済原論から、授業料を払わずにもぐりで、後ろの方にそっと隠れてずっと聞きました。

 それからもう45年になりますが、ずっと宗教哲学と経済学と2股かけて勉強してきています。今日も、多少経済の話を申し上げるわけですが、やっぱり自分がクリスチャンとして、今もクリスチャンであり続けていますが、同時に、自分の救いということだけ考えていたのでは申し訳ないと思うのです。現実に飢えて死ぬ子がいるのです。ユネスコの統計によると、毎日2万人の子が栄養不足で死んでいるそういう世の中、このままにしておくわけにはいかない、自分でできることは本当に小さいけど、その小さなことをやらなかったら、生きていることにならない──。そう思って45年過ごしてきたわけです。

 キリスト教の中でずっと生きていますので、一般の日本の人よりは外国に出る機会が多いと思います。特に世界キリスト教協議会という全世界のキリスト教の集まりがあります。その中央委員をしていましたので、毎年1回中央委員会に出かけて、1週間か2週間会議に参加しました。世界中のキリスト教の代表者と一つのホテルに缶詰になり、朝から晩までいろいろと情報交換したり論議したりします。そのようなことを7年間やりましたので、世界のことを知るチャンスが多かったと思います。それを辞めてからも、自分の仕事や勉強の都合で、今でも毎年二週間ぐらいはドイツで暮らしています。そうしていると、日本ってほんとうに不思議な国だということが分かってきました。

 日本にいるとなかなか分からないのです。島国ですし、おまけに日本語という特別な言葉を使っています。他の国との共通性がない言葉です。ヨーロッパの言葉はみんな親戚のようなものですから、ちょっと勉強するとすぐ分かります。一つの言葉の、ドイツ弁とフランス弁、ベルギー弁、オランダ弁というようなものです。日本で言えば津軽弁と薩摩弁の違い程度のものです。津軽と薩摩では、お互いに全然通じないとは思いますが、それでも同じ日本語なのです。ヨーロッパの言葉とはそういうものです。ですからお互いに何と無く外国語が理解できるというのは、別に不思議なことではないのですね。ですから、自分の国のことしか知らないという人は、非常に少ないのです。

 新聞も、駅に行けばどんな町でも、ヨーロッパ中の新聞が置いてあります。ドイツのどんな田舎町へ行っても、駅にいけばフランスの新聞もイタリアの新聞も売っていますし、それを読める人がたくさんいるのです。そういう社会ですから、日本人とはずいぶん違います。自分の国を客観的に見られる。他の国と比べて見ることができるのです。

 日本にいると比べられません。そのうえ、日本はマスコミが異常です。ワンパターンのニュースしか流しません。ヨーロッパではいろんなテレビがあって、テレビごとに自由な報道をやっています。バラエティー番組のようなものがなくて、ニューハ番組が充実しています。きちんとした議論をテレビでやっています。ですから日本にいるよりは、比較的自分の国の様子を客観的に見られることになります。ドイツに行く度に、日本とは不思議な国だなあと思うのです。

 例えば、もうだいぶ前、バブルの頃です。日本のある有名なモード会社がミラノに支店を出しました。そしてマーケティング調査をしました。どんな柄が流行っているか、アンケートを集めそれを整理するために、イタリア人女性3人雇ったそうです。アンケートの整理をしていたら5時になりました。あと少ししか残っていなかったので、日本ならの常識ですから、「あと少しだからやってしまおう」と日本人支店長は声をかけました。ところがイタリア人女性3人は、すっと立って「5時ですから帰ります」と言って出て行こうとしました。思わず日本人支店長は怒鳴ったのだそうです。「たったこれだけだからやってしまえ」と。途端にこの日本人支店長は訴えられました。そして「労働者の意志に反する労働を強制した」ということで、即決裁判で数万円の罰金をとられました。

 これがヨーロッパの常識です。つまり9時から5時までしか契約していないからです。5時以後は命令する権利はないのです。9時から5時までの時間を労働者は売ったんであって、5時以降は売っていないのですから、自分のものなんです。会社が使う権利はありません。当たり前の話です。

 その当たり前の話が日本では当たり前ではないのです。残業、課長に言われたので黙ってやる。しかもこの頃は「タダ残業」ですからネ。本当にひどい話です。常識がまるで違うのです。あるいは有給休暇。ドイツのサラリーマンは年間3週間とらねば「ならない」のです。3週間休まなければ罰せられます。日本は有給休暇など殆どとれません。ドイツでは取らないと罰せられます。ですからどんな労働者でも3週間、夏はちゃんと休んで、家族ぐるみイタリアへ行ってゆっくり過ごしてきます。有給になっているからです。或いは日本では1週間40時間労働です。ドイツはもう随分前から36時間です。土日出勤などありえない話で、日本のように表向き40時間労働でも、毎日毎日残業で、その上休日出勤、日曜日には接待ゴルフなど馬鹿なことをやっています。接待ゴルフなど、ドイツには絶対ありません。日曜日は各自が自由に使う時間で、会社が使う権利はないのです。

 そういうところもまるで常識が違います。或いは、50人以上だったと思うのですが、50人以上従業員がいる会社、工場は必ず、労働組合代表が経営会議に参加しなければいけないことになっています。そんなことも、日本では考えられないことです。ですから配置転換とかもとても難しいし、労働者の代表が入っているから、簡単に首は切れません。

 そういういろんな面で、日本の外に出てみるとびっくりするようなことが山ほどあります。日本という国は、高度に発達した資本主義国の中で例外的な国なのです。資本主義が発達した点では、アメリカにもフランスにもドイツにも負けないのですが、資本主義が発達したにしては、労働者が守られていない。或いは市民の権利が守られていない。会社の権利ばかりドンドンドンドン大きくなっているのです。それが日本にいると当たり前のように思われています。外国で暮らしていると、日本は不思議な国だと分かります。特にこの数年それがひどくなってきているのではないでしょうか。

 私たちの暮らしは、戦後50何年かけて、少しずつよくなってきました。例えば年金なんかも少しずつ整備されてきた。健康保険制度も整備されてきた。介護保険も生まれてきた。或いは、労働者も土曜日チャンと休めるようになってきた。ところがこの数年、それが逆に悪くなつてきています。年金は削られる一方、介護保険料は値上がりする、労働者は首切り自由でいくらでも解雇できる。労働者を減らすと政府から奨励金が出る。タダ残業はもう当たり前・・・。

 特にこの数年、構造改革という名前で、日本の仕組みが変わってきています。いま申し上げたように、戦後50年かけてみんなで、少しずつ少しずつ作ってきた、いわば生活の安心と安全を守る仕組み、そういうものが今はっきり壊されかかっているのではないでしょうか。

 小泉首相という人は「自民党をぶっ壊す」といって当選したのですが、この4年間を見ていると、あの人は自民党を壊したのではなく「日本を壊した」のではないかと思われます。これまで日本が戦後50年かけて作ってきた社会の仕組みが、バラバラにされているのです。フリーターとかニートがもう30%でしょう。そうなると当然、この人たちは生きる希望がありません。お先真っ暗。いまさえよければ、ということになる。ですから若者が当然刹那的になる。人生の計画なんて立たない。今さえよければということになっていきます。

 昔なら10年に1回あるかないかのような犯罪が、いま毎日のように起きています。私は仙台にいますが、この正月には赤ん坊の誘拐事件で一躍有名になってしまいました。あんなことが日常茶飯事として起こっています。栃木県で女の子が山の中で殺された事件は、まだ解決されていませんが、こんな事件が今は「当たり前」なのです。世の中がすさんできて、何が善で何が悪なのか、みんなに共通な物差しというものがなくなったというふうに思われます。

 そのような世の中の変化、私は多分、「構造改革」というものがその犯人なのだ、と思っています。

《逆戻りの原因はアメリカの変化》

 その構造改革というのは、どこから来たのか。もちろんアメリカから来たのです。アメリカが変化した、日本はそのアメリカに右ならえをした、それが構造改革です。

 それでは何が変わったのか、これが一番の問題です。この変化の行き着くところが、憲法改悪です。

 社会の仕組み全体がいま変わろうとしているのです。憲法も含めて。いったい何がどう変わるのか。いったいどういう構造をどういう構造に変えるということが構造改革なのか。そこのところがアメリカを見ればよく分かってきます。アメリカがお手本なのですから。

 アメリカはソ連崩壊後変わりました。ソ連とか東ドイツは自由のないいやな国でした。昔1960年に西ドイツヘ留学した折、東ドイツへ何回か行く機会がありました。ふつうはなかなか行けないのですが、幸いキリスト教国なので、ドイツのキリスト教はしっかりしていまして、東ドイツと西ドイツに分裂しても、教会は分裂しなかったのです。東西教会一つのまんまです。ですから、教会の年1回の大会には、西で開く時は東の代表がちゃんと来たし、東で開く時は西の代表が行けたのです。ですから一般の人の東西の往来が難しかった時でも、キリスト教の人だけはかなり自由に行き来ができました。

 私も連れていってもらって、何回か東ドイツへ行って見ました。ご存じのように自由のないいやな国でした。ですからソ連や東ドイツが崩壊したのは当然だし、いいことだと思います。しかしソ連や東ドイツが100%悪かったかというとそんなことはありません。良い部分もありました。何から何まで全部ひっくるめて悪だったというのも間違いです。基本的に自由がない。ですから、ああいう国は長くは続かない。これは当然そうだと思います。滅びたのは当然だと私は思います。

 しかし同時に、良い面はなくしては困るのです。良い面は受け継がなければいけません。最も目につくのは女性の地位でした。これは立派なものでした。いまの日本なんかより遥かに進んでいました。男女の平等が徹底的に保障されていました。専業主婦などほとんど見たことがありません。だれでも自由に外に出て、能力に応じて働いていました。それができるような保障が社会にあるのです。文字通りポストの数ほど保育所があって、子供を預け安心して働きに出られるようになっていました。同一労働同一貸金の原則はきちんと守られていて、女性だから賃金が低い、女性だからお茶汲みだけなどというようなことは一切ありませんでした。これは凄いなと思いました。あれは、日本はまだまだ見習わなければいけないことです。

 もう一つ私がびっくりしたのは、社会保障です。私が初めて東の世界を見たのは、何しろ1960年の頃のことです。日本はまだ社会保障がない時代でした。いま若い方は、社会保障はあるのが当たり前と思っておられる方も多いと思いますが、そんなことはないのです。日本は1972年が「福祉元年」といわれた年です。それまでは、福祉はなかったのです。大企業とか公務員だけは恩給がありましたが、商店の経営者とか家庭の主婦なんか何もありませんでした。健康保険も年金も何もありませんでした。72年からようやく国民皆年金、国民皆保険という仕組みが育ってきたのです。

 もともと資本主義という仕組みには、社会保障という考えは無いのです。自由競争が原則ですから、自己責任が原則です。老後が心配なら、自分で貯めておきなさい。能力がなくて貯められなかったら自業自得でしょうがない。こういうのが資本主義の考え方です。労働者が、そんなことはない、我々だって人間だ、人間らしく生きていく権利がある。だから我々の老後をちゃんと保障しろと闘って、社会保障というものが生まれてくるのです。自然に生まれたのではありません。

 労働者が団結して闘って、止むを得ず譲歩して社会保障が生まれてくるのです。資本主義の世界で最初の社会保障を行ったのはビスマルクという人です。ドイツの傑物の大首相といわれた人です。ドイツの土台を作った人ですが、この首相の頃、何しろマルクス、エンゲルスの生まれた故郷ですから、強大な共産党があり、国会で100議席くらいもっていました。そこで、ビスマルクが大弾圧をやるのです。社会主義取り締まり法という法律を作って共産党の大弾圧をし、片方では飴として労働者保険法という法律で、労働者に年金を作ります。世界で初めてです。辞めた後年金がもらえる仕組み、病気になったら安く治してもらえる仕組みを作った。こうやって鞭と飴で労働運動を抑えこんでいったのです。

 社会保障というのは、そうやって労働者の力に押されてやむを得ず、譲歩として生まれてくるのです。放っておいて自然に生まれてくるものではありません。

 そこへ拍車をかけたのが、ソ連や東ドイツです。ソ連や東ドイツヘいってみて、1960年の時点なのですから、日本にまだ社会保障などなかった時、そう豊かではなかったのですけれども、老後みながきちんと年金をだれでも貰える、そして、病気になればだれでも、医者に行って診察を受けて治療を受けられる。これにはほんとうに驚きました。これが社会主義というものかと、その時は思いました。ただ自由がないのです。例えば、牧師さんの家に泊めてもらうと、こちらがキリスト教徒ということが分かっていますから、牧師さんも信用して内緒話をしてくれるわけです。

外国から来る手紙はみな開封されていると言っていました。政府が検閲して開封されてくる。だから、「日本へ帰って手紙をくれる時は、気をつけて書いてください。政府の悪口など書かれると私の立場が悪くなるから。手紙書くときは開封されることを頭に入れて書いてくれ。」というふうに言われました。こんな国には住みたくないなと思いましたけれど、同時に社会保障という点では驚きました。こういうことが可能な社会の仕組みというのがあるんだなあ、とこう思ったのです。

 その後、スターリン主義というものによって目茶苦茶にされていくのですが、私の行った頃はまだ、東側の社会保障がある程度きちっと生きていた時代です。こうして、ソ連や東ドイツが社会保障というものを始めると、資本主義の国もやらざるをえなくなってきます。そうでないと労働者が、あっちの方がいいと逃げ出してしまいます。ですから西ドイツが一番困りました。地続きですから、何しろ。ですから、東に負けないだけの社会保障をしなければならなかったのです。そうすると、自由があって社会保障があるのですから、こっちの方がいいということになります。いくら向こうは社会保障があっても自由がないのです。こうして西ドイツは大変な犠牲を払って、社会保障先進国になってきました。そのことによって、東ドイツに勝ったのです。

 実際西ドイツの労働者は、別に強制されたわけではありません。自主的に西ドイツを選んだのです。ですからあのような東西ドイツの統一も生まれてきたのです。

 つまり資本主義の国は、ひとつは自分の国の労働者の闘いに押されて。そこへもってきて、ソ連、東ドイツの社会保障という仕組みの外圧で、それに負けるわけにいかないものですから、そういう力があって、社会保障というものを造り出していくのです。しかし社会保障というものは莫大な財源がかかります。


《社会保障をやめて小さな政府へ──構造改革の中身(1)》

 いま日本政府は社会保障をどんどん削っていますけど、それでも国家予算の中で一番多い費目は社会保障です。大変な財源が必要なのです。そこで資本主義の国は、新しい財源を見つける必要ができてきます。

 そこで見つけたのが2つ。1つは累進課税です。それまでの資本主義にはなかった、累進課税という新しい仕組みです。つまり収入の多い人ほど税率が高くなるという仕組みです。日本でも1番高い時は1980年代、1番大金持ちはの税率75%でした。ですから、年収10億あれば7億絵5千万円税金にとられたのです。今から考えれば良く取ったものです。今は35%です。大金持ちは今ほんとうに楽なのです。35%ですむのですから。年収10億の人は3億5千万払えばいいのです。昔なら7億5千万取られたのです、税金で。「あんまり取りすぎではないか、これは俺の甲斐性で俺が稼いだ金。それを取り上げて怠け者のために配るのか。」と彼らはいいました。

 そうすると政府は、「いやそういわないでくれ。そうしないと、資本主義という仕組みがもたない。だから体制維持費だと思って出してくれ。そうでないと社会主義に負けてしまう」と言って、大金持ちからたくさん取ったのです。大企業も儲かっている会社からたくさん税金取った。法人税もずっと高かったのです、以前は。こうやって大金持ち、大企業からたくさん取る累進課税で一つ財源を作ったのです。

 もうひとつは、企業負担です。サラリーマンの方はすぐお分かりですが、給料から社会保障で差し引かれますね。そうすると、差し引かれた分と同額だけ会社が上乗せするわけです。自分が積み立てたものが戻ってくるだけなら、貯金したのと同じです。労働者の負担する社会保障費と同額だけ会社も負担しているのです。倍になって戻ってくるから、社会保障が成り立つわけです。

 これも資本主義の原則からいえば、おかしいことです。いまいる労働者の面倒を見るのは当たり前です。会社は労働者がいるから成り立っているのですから。だけど、辞めてからは関係ないはずです。契約関係がないのですから。辞めた人が飢え死にしようがのたれ死にしょうが、会社の責任ではないはずです。

 だけども一歩ふみこんで、それでは資本主義の仕組みがもたないから、労働者が辞めた後まで面倒みてくれ、そこまで企業負担してくれ、そうしないと資本主義がもたないから、ということになります。

 こうやって、社会保障というものが資本主義の国で成り立っているのです。これは、ただの資本主義ではありません。資本主義の原則に反するような累進課税とか、企業負担というものを持ち込んで、社会主義のよいところを取り入れた資本主義です。これを「修正資本主義」と呼びました。

 資本主義の欠点を修正して、社会主義に負けないようないい仕組みに造り直した資本主義ということです。学者によっては、資本主義の経済の仕組みと社会主義経済を混ぜ合わせた「混合経済」と呼ぶ人もいます。所得再配分機能を政府が果たすということです。もちろん修正資本主義というものは、このような良い面だけではなくて、公共事業という名前で国民の税金を大企業の利益のために大々的に流用するというようなマイナスの面もあることも忘れてはなりません。

 しかし、ともかくこうやって、西側の世界は、自由があって社会保障がある、そういう社会に変わっていくのです。そのことで東に勝ったのです。ところが、そのソ連と東ドイツが居なくなったのです。

 その前にもうひとつ。先進資本主義国というのは或る一種の傾向として、労働者が闘わなくなってきます。これは先進資本主義国の宿命のようなものです。つまり資本主義国というのはご存じのように、地球上の大部分を占めている低開発諸国、貧しい第3世界といわれた世界から、安い原料を買ってきてそれを製品にして高く売っています。そして差額、莫大な差額を儲けている。超過利潤と呼ばれています。だから遅れた国は働けば働くはど貧しくなるのです。一生懸命働いてコーヒー豆作っても、それを安く買われてチョコレートやインスタントコーヒーなどの製品を高く買わされるのですから、結局差額だけ損をすることになります。

 この20年、先進国と遅れた国の格差は開く一方、全然縮まらない。地球上の富を先進国が全部集めちゃって、とびきりぜいたくな生活をやっています。ですから先進国の労働者にも、当然そのおこぼれの分け前に預かるので、低開発国の労働者にくらべれば、ずっと豊かになります。豊かにれば闘わなくなってしまいます。その上、それを推し進めるようなありとあらゆる謀策が講じられているのです。

 資本主義というのは、物を売り続けなければなりたたちません。売ったものをいつまでも使われていたのでは、資本主義は成り立たないのです。早く買い換えてもらわなければなりません。いま、日本の車はよく出来ているので、30年は楽に乗れるのに、30年乗られたら日本の自動車会社はみな潰れます。3年か5年で買換えてもらわなれりばいけません。買い替えてもらうには、自分の車は古いと思ってもらう必要があります。ですからコマーシャルで、朝から晩まで何回も、「あんたは古い、あんたは古い。こんないい車ができてます。こんな新しい車が出ましたよ。もっといいのが出ましたよ」と宣伝して洗脳しいるのです。だから3年も乗ると、どうしても買換えざるをえない心境に引き込まれてしまいます。全てのものがそうです。まだまだ使えるのに新しいものに換えてしまう。そういう仕組みができているのです。

 そうしないと、資本主義はもちません。ですから労働者はどうなるかというと、「次、この車に買換えよう、次、パソコンこっちに買換えよう、次、今度はデジタルテレビに買換えよう、じゃあセカンドハウス、つぎは海外旅行・・・」。無限に欲望を刺激され、自分の欲望を満たす方に夢中になって、社会正義とか人権とか考えている暇がなくなっていくのです。

 いま日本の大部分がそうですね。「もっといい生活を」ということだけ考えています。ほかの人の人権だの社会正義なんて見向きもしない。見事に資本の誘惑にひっかかってしまいます。

 もちろん、欲しいからって、お金がなければ買えません。家がほしい、車がほしい、パソコンほしい・・・。それが、実はお金がなくても買える、なんとも不思議な世の中です。ローンというものがあるのですね。

 フォードという人が見つけたのです。それまでは、「つけ」で何か買うなどということは、労働者にはありませんでした。労働者が「つけ」で買ったのはお酒だけです。酒飲みはお金がなくても飲みたいのです。だから酒屋だけは「つけ」がありました。大晦日に払うか払わないかで夜逃げするかどうかもあったでしょうが、今は家を「つけ」で買う、車を「つけ」で買う、なんとも奇妙な世界になってきました。これをフォードが始めたのです。それまでは、自動車というのは大金持ちのものでした。フォードが、あのベルトコンベアーというのも発明して、大量生産を始めたのです。そうなれば、大量に売らなれりばなりません。大量に売るためには労働者に買ってもらわなくてはなりません。でも労働者にはお金がないのです。そこで、ローンという、とんでもないものを考え出したのです。ローンなら金がなくても買えるんですから、みんな買う。当然な話です。

 そりゃあ豊かなのに越したことはありません。マイホームが欲しくなる。ですからみんなローンで買う。そして「マイホーム」という感じになるのです。でも本当はマイホームではありません。あれは銀行のものです。払い終わるまでは、所有権は銀行のものです。銀行から借りてローン組んだだけなんです。こうして次々と新しいものを買わされていく。そのローンは多くの場合退職金を担保に組みます。一度退職金を担保にローンを組んでしまったら、ストライキはできなくなります。会社と闘って退職金がすっとんだら終わりなのです。家も途中でおしまいになってしまいます。ですから、ローンでマイホームが変えるようになってから労働運動は一気に駄目になりました。みんな闘わない、会社と喧嘩したくない、というふうになります。これはもちろん、向こうは計算済みのことです。

 ですから、高度に発達した資本主義社会というのは、労働者が、ある程度ですが、豊かになり、そして、このような消費社会に組み込まれてしまって、身動きができなくなるのです。

 こうして、いま日本では労働組合も、労働運動もストライキもほとんど力を失いました。そうなれば、政府は社会保障なんて、何も譲歩する必要がはありません。労働者が必死になって運動するから、止むを得ず健康保険とか年金制度とかやってきたのであって、労働者が闘わなければ、その必要はないのです。いま、どんどん社会保障が悪くなってきています。次から次から悪くなる。20年前だったら、いまのように社会保障が悪くなったらたちまち、大ストライキが起こりました。しかし今は何も起きません。労働組合が弱体化している、労働運動が骨抜きという状態です。

 そこへもってきて、ソ連や東ドイツがいなくなったのです。こうなればもう社会保障をやる必要はありません。社会保障は止めます、修正資本主義は止めます、ということになるわけです。修正資本主義にはいろいろな意味があるのですけど、一つの特徴は、大金持ちや大企業からお金を取って、弱い立場の人たちに配るところにあります。所得再分配と言われる働きです。だから政府は大きな政府になります。こういう仕組みが修正資本主義で、いろんなマイナス面もあるのですが、プラスの面も大いにあります。

 この仕組みをやめる、というのが今のアメリカです。もう政府は面倒みません、自分でやりなさい、と自由競争に戻る。自由競争一筋。これが、ソ連が崩壊した後に新しくなったアメリカの仕組みなのです。そして、それに日本が「右へならえ」ということなのです。

 それに対してヨーロッパは、アメリカのいうことを聞かず、「われわれはこれからも、社会保障のある資本主義でいきます。むき出しの裸の自由競争には戻りません」。これがヨーロッパなのです。なぜヨーロッパがそういえるかというと、労働運動が強いからです。先進資本主義国なのになぜ労働運動が弱くならないのか。これはこれで時間をかけて考えなければならない問題なのですが──。

 現実の問題として強い。ヨーロッパだって大企業は社会保障を止めたいにきまっています。しかし止めると大騒ぎになります。労働者が絶対に言うことを聞きません。だからやむを得ず守っているのです。企業負担もうんと高いです。日本の会社の倍以上払っています。ですからトヨタ自動車もフランスに、フランス・トヨタを作っていますけど、日本トヨタの倍以上払っています。それでも儲かっているのです。

 ですから、ヨーロッパでも、社会保障は少しずつ悪くなってきてはいますが、日本に比べれば遥かに違います。このようにして、ヨーロッパはアメリカと別の道を進み始めました。アメリカは剥き出しの資本主義に戻りますが、ヨーロッパは修正資本主義のままでいこうとしています。

 しかし、それでは競争で負けます。アメリカや日本は企業の社会保障負担がうんと減っていますから、利潤が増えています。ヨーロッパは高い社会保障負担でやっていますから、儲けが少ないのです。そこで競争しなくてすむようにEUいうものを作って、枠を閉ざしちゃいました。アメリカや日本の会社がヨーロッパに来るときは、ヨーロッパ並みの負担をしなければ、EUには入れません。だからEUの中でやっている時には、日本にもアメリカにも負ける心配はないのです。

 そういう仕組みを作って、アメリカとは別の道を進み始めました。そのためにユーロという別のお金も作りました。イラク戦争で表面に出てきたのですが、イラク戦争がなくても、ヨーロッパはアメリカとは別の道を進み出していました。もう2度とアメリカとは一緒にならないでしょう。

《規制緩和とグローバリゼーション − 構造改革の中身(2)》

 もう一つ、ソ連、東ドイツ崩壊の結果、アメリカが大きく変化したことがあります。それは何かというと、大企業・大資本を野放しにしたことです。

 ソ連がいる間は、大企業や大資本に、「あなた達は資本主義なんだから儲けたい放題儲けたいだろうけど、それをがまんしてください。あなたたちがやりたい放題にやったら、他の資本主義国はみんな負けてつぶれてしまう。アメリカの資本と競争できるような資本などどこにもありませんから。そうなれば、ソ連の方がましだということになる。だから、やりたい放題は抑えてほしい」と言ってその活動を制限してきました。

 具体的に何を抑えたかというと、為替取引を規制したのです。これが一番大きな規制です。いまではもう、中央郵便局へ行って「ドル下さい」といえば、すぐドルをくれます。「100ドル下さい」といえば「ハイこれ1万2千円」。ユーロでも、「下さい」といえば「100ユーロ・ハイ1万4千円」とすぐくれます。でもこれはごく最近のことです。それまでは、外貨・外国のお金は、日本では勝手に手に入りませんでした。お金を外国のお金と取り替える、つまり為替取引は厳重に規制されていて、個人が勝手にはできなませんでした。外国旅行に行くとか、何か特別な理由が認められた時しか、外国のお金は手に入りません。

いまは何も制限ありません。自由にだれでもいつでもできます。理由など聞きませんから、100ユーロとか千ドルくださいと言えば、そのままくれます。これが為替取引の自由化というものです。これがなかったのです。ソ連が崩壊するまでは、アメリカも厳重に規制していました。それをとっぱらったのです。理屈っぽく言えば、資本の国際移動が自由にできるようになったということです。こうして、アメリカの巨大な金融資本が、世界中を我が物顔にのし歩く時代が来るのです。

 もうソ連も東ドイツもなくなったのですから、「いや永いことお待たせしました。今日からもう儲けたい放題儲けていいですよ。やりたい放題やっていいですよ」ということになったのです。これが規制緩和とことです。規制緩和ということは要するに、大資本が野放しになったということです。そうなったらどうなるか、世界第2の経済大国といわれる日本でさえ、全然太刀打ちできません。アメリカの巨大資本、金融資本・銀行ですね。日本の銀行とは勝負になりません。ボブサップと私が裸で殴り合ぅようなもので、一コロで殺されてしまいます。

 それでもやれというなら、ボブサプは手と足を縛ってもらって、目隠ししてもらって、こちらは金槌でも持たしてもらって、それでやっと勝負になるのです。今まではそうだったのです。それを全部外して自由にする、無条件で自由競争にするというのです。負けないためには、相手に負けない位大きくなるしかないですから、合併、合併、合併。あっという間に30ほどあった都市銀行が3つになってしまったのです。UFJとか「みずほ」とか、元何銀行だったか覚えておられる方おられますか。すぐ言えたら賞金をさし上げてもよろしいのですが、まず、言える方おられないでしょう。合併、合併であっという間に3つになりました。3つにになってやっとなんとか対抗できるというくらいにアメリカの巨大銀行というのは大きいものなのです。それでもダメで、長銀はのっとられてしまいました。北海道拓殖銀行も山一証券ものっとられてしまいました。次々とのっとられています。

 ついこの間は青森県の古牧という温泉がのっとられまし。広くていい温泉なんですけど、驚いたことにゴールドマンサックスでした。世界最大のアメリカの金融投資会社、ハゲタカファンドの代表のようなものです。これがどうして古牧温泉なのかと思ったのですが、テレビで放送していました。古牧だけではありません。他に28ケ所、超有名温泉みんな買い占めちゃったのです、ゴールドマンサックスが。

どうするかというと、従業員みんな首切っちゃってパートにして、腕利きのマネージャーを送り込み、部屋をヨーロッパ、アメリカ向きに整備しなおして、欧米からの観光客をワーツと呼ぼうという作戦なんですね。儲かるようにして高く売るのです。ゴールドマンサックスが経営するのではありません。いま赤字の会社を買い取って、儲かるように造り直してすぐに売っちゃうのです。これが投資銀行のやっていることです。確かに、いわれてみればそのとおりで、日本の温泉ほどいいものはありません。知らないだけで、こんないいものは世界中どこにもありません。だから日本の温泉の良さが分かったら、おそらくヨーロッパ、アメリカからごっそり観光客が来ると思います。そこにゴールドマンサックスが目をつけたのですね。そして近代経営やって外国人が来て楽しめるような設備に変えて、世界中にジャパニーズスパーなんていって売り出す気なのですね。ですから、そのうち皆さんも温泉にいらっしやるとみんな英語で案内され、アメリカのお湯の中に入ることになってしまいます。

 アッという間に日本はアメリカ資本に乗っ取られようとしています。去年のホリエモン合併もそうです。今年から商法改正(改悪)して、乗っ取りを認めるということになったのです。株の等価交換、面倒な仕組みですから詳しいことは申し上げませんが、アメリカ株1億ドル分と日本の株1億ドル分を、等価父換していい、こういっているんです。ところが、アメリカの株の値段が高いのです。ですから1億ドルといっても、株の数からすると、例えば千株位しかない。日本は株が安いですから、同じ1億ドルで1万株位あるのですね。そうすると、千株と1万株で取り替えますから、あっという間にアメリカは大株主になってしまう。この等価父換を認めると、日本の大企業全部乗っ取られてしまう。

 そこで、日本の優良企業が狙われています。超優良企業を株式等価交換で、簡単にアメリカが乗っ取ることができる。今年からそれが可能になるはずだったです。それで去年、実験をやったのですね。ホリエモンにやらせてみたのです。ホリエモンはアメリカのリーマン・ブラザースから借りてやったのです。で、出来そうだなと分かったので、アメリカはお金を引き上げてしまいました。ホリエモンに乗っ取られては困る、いずれ自分が乗っ取るのですからネ。最後の段階で資金引き上げましたたから、ホリエモン降りる外なかった、多分そういう仕組みだったのではないかと思います。

 今年から自由に、日本中の会社をアメリカが乗っ取れるはずだったのですが、あのホリエモン騒動のおかげで日本の大企業が震え上がり、政府に泣きついて、「なんとか商法改正を見送ってくれ」と。それで見送りになりました。ですから、ちょっと一息ついているのです。今年すぐ、乗っ取られるというわけではありません。でも、いつまでも見送りというわけにはいかないでしょう。2・3年後には解禁。そうなれば、日本はほぼアメリカ資本に支配される、ということになるでしょう。

 日本ですらそうなのですから、まして、フィリピンとかタイとかいう国はたまったものではありません。あっという間に乗っ取られてしまいます。アメリカに勝手に経済的属国にされてしまう。それに対して、いやそんなの困るから、アメリカ資本が自分の国の株を買うことを法律で禁止する、というようなことをやろうとすると、アメリカはそれを認めないのです。グローバリゼーションだから地球はは「一つ」だというのです。いくら規制緩和しても相手国が法律で規制してしまったら終わりです。ですから、自分の国だけ勝手に現制することは認めません、地球はひとつですよ、グローバリゼーションですよ、ときます。フメリカの大資本が地球上のどこの国でもアメリカ国内と同じ条件で商売できるようにする、これがグローバリゼーションです。いやだと断ると制裁を加えられます。

 クリントン大統領の時は経済的制裁だけですんだのですが、ブッシュになってから、軍事的制裁になりました。いうことを聞かないと軍事制裁だぞという、これがネオコンという人たちの主張です。イラクを見ればみな震え上がるでしょう。ですから、アメリカの言いなりにグローバリゼーションで国内マーケットを開放して、アメリカ資本に全部乗っ取られてしまう、というのがいま着々と進行しているのです。

《アメリカの孤立》

 そこでどうなったかというと、ヨーロッパと同じように、「そんなの困る。自分の国の経済の独立は自分たちで守りたい」という人たちが手を繋いで、「アメリカに支配され引きずり回されないように、防波堤を作ろう」という動きが始まりました。だいたい5・6年前からです。アセアン(ASEAN東南アジア諸国連合)の動きが始まりました。5つの国です。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン。元来はアメリカが造らせた組織だったのですが、いつのまにか自主独立を目指す組織に成長しました。

 手を繋ぎ、アメリカに引きずり回されないように、アメリカの資本が勝手に入ってこないように、自分たちの経済は自分たちでやりましょう、と。ところが、ASEANが束になったってアメリカにはとてもかないません。そこで、知恵者がいました。アセアンだけではかなわないので、中国と手を繋いだのです。「アセアン、プラス中国で、アジアマーケットを作り、アメリカにかき回されないようにしよう」しようというのです。確かに、中国が入ったらアメリカはうかつに手が出せません。しかし中国だけ入れると、反米色があまりにも露骨ですから、「アセアン、プラス・スリーでいきましょう。アセアン+日本+韓国+中国、でいきましょう」ということになります。日本はアメリカの51番目の州だといわれているのですから、日本が入れば、アメリカも安心します。

 EUのように、アセアン+スリーで、自分たちの経済は自分たちでやれるように、アメリカに引きずり回されないような自立したアジアマーケットを形成することが目標です

 ただひとつ、日本が具合が悪いのです。日本はそのスリーに入っているのですが、(アセアンの会議に)行く度に「アメリカも入れろ、アメリカも入れろ」というのです。アセアン諸国はアメリカから自立するために作っているのですから、「アメリカを入れろ」といわれたんじゃあ困るので、結局日本は棚上げになってしまいます。実際にはアセアン+中国で、経済交流が進んでいます。いずれ2010年には、東アジア共同体・EACというものを立ち上げる、という動きになっています。

 そうなってくると韓国が困りました。日本・アメリカ側につくのか、中国・アセアン側につくのかで、2・3年前から中国側に大きく傾いています。留学生の数を見ると分かります。中国の北京大学には世界中の留学生が集まります。21世紀は中国と商売しなければメシが食えなくなることが分かっていますから、将釆、中国語がしゃべれる人が自国のリーダーになり、中国の指導者に友達がいないと困ります。それには北京大学に留学するのが一番いいのです。あそこはエリート養成学校です。この前行った時聞いてみたのですが、入学試験競争率5千倍だそうです。超難関です。大学の構内を歩いて見たのですが、広い敷地に6階建てのアパートが36棟ぐらい建っていて、みな学生寮です。全寮制。そばに教職員住宅があって、朝から晩まで共に暮らしながら勉強しています。授業は朝7時からです。ものすごく勤勉に勉強しています。

35年間私は大学の教員でしたが、愛すべき怠け者の学生諸君を教えてきたわが身としては、「あ、これはかなわないなァ、20年もしたら──」と思いました。向こうは国の総力を上げて次の時代の指導者を養成しているのです。日本はもう全然、ニートとかフリーターとかいって、若者の気迫がまるでレベルが違います。これは置いていかれるな、という気持ちになりました。このように世界中の国が、いま一流の学生を北京大学に送り込んでいるのですが、去年、北京大学留学生の中で一番数が多いのが韓国なのです。

 おととしまで韓国の学生は殆どアメリカヘ行っていました。去年あたりから中国へ変わったようです。つまり韓国は、21世紀の自国は、アメリカ・日本ではなく、中国・アセアンと組むことで繁栄を図りたい、と向きを変えたということです。

 それに拍車をかけたのが小泉首相の靖国参拝。これで韓国は怒っちゃってあちらを向いた。そうなると、アセアン、中国、韓国と繋がって、日本だけはずされてしまった、という状況がいま生まれつつあります。

 さらに中国は、数年前からいま、「ふりん政策」を国の方針としています。フリンといっても男女の不倫ではありません。富、隣。隣の国を富ます、隣の国を豊かにする──富隣政策です。隣の国と仲良くする。中国だけ儲けたのでは相手に恨まれてしまいます。英語では「ウィン、ウィン」(win-win)というようです。どっちも勝つ、中国も儲けるけど相手も儲けるような関係を必ず作っておく、ということが基本政策です。

 つまりアメリカは、やっとソ連を倒したと思ったら、今度は中国が出てきたのですから、中国を目の敵にしているのは当然です。中国にすれば、アメリカにやられないためには、単独では対抗できませんから、周りの国と手をつなぐ、ということです。

 アメリカは修正資本主義を止めて自由競争の資本主義に戻りました。その結果大企業・大資本は野放しになりました。そのためにアジアにそっぽを向かれることになりました。アメリカにはついていけない。アメリカに勝手にされては困る。もちろんアメリカと喧嘩をしては駄目ですが、自分の国は自分の国でやれるようにしなければならない──、というふうに変わったのです。

 そして最後に、3年前から南米が変わりました。ようやく日本でも報道されるようになりましたからご存じと思います。ただ日本のマスコミはちょっとしか書きませんから、気づいておられない方もおありかと思います。南米がものすごい勢いでアメリカ離れを始めたのです。

 今まで200年、南米はアメリカの裏庭といわれていました。アメリカはやりたい放題やっていました。チリは世界一の銅の産出国ですが、このチリの銅はすべて、アナコンダというアメリカの銅会社が一手で採掘していました。だからいくら掘ってもチリは豊かにならない。アメリカのアナコンダだけが儲かるのです。

 ブラジルは世界一の鉄の産地です。これもみな掘っているのは欧米の会社で、いくら掘ってもブラジルは豊かにならない。ベネズエラは世界第五位の産油国です。これもみなアメリカの石油資本が持っていく。

 こういう国はこれまで軍事独裁政権でした。政治家は、自分の国の資源をアメリカに売り渡し、自国の国民の反発は力で抑えつけ、莫大なリベートを貰って自分たちだけベラボウな贅沢をしてきました。これがアメリカと南米のパターンだったのです。

 それが、3年ほど前から、「おかしいではないか。やっぱりベネズエラの石油はベネズエラ人のものだ。石油を掘ったら、ベネズエラが豊かにならないとおかしいではないか。いくら掘ってもアメリカだけ儲けるのはおかしい。石油をアメリカの石油会社から取り上げて、ベネズエラで掘ることにしよう。国有化しよう」というような政策を訴える大統領が、当選するようになりまし。この3年間で、南アメリカは80%が、このような自主独立派の大統領になりました。アメリカ資本に任せず、自国の経済は自分でやろうという政策を掲げた大統領が、次々と当選したのです。

 いまでは、南アメリカでアリカの言いなりというのは、多分コロンビアしかないと思います。あとは殆どみな、自分の国は自分でやりましょというふうに変わってきました。ベネズエラのウゴ・チャベスという人がそのチャンピオンです。ご存じですね、時の人です。アメリカはそのチャベスの当選を必死になって妨害したのですが、結局ダメでした。チャベスが圧倒的多数で選出されました。その彼の言い分がふるっているのです。

 「失礼にならないようにアメリカから遠ざかりましょう」というのです。いきなり遠ざかったのではゴツンとやられますから、アメリカを怒らせないように、喧嘩しないように、少しずつ「小笠原流」で遠ざかって自主独立に向かいましょうというのです。

 これがいま世界の合言葉です。「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる。」日本もそうしなければいけない、と私は思っているのですが。絶対にやりません。

 こうやってアメリカは、ソ連や東ドイツがなくなってから、修正資本主義をやめて、いまの言葉でいえば「新自由主義」という仕組みに代わりました。日本はそれに右ならえしたのです。いま申し上げたように、このアメリカの新自由主義経済に無条件で追随しているのは、日本しかありません。あとはみな、「失礼にならないように」距離をおきました。

日本だけが無条件でついていきました。だから「ポチ」だといわれるのですネ、確かにポチと言われてもしょうがないほど、無条件でついていきます。それは恥ずかしいことですが、日本が追随していく。これが構造改革なのです。修正資本主義経済から新自由主義経済に変わるということです。簡単にいえば、弱い人の面倒を政府が見るような仕組みから、もう弱い人の面倒は見ませんという仕組みに、変わっていく──。これが構造改革です。

 だから、社会保障はどんどん悪くなる。自由競争で勝ち組と負け組がある。中には1千万ぐらいのマンション買って落ち着いているのもいる。片方には、国民健康保険料さえ払えなくて医者にも行けない。そういう人がもう全国で膨大な人数出てきている。まさに格差社会です。

 どんどんその格差が広がっています。金持ちからお金を取って弱い人の面倒を見る、というのが修正資本主義なのですが、それを止めてしまいました。野放しなのです。強い人はますます強くなり、弱いものは負けたら自己責任なんですよ。こういう仕組みにいま変わったのですね。

 それがいいか悪いか、止むを得ないのかどうかは、いろいろな立場によって考えが違うのですが、事実はそうなったのです。

 しかしヨーロッパは別の道をとっています。このように別の道もありうるというのも事実なのです。ヨーロッパのように社会保障を止めない資本主義もあり得るのです。

 日本の場合、アメリカほど徹底していませんが、流れとしては「政府はもう弱い人の面倒は見ません」、という方向に大きく動いています。


《憲法改悪の要求》

 こうして、アメリカは新自由主義経済で自国の企業を野放しにして、それを世界中に押しつけようとしたのですが、意外に抵抗が大きかった。ヨーロッパはいうことを聞かない。アジアも聞かない、南米も聞かない。これでは困るので力づくで押しつける。こういうことになるのですね。力づくで押しつける時に、最大の目標・ターゲットはもちろん中国です。やっとソ連を倒して、21世紀はアメリカが王様になれると思ったら、中国が巨大な国になってきて、アレリカの前に立ふさがっいます。このままではアメリカは王様ではいられません。中国を抑え込むことが21世紀へ向けてのアメリカの最大の長期的課題になっています。しかし戦争はできません。中国と戦争したのでは共倒れになります。唯一の道はエネルギーを抑えることです。

 ネオコンという人たちの書いた文章を読むと、非常にはっきり書いてあります。21世紀にアメリカが世界の支配権を握るには、中近東の石油を抑えなければならないというのです。中国は石油の自給ができません。どんどん石油を輸入していますが、殆どいま中近東から輸入しています。アメリカが中近東の石油を抑えれば、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなる。当然でしょうね。

 世界一の産油国サウジ・アラビアはすでにアメリカ側の国です。そこで第二の産油国であるイラクをアメリカは分捕りたいのですが、その理由がありません。そこでアメリカは「大量破壊兵器、テロ応援」という嘘をつきました。プッシュ大統領も、ついにウソであったことを認めました。

 ではなぜイラク戦争をやったのか。本当の理由はまだ公表されていません。しかしネオコンという人たちの文章を読むと、明らかに「石油を抑える。抑えてしまえば中国は言うことを聞かざるをえない」。ここに本当の理由があったことは明白です。そうだとすれば、恐ろしい話ですが、(次に)絶対にイランが狙われます。

 世界第1の産油国サウジアラビアは、昔からアメリカの同盟国です。第2位のイラクは抑えてしまいました。そしてイランは第3位の産油国です。ここを放っておいたのでは意味がないのです。中国はいくらでもイランから石油の輸入ができます。どうしてもイランまで抑えなければならないというのは、アメリカでは、いわば常識です。どんな新聞雑誌でも次はイランだということが堂々と語られています。

 ライス国務長官も3日前、「今イランに対するは軍事力行使の予定はない」と言っていました。「今は」です。イランは核開発やっているというのが理由です。たしかに妙な国ですが、しかし別に悪い国ではありません。あのあたりでは1番民主的な国です。曲がりなりにも選挙で大統領を選んでいますから。女性はみな顔を出していますし、大学へもいっています。イランは近代化した国なのです。サウジアラビアなどの国に比べたら、ずっと民主的な近代国家です。イスラム教のお妨さんが、選挙で選ばれた大統領より偉い、というのだけが変ですが、全員がイスラムですから、他国がとやかく言うことではないです。

 ですから、イランが悪魔の国というのは嘘なのです。イラクがそういわれたのも同じで、要するに悪魔の国と誤解させて、戦争しかけてもやむを得ないと思わせるための宣伝が行われているのです。

 イランはイランで、自分で自分他ちの国を近代化していけばいいのであって、核兵器持つなといっても、隣のパキスタンもインドも持っているのです。こちらのイスラエルもです。イランだけ持つなといっても、聞くわけありません。イランに持たせたくないのなら、「俺も止めるからあんたも」と言わなければなりません。「俺は持っている。お前だけ止めろ」と言ったってイランが聞くわけありません。そんな理屈が通るはずがないのです。実に馬鹿な理屈です。

本当にイラクに核開発をやめさせたいのなら、イギリスもフランスもアメリカも 「先ず自分が止める、だからお前も止めろ」と言うしかありません。お前だけ持つなと言って、聞くと思う方がどうかしています。核開発は現在の大国の論理では抑えられません。イランに言わせれば、「イラクがなぜあんなに簡単に戦争しかけられたかといえば、核兵器を持っていなかったからだ。持っていたら恐ろしくてとても戦争なんか仕掛けられない」ということになります。だからイランはいま核開発を急いでいるのです。核兵器を持たないとアメリカに攻められるから。そう思い込んでいるのです。

 そう思わせるようなことをアメリカはやってきたのですから、イランに核兵器開発を止めさせるためには、イラクから撤収して、中東の平和は中東に任せる、という姿勢を示すしかありません。自分がイラクを分捕って居座ったままで、イスラエルやパキスタンやインドの核兵器には文句をいわずイランにだけ、というのは通じない理屈です。実にゆがんだ国際常識というものが罷り通っている、と思います。

 もしアメリカがイランまで分捕ってしまえば、サウジアラビア、イラン、イラクと合わせて、世界の石油の70%ぐらいになるはずですから、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなります。だからつぎはイランだというのが、ネオコンの論理です。

 ただ問題は、イランに戦争を仕掛けるとしても単独ではできなません。兵隊がたりない。徴兵制ではなく志願兵制度ですから。いま、ありったけの兵隊さんがイラクに行っています。あれ以上いないのです。だからハリケーンが来ても出せなかったのですね。そうすると、イランに出す兵隊なんていないのです。そこで、アメリカの右翼新聞の社説など、堂々と書いています。「イラクにいるアメリカ軍でイランを乗っ取れ。カラッポになったイラクの治安維持は、日本にやらせろ」と。
 アメリカの論理から言えばそうなるのでしょう。自衛隊にイラクの治安維持をといいますが、実際は内乱状態ですから、今も毎日アメリカ兵は毎日5人位殺されています。そんなこと引き受けたら、自衛隊員何人死ぬか分かりません。第一そんなことは、憲法9条があるかぎりできないのです、絶対に。憲法があるおかげで、自衛隊はイラクにいますけれども、ピストル1発撃つことができないのです。憲法9条第2項というのがあるのです。自衛隊は戦力ではない・交戦権はないとなっていますから、不可能なのです。だから給水設備備を作るとか、学校修理とか、そういうことしか出来ません。これじゃあアメリカから見れば役に立たないのです。


《平和憲法こそ 日本生存の大前提》

 そこで、「9条2項を変えて、戦争ができる自衛隊になってくれ」というのがアメリカの強い要求なのです。みんな分かっています。言わないだけです。日本の新聞記者も知っています。しかし、「9条変えろ」がアメリカからの圧力、と書くと首になるから書かないだけです。でも誰も知っています。アメリカのに戦争に参加しなさい、という強い圧力がかかっているのです。

 ここのところをよく見極めておくことが必要です、「9条を守る」ということは、「アメリカの言いなりにならぬ」ということと一つ、なのです。

 アメリカと喧嘩しては駄目ですから、「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる」のが何よりも大切です。仲良くするけれども言いなりにはならない、ということです。ところが、憲法が危ないという、この危機的な状況にもかかわらず、国内で労働運動が弱体化していますから、ストライキも起きない。大きなデモも起きない。大反対運動も起きない──。という状況です。

 ではもう駄目なのでしょうか。そうではないと思います。それには日本の国内だけではなく、世界に目を向ける、アジアに目を向けるこちとが必要のです。ご存じのように、これからの日本は、中国と商売せずには、生きていけなくなりま。いま、大企業だけですけど、多少景気がよくなってきています。全部中国への輸出で持ち直したのです。中国マーケットがなくなったら日本経済はおしまいだ、ということは誰も分かってきています。

 お手元の資料の中の(貿易額の)丸い円グラフは、2003年のもので少し古いのですが、アメリカ20.5%、アジア全体で44.7%、つまり日本にとって一番大事な商売の相手は、アメリカではなくてアジアなのです。

 アジアと仲良くしなかったら、経済が成り立たないところへ、いま既にさしかかっているのです。左隣の棒グラフは2004年ですが、左上から右に折れ線がずうっと下がってくる。これが日本とアメリカの貿易です。点線で右へずうっと上がっていくのが中国との貿易。遂に去年(2つの折れ線が)交差し、中国との貿易の方がアメリカとの貿易額より多くなりました。しかも鋏状に交差していますから、今後この2つは開く一方になってきています。

 つまり、あと2・3年もすれば、日本は中国との商売なしには生きていけない、ということが国民の常識になるということです。いま既に、中国を含めたアジアが、日本の一番大事なお客さんなんです。仲良くしなければいけません。一番大切なお客さんの横っ面ひっぱたいたんじゃ商売は成り立ちません。

 靖国参拝などというものは、一番大事なお客さんの横面ひっぱたくと同じことなのですから、個人の信念とは別の問題です。小泉首相は総理大臣なのですから、個人の心情とは別に日本の国全体の利益を考えて行動しなければいけません。それは総理大臣の責任だと思います。その意味でアジアと仲良ぐできるような振舞いをしてもらわなければ困るのです。

 もう一つ。アメリカとの商売はこれからどんどん縮小していきます。それは、ドルというものの値打ちがどんどん下がっていくからです。これはもう避けられません。

 昔はドルは純金だったのです。1971年まで、35ドルで純金1オンスと取り換えてくれました。だからドルは紙屑ではありませんでした。本当の金だったのです。

 われわれのお札はみな紙屑です。1万円なんて新しくて随分きれいになりましたけど、綺麗にしただけちょっとお金がかかって、印刷費に1枚27円とかかかると聞きました。27円の紙がなぜ1万円なのか。これは手品みたいなものです。あれが5枚もあるとなかなか気が大きくなるのですが、本当は135円しかないのです。それが5万円になるのは、法律で決めているのです。日銀法という法律で、こういう模様のこういう紙質のこういう紙切れは1万円、と決められている。だから、あれを1万円で受け取らないと刑務所に入れられます。法律で決まっているからです。ですから日本の法律の及ぶ範囲でだけ、あれは1万円なのです。その外へ出ると27円に戻ってしまいます。

 金と取り換わらないお札というのは、簡単にいえばその国の中でしか通用しません。他の国へ行ったら、その国の紙屑と取り換えなければ通用しません。ところが、ドルだけは世界で通用しました。純金だからです。

 ところが、1971年にアメリカはドルを金と取り換える能力を失いました。ベトナム戦争という馬鹿な戦争をやって莫大な軍事費を使ったのです。背に腹は代えられなくてお札を印刷し、航空母艦を造ったりミサイル、ジェット機を作ったりしたのです。そのために、手持ちの金より沢山のお札を印刷しちゃったのです。

 その結果、アメリカは、ドルを金と取り換える能力を失ったのです。そこで、71年8月15日、ニクソン声明が出されました。「金、ドル交換停止声明」です。あの瞬間にドルも紙屑になったのです。ドルが紙屑になったということは、ドルがアメリカの国内通貨になったということです。

 ところが、問題はそれ以後なのです。世界で相変わらずドルが適用したのです。皆さんも海外旅行へ行かれる時は、大体ドルを持って行かれますね。どこの国へ行っても大丈夫なのです。金と取り換えられないお札が何故世界で適用するかは本当に不思議で、経済学者にとって最大の難問なのです。いろんな人がいろんな答を言っていますけど、あらゆる答に共通しているのは、ひとつは「アメリカの力の反映」だから、ということです。

 つまり、日本が自動車を作ってアメリカヘ売ります、ドルを貰いますネ。日本は損をしているのです。自動車という貴重なな物質がアメリカへ行って、紙屑が返ってくるのですから。物が減ってお札だけ増えると必ずバブルになります。

 バブルの犯人はそこにあるのです。日本が輸出し過ぎて貿易黒字を作り過ぎているのです。だから日本は、アメリカに自動車を売ったら、「純金で払ってください」と言わなければなりません。ところがそう言うと、ジロッと睨まれてお預けになってしまいます。日本には米軍が5万人います。「アメリカのドルを受け取らないとは、そんな失礼なこと言うなら、在日米軍クーデター起こしますよ」、これで終わりなのです。黙って受け取ってしまう。だから日本は無限に物を提供し、無限に紙屑をもらう。こうしていくら働いても日本人の生活はよくならないのです。しかもその紙屑でアメリカの国債を買っています。アメリカに物を売って、払ってもらった代金をアメリカに貸している。言ってみればツケで輸出しているようなものです、現実に。アメリカにいくら輸出しても日本は豊かにならない仕組みになつています。

 2週間前に『黒字貿易亡国論』という本が出ました。有名な格付け会社の社長さんですが、「貿易黒字を作るから日本は駄目なのだ」、ということを詳しく論じたたいへん面白い(文芸春秋社の)本です。確かにそうだと思います。だからドルは、本当は受取りたくないのです。みんな紙屑なんです。だけど受け取らないと睨まれる。アメリカの軍事力が背景にあるのです。

 その力をバックにして、紙切れのお札を世界に通用させている。例えていえば──餓鬼大将が画用紙に絵をかき1万円と書いて鋏で切り、これ1万円だからお前のファミコンよこせ、とこれを取り上げる──のと同じです。いやだと言ったらぶん殴るのです。怖いから黙って渡して紙屑もらうことになります。その紙屑で、他の人から取り上げればよいのです。「お前のバイクよこせ、よこさなかったらいいつける」。「あの人、あんたの紙屑受け取らない」、するとガキ大将が釆て、ゴツンとやってくれる──。餓鬼大将の力の及ぶ範囲ではそれが通用するのです。

露骨にいえば、ドルがいま世界に適用しているのは、そういう仕組みが一つあります。

 もう一つは、ソ連の存在です。もし紙屑だからアメリカのドルを受け取らないといったら、アメリカ経済は潰れます。アメリカが潰れたらソ連が喜ぶ。だから紙屑と分かっていても受け取ってきた。ソ連に勝たれては困るから──。

 これも確かに一理あります。ということは、ソ連がいなくなって、紙屑は紙屑だということがはっきりしてきたのです。今まではソ連がいるために、紙屑なのに金のように適用したが、今や「王様は裸だ」というのと同じで、「ドルは紙屑だ」といっても構わない時代です。

 ともかくドルが危ないのです。私が言ってもなかなか信用してもらえませんが、経済誌『エコノミスト』、一流企業のサラリーマンなら必ず読んでいる雑誌すが、これの去年9月号が中国“元”の特集でした。その真ん中へんに「プラザ合意20年」という対談がありました。その中で、榊原英資さんは「5年以内にドル暴落」と言っています。

 榊原さんは大蔵省の元高級官僚で日米為替交渉の責任者を10年やりました。円・ドル問題の最高責任者だった人です。「ミスター円」といわれていました。通貨問題に最も詳しい現場の責任者です。停年で大蔵省をやめて今は慶應大学の先生になっています。この人が「5年以内にドルが暴落する」、つまりドルが紙屑だということが明らかになる日が近いと言っているのです。

 ソ連がいる間は隠されていたのですが、いまはもう、ドルは紙屑だから受取りたくないという人たちが増えてきています。これまでは世界通貨はドルしかなかったので、受け取らなければ商売ができなかったのですが、今ではユーロという代わりが出来てしまいました。ドルでなくてユーロで取引する国が増えてきています。そしてユーロの方が下がりにくい仕組みになっています。ドルは下がるのです。

 なにしろアメリカは、永いことドルが世界通貨ということに慣れてきました。だから自動車が欲しければ日本から自動車買って、アメリカは輪転機を回せばよいのです。紙とインクがあればいいのですから。ほかの国はこんなことできません。自動車が欲しければ、一生懸命働いて何か輸出し、その代金で輸入しなければならないのです。アメリカ以外の国は全部そうやっているのです。

 輸入は輸出と一緒です。輸入するためには輸出しなければなりません。ところがアメリカだけは輸出しないで輸入ができるのです。ドルという紙切れが世界通貨ですから。極端に言えば、欲しい自動車や石油を日本やアフリカなどから買って、紙とインクで支払う。実際そうして世界の富がアメリカに集まったわけです。

 71年以降の30年間、この仕組みのために、世界中にドルが溢れ出ました。ドルがどんどん増えますから、当然値打が下がります。こうしてドル下落傾向。(資料の一番下のグラフがそうです。円が上がっていく様子、為替取引だから短期的には上下しますが、長期的には間違いなく円高。ドルがドンドン下がるのは確かです。)これがあるところまでいくと、ガクッと下がります。

 あるところまでいくと、「ドルは信用できない、下がる通貨は持っていたくない」となります。ですからドルを受け取らない、ユーロか何か、別な、下落しない通貨でなければ受け取らないということが出てくる。そうなるとドルは暴落します──。榊原氏がそういっているのです。

 ヨーロッパはユーロでいくでしょう。アジア経済圏はなんといったって元です、中国の。中国は賢いですから、元を押しつけないで、何かアジアの新しい通貨を作るかもしれません。しかし元が中心になることは間違いないでしょう。ドルはアメリカでしか使われなくなる。そうすると、今まで全世界で使われていたドルが、みんなアメリカに集まって来るわけですから、アジア、ヨーロッパで使われいていたドルがみな戻ってきて、簡単にいえばドルの値打が3分の1に下がることになります。

 アメリカの生活は大きく収縮します。一家で3台自動車持っていた家は1台に。1台持っていた家は止めなくればならなくなる、ということです。

 アメリカ経済の収縮。これは大変恐ろしい話なのです。世界経済が大きく収縮し、日本経済は大きな打撃を受けます。しかし避けられない動きなのです。いつのことか分からないが、そう遠くない将来にドルの信用がドンと落ちていく。結果として日本がアメリカにだけ頼っていたら、大変なことになります。

 いまのうちに、アメリカに輸出してドルをもらったらユーロに代えておいた方がいい。ユーロの方は下がらないからです。EUという所は、国家財政が赤字だと加盟できないことになっています。赤字だと穴埋めにお札を出すので乱発ということになって下がるのです。だからユーロは一応下がらない仕組みになっています。乱発できないようになっているのです。ドルは短期的に持つのはかまわないが、3年、4年と長期的に持っていると下がってしまいます。それならユーロにしておいた方がいいとか、これから生まれるかもしれないアジア通貨にしておいた方がよいとかいうことになります。世界の大企業や国家が、決済のために多額のドルを持っていますが、これがユーロに切り替えられるとなると、ドルはもう世界通貨ではなくなります。

 そうなると、アメリカだけに依存している国は、大変苦しくなります。21世紀の日本を考えた時、アメリカと仲良くするのは大切ですが、しかしアメリカ一辺倒では駄目な時代になっているのです。アジアと仲良くしなければいけません。

 しかしアジアと仲良くするのには、無条件ではできません。なぜなら、60年前、アジアに戦争を仕掛けて大変な迷惑をかけた。その後始末がちゃんとできていないのです。仲良くするするためには、60年前のマイナスを埋めるところから始めなければいけません。別に難しいことではないのです。「あの時はごめんなさい。2度とやりませんから、勘弁してください」。これで済むわけです。

 問題は、「2度とやりません」が、信用してもらえるかどうかです。信用してもらうための最大の決め手が「憲法第9条」です。憲法9条第1項、第2項がある限り、日本は2度と戦争はできません。イラクの状態を見ても、自衛隊は鉄砲一発撃てない。(世界中)みんなが見ています。この憲法9条第1、第2項がある限り、日本は戦争はできません。だから安心して日本と付き合うのです。

 もし日本が憲法9条を変えて、もう1回戦争やりますということになったら、アジアの国々は日本を警戒して、日本との付き合いが薄くなってしまいます。いま既にそうなりつつあります。小泉首相は靖国に何度も行く。自民党は憲法9条を変えることを決め、改憲構想まで発表した。アジアの国々は用心します。「そういう国とは、あまり深入りしたくない」。

 小泉首相は「政冷、経熱」でいいじゃないか、といいます。政治は冷たくても経済では熱い関係というのでしょうが、そんなことはできません。中国と日本の経済関係はじわっと縮小しています。統計でもそれははっきり出ている。

 おととしまで中国の貿易のトップはアメリカでした。次が日本、3位はEU。これがひっくり返ってしまいました。去年はトップはEU、2位アメリカ、3位日本です。明らかに中国は日本との商売を少しずつ縮小させている。その分EUに振り替えています。

 去年5月、ショッキングなことがありました。北京・上海新幹線という大計画をEUに取られました。北京〜上海って何キロあるのでしょう。日本の本州より長いのではないでしょうか。このとてつもない計画があって、去年、まだ予備調査の段階すが、日本は負けました。ドイツ、フランスの連合に取られました。予備調査で取られたということは、本工事は駄目ということです。中国にすれば、日本にやらせるのが一番便利なのです。近いですし、新幹線技術も進んでいます。まだ1度も大事故を起こしたことがありません。ドイツもフランスも、1回ずつ大事故を起こしたことがあります。技術からいっても資本からいっても、日本にやらせれば一番いいのに、日本が負けました。明らかに政治的意図が働いたと思われます。日本との関係を深くしたくない。いざという時、いつでも切れるようにしておく。いざというとき、切れないようでは困る。そういうことではないでしょうか。

 いまのままアメリカ一辺倒でいいのでしょうか。私は長島さんをよく思い出します。後楽園での引退試合の時、最後に「読売ジャイアンツは永久に不滅です」といったのです。永久に不滅どころか、去年のジャイアンツのサマといったらもう、見ていられない。アメリカもそうなるのではないでしょうか。小泉首相は「アメリカは永久に不滅です」と、いまもいっているのですが、そうではないのではないでしょうか。

 アメリカにさえ付いていれば、絶対大丈夫という時代は終わったのです。アメリカとも仲良くしなければいけませんが、しかしアジアとも仲良くしなければいけない、そういう時代がいま来ているのです。仲良くするのには、憲法9条を守ることが大前提です。これを止めてしまったら、アジアとは仲良くできません。

 憲法9条は、日本にとって“命綱”です。いままでは、憲法9条というと、「理想に過ぎない。現実は9条で飯食えないよ」という人が多く、中には鼻で笑う人もいました。しかしいまは逆です。9条でこそ食える。9条を変えたら、21世紀日本の経済は危ないのです。

 憲法9条を守ってこそ、この世紀の日本とアジアとの友好関係を守り、日本も安心して生きていけるのです。こういう世の中をつくる大前提が憲法9条です。憲法9条は美しいだけではなく、現実に儲かるものでもあります。そのことがやっと分かってきました。

 奥田経団連会長は、去年までは小泉首相を応援して靖国参拝も賛成だったのですが、そんなこといってたらトヨタは中国で売れなくなります。そこで今年の正月の挨拶でついに、「中国との関係を大事にしてほしい」と、向きが変わりました。
 財界が、中国と仲良くしなければ自分たちは商売ができない、となってくれば、日本の政治の向きも変わるだろうと思います。あと3年たてば多分、これは日本の国民の常識になってきます。中国と仲良くしないと経済が駄目になる。それは中国のいいなりになることではないのです。良くないことはきちんという。だけど敵にするのではなく、仲良くする。でなければ、日本の経済は成り立たない。これがみんなの常識になってくるでしょう。

 これまで60年、アメリカベったりだったから、アメリカから離れたら生きていけないと皆思ってきました。しかし現実の数字はそうでなくなっています。一番大事な経済の相手は、もうアメリカではなくアジアなのです。これに気づくのにあと2・3年かかるでしょう。これが世論になれば、もう、憲法を変えるなどということは、絶対にできません。

 しかし、この3年の間に、国民の世論がそのように変わる前に、憲法が変えられてしまったら、どうにもなりません。

 あと3年、必死の思いでがんばって、子供たちに平和な日本を残してやるのが、私たちの務めだと思います。そう思って、私も必死になってかけ回っています。あと3年ぐらいはまだ生きていけるだろうから、なんとしても3年間は9条を守るために全力をつくしたいと決心しています。

 ありがたいことに、9条を変えるには国民投票が必要です。国会で決めただけでは変えられません。国民投票で過半数をとらないと、憲9条は変えられないのです。逆にいえば、これによってこちらが憲法9条を守る署名を国民の過半数集めてしまえばいいことになります。住民の過半数の「9条を守る」署名を3年間で集めてしまう。そうすればもう、変えることは不可能になります。

 そうすれば、子供たちに憲法9条のある日本を残してやれます。2度とアジアと戦争する国にならないようにして、そしてもし長生きできれば、新自由主義という方向、つまりアメリカ言いなりではなく、もっと自主的な経済ができるように、せめてヨーロッパのような修正資本主義、ルールのある資本主義の仕組みにもう一度戻すこともできるでしょう。

 日本中で、飢えている人、因っている人、貧しい人が、それでも人間らしく生きていけるような、最低限の保障ができる、生きる希望が出る──。そういう社会にすることが大切なのだ、と思います。これは長期的展望です。簡単にはできません。一度、新自由主義になってしまったので、10年位かかるでしょう。国民が賢くなって、正しい要求を政府につきつけていかなければいけません。その中心になる労働運動の再建が必要です。

 結局国民が主権者なんですから、国民の願いがかなうような、そういう日本に作り替えていきたいなと、そういう道を進んでいきたいなと思います。

 鋸南町は合併を拒否なさったというので、日本でも有数な自覚的な町といえます。合併するとまず住民自治がダメになります。大きくなるということは、住民自治が駄目になることでもあります。住民が主人公になる町こそ大切。ぜひこの美しい山と海と禄のある町で、1人1人が主人公であるような地域共同体というものを、みんなが助け合える町になることを私も希望して、講演を終わらせていただきます。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm

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