<高まる陽性率、医療崩壊始まってる!>新型コロナ 医療最前線、伝えたいことは 国立国際医療研究センター、医師・忽那賢志さん(朝日新聞) http://www.asyura2.com/20/senkyo271/msg/693.html 「つい先日、50施設に受け入れを断られたという軽症患者が来ました。25施設から断られた重症患者も受け入れました。どこもベッドがいっぱいと。うちも結核患者向けの病棟を丸ごと新型コロナ感染者に充てていますが、お断りせざるをえない時もある。医療崩壊は始まっています」https://t.co/CcA31uxYne — 冨永 格(たぬちん) (@tanutinn) April 18, 2020 (新型コロナ)医療最前線、伝えたいことは 国立国際医療研究センター、医師・忽那賢志さん https://digital.asahi.com/articles/DA3S14446107.html 2020年4月18日 5時00分 朝日新聞
感染の拡大が止まらない新型コロナウイルス。普通のかぜと見分けがなかなかつかないが、どんな時に感染を疑えばよいのか。緊急事態宣言がでて外出自粛が呼びかけられているが、患者の増加は抑えられるのか。発生当初から多くの患者を診てきた、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)の忽那(くつな)賢志医師に9日、オンライン会議システムを使い、現状を聞いた。 忽那賢志さん
高まる陽性率、医療崩壊始まってる 流行地域もっと検査を、外出自粛徹底して ――感染者が日ごとに増えています。 うちの帰国者・接触者外来でPCR検査を受けて陽性だった人の割合は3月末は5%前後でしたが、いまは約20%。陽性率は高まっています。診断はなされていないものの、新型コロナウイルスに感染している人は東京都内には相当いるといえます。 ――患者の受け入れはできていますか。 つい先日、50施設から受け入れを断られたという患者がうちに来ました。この方は軽症でしたが、その少し前には25施設から断られたという重症患者も受け入れました。どこもベッドがいっぱいと言われたそうです。うちも結核患者むけの病棟をまるごと新型コロナウイルスの患者に充てていますが、お断りせざるをえない時もあります。医療崩壊は始まっています。 ――どんな時に感染を疑えばよいでしょうか。 例えば、現在感染者がごくわずかな地域に住み、のどが痛いといった場合は、きっとかぜでしょう。東京都内の人ならば、新型コロナウイルスの可能性はあります。症状が持続するかどうかが一つのポイントです。ただし数日たたないとわかりません。 ――かぜやインフルエンザとどう違いますか? 発熱やせき、のどの痛み、鼻水といったかぜのような症状で始まるのは同じです。インフルエンザは数日でよくなることが多いですが、だらだら症状が続くのが新型コロナウイルスの特徴です。1週間くらいかぜの症状が続き、自然によくなる人もいます。中には2週間くらいだらだらと症状が続く人もいます。 1月のころは気にしていませんでしたが、3月中旬ごろから味覚・嗅覚(きゅうかく)の異常がある患者さんもいると気づくようになりました。3割ほどにみられます。 ――悪化する人はどんな経過をたどりますか。 発症から7〜10日目に悪くなる人が多い。肺炎になり呼吸状態が悪くなる。そのあたりまで慎重にみたほうがいいでしょう。実際にうちの病院でも、人工呼吸器を着けた後に、残念なことに亡くなった方も数人います。高齢で基礎疾患のある方でした。 ――軽症者は宿泊施設や自宅で療養ができるようになりました。 発症して陰性になるまで20日程度、症状がない人でも9日ほどかかります。PCR検査で2度陰性でないと退院できないこともあり、入院が長引き、ベッドがなかなか空きませんでした。特定の病院がパンクしないよう、国に要望してきました。軽症者が宿泊施設や自宅で療養するようになったことは評価しますが、感染が拡大するスピードに追いついていません。 ――PCR検査数が少ないという批判があります。 3月時点では、少なすぎるとは思っておらず、適切に検査されていると感じていました。だが今、東京のように流行している地域では、もっと検査を増やさねばならないでしょう。検査していないが感染している人から周りに広がるかもしれない。感染者を確定し、さらなる広がりを防がねばならない。検査する病院が限られていることが問題なので、検査をする施設を増やす必要があります。 流行していない地域でも一律に増やしたほうがいいという意味ではありません。流行しているかどうかによって、地域ごとに考える必要があります。 ――国や都に求めたいことはありますか。 医療現場に防護服が足らないことも大きな問題です。丸腰で我々は患者さんを診ることができない。最優先して供給してほしい。 ――緊急事態宣言の後、収束に向かうでしょうか。 外出自粛の効果がわかるのには、2週間かかるとされるので、少なくともそれまでは患者数の増加は続くでしょう。このウイルスの感染拡大は、人と人の接触を断てば抑えられるとわかっています。ですが宣言が出てもみんな、意外と外に出ている。どこかひとごととみている人がいて、緊迫感がない。2週間後に効果が本当に見えるのか不安です。感染が収まらなければ、オーバーシュート(爆発的な感染拡大)します。イタリアのように人工呼吸器を使えば助かる人を助けることができず、多くの方が亡くなる事態につながりかねません。不要不急の外出を控えて、家にいてください。
|