2016年09月27日 中国が輸出する潜水艦の中身 Uボートの改良版 http://thutmose.blog.jp/archives/66172033.html 70年前のUボートをここまで改良したのは立派、039A型潜水艦 引用:http://image01w.seesaawiki.jp/n/2/namacha2/f8102e2090aac208.jpg
米軍が中露の兵器を褒める理由
中国はこのところ潜水艦の輸出攻勢を掛けていて、と言っても成約はパキスタンとタイだけだが、多くの国に売り込んでいる。 潜水艦の性能は現代兵器の中でもとりわけ秘密にされていて、外部に公開されることは無いとされている。 それでも断片的な情報や、技術的な変遷を辿ることで、その性能を推測する事ができる。 どの国でもそうだが、輸出用兵器は自国で使用する兵器より性能を落とすもので、日米や欧米も例外ではない。 ソ連やロシアが輸出する兵器もダウングレードした物で、中国が輸出するのも当然、国内向けより劣っている。 すると中国が自国で使用している兵器の性能が分かれば、輸出仕様のレベルもおのずと察せられます。 情報量としてはアメリカ軍やアメリカ研究機関が多いのだが、過去の例から信憑性が低い事が多い。
アメリカ軍は自国の敵を強大に見せかけるほど予算を増やしてもらえるという利害関係があるので、なるべく敵を強く見せようとします。 冷戦時代「ソ連には4000発の核ミサイルがあり、米国は叶わない」と主張したが、実際には数発しか発射可能な核ミサイルを持っていなかった。 ソ連やロシア戦闘機を強く見せかけるのも恒例で、そうする事で新型戦闘機の開発予算を獲得しました。
中国製兵器についても大体は「アメリカ製に匹敵する」と書かれているが、大概にしろという感じです。 例えば中国の原子力潜水艦は、現実に外洋にでて稼動しているものが1隻もなく、従って米国にミサイルを撃ち込めないとされている。 アメリカ軍人や軍関係機関の言い分を真に受けていると、今にも中国やロシアが米本土に上陸するように思えてくる。
中国製潜水艦の性能とは 中国は最新の大型原子力潜水艦094Aを開発中で、094型原潜の改良大型版とされている。 これは093型原潜の改良大型版で、ロシアからヴィクターIIIの技術を導入して建造された。 当時ソ連崩壊で金銭的に困窮していたので、原潜でもミサイルでも、何でも外国に売っていました。 094型は4隻が建造され、やはりロシアの技術協力を受けていました。
水中からのミサイル発射実験は確認されておらず、実戦配備もされていないと考えられている。 ただ試験的に外洋に出ている姿は数回確認されているが、潜水艦は外国から「確認」されてはならないので、問題を抱えていると想像できる。 射程8000Kmの弾道ミサイルを水中から12発発射できるのだが、戦力にはなっていない。
まとめて言うと、まだ中国は実用段階に達した原潜を一隻も保有していません。 次に通常型潜水艦を見ていくと、原潜を含めて既に、米軍の71隻を超えて保有数世界一になっています。 中国最新の通常潜水艦は039A型潜水艦で、フランスの技術協力でAIP(非酸素動力)機関が搭載されています。
フランスってのは独裁者にも平気で軍事援助する国だが、それは本題と関係ないので脇に置きます。 パキスタンやタイに輸出するのはこのAIP付き039A型潜水艦と見られているが、039型潜水艦にAIPを追加した物です。 原子力潜水艦は一隻も実戦配備されていないが、こうして写真を撮ってもらうため、時々遠洋航海している 2dtubnb 引用:http://oi39.tinypic.com/2dtubnb.jpg
Uボートの改良版を今も使う中国 番号を逆に辿れるので非常に分かり易いのだが、033型、035型、039型ときて039A型になりました。 基本設計は033型の改良なのだが、この033型がとんでもない代物なのだった。 ソ連の633型潜水艦を中国に技術供与した国産潜水艦が033型で、当然本家の633型の劣化版でした。 ソ連の633型潜水艦は通称ロメロ級で1957年建造開始で、今も現役で使用されているとの事です。
613型潜水艦の改良版であり、613型は1949年建造開始で、沿岸警備用に設計されたが大型化して本格潜水艦になった。 ソ連がドイツを占領したときにUボートの設計図をぶんどって、ドイツの潜水艦技術者を連行して作らせた物でした。 新しい技術が追加されているとはいえ、ナチスのUボートを真似した潜水艦を、今も現役で使用しているのです。
ソ連は50年前の米ソ宇宙競争で開発したロケットと宇宙船を、現在も使用し続けていて、問題が無い限り変えようとしない。 潜水艦も問題がないので変更しないのだと思うが、本人の勝手ではあります。 60年前から改良してきた潜水艦は日米欧の潜水艦と比べてどうなのかに興味が引かれるが、現実の戦争が起きない限り分からない。
歴史上、潜水艦同士が戦った事は一度も無いので、ロシアや中国の潜水艦が日米より劣っていても、問題は起きないのです。 中国の潜水艦は旧ソ連のコピーなので、現在のロシア潜水艦より、さらに劣っていると言われています。 「うるさい」「故障が多い」「発表値だけ高性能」なので、数が米軍を超えても実戦で役立つかは疑問です。
そもそも実戦のためではなく、見せ付けるための潜水艦だとしたら、実用性は必要ないのかも知れません。 中国が自前で高性能な潜水艦を建造する計画はなく、現代版Uボートで満足しているようです。 ▲△▽▼ 2016年09月24日 中国は物つくりを舐めている 兵器からスーパーコンピュータまで http://thutmose.blog.jp/archives/66100271.html 立派なAWACSだが中身はすっからかん 引用:http://static.laodong.com.vn/uploaded/phamthuhien/2014_04_13/gh%20(18)_yrap.jpg 中国の技術進歩はなぜ早い
中国は他の先進国でも考えられない速度で、新しい技術を実用化したり完成させている。 日米欧を遥かに超えるペースで先進技術をものにしているのだが、完成した後の評判が良くない。 形だけをコピーして中身はスカスカというケースが、あまりにも多い。 2003年に初めてロケットで宇宙に人を送り、5回ほど成功させているが、評価はあまり高くない。 ロケットそのものは大陸間弾道ミサイルの流用で、第二次大戦後にソ連から提供されたV2ロケットの資料を基にしている。 弾道ミサイルや衛星打ち上げに200回以上の実績があるが、技術的に特筆することは何も無い。 宇宙船の「神舟」はソ連が1960年代から使用している「ソユーズ」そのもので、中国でサイズを拡大した。
日本がアメリカからアポロロケットを貰ってH2Bで打ち上げるのと同じで、技術としては50年くらい前のものです。 月探査の無人宇宙船とか、宇宙ステーションも同じで、どれもソ連のお下がりが無断コピーした。 コピーした物を実用化するには、それなりの努力もしたと思うが、自分で作ってやろうという気概は微塵も感じられない。
宇宙がこうなら兵器もすべてそうで、ことごとく全てがロシアから技術提供を受けたか、米ソの無断コピーです。 例えば中国はアメリカのとそっくりな「イージス艦」多数を保有しているが、普通のレーダーを平面に張っただけなのです。 米イージス艦は数千のレーダー素子を1枚のパネルに張り、それを4面に張って360度を常時捜索している。
ところが中国052D型駆逐艦の「イージスレーダー」は普通のレーダーを壁に4枚張っただけで、むしろ普通のレーダーのほうがましです。 そんな事をしてどうするのかと思うが、アメリカのイージス艦と外観がそっくりなのが自慢で、頻繁にマスコミに公開している。 物真似だらけの中国兵器
アメリカはAWACSという早期警戒機を保有していて、旅客機の頭上にUFOをくっ付けたような独特の外観をしています。 中国はこれも真似して外観がAWACSそっくりな飛行機を作ったが、やはり普通のレーダーを頭上に取り付けただけでした。 空警2000やY−8AEWの円盤型レドームは回転せず、中身のレーダーも回転していないので、「ただの飾り」を背負って飛ぶのです。 韓国が導入した737AEW&Cは板状の固定レーダーを背負っているが、中国も同じ方式なのだが、外見だけアメリカと同じにして自慢したいのです。
アメリカはF22とF35というステルス戦闘機を開発したが、中国もJ20とJ31というステルス戦闘機を開発しました。 だがどちらもステルス性に疑問が持たれていて、基本性能も従来機より劣っています。 中国は今でも戦闘機エンジンを国産出来ないのでロシアから輸入しているが、ステルス戦闘機のエンジン供給をロシアから拒否されています。
中国の国産エンジンは毎日使用したら毎年オーバーホールが必要で、寿命は数年しか持たず、出力はロシア製より大幅に劣っています。 ステルス性については外観が「ブリキのおもちゃ」っぽくて、既存の戦闘機にそれっぽいカバーを被せたように見える。 中身は従来の中国製戦闘機の改良で、外観だけをF22やF35に似せた可能性が、非常に高いです。
中国発の空母「遼寧」もそうで、ウクライナからスクラップを購入して再び就航させました。 船体の問題はおいといて、艦載機のJ15はロシア戦闘機の無断コピーで、陸上戦闘機を船に搭載できるようにしただけの代物でした。 永遠の三流技術
実用性はなく、ミサイルや燃料を必要なだけ搭載すると、離陸する事ができないので、ただの展示品です。 潜水艦もそうで、第二次大戦後にソ連から提供されたものを改良していて、独自技術の潜水艦は持っていません。 原子力潜水艦は稼動するものが一隻もなく、独自技術がないので新規開発もできないと言われています。 中国の原子力潜水艦はカタログ性能ではロシア並みなのだが、すぐに故障するので、試験して写真を撮って、欧米に紹介してもらって、それで倉庫にしまいます。
中国が輸出した兵器も壊れまくっていて、アフリカ諸国では低価格で人気ですが、空を飛ぶ戦闘機などは危なくて運用出来ない。 小銃とか戦車など、壊れても良い(?)物は使えるが、飛行機や潜水艦は故障すると命が危ないので使えない。 中国はこの何年か、スーパーコンピュータで連続して世界一を取っているが、これがまたイカサマでした。
一度も稼動していない世界一のスパコン「Sunway TaihuLight」(神威太湖之光) 引用:http://images.indianexpress.com/2016/06/china-fastest-superco_kuma759.jpg
2016年、スーパーコンピュータ性能ランキング「TOP500」で中国製スパコンが7回連続1位を獲得しました。
「TOP500」では『1+1=2』のような単純計算を、1秒間に何回繰り返せるかを競うので、現実の性能を比較しません。 試験のために稼動するのは1秒間だけで、しかも稼動した事にして、一部分だけで処理速度を計算し比較するのです。
つまり1位の「Sunway TaihuLight」(神威太湖之光)、2位の「Tianhe-2」(天河二号)も、完成後に1回も稼動した事がない、ランキングのためだけのコンピュータなのでした。 中国はこれらスパコンの中身をを国産CPU「神威」だと説明しているが、非公開なので誰も見た事が無い。 インテルCPUを無断コピーしたものだと言われていて、多分その通りでしょう。
インテルは中国国内でCPUを生産していたので、旧型CPUの技術が渡っていたのでした。 中国人は地道な努力が嫌いで、手っ取り早く成果の出るものが大好きです。 何十年も基礎技術を研究するより、隣りから盗んだ図面を3Dプリンターでコピーする方が好きなのです。
だがそれをやっている限り、一流どころか二流の域にさえ、辿り着けないでしょう。 ▲△▽▼ 2016年10月02日 中国新空母建造に見る共産主義の欠陥 性能の概念がない http://thutmose.blog.jp/archives/66274889.html 作り始めたと思ったらもう進水間近の中国空母 引用:http://upload.qianlong.com/2016/0606/1465208163932.jpg 驚異的な短期間で完成する中国新空母
中国は遼寧に替わる新型空母を、驚くほどの速さで開発建造し、来年には進水するとみられている。 001Aと呼ばれている空母は2015年に衛星画像で建造が確認され、最初は骨組みしかなかった。 短期間で船体や甲板が組み立てられ、数ヵ月後には衛星写真ではっきりと空母と分かるようになっていた。 通常空母の建造はもっと難航し、特に新型空母の開発は10年以上かかる例もある。 中国初の空母「遼寧」は旧ソ連空母「ヴァリャーグ」で建造開始は1985年12月で1998年中国へ売却された。 就役は2012年9月なのでなんと建造開始から27年、中国に引き渡されてからも14年掛かっています。 それが001Aは2015年に建造開始して進水予定が2017年、おそらく2年後には海軍に引き渡すのでたった4年で建造です。
フランス空母シャルル・ド・ゴールは1989年4月建造開始で、2001年5月就役なので約12年掛かっています。 米最新空母ジェラルド・R・フォード級は2009年建造開始で、2016年に就役予定なので7年です。 イギリスのクイーン・エリザベス級は2009年建造開始で2017年就役なので8年間になります。
ロシア唯一の空母アドミラル・クズネツォフは1982年9月建造開始で1990年12月就役なのでやはり8年でした。 このように新型空母を開発建造する場合、最短でも7年以上は掛かります。 中国の空母が短期間で建造できる理由
日本初の本格空母「赤城」は7年かかり、その後の大戦型空母は4年で就役していますが、その頃の空母は構造が単純でした。 ではどうして中国の空母は第二次大戦型空母並みの短期間で建造可能なのかは、中国が共産国家だという事を考えると分かります。 共産国家ソ連は第二次大戦でドイツに負けそうになったが、信じられないほど短期間にT34戦車を量産して、数量で圧倒しました。 共産主義国は国民全員が強制労働なので、資本主義国や民主主義国よりも、短期間で優秀な兵器を大量生産可能です。
およそどんな兵器を見てもアメリカよりロシア(ソ連)中国の方が数量が多く、数で圧倒しています。 ただし共産主義には「量」という概念しかないので「性能」「品質」という考え方が存在しません。 、 中国人にもロシア人にも品質性能という概念はあるのだが、共産主義という仕組みに組み込まれていないので、努力してもどうにもなりません。 例えばアメリカの新型戦闘機が1機で敵戦闘機1000機を撃墜する性能を有し、その分数量を減らしたら、開発者は賞賛されるでしょう。 だが中国が従来型戦闘機1000機を、高性能な新型戦闘機100機に置き換えたら、その責任者は更迭されるか処刑されます。 共産主義は生産量で実績を評価するので、1000機を100機で置き換えたら、10分の1の評価になるのです。
中国のあらゆる分野でこの現象が見られ、海軍の軍艦も戦闘機も、陸軍もミサイルも、驚くほどの「数量」を揃えています。 ただし中国軍が保有するどの兵器もロシア製よりかなり劣っており、米国製とは比較になりません。 共産主義の基本理念は数量の最大化で、それに比べると品質や性能の優先順位は低い http://img-cdn.jg.jugem.jp/d00/2905315/20150905_1166817.jpg
共産主義は性能という概念がない
そして共産主義国では例えばT34という戦車が開発されたら、それで用事が足りるならずっと使い続けます。 ドイツ軍に負けそうだったから大急ぎで新型戦車を開発したので、その後はもうどうでも良いのです。 ロシアの最新戦闘機は今でも1980年頃開発したSU27やMIG29の改良で、まったくの新型戦闘機というのは存在していない。 これが共産国家の停滞で、良く見ると中国にも、至るところで同じ現象が見られます。
中国の「新型兵器」はどれも外観だけは米国製に似せているが、基礎技術を開発しないので、中身はソ連時代のままが多い。 完全な新型兵器など開発して「数量」を減少させたら、生産量を減少させた罪でその人物は処罰されます。 中国が建造している新型空母は「遼寧」つまり「ヴァリャーグ」の拡大版で、拡大する理由は遼寧が小さすぎて戦闘機が離陸出来ないからだと思われている。
ロシア空母「アドミラル・クズネツォフ」と遼寧は同じような構造だが、カタパルトを備えていないので、戦闘機はフル装備だと離陸出来ないのです。 その機能はまったくの飾りで、コケオドシ以上の任務に就くことは出来ません。 そこで中国は船体を長くして、滑走距離を伸ばせば離陸できるだろうと考えているのでした。
ここでも数量だけを目標にする弊害が現れていて、中身を改良しようとは思わないのです。 完成したインスタント空母がどんな物になるのかには、興味を惹かれます。 ▲△▽▼ 2016年11月02日 第11回珠海航空ショー 中国ステルス戦闘機J20の実力は? 航空ショーに登場したJ20 引用:http://timesofindia.indiatimes.com/photo/55174517.cms J20の実力はいかに
中国は広東省珠海市で11回目になる国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)を開催し、開発中のステルス戦闘機J20などが飛行しました。 2014年の珠海航空ショーではやはり開発中の小型ステルス機J31が飛行して話題を集めるなど、中国空軍が新兵器を披露する場所になっています。 中国メディアはJ20が2017年にも配備される見通しだと言っているが、その実態はあまり分かっていません。 珠海航空ショーにはロシアやイギリスなど40カ国以上が参加し、2兆円以上の契約を決めたといわれている。 新型の大型輸送機、運20なども展示されたがJ20の注目度は群を抜いており、欧米や日本のメディアもトップ扱いで報道しました。 J20の飛行は1分ほどですぐに飛び去ったが、まともに空を飛んでいる姿を始めて公開しました。 J20はステルス戦闘機と通称されてるが、ステルス戦闘機という分類はないし、そうした機能を持つ戦闘機も明確には存在していない。
F22やF35のようなステルス戦闘機は第5世代戦闘機と呼ばれていて、J20も第5世代に所属しそうだが、そうではないという意見もある。 第5世代戦闘機の特徴は高いステルス性とともにスーパークルーズ(超音速巡航)も条件とされるが、この辺は曖昧にされている。 ロシアのT50も第5世代ステルス戦闘機と言っているが、従来のSu27発展機と外観などが変わっていないようにも見える。
ステルス性については最高速度やレーダー性能のように数字で客観的に説明されないので、言ったもの勝ちという面がある。 平べったい見た目にしてステルス機と自称すれば、それでステルス戦闘機という事になるが、本当にステルス機なのか判断するのは難しい、 不ぞろいな中国の技術
J-20は1990年代から開発が始まり2011年1月に初飛行、今までに試作機を5機ほど製作してそのうちの1機が公開されたようです。 ステルス戦闘機はレーダーに映りにくい戦闘機だが、逆にいうとレーダーなどで補足されないためには自前のレーダーを使用することが出来ない。 F15のような能動的なレーダー波を放出すると自分の存在を知られてしまい、その瞬間にステルス性を失ってしまう。 従ってステルス戦闘機は赤外線やラジオ、テレビなどの電波を利用するパッシブ・レーダーで敵の位置を捉えるが、技術的な難易度が高い。
ステルス戦闘機はレーダーが貧弱なので他の兵器とのデータリンクや、空中管制機から情報を得ることが重要になる。 レーダー反射の少ない形状にしたところで、現実の戦闘でレーダーを使って敵を捜索するのでは、ステルス機には当てはまらない。 中国は軍用機に搭載する電子機器が欧米やロシアよりかなり遅れていて、未だに満足な空中管制機を保有していない。
国産最新鋭戦闘機のレーダーはロシアやフランスから技術供与された20世紀のもので、F22やF35とは比較できない。 中国はまだ戦闘機用の高性能エンジンを国産化していないので、主力戦闘機のエンジンはロシアから輸入し、二線級戦闘機だけ国産エンジンを使用している。 J20はF15を撃墜できるか
J20のエンジンは国産とロシア製両方を試しているが、逆にいえば国産では不安だという証明になる。 ロシアの最新鋭ステルス機T50用のエンジンを欲しがっているが、ロシアは盗用されるのが分かっているので、おそらく2流のエンジンを渡すでしょう。 つまりJ20はもしかしたらF35並みにレーダー反射が少ないかも知れないものの、電子装備やエンジンは1980年代の水準なので、ステルス性を十分に発揮できない。 肝心のステルス性も、やたら広い主翼や胴体先端に突き出したカナード翼などの特徴から、それほどでもないと考えられている。
カナード翼は尾翼を主翼の前に取り付けた設計で、運動性が向上すると言われるが、J20は通常の設計だと運動性が不足していることになる。 J20はかなり大型なのに国産エンジンでは出力が不足し、非常に重いので運動性が悪く、補うためにカナード翼にしたと考えられる。 ステルス戦闘機のカナード翼は前方からレーダー照射を受けると発見されやすいので良くないとも言われていて、少なくとも長所にはならない。
例えばJ20が尖閣諸島に進出して自衛隊機が対応したとすると、F15のレーダーでは探知できないかもしれないが、AWACSやE2Cのような空中レーダー機なら発見が可能だと考えられる。 一方で中国側はこうした空中管制機を保有していないので、J20は自前のレーダーを使用するか、レーダーなしで敵を発見しなくてはならない。 中国側も高性能な空中管制機を保有したり、J20の搭載機器が進歩すれば自衛隊のF15を撃墜できる日が来るかもしれないが、この数年では無いように思える。
そして日本はF35やE2D、新たなレーダーシステムを搭載したF15など、装備の強化を進めていくので、簡単には逆転はできない。 むしろJ20で脅威を受けるのは、こうした装備が貧弱な韓国空軍や台湾空軍、南シナ海のアジア諸国でしょう。 http://thutmose.blog.jp/archives/67004863.html#more ▲△▽▼ 2016年12月26日 中国の空母「遼寧」 宮古島沖を通過し太平洋で軍事演習 宮古島沖を通過する遼寧 引用:http://www.yomiuri.co.jp/photo/20161225/20161225-OYT1I50017-L.jpg 南西諸島周辺で外国軍艦を規制する必要性
中国海軍は12月24日、空母「遼寧」と所属艦隊が、西太平洋で訓練を行うと発表しました。 12月16日に「遼寧」の艦隊は渤海で初めての実弾演習を実施し、艦載機J15から対艦ミサイルや対空ミサイルを発射したと発表しました。 12月23日から24日にかけても空中給油訓練などを行ったと発表し、J15が空母から離陸する映像などをテレビ放送しました。 24日午後には海上自衛隊の護衛艦が東シナ海の公海上で、「遼寧」や駆逐艦、補給艦など合計8隻で航行しているのを確認しました。 防衛省は発見した場所を明かしていないが、護衛艦が目視したということは、南西諸島の宮古島周辺の可能性がある。 中国国防部から日本政府に対して連絡があり、航空機の離発着はしていないようだと防衛省は発表している。 12月10日には戦闘機など6機の中国空軍機が宮古島周辺を通過しており、日本政府は航行を規制していない
国際海洋法では公海上で航海の自由が保証されていて日本も批准しているが、他国に脅威を与えず静穏に通行するなどの条件がある。 脅威かどうかの明確な定義は無いので、武器を搭載した軍艦は「脅威だ」「武力による威嚇だ」と日本が主張すれば、いつでも航行を止める権利がある。 冷戦時代には旧ソ連の軍艦が日本の海峡を何度も通過したが、日本政府が「通さない」と宣言すれば通過させてやる義務は無い。
ロシアは現在も千島列島周辺の公海で外国軍艦の航行を禁止しているし、アメリカはハワイやグアム周辺などでの外国軍艦の航行を許してはいない。 中国はもちろん南シナ海などの「公海上」で、外国軍艦が航行することを禁止しています。 日本が尖閣諸島周辺や南西諸島周辺の「公海」で外国軍艦を通すか通さないかは政府次第だが、通さないなら通さないという一貫性が求められる。 展示用空母が初航海
9月25日には40機以上の中国空軍機が宮古島周辺を通過しており、いつでも沖縄や宮古島を攻撃し占領できる能力を誇示している。 これが海洋法の「他国に脅威を与えない」状態とは到底考えられないが、安倍首相はなんの対策も取らず抗議もしていない。 中国軍艦や航空機が太平洋に出ることが何を意味するかというと、中国はいつでも日本のシーレーンを封鎖して輸出入を止めさせることができる。 冷戦時代にはソ連がこれをやろうとして日米と軍拡競争になり、日本は「不沈空母」になってソ連軍艦を通さず、アメリカ軍も今より強かった。
ソ連海軍は太平洋に出ることが出来ず、ウラジオストックに閉じ込められたまま外洋に出ることなくソ連崩壊を迎えました。 空母「遼寧」は旧ソ連空母を買い取って改造した空母で、遼寧を模倣した2番艦と3番艦の建造をし、さらに原子力空母の建造を目指している。 ソ連型空母の特徴はカタパルト(射出機)を持たず、しかも艦載機が短距離離陸や垂直離陸できない点にあります。
西側空母は全てカタパルトを装備するか、垂直離陸できる艦載機を運用しているが、ソ連型は基本的に離陸できない。 水平に離陸すると海に突っ込んでしまうので、スキージャンプ型の斜面をつけて斜めに離陸するのだが、重量に対する離陸速度を得られない。 対策として燃料を空にしてギリギリとし装備も最低限にして、離陸して旋回して動画と写真撮影だけして着艦します。
「展示用空母」といわれているゆえんで、ソ連・中国型空母は燃料満タンでは離陸できないのです。 中国が建造する2番艦と3番艦は全長が少し伸びるが、カタパルトが無いのは同じなので、フル装備だと海面に突っ込むのは変わらない。 では遼寧は一体何をしに太平洋まで出てくるのかと言えば、離陸してミサイル発射する動画を撮影し、それを公開すること自体が目的でしょう。
ソ連もこうした見せるための軍事演習を良くやっていたし、ソ連空母自体が実用性皆無の「見せるためだけの空母艦隊」でした。 http://thutmose.blog.jp/archives/68241117.html ▲△▽▼ 「遼寧」なんてこわくない 張りぼて中国空母の致命的な欠陥〈AERA〉 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170117-00000211-sasahi-cn AERA 2017年1月23日号 中国海軍の虎の子、空母「遼寧」が、悠々と台湾を一周した。米大統領交代直前というタイミングに重なったが、“張り子の虎”との評価も。 2012年9月に就役した中国の空母「遼寧」(5万9千トン)が、4年以上たった昨年12月25日、初めて太平洋に姿を現した。普通このような大型艦は、就役後間もなく外洋に出て訓練、実験を始めるが、何かと不具合が多かったのだろう。 同艦はロシアの唯一の空母「クズネツォフ」の2番艦として1988年に進水したが、ソ連崩壊で工事は中断、港内に放置されていた。中国がそれをスクラップとしてウクライナから購入、02年に大連に曳航した。さび付いた半完成の艦を、図面・資料もなしに修復、装備し、なんとか10年後に就役させただけでも感心だ。 ●ソ連が造った失敗作 同型艦の「クズネツォフ」自体がほぼ失敗作で、90年末に就役後、26年間で長期外洋に出たのは9回ほどだ。「クズネツォフ」も「遼寧」も艦載機を加速して発進させる「カタパルト」を持たないのが最大の弱点だ。米空母は長さ76メートルの鋼管(シリンダー)4基を飛行甲板の下に設置、高圧蒸気を吹き込んでピストンを前進させ、それとつながる甲板上の金具(シャトル)で重さ約30トンの艦載機の前輪を押して、一気に時速約270キロに加速して射出する。私もカタパルト発進を経験したが、すさまじい衝撃で「乗用車なら2.7キロも飛ぶ」という。このカタパルトを造るノウハウは米国にしかなく、国産にこだわるフランスの原子力空母「シャルル・ドゴール」も米国製のC13カタパルトを使っている。 垂直離着陸ができる戦闘・攻撃機「ハリヤー」(英国開発)や米海兵隊用の「F35B」を使えばカタパルトなしでも空母はできるから、旧ソ連も同種の航空機を開発しようとしたが、失敗に終わった。そこでソ連はSu(スホーイ)27など新鋭戦闘機のエンジン2基の推力が、戦闘機の重量を若干上回り、垂直上昇も可能であることを利用、飛行甲板の先端を14度上に反らせ、力まかせに発進させる手を考えた。「クズネツォフ」「遼寧」はこのタイプだ。 ●満タンでは発進できず だが、遼寧が搭載する「J15」戦闘機(ロシアのSu33を国産化)は燃料を減らし、ミサイル、爆弾も最小限にしないと発艦できない。また大型レーダーをつけ、高空から敵機を見張る早期警戒機は、エンジンの出力が低く、カタパルトがないと発艦できない。早期警戒機がないと、敵機が低空飛行で水平線の下に隠れて接近し対艦ミサイルを発射するのを防げず、空母は容易な標的になる。 ロシア、中国、インドはやむなく、レーダーをつけたヘリコプターを使っているが、米空母などの早期警戒機と比べ、ヘリは飛行高度が低く、航続時間は短く、レーダーも非力で遠くは見張れず、「ないよりまし」程度でしかない。 米空母は飛行甲板に何十機もの艦載機を上げ、4基のカタパルトで20秒に1機を発進させる。だが、「遼寧」などでは戦闘機が飛行甲板の後部から滑走を始めるから、甲板上には数機しか待機できず、一度に出撃する機数はごく限られる。米空母は有事には戦闘・攻撃機55機を搭載、近く「ジェラルド・フォード」が就役し、空母は11隻になるから計605機、一方、「遼寧」は戦闘機約20機を搭載可能だから雲泥の差だ。 中国は空母1隻を建造中で、さらに1隻を造る気配だが、飛行甲板先端を上に反らせているようで、カタパルトはないのだろう。米海軍は新型空母に「リニアモーター」列車の原理による「電磁カタパルト」を採用し、中国も研究はしているようだが、実現するとしても相当先の話だ。 空母の戦力差だけでなく、中国海軍の対潜水艦能力は極めて低いから、艦船攻撃用の優秀な原潜57隻を有する米海軍に対抗し、中東などとの長大な海上通商路を守ることは将来もまず不可能だ。 最大の貿易国家である中国は輸入資源と海外市場に対する依存度を高めれば高めるほど、世界的制海権を握る米国との協調をはからざるを得ない立場にある。(軍事評論家・田岡俊次) ▲△▽▼ 2017年02月28日 米軍事費大幅増と中国のインスタント空母 中国は最近遼寧につぐ2番目の空母を建造中で、世界の専門家を驚かせています。 専門家が驚いているのは性能ではなく建造速度の速さで、到底考えられないほどの高速で完成に近づいています。 コードネーム001A空母は2015年に骨組みが衛星写真で確認され、2016年には空母の形になり、2017年には進水し、2020年に就役する。 作り始めたと思ったらすぐ完成する中国の空母 引用:http://n.sinaimg.cn/mil/20160624/7JTM-fxtniax7823843.jpg
中国のインスタント空母
進水までたった2年、完成まで5年だが、他の国の空母と比べてこれは際立って異常だと言える。 遼寧は旧ソ連が1985年12月に建造開始して完成は2012年9月、フランス空母シャルル・ド・ゴールは1989年4月開始で2001年5月就役で12年間でした。 米最新空母ジェラルド・R・フォード級は2009年建造2017年に就役予定、イギリスのクイーン・エリザベス級は2009年建造2017年就役予定です。 ロシア空母アドミラル・クズネツォフは1982年9月建造1990年12月就役、実際に運用されるようになったのは2015年以降でした。
これらの空母は建造期間が8年以上で、建造に至るまでにどれも長い議論があり、計画段階からは15年か20年はかかっています。 それが中国空母は議論は一切無しでいきなり建造を始めて2年後にはもう進水するのです。 米空母1隻の建造費は約50億ドルで艦載機も同じくらい、さらに50年間で同じくらいのメンテナンス費用などがかかるので2兆円になります。
もっと小型の空母でも1兆円は掛かし、空母艦載機の議論で大抵は揉めに揉めて、計画は二転三転するものです。 イギリス空母はもうすぐ完成なのに艦載機をどうするか決まっておらず、「不要になったら転売しようか」などと議論しています。 空母はあらゆる兵器の中でも飛びぬけて高額なので、こうした議論が起こるのが正常で、何も無い事がおかしいのです。
中国の新空母が完成したとしておそらく性能は遼寧とほぼ同じ、艦載機も遼寧の改良型を運用するでしょう。 アメリカの空母艦載機は数百機製造するが、中国の空母艦載機は10機か20機しか製造しないので、試作機でしかありません。 空母の性能は艦載機で決まるが、少なくとも100機は製造して運用しないと信頼性を確保できないので「空母を6隻作ろう」と言っています。
泥縄式に空母部隊を拡張するようだが、果たして現実に使い物になるのか、既に破綻寸前の中国政府の財政は耐えられるのか疑問です。 http://thutmose.blog.jp/archives/69633822.html
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