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(回答先: ショスタコーヴィチ 投稿者 中川隆 日時 2020 年 2 月 21 日 09:26:18)
グレツキ(Górecki, 1933年12月6日 - 2010年11月12日)
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ(ポーランド語: Henryk Mikołaj Górecki, 1933年12月6日 - 2010年11月12日)は、ポーランドの現代音楽の作曲家。
グレツキの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」第2楽章から
ソプラノ:ドーン・アップショー
管弦楽:ロンドン・シンフォニエッタ
指揮:デーヴッィド・ジンマン
Henryk Górecki The Symphony Of Sorrowful Songs
Symphony #3, Op. 36, "The Symphony Of Sorrowful Songs"
Dawn Upshaw (soprano); David Zinman & London Sinfonietta.
Gorecki, Henryk - 01 - Symphony No. 3 - I. Sostenuto Tranquillo Ma Cantabile
Gorecki, Henryk - 02 - Symphony No. 3 - II. Lento E Largo - Tranquillissimo
Gorecki, Henryk - 03 - Symphony No. 3 - III. - Lento - Cantabile-Semplice
1992年頃、ロンドンのラジオ曲で繰り返して流されたことから、大ヒットになったCDである。
グレツキの交響曲第3番は、「悲歌のシンフォニー」とも「悲しみの歌の交響曲」とも呼ばれている。
1933年に生まれた作曲家 グレツキさんの代表作で、「ゲンダイオンガク」というカテゴリーにはなるのだろうけど、ワケのわからん無機質的な曲ではなく、古典的なフレーズで、とっつきやすい聞きやすい曲である。
このジンマン盤は、1992年頃、ロンドンのラジオ曲で繰り返して流されたことから、流行ったCDである。
流行ったと言うには、う〜ん。曲の背景にあるモノの悲しみが深すぎて、大きすぎて〜
ちょっと言葉に詰まってしまうし、気が引けるのだが・・・。
グレツキの生誕地はポーランド、そして、アウシュヴィッツ収容所のあった場所である。
この交響曲は、そんな大虐殺が行われた時空間を超えて、悲しみを超えて、なんとも言えない祈りが詰まっているような気がする。交響曲3つの楽章に分かれているが、まず1楽章では、15世紀頃の哀歌を元にしたフレーズ。2楽章では、ソプラノ独唱が入ってくるが、この歌詞は、アウシュヴィッツ収容所の壁に残っていた言葉だという。
1楽章
冒頭は、かなり暗く、コントラバスだけが、ゆったりと、フレーズを繰り返す。
このコントラバスに、低弦のチェロ、ビオラって感じに、段々と膨らんでいくのだ。決まったフレーズを、カエルの歌が 聞こえてくるよ〜 の輪唱のように、ずれながら〜 旋律が、だんだんと高い音域の楽器に引き継がれていく。
実際、最初のコントラバスの音はとりづらく、チェロが入ってきて、ようやく人の声に近くなって、音の形が見えてくる。ホント、最初は音が聞き取りづらく、えっ なにモゾモゾ言っているんだろ〜って感じである。
「らぁらどし〜 らそふぁ〜 みそふぁ〜 みふぁそ どれし」
「れ〜れふぁみ〜 れどし〜 らどし〜」
いろんな楽器が集まってきて、段々と膨らんで来るところが、すごく、じわじわ〜っと迫ってくる。
短いフレーズが綾なす深みが、う〜ん。繰り返されることで、浮き上がり、そして沈む。
ヴァイオリンの高音域が重なってくると、なんとも美しい世界になって、これが浄化されるということなんだろうか、なんて感じたりして、、、。
旋律はシンプル 古典的なカノンで、ここまで美しく歌えるなんて、気持ちをひっぱって来るなんて〜
途切れないフレーズに埋もれ、知らぬ間に鷲づかみされて、締め付けられる。
最後は消え入るように、「らぁらどし〜 らそふぁ〜 らそふぁ〜」
「ふぁ〜 ふぁ〜 ふぁ〜」という、静かな鐘のようなピアノの音が入って、ソプラノのソロが入ってくる。
2楽章は、「ふぁら〜そぉ〜 ふぁら〜 そぉ〜」という柔らかい音から始まる。
アップショウさんの声が一段と大きくなって〜
ゲシュタポ収容所の壁に書かれた言葉に取材されているという、お母さま、どうか泣かないでください〜と歌われているそうである。さっぱり言語はわからないのだけど、身につまされる歌声で。ぐっすっ。
3楽章は、戦争で子供を亡くした母親の歌であるとのことだ。
オケの音は、これも繰り返し繰り返し〜 フレーズには抑揚が少なく、音の動きも狭い。
こんなところで比較するもの憚れるが〜 マーラーの6番悲劇的のような、ドスン、ドヒャン、だだだっぁ〜 なんていう大袈裟な強烈な音楽ではない。
それなのに、なんで、こんなに妙にじわ〜っと来るんだろ。明るい光が入ってくるような。これが祈りでしょうかねえ・・・。厳粛さと共に泣かせられる。
ジンマン盤は、録音状態はすこぶる良いとは言えないが、息づかいが適度に深めで、音質に温かみがあって、人肌の暖かさを感じる演奏だ。
厳粛さもあり、繰り返し、揺らぎのなかで構成された音楽。大変、ゆったりとしたテンポが特徴で、繰り返し繰り返し、じわじわ〜っと迫ってきては、すーっと目の前を通り過ぎていくような楽曲で。
しんみり、じんわり〜 気がついたら、目頭が熱くなって、ぐすんっ。なのである。
この曲の背景には、全く救いが存在しないのだが、聴いていると救いが生まれてくるいう不思議な感覚に陥ってしまう。この曲を聴いていると、単なる癒しでは、収まりきれない世界が広がっている。
しかし、救いのない世界に、癒されている気分になって、どーもイカン。
救いって、どーいうことなんだろ。っと改めて感じないわけにはいかず・・・。かといって、やるせないような気分になり、無気力感にも襲われてしまう。
ワタシは、まだ、ぐるぐるマワル旋律に目眩を感じながら、はぁ〜っと、この楽曲のなかで歌われる母性に 溜息をついている。
録音状態は良いが、少し温かみのある、太めの線で奏でられている。それが、また、大きな母性的な響きとなっているかもしれない。救いや祈り、そのなかでも母性愛的な〜と感じさせられるモノは、う〜ん。
やっぱり、永遠なモノなのだ〜と思いながらCDを聴いている。
http://www3.kcn.ne.jp/~mamama/01-symphony/gorecki-sym3.htm
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