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(回答先: ドイツのスピーカー 投稿者 中川隆 日時 2020 年 2 月 12 日 16:34:26)
ドイツの小型の家庭用安物スピーカーは何故あんなに音がいいのか?
ドイツ SABA のフルレンジ SPユニット
https://vintage-audio.jp/?p=390
メーカー:SABA
モデル名:Permadyn 5298U8
生産国:ドイツ
生産時期:1952〜1958年
型式:シングルコーン
口径:8inインピーダンス:5Ω
マグネット:アルニコV
鮮やかなグリーン色のコーン紙が特徴のドイツ名門SABAのフルレンジSPユニットです。
超軽量コーン紙に小型の磁気回路、ペラペラのプレスフレーム・・・
1950年代の家庭用ドイツ製ユニットの特徴なのですが、これを上手に鳴らすと、英国やアメリカのユニットでは出すことの出来ない、ナチュラルで透明度の高く、繊細で分解能が高いサウンドを奏でるので、見た目じゃ判断できないのです。
そして、これらドイツのユニットを研究すると非常に合理的に作られている事に気が付きます。
超軽量なコーン紙を使用している為に、それを駆動する磁気回路は小さくでき、よってフレームもダイキャスト等大掛かりでなくプレスフレームで十分な強度が取れる訳です。
実に合理的でしょ!
しかも、超軽量コーンはユニットの設計だけでなく、サウンドにも大きなメリットがあります。
軽量だから信号に対しての反応が圧倒的に速いのです。
これにより、全帯域で分解能が高く、小音量時に音が潰れないのです。
小口径・軽量コーンのユニットは、家庭用(家庭用HiFi)ユニットに分類されますので、ドイツ業務用と混同して考えては駄目です。
また、構造上ハイパワーユニットではありませんから、駆動するパワーアンプも、2〜3Wのシングル(またはP-P)管球アンプが適当です。音量が足りないからといって、ハイパワーなアンプを繋いだりしてはいけません、音量を稼ぐ場合は、ユニットを複数個使用します。そして、適度な音量で鳴らすことで、超軽量コーンユニットのメリットが最大限発揮できます。
この事を踏まえてシステムを構築します。
まず、特徴である軽量コーンにあまりプレッシャーを掛けずに使用したい為、平面バッフルか後面開放型が適当だと思います。
密閉型、バスレフ型になるとバックプレッシャーのコントロールが難しくなる事とエンクロージャーの影響を受けやすくなりますので、今回は1940年代の米PHLCO社のAMラジオのキャビネットを利用することにしました。
後面開放型になります。
バッフル板をキャビネットに合わせて製作します。適度な鳴りを考え、9mm厚のフィンランドバーチ合板を使用しました。ユニットのインピーダンスは5Ωなので、2本をシリーズに接続し、トータルインピーダンス10Ωで使用します。それを組み込んで完成です。
そのサウンドですが・・・ユニットの特徴を上手く活かせたシステムになったと思います。決してワイドレンジではありませんが、全帯域に渡って癖がなく明瞭度が高いサウンドです。長時間聴いても聴き疲れすることもなく、部屋の中に音楽が自然に広がっていきます。これ1本で十分か?と言われると、私の場合はそうはいきませんがサブシステムとして、または音楽鑑賞用としてなら十分な能力があります。
ドイツ家庭用シングルユニットは、見た目ではなく実質的な能力の高さを、国内の皆さんも評価して欲しいと思います。
このユニットは、ドイツ(ライプチッヒ)のコレクターからの出物で大変状態の良いユニットでした。同等ユニットも多数ありますので、これらSPユニットをお探しの方は下記までお問い合せ下さい。
https://vintage-audio.jp/?p=390
ドイツ古典フルレンジユニット
http://www.soundstage.jp/Full_Range.html
1950年代のドイツ製フルレンジは、超軽量コーンを強力アルニコマグネットでドライブ。
96〜97dB/W/mの高能率を得ています。
コーンの実効質量は、何と5〜6g!
(fostex FE203等の代表的な軽量ユニットに比べても半分以下です)
*この時代のユニットは同一モデルでもロットの違いによるバリエーションがございます。磁石、フレーム形状等が写真の物と一致しない場合がございますが予めご了承ください。同一品質基準、同一工場で生産されたコーン紙の優秀性は、全てのユニットに共通です。
声、木管がリアルなことは、ドイツヴィンテージユニットに共通の特徴と思いますので、以下の個別ユニットの説明では省略させて頂きました。
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Telefunken 20cmフルレンジユニット
同社Opusシリーズの大型ラジオ、コンソールに多用されたユニットで、この時代のドイツの情感を伝えてくれる代表的ユニットと言えばこれでしょう。
弾むような低音にクリアな中域と少し華やかな高域を乗せ、
どこまでも楽しく音楽を聴かせてくれます。
特性の暴れが上手く高域のレンジ感に結びついている一面がありますため、
単体で十分楽しめるユニットである反面、ツィータの追加で大幅にグレードアップいたします。特に弦楽の倍音の豊かさ、艶等が顕著に改善され、どなたにも安心してお勧めできるシステムになります。
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Telefunken 楕円フルレンジユニット
背面放射音が華やかな傾向がありますので、後面開放キャビネットに用いるにはデッドニング等のチューニングが必要ですが、
コーンの材質、面積が同じなので最終的には円形20cmユニットと同じ音色傾向にまとめることが可能です。
ツィータの追加で本領発揮となるのも同じです。
円形20cmユニットより新しい時代のものなので全般に保存状態がよいのも利点かと思います。
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SABA 22cmフルレンジユニット Permadyn25
ほぼ20cm口径ながら一回り大きいSABA製のユニットです。
帯域バランスが実に巧みで、 造り手のセンスと技術の高さをうかがい知ることができる HiFi指向の正統派ユニットです。
ハッタリの無い落ち着いた雰囲気の再生音は、
小編成のジャズや男性ボーカルにマッチするかと思いますが、
クラシックでしたらピアノソロもありだと思います。
SABA(Schwarzwälder Apparate-Bau-Anstalt)社は現存しませんが、
Telefunkenの対向メーカーとして一時代を画した総合電機メーカーです。
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ラーヴェオプタ(LoeweOpta) 20cmフルレンジユニット
ややプレスの効いたコーン紙による張りのある明晰な鳴りっぷりが特徴です。中域を基軸とする表現のためレンジ感は今ひとつですが、その分、弦楽の切れ込み感や、金管の輝き、ピアノのアタック感等が小気味よく出るユニットかと思います。
勿論レンジ感についてはツィータの追加で改善されますので、
最終的なシステムの完成度は他の兄弟銘柄(Graetz、 Telefunken 、 Grundig、 等々)に全く引けを取りません。
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ローレンツ(Lorenz) 20cmフルレンジユニット
下手なツィータなら付けない方が良いくらいよく伸びて歪の少ない高域を持ち、それが躍動感溢れる中低域と見事に一体化しています。
ヴィンテージの味わいは薄いかも知れませんが、
音源を選ばないオールマイティなユニットで、
この時代のフルレンジユニットの最高傑作の一つでしょう。
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グルンディヒ(Grundig) 20cmフルレンジユニット
ベークダンパならではの硬質でハイスピードな音のユニットです。
帯域は上下に若干狭い傾向がありますので、これをセッテイングで補う工夫が求められます。具体的には、高音をよく反射する硬質の壁面(窓ガラス等)を背にすることや、 部屋のコーナー近くに配置して低音を増強すること、等の工夫になります。
鳴らすのが難しいユニットではありますが、
セッテイングが決まった時には背面音を最大限に利用した後面開放キャビネットの理想形が完成しています。
特にピアノ曲などでは、他のシステムでは得られない生々しい説得力や典雅な余韻表現が可能です。
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グレーツ(Graetz) 20cmフルレンジユニット
コルゲーション補強されたコーン紙にNT4クラスの大型マグネットを組み合わせた強力ユニットです。
中域以下に厚みがありチェロのゴリッとしたところの表現などは秀逸です。
高域は出ませんが元々低域がよく伸びていますので、アドオンツィータとの組み合わせで最もワイドレンジなシステムが完成します。
フルオケ再生も迫力十分です。
http://www.soundstage.jp/Full_Range.html
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粋音舎 ドイツ古典フルレンジユニット用の後面開放型エンクロージャー
http://www.soundstage.jp/OpenBack.html
ヴィンテージの味わい
この時代のドイツ製ユニットを鳴らすということは、単に昔の音を甦らせるということではありません。
その枯れて乾いた音色は、約60年の歳月をかけた熟成の結果でもあるからです。
歳月という試練に耐える素材、構造、
それを現実の姿にする優れた製造技術、
そして熟成という時間の魔法・・・
全てが結集された再生音は、60年貯蔵の美酒を開封するが如く、今この時のために流れ出すのです。
現代の代表的な軽量ユニットに比べても半分以下という超軽量のコーン紙は空気との親和性が極めて高く、録音マイクがスタジオやステージの空気と交わした会話を
まるでリスニングルームの空気に口移しするように、優しく、熱く、伝えてくれます。
裏板のない開放型キャビネットとの組み合わせは、超軽量振動板の軽快な動きを妨げないための工夫。
最新のハイレゾ音源をも活かす音楽再生の完成形が、60年前のドイツで既に極められていたのです。
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粋音舎 ドイツ古典フルレンジシステム(受注生産品)
ユニット
口径 20センチ
搭載数 1個
形式 コーン型フルレンジユニット
能率 96dB/W・m
耐入力 5ワット
製造国 ドイツ
キャビネット
寸法 幅38cm×高さ58cm×奥行30cm
形式 後面開放型
材質 フィンランドバーチ材
( 前面グリルは別売となります。)
※ユニット製造元は、テレフンケン、グルンディッヒ、ローレンツ等々の銘柄を取り揃えています。
※ステレオの片側に2個または4個のユニットを用いたタンデム仕様の大型システムも特注製作承ります。
(注記)
本製品は、背後の壁による反射を利用いたします。このため壁との間に50センチ以上の距離が必要です。
壁の材質も反射音の音質に大きく影響しますが、一般的な木質の建築内装材であれば良好な結果が得られます。背後が石膏ボードやガラス板などの場合には、薄手(6ミリ前後)の合板を壁に立て掛けて設置することをお薦めいたします。
本製品に搭載のユニットは、1950年前後にドイツで製造された家庭用ラジオから取り出した使用済みのヴィンテージユニットです。動作良好なユニットを検査厳選の上、 極力外見を揃えてステレオ左右のペアを組んで おりますが、モノラル再生が主流だった当時のラジオ1台からは1つのユニットしか取り出せないため、製造年や保存環境の違いにより細部の形状や色合いが微妙に不揃いな場合があります。
本製品は極めて高能率なため、数ワット程度の小出力真空管アンプとの組み合わせを推奨いたします。 大出力アンプとの組み合わせでは、誤入力等により破損する場合があります。
http://www.soundstage.jp/OpenBack.html
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合同会社 粋音舎(すいおんしゃ)
E-mail suion@soundstage.jp
TEL 03- 6271- 5760
所在地 東京都練馬区
事業内容 音響機器の企画、製造および販売
製造委託先 株式会社 サカエ工芸
株式会社 サカエ工芸
http://www012.upp.so-net.ne.jp/strata/SAKAE.html
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4、5年前、捨てられていたラジオから外したような、ボロボロのドイツスピーカーがネットオークションなどで出回ったが、こうした事を積み重ねた結果がドイツスピーカーの評判を落としてしまったのではあるまいか。
あの手の8pほどのスピーカーはおそらくラジオから外したものと推察され、もしそうなら所詮人の声さえ満足に聴く事が出来れば事足りるので、其れなりの性能にしか造られていないだろう。それを50円か100円か或いは1000円か知らないが塵の山から安く拾って来て、オーケストラを鳴らし「フィールドスピーカーで御座い。付いては20万円頂きます。此方は上等のテレフンケンなので100万円頂きます」、これでは評判が落ちるのも無理はない。
スピーカーで一番難しいのは箱だという事は今更めく話で、とうに皆様御承知の通りである。
ただ造るだけなら大工仕事でも出来るが、ユニットの実力を実力通りに鳴らす事はそう簡単に出来ることではない。
指定の寸法で造ったから音になるかといっても、まずまともな音になった例を僕は知らない。無論素人仕事でも偶然の大当たりが無いとは言えないが、エンクロージャーの自作ばかりは決してお勧めできるものではない。
尤も、どう造ったって、音は出るに決まっているので、願望から僕らはつい錯覚する、出来たてのほやほやの時は「なんて良い音だ」と思いたいのである。
そして、JBLやアルテックのユニットを使っているんだから良い音に決まっているというブランドに対する先入観がまた僕らの耳を錯覚させる。
回路図通りに組み上げれば一応回路図通りの音が出るアンプなどとはわけが違って(これだって部品配置や配線方法等で俄然音は違ってくるが)目に見えない空気の振動に関する計算と現実の音の間には大きなギャップがあるようだ。
だが逆の事もあるだろう、コーラルのスピーカーユニットだって、箱を旨く造れば素晴らしい音に仕上がるかもしれない。今も云った通り偶然の産物が成功をおさめないとは云えないから、つい期待するし箱造りに嵌るのである。
この事は自作エンクロージャーに限った事ではなく、他社製造の箱つまり指定寸法に依る本職の仕事だってユニットがまともな音を出した例を聴いた事が無い。
まして、他社独自の設計によるエンクロージャーをや、である。
タンノイ然り、JBL,アルテック然りオリジナルとの音質の差は歴然としている。
古くはヴァイタボックスのコーナーホーンに物凄い奴があった。大メーカーともあろうものがよくぞここまでやってくれたものだとほとほと愛想が尽きて、以来このメーカーの物は何によらず買った事が無い。こういう音造りを平気でやる音響メーカーを信用出来ないのである。指定寸法という触れ込みながら、どう造ったってここまで酷い音にはなるまいと思うが、それがちゃんとそうなっているのだから驚く。
件のラジオ用スピーカーも当然箱を作らねばならないが、素人仕事も本職仕事も含めてちゃんと音になった例があるんだろうか、甚だ疑わしい。
僕の知っている限りでは、自称スピーカーの専門家の造ったへんてこりんなバッフルなど随分杜撰でいい加減なものだった。言うまでもなく音は出ていたが音にはなっていなかった。
会社の大小を問わず、どういうものを造るかというメーカーのコンセプトは、要は経営の先見性に加えて教養とセンスとモラルを根本とする筈だから、これが無いメーカーは気楽なものである。何でも有りなのだ。要は「だからこのスピーカーは良いのですよ」という話を造ってしまえば良い。
僕らはだから自分の耳をしっかり信じて、良い悪いもさることながら、好きか嫌いかをしっかり耳で判断したら良いのだろう。JBLだから好きなのではなくて、眼をつぶって聞けば自分の好き嫌いは誰に教えてもらわずとも基よりはっきりしている筈だ。
その耳で是非ともちゃんと整備されたドイツスピーカーの音を聞いてみては如何だろう。
ただし、どうしてもオイロダインをというなら、閉館した映画館を買ってしまうのが早道だろうから相当の費用も必要になるに決まっている。だが、価値はあると思う。勇者の出現を期待して、是非とも聴かせて頂きたいものだ。
http://audio-file.jugem.jp/?eid=34
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