放射線ホルミシス効果の虚構 2021年03月23日 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1441.html 「ホルミシス」とは、多量で有害性が立証されているにもかかわらず、微量では有益ではないかと考えられ、病気治療・療養などに用いられる化学的・物理的刺激である。 放射線ホルミシス https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%82%B9 この理屈が主張されてきた理由は、戦後、環境に放射能を垂れ流さなければ運転できない原子力発電を正当化するためだろう。 だから、電力中央研究所などが先頭になって大規模な研究が行われた。 「100ミリシーベルト以下の低線量被曝は人体に害をなさない」というLNT仮説のウソを正当化したい意味もあった。 しかし、2014年、電力研は、「ホルミシス効果は存在しない」ことを意味する声明を出した。 ホルミシス研究の「本家」がホルミシス効果を実証できず断念、という現実 https://www.amazon.co.jp/review/RUUQJ7MEUL9H7 WHOや欧米の研究でも、石造やコンクリート造の建物から出るラドン222被曝が肺癌のイニシエーション・プロモーションとして作用するという報告が普遍的な意味で公開されている。 以下はウィキから一部引用 核戦争防止国際医師会議のオーストラリア支部メンバーで、核兵器廃絶国際キャンペーンのSue Warehamは、「原子力産業では放射線の危険性を控えめに扱い、ホルミシス概念の普及を続けている」としている。 ロシア科学アカデミーのアレクセイ・ヤブロコフらは、「ホルミシスの提唱者達は、放射線関連の疾病の増加が隠すことのできない事として明らかとなってきてからは、その放射線由来の疾病は全国的な恐怖(アマ註=日本では「ストレス」と言い含められている)の結果であるとの言い逃れを試みるようになり、同時に線形非閾値モデル(LNTモデル)に基づく放射能の影響を否定するキャンペーンが始まり、チェルノブイリ原子力発電所事故以後、ある科学者達は人以外の系における低線量効果に基づいてチェルノブイリのような線量は人間や全ての生物にとってためになるとの主張を始めて、LNTモデルなど現代の放射線生物学のいくつかの概念の改訂を試みる活動が続けられている」としている。 (アマ註=「低線量被曝は生物に有用」とする虚構、これが問題の本質だ) 米国科学アカデミー「電離放射線の生物学的影響に関する委員会(BEIR)」によるBEIR VII報告(2005年)は、生物学的基礎研究(動物実験や細胞レベルの実験)と人間集団の疫学データをあわせて考慮した上で、低線量域でも放射線の被曝線量と影響の間には、しきい値がなく直線的な関係が成り立つとするLNT仮説は科学的に正しいと結論し、「LNTモデルは低線量放射線の健康影響を過大に考えているという見解も委員会は入手している。 リスクはLNTから推計できるものより小さいか存在しないかであり、あるいはむしろ低線量被曝は人体によい影響をもたらすこともある、という考えである。我々はこうした仮説も受け入れることはできない。たとえ低線量であっても何らかのリスクがあるらしいことを示す情報の方が優勢なのである。」と述べている。 近年では、日本の電力中央研究所や放射線医学総合研究所、東京大学、京都大学、東北大学、大阪大学、広島大学、長崎大学などの各大学で行われていたが、電力中央研究所は、2014年に「人に対する低線量放射線の影響として一般化し、放射線リスクの評価に取り入れることは難しい」との見解を示している。 電離放射線の性質を利用する放射線療法においては、放射線ホルミシスの範囲を逸脱する100から150ミリシーベルトという線量での放射線照射を数回全身あるいは半身に対して行うことで生体の免疫機能を高め、癌治療のための局所照射の効果を増強し、治癒率を高めたとする研究がある。 局所腫瘍が発見された時点で、すでに他所に転移している可能性の大きい悪性リンパ腫を対象としたもので、他の治療法が試行されていない患者に承諾を得て30余例の治療が行われた。 児玉龍彦は放射線ホルミシスについて、(放射線などを当てると)p38というMAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)とか、NF-κBというシグナル系の分子が動き、これは短期的には様々な効果をもたらし、それを健康にいいとか悪いとかいう議論は様々あるが、こういう状態を長期的に続けると、慢性炎症と呼ぶ状態になり、慢性炎症は例えばガンの前提の条件になったり、様々な病気の原因になるということがよく知られていると述べている。 野口邦和(放射線防護学)は、放射線ホルミシスが原子力発電所の立地にともなう住民説得の道具として使われていることを指摘し、「ホルミシス現象が報告されているとおり本当に起こるのか、起こるとした場合、どういうメカニズムで起こるのか、起こるときの線量の範囲はどのくらいか」などを研究することは、放射線生物学的に意味のある重要なことであるが、現在までのところ、放射線ホルミシスは十分に証明され確立された現象ではなく、「放射線にまったく被曝しなかった人よりもちょっと被曝した方が発癌率が低かったり、かえって長生きする」などと主張することは明らかな誤りであり、「無用な放射線被曝はできるだけ避ける」「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだけ低くする」ことが依然として放射線防護の大原則であるとしている。 ******************************************************************** 引用以上 武田邦彦らがホルミシス効果を既定事実のように宣伝しているが、上に紹介したように、すでに放射線医学界では、「ホルシミス効果は存在しない」という結論であり、「勝負あった」状態である。 私が中津川市蛭川に移住した理由の一つが、このホルミシス効果なるものが本当に存在するのか確かめることだった。 2003年当時は、この土地は日本一のガンマ線高線量地帯だった。現在は放射能事故のおかげで福島県被曝地がダントツの世界一高線量だ。 私の19年間の体験の結果をいえば、やはり「ホルシミス効果は存在しない」ということだ。 当地は、最大で、毎時1マイクロシーベルトに近い土地に人が居住している。我が家では、室内で毎時0.15 〜0.2マイクロシーベルトの線量がある。 蛭川村全体が、巨大な花崗岩の岩盤の上にあって、花崗岩に含まれるウランから出る、ラドン222の娘核ビスマス214の609KHzガンマ線に絶えず晒されている。 男性の平均寿命が80歳に満たず、このような素晴らしい自然環境の割に寿命が短く、癌にかかる人が多い。 2011年3月4月には、蛭川村内で、わずか2800名の人口ながら14名の死者を出した。 これは、普段から累積線量が高く、フクイチ事故による莫大な短寿命核種の被曝によって、循環器系障害を起こしたと考えている。 村内は、どこを掘ってもラジウム・ラドン冷泉が湧出するといわれ、東山鉱泉と岩寿鉱泉の二カ所が温泉宿泊営業を行っていて割合評判がいい。他に、福岡町のろうそく温泉・紅岩鉱泉・若山鉱泉(廃業)がある。 これらの温泉の評判の良さは、ホルミシス効果ではなく、おそらく湧出している他の温泉成分ではないかと私は思う。 なお、ろうそく温泉は末期癌に効果が強い(痛み止め)名湯という評判だが、複数の従業員がラジウム放射線由来の骨癌や白血病で死亡したとの報告がある。ろうそく温泉の構内を測定すると0.5マイクロシーベルト毎時ほどのガンマ線量がある。 ラドン222の親核は、ラジウム226で、ビスマス214に崩壊するが、同時に存在するトリウム232系列によるラジウム228→アクチニウム228 などの強いガンマ線が混在している。 アクチニウム228は911KeVの強力なガンマ線を出し、かつては非破壊検査・放射線透過試験の主力だった。たくさんの放射線が出て危険なので、現在は使われない。 我が家の土壌や井戸水をシンメトリックスIFKR・ZIPというスペクトル測定器で24時間測定すると、ラジウム228=4n系列のガンマ線スペクトルが鮮明に出てくる。 ということは、井戸水にラドン222以外に220が溶け込んでいることを意味する。したがって井戸水を沸かせば「トロン温泉」ということになる。だから念のため、飲料水には「ピュアの森」という郡上地下水を利用している。 蛭川地区全体でもトリウム系列とウラン系列が混在している。これは、かつて裏山の「稀少鉱物のメッカ」薬研山でモナズ石が出たことと関係があるようだ。 こうした鉱山では、近所の川に水晶やトパーズの原石が流れ出していて、国内では唯一、ルビーも産出している。住民は、あまりに普通にあり、価格も安いので採取しない。 全体の情報から、蛭川村にホルミシス効果があるなら、こんなに病気が多いことはありえないし、もっと寿命が延びて当然だ。 そんなものは存在しない。 結局、ホルミシス効果というのは、原子力産業が「低線量に害はない」という虚構を人々に洗脳するために捏造したウソの理論だ。 蛭川周辺のラジウム温泉に入浴すると、確かに気持ちよくて痛みが薄れるような気がするが、これはホルミシスというより、花崗岩を透過する地下水に、なんらかの有用成分が含まれていると考える。それが放射線である証拠は見つからない。 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1441.html
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