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東電福島第一原発汚染水の太平洋への放出の影響
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1630.html
投稿者 中川隆 日時 2021 年 4 月 14 日 10:51:28: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 中川隆投稿集 _ 原子力発電は本当に危険なのか? 投稿者 中川隆 日時 2020 年 2 月 14 日 17:58:32)

東電福島第一原発汚染水の太平洋への放出の影響

2021.04.14
WHOは医療利権だけでなく原子力利権の影響下にもある
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104140000/


 東電福島第一原発で増え続けている汚染水を太平洋へ放出することを菅義偉内閣は4月13日に閣議決定したという。放射性物質で汚染された水のうち回収された分は保管されているが、2022年秋には限界に達する。そこで、汚染水からトリチウム(水素の放射性度言う元素)以外の「ほとんどの放射性物質」を除去したうえで薄め、環境中へ放出するわけだ。言うまでもなく、薄めても放出される放射性物質の総量に変化はない。

 水俣病など公害が問題になった時も「薄める」という儀式を行った上で環境中へ放出していた。排水溝の近くの海から水をくみ上げ、廃液とまぜて濃度を下げるという子ども騙しのようなことが行われていたのである。

 汚染水が放出されるのは30年間とされているが、それは2051年までに廃炉できるという前提での話。イギリスのタイムズ紙は​福島第一原発を廃炉するまでに必要な時間を200年だと推定​したが、数百年はかかるだろうと考える人が少なくない。数百年間は放射性物質を含む水を太平洋へ流し続けるということだ。

 廃炉を困難にしている最大の理由はデブリ(溶融した炉心を含む塊)の存在。炉心が溶融してデブリが格納容器の床に落下、コンクリートを溶かし、さらに下のコンクリート床面へ落ちたと見えられている。実際にデブリがどうなっているのかは明確でないが、その一部が地中へ潜り込み、地下水で冷却されている可能性もあり、そうなると流れてくる地下水を汚染し続けることになる。

 福島第一原発の周辺は水の豊かな場所。その地下水によってデブリは冷却されているのだろうが、それによって大量の汚染水を作り出すことになり、捕捉されていないルートを通って海へ流れ出ていることも考えられる。

 事故当時、風向きの影響で、放射性物質の多くは太平洋側へ流れたと見えられている。それで東京ではまだ人が住めるのだが、その分、太平洋は汚染された。

 事故からしばらくすると、​ベーリング海やチュクチ海で生息するアザラシの間で奇病が発生​していると伝えられた。無気力で新しい毛が生えず、皮膚病も見つかったという。

 この件について、アラスカ大学の研究者がひとつの仮説をたてた。福島第一原発から大気中に放出された放射性物質は5日以内にベーリング海やチュクチ海に到達、海氷の上に蓄積されて東へ移動、その間、氷の上で生活するアザラシなどが外部被曝や呼吸を通じて内部被曝した可能性があるというのだ。出産なども氷の上で行うので、その時にも被曝する。放射性物質が食物連鎖の中に入るのは氷が溶けた後ということだ。

 そのほか、​カナダではニシンのひれ、腹部、あご、眼球などから出血が報告され、サケへも影響が出ている疑い​があり、​ヤマトシジミに遺伝的な異常​が出たとする調査結果もある。​アメリカの西海岸ではヒトデに異常​が報告されている。また、昨年末には​ユタ州でハクトウワシが原因不明の奇病で数週間に20羽が死亡​しているようだ。

 勿論、日本列島で被害がなかったとは言えない。福島第一原発から放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表されているが、その算出方法に問題がある。

 計算の前提では、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているが、この事故では水が沸騰していたはずなので、放射性物質の除去は無理。トーラスへの爆発的な噴出で除去できないとする指摘もある。そもそも格納容器も破壊されていた。

 原発の元技術者、アーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)が、10倍程度だと考えても非常識とは言えない。

 放出された放射性物質が住民の上に降り注いでいたことを示す証言もある。例えば医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、2011年4月17日に自身の「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:

 「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」

 12日の午後2時半頃にベント(排気)した、つまり炉心内の放射性物質を環境中へ放出したとされているが、双葉町ではベント前に放射線量が上昇していたと伝えられている。そして午後3時36分に爆発。

 建屋の外で燃料棒の破片が見つかるのだが、この破片について​NRC(原子力規制委員会)新炉局のゲイリー・ホラハン副局長​は2011年7月28日に開かれた会合で、発見された破片は炉心にあった燃料棒のものだと推測できるとしている。マンチェスター大学や九州大学の科学者を含むチームは原子炉内から放出された粒子の中からウラニウムや他の放射性物質を検出した。

 また、​事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆​によると、心臓発作で死んだ多くの人を彼は知っているという。セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしている。

 COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動と同じように、福島第一原発の事故でも事実は明らかにされてこなかった。政府、企業、あるいはマスコミだけでなく、検察や裁判所、そしてWHO(世界保健機関)も共犯関係にあると言えるだろう。

 COVID-19の件でWHOがワクチン利権の影響下にあることが明白になったが、福島第一原発の件ではIAEA(国際原子力機関)との関係が指摘された。​1959年にWHOとIAEAが調印した合意文書​の第1条第3項の規定により、一方の機関が重大な関心を持っている、あるいは持つことが予想されるテーマに関するプログラムや活動の開始を考えている場合、プログラムや活動を考えている機関はもうひとつの機関に対し、問題を調整するために相談しなければならないとされている。IAEAの許可がなければ、WHOは放射線の健康被害に関して発表することはできないということだ。

 COVID-19騒動にしろ、福島第一原発の事故にしろ、問題は構造的である。その構造に目を向け、調べる人びとに有力メディアや「権威」は「謀略論」というタグをつけ、切り捨てようとする。構造的な問題に触れたくない人びとは、このタグを喜んで受け入れる。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202104140000/  

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コメント
1. 2021年4月14日 12:34:03 : FQrGsP3YVY : VUVVL3ZhT3JrRms=[15] 報告
いよいよ放射能海洋投棄 2021年04月10日
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1459.html

 日本政府(原子力産業寄生政党)が、フクイチ放射能汚染水の海洋投棄を決定したのは昨年、2020年10月だった。
 海洋放出を政府が決定へ 福島第一原発の汚染処理水 2020年10月15日
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/62141

 これに対して、太平洋各国から懸念の声が出ていたが、グリーンピースの意見に説得力があるので紹介する。

  国際法は、国境を越える汚染の防止を求めている。2019/8/7
 https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2019/08/07/9848/

 国際法は、国境を越えておこなわれる重大な汚染の防止を求めています。

 1982年に採択された「国連海洋法条約(UNCLOS)」第194条(2)は、
「いずれの国も、自国の管轄又は管理の下における活動が他の国及びその環境に対し汚染による損害を生じさせないように行われること並びに自国の管轄又は管理の下における事件又は活動から生ずる汚染がこの条約に従って自国が主権的権利を行使する区域を越えて拡大しないことを確保するためにすべての必要な措置をとる」としています

 つまり、国境を超えて環境破壊の被害が出ないように、あらゆる手を尽くしてください、ということです。

昨年、日本政府は汚染水をどうするかについて報告書をまとめて選択肢を5つ示しました。

 地層注入、地下埋設(コンクリート固化)、海洋放出、 水蒸気での大気放出、水素での大気放出です。
 これらは自然環境の中に捨てるものです。とくに海洋放出は、日本が管轄する区域を超えての汚染の拡大にあたります。そうしないための措置をとるべきです。

 汚染水の「排出基準超え」問題が2018年9月に発覚してから、環境放出への反対の声が高まり、現在国の委員会で長期保管という選択肢が検討されつつあります。
 あくまでも環境に放出することのないよう、注目していきましょう。

詳しくは>>。ヨ東電が汚染水を海に流してはいけない4つの理由」

 薄めて流してはダメ
 また、同じ国連海洋法条約の第195条では「いずれの国も、海洋環境の汚染を防止し、軽減し又は規制するための措置をとるに当たり、損害若しくは危険を一の区域から他の区域へ直接若しくは間接に移転させないように又は一の類型の汚染を他の類型の汚染に変えないように行動する」とあります。

 タンクの中の放射能汚染水を海に捨ててしまうのは、危険の移転にあたるのではないでしょうか。
そのまま流せば日本の排出基準を超えるけど、「水で薄めて海に放出して構わない…」 日本の原子力規制委員長の更田豊志さんは、かつてそんなことをいいました。

 どうしたら放出できるか、ではなく、放出しないために「行動する」ことが求められています。

 2011年にした約束

 2011年、東電福島原発事故発生直後、日本は「継続的な海洋モニタリングの維持と強化、放射性物質の拡散の影響の調査と決定、調査結果の公表に全力を尽くす」、 「海洋への流出を最小限に抑える方法を研究する」(LC / SG 34/15の付録8)とロンドン条約/ロンドン議定書締約国会議の場で約束しました(注1)。

 2018年のロンドン条約/ロンドン議定書締約国会議でのやりとり

 2018年11月に開催されたロンドン条約/ロンドン議定書締約国会議にオブザーバーの資格で参加したグリーンピースは、日本政府の2011年の発言に触れた上で、汚染水の処理がうまくいかなったこと、また、汚染水の海洋放出が選択肢にあがっていることについて、地域的にみても国際的にみても、深く憂慮すべき事態であると発言しました。

 そして、1990年代にロシア軍が放射性液体廃棄物を日本海に投棄していたが、それをやめることができたのは、当時、日本をはじめとする国際的な協力があったからこそだったと述べました(注2)。

 これに対し、日本政府の代表団は、「当該の件はロンドン条約/ロンドン議定書の範囲外ジ(注3)と承知しているものの、廃液の最終処分については決定されていない、地域の住民や專門家の意見を聴取している最中であり、最終処分の方法を検討中である」と述べました。
 そして、「最終処分がいなかる形になろうとも、放出する際の放射能のレベルはトリチウムを含め、規制で許可されている値以下になる」と述べました。そのために東電が再度の処理を行うとも報告しました。そして、最後に、これらの廃棄物管理を今後どうするかについては透明性をもって国際社会に説明し続けることを約束しました。

 こうした日本政府の代表団の発言に続いて、韓国政府の代表団が、日本による情報提供に感謝の意を表し、放射能汚染水が海洋に放出される可能性は、近隣諸国の重大な関心事であり、引き続きの情報共有を歓迎するとしました。

 会議を運営している国際海事機関(IMO)もまた、同様に日本に感謝を表し、継続的な情報提供に期待を寄せました。
 IMOホームページより

日本政府は引き続き、国際社会に説明を

 グリーンピースは、8月2日、秋に開かれるロンドン条約/ロンドン議定書締約国会議の場でも日本政府が丁寧な説明をおこない、国際社会に情報を共有することを期待する意見書を国際海事機関に提出しました。

 日本政府に対しても非公式に事前に質問を送っています。

 ロンドン条約/ロンドン議定書締約国会議(10月7日〜11日)には、グリーンピースも参加します。今年も東電福島原発敷地内にたまり続ける放射能汚染水について、注意を喚起します。

 日本の国内からも声を

 日本政府は、国際社会に「地域の住民と専門家の意見を聞いているところ」と説明しています。「汚染水を海洋放出しないで」の声を届けましょう。

 注1:第40回ロンドン条約/第16回ロンドン議定書締約国会議 報告書より

 上記のやりとりについては、元の英語からグリーンピースが翻訳しています。

注2:グリーンピースは、1993年にロシアが放射性廃棄物を日本海で海洋投棄している現場を明らかにしました。 その結果、国際的な批判が高まり、ロシアは投棄を中止。同年、 ロンドン条約締結国会議で放射性廃棄物の海洋投棄全面禁止が決議されました(ただし陸上からの排出は除く)。日本政府は、ロシアに対して、液体放射性廃棄物の処理施設の建設を支援するなどの協力をしました。

注3: ロンドン条約では、船で海に運んで投棄することを禁止していて、陸上からの放出は適用範囲外。

注4: グリーンピースによる意見書
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  日本政府は世界中から寄せられた反対意見に怯んでか、昨年11月から実施するはずだった海洋投棄を延期させることにした。しかし、5ヶ月後の昨日、再び海洋投棄の実施を表明した。

 福島第1原発処理水、海洋放出へ 政府、13日にも閣僚会議  2021年4月9日
 https://www.sakigake.jp/news/article/20210409CO0072/

 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後の処理水の処分に関し、政府が海洋放出の方針を固めたことが分かった。13日にも関係閣僚会議を開いて正式決定する。関係者が9日明らかにした。

 決定すれば2013年から続く処理水の扱いを巡る議論の大きな節目となる。しかし、原発事故に加え二重の風評被害が出るとして地元や漁業者の懸念は大きい。全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「海洋放出は絶対反対」としており、放出には風評対策や補償制度の具体化が課題になる。

 東電は風評被害が出れば賠償を検討する方向で、額が膨らめば経営に痛手となる可能性もある。
**********************************************************:
引用以上

 【東電は風評被害が出れば賠償を検討する方向】
 これを見て嘲笑しなかった人は少ないだろう。東電は、フクイチ事故に関する賠償責任の大半を、自民党政権を通じて、日本国民の血税に転嫁してきたからだ。
 いったい、「風評被害」とやらのオブラートにくるんだ放射能被曝の実害を、誰が賠償するのか?
 たまには、東電社員と汚染水投棄賛成派議員だけで賠償してみやがれ!

 実は、フクイチ汚染水は、東電の説明するようなトリチウムばかりではない。
 上と同じく、グリーンピースから引用する。

 東電が汚染水を海に流してはいけない4つの理由
 https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2019/07/23/9618/

 東京電力福島第一原発の敷地内には、放射能で汚染された水(汚染水)がたまり続けています。多核種除去設備(ALPS)で処理した水など合計で100万トンを超えています。

 ALPSでは、トリチウムは取り除けませんが、62もの放射性核種を基準値以下にすることになっていました。しかし、2018年9月、東電は、ALPSで処理した水のうち、84%が基準を満たしていなことを明らかにしました。

 処理水を今後どうするかについては、海への放出も選択肢となっています。海洋放出は、海洋環境を汚染し、漁業者にも大きな打撃を与えます。すでに事故により甚大な被害を被っている被災者の方々に、汚染水の海洋放出によって追い打ちをかけるようなことがあってはなりません。

 東電は溶けた核燃料を冷やすために、毎日数百トンの水を原子炉に入れています。また、山側から海側に流れている地下水が原子炉建屋に流れ込んでいます。これらの水は高濃度の放射能汚染水になっています。

 地下水が原子炉建屋に流れ込んでしまうのは原子炉建屋の位置が低いため。建設段階で、海水の汲み上げコスト削減のために原子炉建屋の位置を海面近くまで掘り下げました。そのために今、地下水が原子炉建屋に流れ込み、汚染水を増やしています。

 汚染水の処理

 東電はこの汚染水のリスクを下げるため処理をしています。まず、セシウムとストロンチウムを分離、その後、他核種除去設備(ALPS)で、トリチウム以外の62種類の放射能を分離することになっています。
 今、100万トンを超える処理水が、福島第一原発の敷地内のタンク約1000基に保管されています。

 汚染水を海に流してはいけない4つの理由
国は、海洋への放出を有力な選択肢として検討していますが、それは許されません。

 理由1 取り除くはずのものが取り除けていない

 2018年8月、「トリチウム水をどうするか」の公聴会の直前、トリチウム水に基準を超えるストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性核種が含まれていることが発覚しました。フリーランスライターの木野龍逸氏は、データを精査し、ヨウ素129(I-129)、ルテニウム106(Ru-106)、テクネチウム99(Tc-99)なども基準値を超えていたと報道しています。

 公聴会では、海洋放出に対して反対意見がほとんどを占めました。

 東電は、トリチウム水89万トンのうち8割強である約75万トンについて、基準値を超えていたことを明らかにしています。東電は放出するときには基準値以内にしてからと言っていますが、取り除くはずのものが取り除けていません。流すときには薄めればよいという問題ではありません。

 理由2 トリチウムにはとくに内部被ばくのリスクがある

 トリチウムの半減期は12.3年です。リスクが相当低くなるまでに100年以上かかります。体内に取り込まれたトリチウムが半分になるまでには10日程度かかります。放つエネルギーは非常に低いものの、体内に存在する間に遺伝子を傷つけ続ける恐れがあります。また、体内で有機結合型トリチウムに変化すると体内にとどまる期間が長くなります。

 理由3  国際法は「最善の手段を」と言っている

 日本も批准している「国連海洋法条約」では「いずれの国も、海洋環境を保護し及び保全する義務を有する」としています(第192条)。

 そして、第194条には「いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため、利用することができる実行可能な最善の手段を用い、かつ、自国の能力に応じ、単独で又は適当なときは共同して、この条約に適合するすべての必要な措置をとるもの」とあります。

 陸上でタンクで保管するという「実行可能な最善の手段」があるにも関わらず、海洋放出することは海洋環境保護の観点から認められません。

 理由4 トリチウム分離技術は存在する

 国の委員会の報告書では「トリチウム分離技術の検証試験の結果を踏まえ、直ちに実用化できる段階にある技術が確認されなかったことから、分離に要する期間、コストには言及していない」として、分離については選択肢となっていません。しかし、実際にトリチウム分離はアメリカなどでおこなわれています。より時間をかけて、検討すべきです。

 汚染水は、長期保管し、その間にトリチウム分離技術の開発を

 汚染水をどうするかーーそれを決定する際に、もっとも考慮すべきは太平洋の沿岸に住む人々の暮らしと健康、そして広い海全体の環境への影響です。
 現在、国は汚染水をどうするかについて、従来の、海洋放出や水蒸気の形での大気放出などの選択肢に加え、陸上保管も選択肢に加えると報道されていますが、予断を許しません。

 現段階で最善といえるのは、陸上で長期保管し、並行してトリチウムを含む放射性核種の分離・回収技術を開発・適用することです。
 
 2019年12月24日、汚染水処理対策委員会宛に、汚染水を意図的に放出せず、並行してトリチウム分離技術の開発・適用を求める署名4万1521筆を提出しました。
 そもそも、海洋放出は、すべての放射能が基準以下であることが前提ですが、タンク内の水の8割に基準を上回る放射能が含まれています。

 それを「二次処理」して基準値以下にする、ということですが、「二次処理」で基準値以下になるのか、疑問です。
*****************************************************************
 引用以上

 すでに、私のブログで汚染水問題をくり返し取り上げている。

 炭素14問題 2021年03月12日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1430.html

とうとうフクイチ放射能汚染水、海洋放出へ……東電の株価を守るために 2020年10月16日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1281.html

  福島第一原発 トリチウム放出計画について 2019年12月24日
 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-975.html

 他にもあるが、この数年、グーグル検索では私のブログが政治的理由でほとんど表示されなくなっていて、なかなか探しづらい。
 問題の本質は、日本政府と東電が、フクイチ放射能汚染水を海洋投棄したい理由は、決して「敷地に余裕が少ない」からではない。東電福島第一原発には、まだ未使用地(使用済核燃料中間貯蔵用地)が渋谷区ほどの面積、野原になって残っている。

 なぜ、ここにタンクを増設しないか、また小出裕章氏が指摘するようにフクイチ港に廃棄タンカーを係留して、貯蔵できるのにやろうとしないのか?
 その本当の理由は、「これ以上、金をかけたくない」に尽きる。
 事故処理費用が際限もなく膨らんでゆけば、東電幹部たちの退職金や、自民党議員の大半が保有しているとされる東京電力株式価格が下がって、無価値になるからだ。

 東電の説明するように、もしこれが本当にトリチウムだったなら、100年ほど貯蔵するだけで、ほぼ無害化するのだ。だが、実際には、トリチウムと見せかけて、その正体はストロンチウム90やプルトニウムXだと思った方がいい。
 ストロンチウム90の毒性はセシウム137の300倍、骨癌・糖尿病・膵臓癌などを引き起こし、無害化するまで、まだ300年かかる。プルトニウム至っては、人類が5回くらい滅亡と再生を繰り返す期間でも完全無害にはならない。

 だから、敷地内で数百年間保管して放射能の減衰を待ち、さらにプルトニウムなど超有害核種除去技術の発展を待たねばならない。
 そもそもMOX使用済み核燃料は、500年間中間貯蔵冷却を行わなければ恒久処理場に入れることさえできないのだから、汚染水処理も似たようなものだ。
 だが、それには金がかかる。経営幹部の退職金に影響しそうだ。株価も下がるだろう。これが海洋投棄の本当の理由に他ならない。

 それでも菅義偉政権は、今日にも閣議決定し、来月あたりから海洋投棄を始めるだろう。怒った福島漁民が自爆テロを敢行しても何の不思議もない。
 福島漁民は「札束で頬を殴れば言うことを聞く」と東電に舐められているのだ。
 海洋投棄をやってしまえば、もう完全に取り返しがつかない。この汚染水を薄めて放出と下劣能書を垂れ流してはいるが、海洋生物には放射能を濃縮する力が備わっている。

 海洋生物生態系のなかで、一次宿主であるゴカイやエビなど底生生物、それを食べる底生魚類、放射能をどんどん際限なく濃縮してゆく生態系上位生物である、マグロ・イルカ・鯨そして人間に、どんどん放射能内部被曝が進んでゆくのだ。
 薄めたって、生物がいる以上、濃縮が進むことは常識のはずなのだが……。
 nousyuku01.jpg

 さて、海洋投棄の結果、何が起きるのか? 自民党政権は、よくウラジオストック沖に投棄された原子力潜水艦の放射能を引き合いに出すが、実は、まだウラジオ沖では、放射能が漏れ出しているのは、ごく一部であって、本番は潜水艦が完全に腐食する、これからなのだ。本格的汚染は、まだ半世紀先になるだろう。

 原子力潜水艦による海洋汚染
 https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_01-08-01-20.html

 http://oneoflibrarians.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/21-5d04.html

 ロシアがやっているから、日本もやっていいわけではない。まして日本は、完全な条約違反の汚染レベル廃水を莫大な量、放出する。間宮海峡あたりで放出するわけではない。福島沖で放出するのだ。
 太平洋魚介類は、ほぼ完全に放射能汚染される。風評被害ではない。文字通りの実害がやってくる。東電は、それほどまでして幹部の退職金と株価を守りたいのだ。

 もうこうなれば、戦争が起きても不思議でないほどの人権侵害であり、暴動が起きない方が不思議というしかない。
 きっと、暴動鎮圧のための札束が空を飛び交うことだろう。 

http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1459.html

2. 2021年4月15日 03:06:24 : vdHQ9OKOFE : UXNiT3R1T281MS4=[3] 報告
原発汚染水にトリチウム以外の核種…自民原発推進派が指摘
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/287910
2021/04/14 日刊ゲンダイ


処理水に含まれるのは、除去が出来ないトリチウム以外の12の核種(C)日刊ゲンダイ

 国民の反対を押し切って、東京電力福島第1原発の敷地内に貯蔵されている「汚染水」が、海に捨てられることになった。

 海洋放出する汚染水について、麻生財務相は「飲んでもなんてことはないそうだ」などと安心安全を強調しているが、放射性物質に汚染された水を捨てて本当に大丈夫なのか。

「通常の原発でも海に流している」も誤解を招く恐れ

 専門家が危惧しているのは、トリチウムだけがクローズアップされていることだ。大新聞テレビは、汚染水を多核種除去設備「ALPS」で浄化しても、トリチウムだけは除去できないと報じ、原子力ムラは「トリチウムが放出する放射線は弱い」「自然界にも存在する」「通常の原発でも発生し、基準を満たせば海に流している」と、海洋放出は問題ないと訴えている。

 しかし、大手メディアはほとんど問題にしていないが、「ALPS」で取り除けないのは、トリチウムだけではないという。トリチウム以外にもヨウ素129、セシウム135、セシウム137など、12の核種は除去できないという。

 自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員がこう言う。

「断っておきますが、自分は原発推進派です。菅首相も支持しています。ただ、原発処理水に関する報道は、事実と異なることが多いので、国民に事実を伝えるべきだと思っています。東京電力が2020年12月24日に公表した資料によると、処理水を2次処理してもトリチウム以外に12の核種を除去できないことがわかっています。2次処理後も残る核種には、半減期が長いものも多く、ヨウ素129は約1570万年、セシウム135は約230万年、炭素14は約5700年です」

 さらに「通常の原発でも海に流している」という報道も、誤解を招くという。

「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」(山本拓議員)

 一度、海に捨てたら取り返しがつかない。

3. 中川隆[-5241] koaQ7Jey 2021年4月25日 19:47:18 : tsLYkqpsAM : RmxSMVpLU2RJcFE=[53] 報告

原発汚染水放出に世界で高まる非難 10年後には太平洋全体に拡散 資金投じ処理技術導入せよ
2021年4月25日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/20840


 日本政府が13日、福島第一原発で溜まり続ける放射能汚染水を海洋放出すると決定したことに対し、国内の漁業者の組織や周辺議会があいついで抗議の意志表明をしているのをはじめ、隣接国の韓国や中国、台湾、北朝鮮、ロシアなどが直ちに懸念や反対を表明し、日本大使館への抗議行動などをおこなっている。また、ドイツのキール大学ヘルムホルツ海洋研究センターは2012年に「福島原発から放出した汚染水は57日以内に太平洋の大部分の区域に拡散し、10年後には全世界の海域に広がる」とのシミュレーション【地図参照】を発表しており、日本国内にとどまらず、国際的な重大問題に発展している。各国政府は、日本政府に対して自国民と国際社会に対して責任ある態度をとるよう厳しく迫っている。

 距離的にも近く、直接的な影響をもっとも受ける韓国では、日本政府が海洋放出を柱にした汚染水処理の方針をうち出した時点から、慎重な対応をとるよう促す行動が起こっていた。

 慶尚南道の議会は昨年11月の議会で、日本政府に汚染水の海洋放出はしないように促す決議案を採択した。決議は「浄化した汚染水だとしても放射性物質の基準値を満たす汚染水は全体の27%にすぎない」「こうした汚染水が海に放出されれば、想像できないほどの危険が目の前に広がる」と指摘している。また、ドイツのヘルムホルツ海洋研究センターのシミュレーション結果を紹介し、「汚染水の放出が始まってから7カ月後に南部・済州島の近海、18カ月後には東海の大部分に影響を及ぼす」とし、同道は2513`の海岸線を持っており、汚染水の海洋放出の直接的な影響を受けると強調した。

 同時期に複数の市民団体が汚染水の海洋放出に反対する集会や海上デモをおこなった。また、昨年10月22日には11の団体が釜山の日本総領事館前で記者会見を開き、放出計画を延期するよう求めている。

 13日に日本政府が海洋放出を決定した後には、抗議行動が激発している。

 市民団体・脱核市民行動は決定直後の13日にソウルの日本大使館前で抗議行動をおこない、「周辺国の強い反対にもかかわらず、汚染水の放流を独断的に強行しようとする日本政府の態度に怒りをこらえがたい」と糾弾の声をあげた。また、同日には海峡を挟んで日本と向かいあう韓国南部の済州島知事が記者会見をおこない、「海を共有した隣国と国民に対する暴挙」とのべ、釜山や慶尚南道、蔚山、全羅南道とともに汚染水阻止対策委員会をつくり、放出を阻止するための行動を強めていくことを明らかにした。そして、汚染水の海洋放出がおこなわれた場合は、韓日両国の裁判所で日本政府を相手どった民事・刑事訴訟を起こし、国際裁判所にも提訴するなど厳しく対応するとした。

 直接的な被害が懸念される釜山、蔚山、慶尚南道などの地方自治体の反発も激しく、首長を先頭に抗議行動をおこなっている。釜山市市長は13日、「海洋放出は海洋環境汚染はもちろん、市民の健康と安全に直結するため、中央政府や国際社会との協力を通じて断固として強く対応する」と表明し、日本総領事館に抗議することを明らかにした。

 蔚山市の市長も同日、抗議声明を発表し、海洋放出計画の即時撤回に向けて「姉妹・友好協力都市である萩市と新潟、熊本両県に日本政府の原発汚染水放出計画の撤回を求める書簡を送るとともに、韓日海峡に隣接する蔚山、釜山、慶尚南道、全羅南道、済州道の五市・道共同の対応策を樹立し、推進する」とした。蔚山市議会も糾弾声明を出した。

 とりわけ真っ先に行動を開始したのは水産関係者で、14日には在韓日本大使館前で25の水産関連団体が放出決定を糾弾する抗議行動をおこない、決定の即時撤回を要求した。

 16日には済州島の水産関連業界の代表70人余りが日本総領事館前で抗議行動をおこない、海洋放出撤回を要求した。参加者は「海には国境がない。原発汚染水放出を中止しろ」「放射能汚染無対策の日本政府を糾弾する」などのスローガンを叫んだ。

 19日には忠清圏水産業協同組合協議会が「日本の原発放射能汚染水の放出決定を糾弾する大会」を開き、「日本政府は汚染水放出決定を直ちに撤回し、韓国政府は日本産水産物の輸入を全面禁止せよ」と要求した。

 大会では「2011年の福島第一原発事故以来、海洋環境が持続的に汚染されている」「浄化されていないトリチウムやストロンチウムなど放射性物質62種が残存する原発汚染水が海に放出されると、韓国など近隣諸国の水産業が壊滅する恐れがある」「日本政府の汚染水放出決定は、韓国国民はもちろん全世界の人類に対する核攻撃だ」と訴えた。

 19日には慶尚南道の巨済の漁業者が海洋放出決定に抗議する海上デモをおこなった。


海洋放出に抗議する海上デモ

 また、忠清南道教育庁は19日、学校給食から日本産水産物を排除する措置をとった。

 道教育庁は2014年に制定した「放射能等有害物質から安全な食材の使用に関する条例」にもとづき、毎年水産物と農産物に対する放射能の定期点検をおこなっている。道教育庁は日本政府の非論理的な態度を生徒に教える計画を明らかにした。道教育監は「原発汚染水を海に放出すれば、海流に乗って地球全体の海洋生態系に影響を及ぼす」「放射能は農薬や重金属よりも深刻な有害物質だ。放射能検査を強化し、日本産水産物が給食に使われないよう徹底的に監督する」とのべた。

 また、忠清南道市議会と大田市議会も19日、声明を発表し、海洋放出決定を糾弾し撤回を求めた。

 忠清南道知事も19日、「地球が一つであるように、海も一つなのに、日本政府は世界と人類の生存を脅かす放射能倭乱を起こした」と批判し、「韓国市道知事協議会傘下に共同協力機構をつくり、日本政府に対応しよう」と提案した。また同知事は13日に自身のSNSで「日本は太平洋戦犯国という汚名に、太平洋汚染国としての罪を上塗りするつもりなのか」と批判した。

 韓国大学生進歩連合などの学生団体も16日、ソウルの日本大使館前で抗議行動をおこない、その後正面入口前で座り込み行動をおこなうなど、青年・学生の行動もあいついでいる。

韓国、中国が抗議 海洋は人類の共同財産

 中国もまた、13日に日本政府が海洋放出を決定する前日の12日に外務省報道官が「福島原発の放射性汚染水の適切な処理の問題は世界の公共の利益と周辺国の切実な利益にかかわる」「国際世論は日本が海洋放出を決定しようとしていることに高い関心を示し、全体的に疑念と反対を表明している。日本国内でも強く反対する意見が少なくない。国際社会はみな日本を見つめており、日本は見て見ぬふりはできない。日本と世界の公共の利益に対し責任を負わなければならず、これはまた自国民の利益に対して責任を負うものだ」と海洋放出をとどまるよう促した。

 だが13日に日本政府が海洋放出を決定した。中国外務省の報道官は「中国側は重大な懸念を表明する」とし、以下のように見解を示した。

 「福島原発事故は世界で起きた原発事故のなかでもっとも深刻な事故の一つであり、大量の放射性物質の漏洩をひきおこし、海洋環境、食品の安全、人類の健康に深刻な影響を及ぼした」「ドイツの海洋科学研究機関は福島の沖合いには世界最強の海流があり、放出した日から57日以内に放射性物質が太平洋の大部分の区域に拡散し、10年後には全世界の海域に広がるだろうと指摘している」「日本側は安全に処分するための手段を尽くさない状況下で、国内外の疑念や反対を顧みず、周辺諸国および国際社会と十分な協議をすることなく海洋放出を一方的に決めたが、こうしたやり方はきわめて無責任」だと批判している。

 さらに「海洋は人類の共同財産である。汚染水の処分問題は日本国内の問題にとどまらない。日本が自身の責任を見極め、科学的態度を堅持して、国際義務を履行し、国際社会、周辺国および自国国民の重大な懸念にしかるべき回答をおこなうよう強く促す」と迫っている。

 また、13日には中国の「環球時報」電子版が汚染水の海洋放出について「日米なれ合いのパフォーマンス」とする社説を配信し、「日本政府がこのように決定できた根本的原因は米国の容認があったから」だとした。「日本がこの時期を選んで“正式”決定したことは、米国となんらかの裏取引があったことを排除できない。当初四月九日に予定されていた米日首脳会談が一週間延期された原因の一つである可能性もある。日本は“米国の後ろ盾を得る”ため代償を払うことになるかも知れない」と論じている。

 さらに社説は「海洋放出まで2年あり、中国は最大限の努力で自国の沿海、とくに漁業の安全を守り、影響を受けた生産者のために日本に賠償請求する条件を整え、日本の漁民と同様の補償を受ける権利を得るよう支援する必要がある。日本の放射能汚染水放出のつけをおもに周辺国の国民が支払う状況にしてはならない」と主張している。

 また同じく13日に「新華社」は論評を配信し、海洋放出は「短期的には“コストがもっとも安い”プランと見えるかもしれないが、目先だけの“損得勘定”だ。周辺国・地域ひいては全世界の海洋生態環境と人類の健康、食品の安全、生活の質に延々と続く被害をもたらす可能性があり、この大きな勘定を日本政府がしたのだろうか」「日本政府は自国民と国際社会に対して高度に責任ある態度で、厳格な科学的論証をおこない、情報を迅速に、透明性高く、正確に開示し、また直接影響を受ける周辺国と十分協議し、各国の合理的懸念に配慮し、人類社会の長期的福祉に有利な行動をとるべきだ」と質している。

24カ国の環境団体 経産省に放出中止要請

 韓国や中国以外にも抗議の世論は広がっており、12日は世界24カ国の311の環境団体が経済産業省に「福島第一原発の汚染水を海洋に放出してはならない」との書簡を届けている。福島原発の汚染水の海洋放出がこれほど国際的な関心と反発を受けているのはもとより「海は一つ」だからだ。

 ドイツのキール大学のヘルムホルツ海洋研究センターは福島原発事故後の2012年7月6日に、福島第一原発からの放射能汚染水の海洋拡散シミュレーションを発表した。

 ただしこのシミュレーションの対象はセシウム137だけで、実際の汚染水には炭素14やトリチウムなど対象の放射性物質が含まれており、それらが海流によってどのように流され、人間の体や海にどのような影響がもたらされるかは今後の研究課題となっている。

 しかも、このシミュレーションは汚染水の海洋放出を「数週間のみ」と想定したものだ。今回日本政府が発表した海洋放出計画は30〜40年、あるいはそれ以上に及ぶものであり、影響ははかり知れない。

 限定された条件のもとでのシミュレーションでも、放出の日から57日以内に放射性物質が太平洋の大部分の区域に拡散し、2年後には米国の西海岸付近がもっとも汚染され、10年後には全世界の海域に広がると指摘している。

 日本政府は希釈して放出するので安全だと主張しているが、希釈しても放射性物質=トリチウムの総量に変化はなく、危険性に変わりはないことは誰でもわかる。総量を下げるには、半減期12年のトリチウムの場合、50〜120年間ほど長期間タンクに保管して半減期を数回経なければならない。その後に海洋に放出する案も、政府の汚染水処分に関する小委員会では検討の一つとしてあがった。

 また、処分方法としては「汚染水の固定化」があり、ALPSによって放射性物質が一部浄化された低レベルの汚染水をセメントや砂と一緒に固体化し、コンクリートタンクの中に流しこむという方法も検討された。ただ固定化の過程で体積が大きくなるため、さらなる敷地の確保が必要になる。

 小委員会はこうした案も含めて五つの処分方法を検討した。処分方法別の費用は34億〜3976億円で、政府はもっとも安い費用で済む海洋放出(34億円)を採用した。

 政府はトリチウムの分離は不可能だとして海洋放出を強行しようとしているが、実際にはトリチウム分離は現在の技術で可能である。

 経産省が7年前に公募したトリチウム分離の試験プラントにロシアのRosRAO社が応じ、6カ月で実証プラントを建造、1日当り4・8dのトリチウム汚染水を濃縮して体積を1万分の1にすることを実現した。実用プラントでは、現在発生している140d/日の汚染水量の3・4倍の処理能力がある。今建設を決定すれば、年度内には汚染水の増加を抑えることができるとする提案も出ている。

 また、2018年6月27日には近畿大学工学部の井原辰彦教授、東洋アルミニウム、近畿大発ベンチャー企業のア・アトムテクノル近大らの研究チームが、放射能汚染水からトリチウムを含む水を分離・回収する方法と装置を開発したと発表した。炭やスポンジのように多量の小さな穴を持つ構造で、「多孔質体」を格納したフィルターを使ってトリチウムを分離する。初期段階でほぼ100%除去が可能としている。

 こうしたトリチウム分離プラント建設や分離装置の導入にどれほどの費用がかかるかは明らかにされていないが、海洋放出で世界の海を汚し、漁業を破壊し、人間や自然界にとりかえしのつかない被害を与えることを考えれば、出せない額ではないはずだ。金がないというのであれば、東京オリンピックをやめてその費用を回しても、日本を含めた全世界と将来の世代のためには決して無駄遣いではないと誰もが賛同するはずだ。

 世界史上でも最悪な福島原発事故を起こしながら、その反省もなく放射能汚染水を海洋放出しようとする日本政府は、国内でも総スカンを食っているが、国際的にも政治的な孤児となっている。

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/20840

4. 中川隆[-8521] koaQ7Jey 2024年11月14日 07:23:10 : s5SJUhE8xo : N0h2Rmh1c3hEbzY=[28] 報告
<■69行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
サマーズ氏、政府による原発の規制が原発推進に偏る理由を語る
2024年11月13日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/56222

アメリカの財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がダートマス大学でのインタビューで、原子力に関する規制を例に、政府による規制について語っている。

サマーズ氏と銀行規制

このダートマス大学におけるインタビューでは、サマーズ氏は資本主義の本質について興味深い話題を語っていた。

サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
サマーズ氏: 本当の資本主義国家では権力者が大衆にごまをする


そしてサマーズ氏はその後学生からの質問に答えているのだが、学生の1人が「クリントン政権下であなたがグラス・スティーガル法を規制緩和したことが2008年の金融危機を引き起こしたが、あなたはそれを後悔しているか」と質問した。

グラス・スティーガル法は、通常の銀行業務をする銀行とゴールドマン・サックスなどの投資銀行の業務を分離する法律で、サマーズ氏はこのグラス・スティーガル法の部分的な撤廃に関わっているのだが、サマーズ氏はその学生の質問を受け止めた上で次のように穏やかに反論している。

アメリカのどういう企業で当時の金融危機が起こったかを考えれば、そのほとんどは銀行業と投資銀行業が統合された組織ではなかった。

ファニーメイやフレディマックは投資銀行部門を持つ銀行ではない。リーマンブラザーズやベアスターンズは純粋な投資銀行だった。AIGは保険会社だ。

グラス・スティーガル法はリーマンショックの原因としてよくやり玉に挙げられるが、事実はサマーズ氏が述べる通りである。リーマンショックの大部分はグラス・スティーガル法とは無関係の場所で発生した。

銀行業と投資銀行業の両方をやる組織で、リーマンショックにおいて破綻しかけたのはシティグループぐらいだが、シティグループについてはサマーズ氏は次のように述べている。

シティグループはゴールドマン・サックスのライバルだったソロモン・ブラザーズを買収したが、それはわれわれがグラス・スティーガル法に修正を加える前の話だ。

1998年から2008年までの10年間、グラス・スティーガル法の部分的撤廃のあとに起こった事例で、それまでのグラス・スティーガル法のもとでは不可能だった事例は1つもない。

業界を規制する難しさ

明らかに学生の質問が雑だったのだが、サマーズ氏はハーバード大学の学長だった時代、学生が教授に自由に意見を言えることを大切にしていて、それを彷彿とさせる微笑ましいやり取りである。

サマーズ氏自身が自分の発言のせいで左派の教授たちに学長職を追い出されているから、気持ちが分かるのだろう。

サマーズ氏、大学教授が左翼ばかりである理由を語る


そしてサマーズ氏は規制緩和を批判した学生に次のように続けている。

そういうことを心配するのは正しいことだ。だが一方で、ある業界に対する規制は、その業界のことを知っている人物にやってほしいと思うはずだ。規制する業界について何の経験もない人物に規制をさせると、それはまた別の問題を生む。

規制の根本的な問題は、ある業界の規制はその業界に詳しい人物にさせるべきだが、その業界に詳しい人物は高い確率でその業界に同情的だということである。

それは金融業だけの話ではない。サマーズ氏は、自分とは無関係だという理由で、原子力の規制を例に次のように言う。

例えば原子力工学や原子炉についてどう考えるべきか。原子炉を規制する人物は、原子炉についてよく知っていて、しっかり研究してきた誰かであってほしいはずだ。

だが原子炉が本質的に安全ではないと考えている人は、そもそも原子炉について研究しようとは思わないだろう。

原子炉について研究した後はどうする? 原子炉や原子力発電の会社で働くか、原子力について教えるか、原子力に関するコンサルをやるか、どれにしても自分の人生が原子炉にかかっている。

そうして原発推進寄りの原子力の規制チームが出来上がるわけだ。一方で、反原発な原子力の専門家はどうやって作るのか?

結論

それが根本的な問題なのである。専門家はそもそもその業界に同情的だ。

この問題はどうすれば解決できるのか? サマーズ氏は次のように結論している。

だから専門家を利害から隔離することは、この複雑な社会における非常に困難な問題だ。そして恐らく正しい答えは、専門家を確保した上でその人物をしっかり監査することだろう。

だがそれも完全ではないだろう。このように規制の問題は根本的な欠陥を完全には排除できないのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/56222

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