<■246行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 2023年08月04日 最終兵器による日本人のバーベキュー / 原爆よりも恐ろしいユダヤ人の流入 (前編) http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68934208.htmlアメリカ人も「戦争犯罪者」だった Oppenheimer film 001Oppenheimer film 022 今年の七月、クリストファー・ノーラン監督の最新作『オッペンハイマー(Oppenheimer)』が全米で公開され、結構な話題となっている。ノーラン氏はバットマン・シリーズの『Batman Begins』や『The Dark Knight』、SF作品の『テネット(Tenet)』、歴史映画の『ダンケルク(Dunkirk)』を手掛けた監督として有名だ。今回の力作『オッペイハイマー』は、カイ・バード(Kai Bird)の『American Prometheus : The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer』が原作となっており、180分の長編映画にもかかわらず、映画批評家の評判もいい。核爆発というのは隅田川の花火よりも壮大なので、アメリカの一般人も大好きだ。『インディペンデンス・デイ』の時と同じく、アメリカ人は禁断の破壊が描かれるとなぜか観たくなる。
Christopher Nolan 3Kai Bird 213Cillian Murphy as Oppenheimer 1 (左 : クリストファー・ノーラン / 中央 : カイ・バード / 右 : 「ロバート・オッペンハイマー」を演じたキリアン・マーフィー )
ちなみに、どうして原作者のバードが漢字の「芥(kai / からし)」というファースト・ネームを持っているのかといえば、彼の父親であるユージンが、オレゴン大学に通っていた頃、難民となった支那人学生と親しくなったからだ。ユージンは彼の名前「Kai-Yu Hsu」にちなんで息子の名前にした。父親からすれば、「人生のスパイス(spice of life)」という意味を込めた命名なんだろうが、「支那人との混血児なのか?」と勘違いされてしまうので少々厄介だ。 ついでに言えば、カイの父親は国務省に勤める外政官。母親のジエリーン(Jerine)も、ちょっと変わっていて、ユージンはクリスチャン・サイエンスの信者であったが、ジェリーンとの結婚ではバプティスト教会の牧師を呼んできた。この二人はコングリゲーション教会の中で式を挙げたという。そして、彼らは数年後に「エピスコパリアン(監督派教会のキリスト教徒)」になったそうだ。(Kai Bird, Crossing Mandelbaum Gate : Coming Age Between the Arabs and Israelis, 1956 - 1978, New York : Scribner, 2010, p.4.) 『オッペンハイマー』が何時(いつ)、日本で公開となるのかは不明だが、映画のストーリーはロバート・オッペンハイマー(Julius Robert Oppenheimer)博士の苦悩や葛藤、原爆開発に至るまでの人間関係などが中心となっている。日本の観客は核兵器の恐ろしさを訴える左翼映画を期待してしまうが、本作は大量殺戮を反省する懺悔物語じゃない。我々からすると赦しがたい虐殺ではあるが、戦勝国のアメリカ人にしたら、原爆開発の成功は、軍事技術の輝かしい“進歩”である。特に、激戦をくぐり抜けたアメリカ兵や戦死者の遺族からすれば、実戦に投入された最終兵器は、米国史を彩る“偉大な業績”である。 当時の映像を観れば判る通り、原爆の被害は甚大で、民間人を狙った戦争犯罪に思える。だが、アメリカ軍の将兵からすれば、日本人なんかは得体の知れないエイリアン。奇妙な言語を話す野蛮人でしかない。しかも、神風特攻(Divine Wind Special Attack)を実戦する狂気の集団だ。それゆえ、女子供を含め、何人殺そうが良心は痛まない。ベトナム戦争の時も、枯葉剤(Agent OrangeとかAgent Blue)を使ってゲリラ兵の食料を減らしたり、隠密行動を困難にさせていた。この作戦だって、敵陣の住民や土地が「どうなってもいい」と考えなければ、人体に何年も害を及ぼす、非人道的な猛毒を散布することは出来なかったはずだ。ナチ・ドイツがユダヤ人を迫害した時も似たような心情で、アメリカ人でもやりそうな“有害民族の駆逐”を実行しただけである。「正義の味方」を装うイギリス人やフランス人、ちょっと格下のオランダ人やベルギー人は、自らを棚に上げてドイツ人を批判したけど、その本性はドイツ人とたいして変わりがない。検事側の“善人”を演じるためにドイツを糾弾しているだけだ。 Agent Orange 11123Vietnam War 42344 (左 : 枯葉剤を散布するアメリカ軍 / 右 : ベトナム人の村を焼き払うアメリカ兵 )
トルコ人やエジプト人、シリア人、イラク人、ペルシア人なんかは、全くユダヤ人に同情せず、むしろ「いいぞドイツ人、もっとやれ! ユダヤ人なんか皆殺しにしろ! 頑張れ !」と拍手喝采だ。戦後、歐州のユダヤ人が続々とがパレスチナへ入植すると、白人を気取ったセム種族に対する憎悪は更に強くなった。だいたい、「バルフォア宣言が表明されたら、お前達は出て行け!」と言われて、住み慣れた土地を離れるパレスチナ人なんているのか? しかも、民族浄化とも解釈できる「ダレット計画(Plan Dalet)」を目にすれば、迫害されたユダヤ人に同情などできない。 歐米諸国の西歐人はユダの金貨に弱いから、「ハガナやベン・グリオン、モシェ・ダヤンはテロリストじゃないのか?」と思っても口をつぐんでしまうが、虐殺に慣れたアラブ人は露骨にユダヤ人を批判する。彼らはホロコースト物語に耳を傾けず、「それがどうした?」という態度を取って冷ややかだ。そもそも、何千年も前から血腥い異民族の坩堝(るつぼ)が中東アジアである。だから、「水晶の夜(Kristallnacht / 1938年の迫害)」なんて、ちっとも珍しくもない。 一方、イスラエルのユダヤ人もアラブ人に対しては非常に冷酷で、反抗するパレスチナ人なら、女子供でも容赦しないし、躊躇わず狙撃の標的にする。第一、誰がテロリストなのか判らないから、怪しい奴は纏めて殺してしまうのが上策だ。歐米の主流メディアに出てくるユダヤ人は、リベラル主義の良心派を装っているが、ひとたび対立構造が生じれば、彼らだって先祖返りをするだろう。たとえ、「イルグン」(Irgun / 準軍事組織)に加わらなくても、ライフルや機関銃を手にして、伝統的なユダヤ人に変身する可能性は充分にある。 Jews and Arabs in Israel 1213Jews and Arabs in Israel 843 (左 : 反抗的なパレスチナ人を暴行するイスラエル兵 / 右 : ヘブロンでパレスチナ人の子供を連行するイスラエル兵 ) 歴史は勝者によって描かれ、敗者は弁解の余地なく悪魔だ。日本やドイツで無差別殺人を犯したアメリカは、ナチスを凌ぐ戦争犯罪を隠すため、色々な言い訳やトリックを考えついた。ひと昔前だと、原爆の投下は「アメリカ兵の更なる損失を防ぎ、戦争を早く集結させるための苦しい決断」と説明されていたが、今では戦史の研究が飛躍的に進み、この無差別攻撃が「新兵器の人体実験」と判ってきた。なぜなら、被爆地となった広島と長崎は、意図的に空爆の対象外とされていたからだ。 もし、八月の前に焼夷弾を落としてしまうと、せっかくの核実験が台無しになってしまうから、出来るだけ無傷のままがいい。大統領のハリー・トルーマンとジェイムズ・バーンズ(James Francis Byrnes)国務長官は、出来るだけ戦争を長引かせ、日本を実験台にすべく努力していた。そして、核攻撃の標的は都市部と定め、事前通告はしない、と決めていた。これなら、明らかに“計画殺人”で、お得意の“人道主義”とやらに反する。攻撃の時間や天候も大切で、休日とか雨天だとマズい。例えば、学校が休みだと、校庭で焼け死ぬ子供が居なくなるし、キノコ雲の撮影だって、やはり晴れの日がいい。 Truman 4324James Byrnes 1233atomic bomb Little Boy (左 : ハリー・トルーマン / 中央 : ジェイムズ・バーンズ / 右 : 「リトル・ボーイ」を搭載する場面)
合衆国政府の首脳や軍人からすれば、実験前の状態と実験後の惨状とを比較することは重要である。「マンハッタン計画」の科学者達だって、原爆の実戦投入となればウキウキで、「どんな成果がえられるのかなぁ〜?」と胸が弾んでくる。これは残酷な現実だが、日本人は核兵器の開発にとって有り難い実験材料であった。露骨に言えば、放射能汚染の災害を測るためのモルモット。100匹のゴールデン・レトリバーとかウェルシュ・コーギー・ペンブロークの仔犬を焼き殺すなんて絶対に出来ないが、1万人の日本人なら「まぁ、仕方ねぇか!」と呟いてOKだ。 atomic bomb blast 213Atomic bomb 11213 ( 左 : 米国での原爆実験 / 右 : 人体実験の犠牲者となった日本の少年) ガー・アヘルペロヴッィツ(Gar Alperovitz)やデニス・M・ジャンクレコ(Dennis M. Giangreco)など、多くの研究者が述べているが、「ダウンフォール作戦」は本当に恐ろしく、そこには九州を占領して爆撃機の拠点にする「オリンピック作戦(Operation Olympic)」(1945年11月に予定)があり、東京を核攻撃する「コロネット作戦(Operation Coronet)」(1946年3月に予定)まであった。もし、昭和天皇の御聖断が無ければ、日本国民は「一億玉砕」という呪縛に盲従し、三発目の攻撃を受けていた可能性が強い。 Curtis Lemay 444Leslie Groves 7743Kenneth Nichols 1 (左 : カーチス・ルメイ / 中央 : レスリー・グローヴス / 右 : ケネス・ニコルズ)
アメリカ人は敵国に容赦が無く、徹底的な“殲滅”を得意とする。古代ギリシアの戦争思想と同じ。好戦的なアメリカだと、中途半端な和平論者は劣勢で、強硬策を主張する武闘派の方が勝つ。「マンハッタン計画」を監督したレスリー・グローヴス(Leslie Groves)准将は、戦略爆撃隊を指揮したカーチス・ルメイ(Curtis E. LeMay)将軍と同じタイプで、「日本人を皆殺しにしろ!」という気概を持っていた。合衆国陸軍のケネス・ニコルズ(Kenneth David Nichols)少将は、グローヴス准将の性格をよく見抜いていた。ニコルズは軍事大学に招かれた時、グローヴス准将の人柄を訊かれ、次のように答えていた。 先ず第一に、グローヴス将軍は、私が一緒に仕事をした者の中で、最大のクソ野郎(Son of Bitch)だ。彼は誰よりも要求が多く、最も批判的である。彼は人を使う親方で、決して他人を称賛する輩(やから)じゃない。人の癇(かん)に障ることを言うし、皮肉屋ときている。通常の組織人脈を全て無視するが、彼は非常に知的だ。しかも、適切な時に難しい決断を下すだけのガッツを持っている。私が知っている中で、彼は一番のエゴイストである。彼は自分が正しいと判っているし、自らの決断を枉(ま)げることはない。(Kenneth David Nichols, The Road to Trinity, New York : William Morrow and Company, 1987, p.108.) グローヴス准将にとって日本人の命なんかハンバーカー以下の価値しかなく、彼の関心は別のところにあった。グローヴスは何としても原爆が使用される光景を見たかった、というのは確かだが、それよりも気になっていたのは、日本が早期に降伏するんじゃないかという心配であった。もし、原爆が完成する前に戦争が終わってしまったら一大事。彼はハンフォードやロス・アラモスの科学者達に「はやく完成させろ!」発破をかけた。なぜなら、もし原爆が未完成で使用されず、戦争が終わってしまうと、議会の“うるさい連中”に呼び出され、巨大な費用を使った責任を問われてしまうからだ。(Gar Alperovitz, Decision to Use the Atomic Bomb and the Architechture of an American Myth, New York : Alfred A. Knopf, 1995, p.593.) Robert Oppenheimer 9632(左 / ジュリアス・ロバート・オッペンハイマー ) 一般のアメリカ人は歴史学に興味が無く、歴史の勉強はハリウッド映画を観て終わり。事実と虚構の区別なんて無い。被害者である日本人も歴史の真相には興味が無く、「人道主義者のオッペンハイマー」という幻想を信じている。だが、このユダヤ人科学者は原爆製造の責任など、ちっとも感じていなかった。科学史に詳しいスティーヴンス工科大学(Stevens Institute of Technology)のアレックス・ウェラーシュタイン(Alex Wellerstein)教授によれば、オッペンハイマーは原爆攻撃を後悔していなかった。少なくとも、彼は公的な場で謝罪とか後悔を表明しなかったそうだ。オッペンハイマーが懸念していたのは、軍拡競争を止められなかったことである。 アルバート・アインシュタインも平和主義者とか高潔な人道主義者のように思われているが、本質的には同胞を愛するだけのユダヤ人。倫理道徳よりも、仮説の証明や実験結果を知りたがる典型的な科学者であった。もちろん、多くの民間人が犠牲となったことについては“遺憾”に思っていたのだろうが、世界初の原爆投下については興味津々だったはず。 ハンガリー出身の天才科学者、ジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann / 本名 : Neumann János)は、オッペンハイマーみたいに陰気にならず、冷徹に現実世界を見ていた。このリアリストのユダヤ人は、核兵器の殺戮は天井知らずになると考え、水素爆弾が開発されれば時代が変わるから、その前に核兵器を抑止できる体制を作るべきだと考えていた。左翼学者なら「国連」に期待してしまうが、ノイマンは「パックス・アメリカーナ」を確立する方が最善の道と考えていたそうだ。(ノーマン・マクレイ 『フォン・ノイマンの生涯』 渡辺正・芦田みどり 訳、1998年、p.229.) ロス・アラモスに集まった科学者達は、大半が次のような考えを抱いていた。 @ 俺達は大量殺戮用の爆弾をつくる。なんて罪深い仕事なんだろう。 A だが、ナチスに先を超されないよう、やらねばならぬ、 B 戦争の幕引きができたら原爆の国際規制が必要だろう。(上掲書、pp.227-228.) まぁ、自然科学系の学者には理想主義者が多いから、こうした罪悪感を持っていても不思議じゃない。しかし、有能な科学者というのは倫理学よりも、自らの研究の方に関心がある。彼らは新兵器の威力がどれくらいなのか、仲間内で予想を語り合っていたのだ。トリニティ実験の前夜、ロスアラモスの科学者達は、「デブ(Fat Man / プルトニュウム型爆弾)」の破壊力がどれくらいになるのかを賭けていた。最大の見積もりは、エドワード・テラー(Edward Teller)のTNT4万5,000トンで、ジョージ・キスチアコウスキー(George B. Kistiakowsky)は1,400トン。オッペンハイマーは300ドンと踏んでおり、ハンス・ベーテ(Hans Bethe)は8,000と推測していた。一方、ノイマンは「デブ」をうまく設計できたと思っていたから、賭けには乗ってこなかったそうだ。(上掲書、p.241.) John von Neuman 111Edward Teller 24George Kistiakowsky 556Hans Bethe 213 (左 : ジョン・フォン・ノイマン / エドワード・テラー / ジョージ・キスチアコウスキー / 右 : ンス・ベーテ )
日本の被爆者やその族が、こうした「賭け」を知れば激怒してしまうが、最先端科学を用いた人類初の最強兵器となれば、「どんな威力が見られるのか?」と期待してもおかしくはない。日本から遠く離れた砂漠で研究に打ち込む科学者には、一瞬で消滅した老人とか、黒焦げになった女性、皮膚がただれた子供なんかは問題外。「リトル・ボーイ(Little Boy / ウラン型爆弾」を積んだ「エノラ・ゲイ(Enola Gay)」に乗っていた操縦士、ポール・ティベッツ(Paul W. Tibbets)やロバート・ルイス(Robert A. Lewis)なんかは、単にボタンを押しただけで、「大量殺人の実行犯」という意識は無かった。彼らはドイツの突撃隊や親衛隊、地上部隊の兵卒と同じく、「上からの命令」に従っただけである。日本人を何万人殺そうが、「個人の罪」じゃないから平気だ。しかし、総統に従ったドイツ人は死刑となり、大統領に従ったアメリカ人は勲章をもらった。この違いは非常に大きい。 Enola Gay 221Paul Tibbets 111Robert Lewis 113 (左 : 「エノラ・ゲイ」の搭乗員 / 中央 : ポール・ティベッツ / 右 : ロバート・ルイス )
日本人はもとより、アメリカ人やヨーロッパ人は、「ユダヤ人の犠牲者」だけを殊さら重要視する。だが、国家総力戦の世界大戦となれば、何処の国でも不幸な人々が増えてしまうものだ。洗脳レベルが高いアメリカ人は、矢鱈と「ユダヤ人の悲劇」に同情するが、強制収容所で亡くなったユダヤ人の死因は、主に不潔な牢獄で発生するチフスで、焼却炉で灰になったのは遺体である。(著名なラウル・ヒルバーグ博士すら、物的証拠を持たず、単なる憶測で「ガス室殺人」を述べていのに、デボラ・リプシュタットのような宣伝係が強力なので、未だに都市伝説を信じている人は多い。反対尋問すら無い「証言」とやらを信じている武井彩佳、翻訳しか業績の無い芝健介などは、御目出度い日本人の典型だ。) Hiroshima 111Dresden 213 (左 : 原爆攻撃で焼け野原となった広島 / 右 : 空爆で焼失したドレスデン )
日本の都市部に行われた空爆やドレスデンの絨毯爆撃の方が、よっぽど凄惨で、「戦争犯罪」に値する計画殺人である。何しろ、日本やドイツの民間人は、生きたまま炎に包まれ、阿鼻叫喚の生き地獄を体験したのだ。普通のアメリカ人は考えもしないけど、もし、日本軍がロサンジェルスやヒューストン、フィラデルフィア、ニューヨーク、シカゴなどを空爆し、女子供や老人、病人、赤ん坊を焼き殺したら、アメリカ国民は決して赦さないだろう。たとえ、日本に負けてもアメリカ人は日本軍による蛮行を忘れず、毎年毎年、各州で怨念イベントが開かれるはずだ。過去を水に流し、敵国に平伏(ひれふ)したまま、“自国の罪”を懺悔するなんて、お人好しの日本人くらいである。 後編に続く。 http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68934208.html
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