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アサンジ勝利。代償:報道の自由は打ちのめされ、反体制意見は精神病のレッテルを貼られた
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2021年1月 6日 マスコミに載らない海外記事
ジョナサン・クック
2021年1月4日
Jonathan Cook Blog
ジュリアン・アサンジを引き渡すというアメリカの要求を否定して、彼を生涯、アメリカのスーパーマックス刑務所に閉じ込める努力を失敗させたバネッサ・バライスター判事による予想外の決定は、歓迎すべき法的勝利だが、深く我々を懸念させる、より大きい教訓に満ちている。
アメリカとイギリスの商業メディアが実に熱心に闇に葬ろうと働く中、アサンジ事件を注目の的にしておくため精力的に活動した人々は時代の英雄だ。イラクとアフガニスタンでの、戦争犯罪と、人類に対する犯罪をあばくことに対し、アサンジをアメリカで無期限に閉じ込めることに、バライスター判事やイギリス支配体制が同意する代償を、彼らは極めて法外なものにしたのだ。
だが、この勝利が、我々に要求する代償を、決して軽視してはならない。
My latest article explains why this ruling – though a potential personal victory for Assange, assuming it is not overturned – is a massive setback for those battling to make our political and legal systems less corrupt and more transparent https://t.co/FtrDGyHwF2
— Jonathan Cook (@Jonathan_K_Cook) January 4, 2021
判事がジュリアン・アサンジの犯人引き渡しを否定したのは非常に歓迎される瞬間だ。悲しいことに、彼の猶予は、アメリカの犯人引き渡しの主張に反対する(その全てが判事に拒絶された)実に多くの理に適った議論のおかげではなく、アサンジは自殺する危険があるとみなされたためなのだ - ジョナサン・クック(@Jonathan_K_Cook) 2021年1月4日 |
束の間の慶賀
Covid-19の温床となった過密なロンドンのベルマーシュ重警備刑務所で、彼の健康が悪化し続けるにつれ、死刑宣告になりかねないことから、アサンジにとって多少の自由と、願わくは猶予を取り戻すため、我々は共同で、様々な小さな方法で貢献している。
このため、我々は自身に束の間の慶賀を認めるべきだ。だが、アサンジはまだ危機を脱してはいない。アメリカは、決定に対して控訴すると言っている。そして、彼の未来について、今後何カ月も、更なる法的論議が行われる間、アサンジが、イギリス、おそらくベルマーシュで、刑務所に入れられたままでいるかどうか、まだ明らかではない。
アメリカとイギリスの支配体制は、スウェーデンであれ、イギリスであれ、アメリカであれ、アサンジがどこに投獄されるか気にしていない。彼らに最も重要だったのは、彼をどこか見えないところの独房に閉じ込め続け、彼の不屈の精神と身体を破壊し、彼は事実上黙らされ、他の人々に反体制の代償は余りにも高いという教訓を学ばせることだ。
彼が完全に自由になるまで、アサンジの個人的戦いは終わらない。その場合でも、ここ10年、彼が受けた様々な形の監禁や拷問で、彼が、感情的、精神的に損害を被り、永久に心に傷を負った状態、彼の苦難が始まる前の、おずおずせず主張する、力強い透明性の戦士の淡い影のような存在にならなければ、彼は幸運だ。
そうなれば、それだけで、ウィキリークスによる彼らの犯罪暴露のせいで、恥ずかしい思いをして、恐れていたイギリスとアメリカ支配体制にとって勝利だ。
専門的理由で拒絶される
だが彼が控訴審で負けないと想定すれば、アサンジにとって個人的勝利となり得ることは別として、バライスターが犯人引き渡しを拒否するために展開した法的議論を、我々は深く懸念するべきだ。
犯人引き渡しというアメリカの要求は、事実上、専門的な理由で拒絶された。アメリカの大量監禁体制は、実に野蛮で、腐敗しており、それは9月の審理で、専門家たちが決定的に示したが、もし彼がスーパーマックス刑務所の犠牲者になっていれば、アサンジは自殺する重大な危険におかれたはずだ。
イギリス支配体制の配慮の可能性も無視してはならない。数日中にドナルド・トランプがホワイトハウスから去り、アメリカ新政権が彼に代わるのだ。
ジョー・バイデン次期大統領に対し、感傷的になる必要はない。彼も大量監禁愛好者で、反体制派メディアや国家安全保障国家に異議を申し立てる内部告発者やジャーナリズムに対しては、民主党の前任者バラク・オバマ同様、決して友好的ではない。全く友人ではない。
だが、おそらく、バイデンは、トランプ政権の権威主義本能による居心地の悪い、彼の部下が守るよう強いられる残留物、彼に反対するスローガンとなり、彼の頭から離れないアサンジ訴訟を必要としていない。
イギリスの法的、司法、政治的支配体制が、犯人引き渡しに反対する気骨を持つようになったと想像するのは素敵だろう。彼らは、ホワイトハウス入りするバイデン・チームに打診し、犯人引き渡しの即刻の裁定を見送る許可を得たのが遥かにありそうな真実だ。専門的理由で。
新バイデン政権が上訴取り下げを決めるかどうか注視願いたい。彼の担当当局は、メディアに捕捉されずに、更に数カ月も、とりとめもなく続ける可能性が高い。
スパイ活動としてのジャーナリズム
重大なのは、アサンジの弁護士によって、徹底的に論破されたのに、バライスター判事は、犯人引き渡しのためのトランプ政権の法律的主張全てを支持したことだ。
バライスター判事は、調査ジャーナリズムに対する「スパイ活動」というアメリカ政府による危険な新定義を受け入れ、アサンジが、政府の戦争犯罪を暴露して、イギリスの過酷な公職秘密法にも違反していたことを示唆した。
彼女は、彼のような政治的事例を免除する条約の実際の言葉を無視し、2007年の犯罪人引き渡し条約が、アサンジの件に適用されることに同意した。彼女はそれにより、ワシントンを困らせたかどで、他のジャーナリストが母国で逮捕され、アメリカに引き渡されることへの扉を開いたのだ。
自由社会で、ジャーナリストにとって不可欠な義務として、アサンジが内部告発者チェルシー・マニングのためにしたように、情報源を守ることは、デジタル時代には、犯罪的「ハッキング」にあたるとバライスター判事は認めた。彼女は、言論の自由と報道の自由の権利は、「何を発表するか決めるアサンジによる自由裁量」を与えないと言って、言論の自由と報道の自由を廃棄した。
国際法と、彼の依頼人・弁護士特権の侵害、彼の最も基本的法的権利の侵害で、それだけでも、訴訟手続きを止めるべきだったアメリカがエクアドル大使館内で、アサンジにスパイ行為をしたことを示す十分な証拠を、彼女は両方とも認めたように見える。
Judge cites this Guardian column condemning WikiLeaks as part of evidence (or justification) for extradition decision https://t.co/ww0Ozi5V1x
— Kevin Gosztola (@kgosztola) January 4, 2021
バライスター判事は、アメリカ政府がアサンジとエクアドル大使館に対し、スパイ行為をした証拠、あるいは正当化としてCNN記事を引用した これが、2019年の、その記事だ。https://t.co/tbK3QDm3Fs - Kevin Gosztola(@kgosztola) 2021年1月4日 |
アメリカの主要治安機関と諜報機関の本部があるバージニア州の東地区で行われることが、ほぼ確実なのに、アサンジは、アメリカで公正な裁判を受けるとバライスター判事は主張した。陪審員は、アサンジに同情を持たないアメリカの治安機関要員と彼らの家族が独占するはずだ。
我々は、アサンジのためのこの裁定を祝いながらも、報道の自由に対する攻撃として、我々が苦労して勝ち取った集団的自由に対する攻撃として、アメリカとイギリスの支配体制が、彼ら自身が支持すると称する価値観や原則や法律を完全に無視することに責任をとらせる我々の取り組みに対する攻撃として、それを強く非難しなければならない。
我々がアサンジの現在の法的勝利で、小さな賞を与えられる一方、支配体制は、もう一方で、我々から、はるかに多くを奪っている。
中傷は継続する
アサンジ裁定には最終的な教訓がある。この10年、アサンジの信用を失墜させ、名誉を傷つけ、悪者にするため費やされた。この裁定は、その過程の継続と見なすべきだ。
バライスター判事は、アサンジの精神衛生と自閉症と自殺リスクがあるという事実の根拠でのみ、犯人引き渡しを否定した。言い換えれば、アサンジ解放に対する理にかなった議論は、決定的に拒絶されたのだ。
彼が自由を取り戻すとすれば、それは、もっぱら、彼が精神的に病んでいると特徴づけられたためなのだ。それはアサンジだけでなく、彼がそのために戦った大義、彼が設立を支援した組織ウィキリークスや、支配体制の言説に逆らう、あらゆる反体制派の信用を落とすために使われるだろう。このような説明に、我々が至る所で異議を唱えなければ、こうした考えは、よく知られる公的言説として定着してしまうだろう。
我々の自由を守るアサンジの戦い、欧米エリートの利己的権益を推進するため、我々が思うままに爆撃する遠く離れた国々の人々を守ることは、自閉症や精神病の証拠ではない。我々の社会をより公正にし、権力側の連中に責任をとらせようとする彼の努力は、機能不全の証拠ではなかった。我々の政治をそれほど不正ではなく、我々の法律制度を、より透明にし、メディアを、より正直にするするのは、我々全員が共有する義務なのだ。
我々の指導者の変質的で、持続不可能な、自殺的な権益ではなく、これら価価値観、本当の健全さのために、我々の更に遥かに多くが闘わなければ、我々に未来はない。我々に、我々自身と社会を、どのように自由にできるかアサンジは示してくれた。彼の戦いの継続が、我々全員に、義務として課されている。
記事原文のurl:https://www.jonathan-cook.net/blog/2021-01-04/assange-wins-the-cost-press-freedom-is-crushed-and-dissent-labelled-mental-illness/
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