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米大統領選、トランプ氏の「悪あがき」で片付けていいのか? 陣営は集計機の不正疑惑など追及 メディアの異なる報道で国民混乱も 河添恵子氏が緊急寄稿
12/8(火) 16:56配信
米大統領選は、民主党のジョー・バイデン前副大統領が当選確実と報じられているが、実は、まだ終わっていない。今月14日に全米50州とワシントンDCの選挙人投票が行われ、来年1月6日に上下両院合同会議で開票結果が確定するのだ。注目された激戦6州はバイデン氏の勝利を認定したが、ドナルド・トランプ大統領の陣営は「多くの違法投票の証拠を集めた」などとして、連邦高裁や最高裁での訴訟を示唆している。混乱・困惑する米国の現状について、ノンフィクション作家の河添恵子氏が緊急寄稿第26弾で迫った。
◇ 米国民の多く、特にトランプ支持者は、大統領選とその結果について混乱・困惑している。メディアによって非常に異なる、もしくは正反対の内容を報じているためだ。
日本の新聞やテレビがよく引用する主要メディアは、「トランプ米大統領、24年の再出馬を示唆」(ロイター、2日)、「トランプ氏、退任前に立て続けに恩赦か」(CNN、3日)などと、しきりとトランプ氏がホワイトハウスを去る準備をしているように報じている。
一方、保守系メディアは違う。
トランプ陣営の上級法務顧問、ジェナ・エリス氏は11月28日、ニュース放送局「ワン・アメリカ・ニュース(OAN)」のインタビューに応じ、「メディアにだまされないように。選挙が終わったと米国民に告げて虚勢を張っている」「メディアが故意にフェイクニュースを広めるか、憲法上の誤った解釈を提供している」「専門家の話に耳を傾けてください」などと呼びかけた。
元連邦検事で弁護士のシドニー・パウエル氏は同月13日、FOXニュースのインタビューで、「トランプ大統領の圧倒的な勝利は議論の余地がない」「ドミニオン社製の集計システムが盗みを支援した。その内部情報を暴露する」などと言及し、衝撃が走った。
こうした疑惑を裏付けるのか、激戦州・ミシガン州で、アライド・セキュリティー・システムズの共同経営者、ラッス・ラムズランド氏が宣誓供述書を提出し、一部がメディアに公開されて注目されている。
詳細は省くが、(1)投票率100%の選挙区が数十カ所もある(2)投票率が約83%に達したとき、各投票所ではトランプ氏の得票率は55〜60%だったが、午前3時以降に大きく不自然に変わった(3)計3276カ所の選挙区の有権者の84〜350%が投票している(4)43万1954票は余分な票(幽霊票?)である−などだ。ミシガン州も、ドミニオン社製の集計システムを使っている。
トランプ氏がツイッターで転載した、票の動向を示すグラフから分かるのは、大統領選の開票翌日(11月4日)の午前6時31分に突然、14万9772票が追加され、その96%(13万4886票)がバイデン票だったことだ。
ドミニオン社は「当社の投票システムで票が変更されるか、ソフトウエアに問題があったとするあらゆる主張を断固として否定する」とツイートしている(AFP、11月14日)。
■パウエル氏「全詐欺を暴露」
これに対し、前出のパウエル氏は11月19日、ワシントンで行った記者会見で、「2012年と17年に、民主党議員が『この違法ソフトで投票を簡単に変えることができる』と発表していたのに、今回の選挙で民主党側の28の州が違法を承知でドミニオン社の集計機を導入した」と語った。
さらにパウエル氏は同月22日、「私の目的は、共和党員であろうと民主党員であろうと、見つけたすべての詐欺を暴露すること」と宣言している。
激戦州の1つ、ペンシルベニア州の州議会は同月27日、今回の大統領選で、投票用紙の郵送や投票、集計に多数の違反があったことを認め、知事と州務長官に対し、以下のような共同決議を発表している。
「すべての選挙が法律に沿って行われ、合法的な投票が正確に計算されることを国民に納得させる責任がある」「州全体の選挙結果について、調査が完了する前に認定しない」
補足すると、今月14日の選挙人投票の代表を決定する憲法上の権限は、州の司法ではなく州議会にある。
こうしたなか、ウィリアム・バー司法長官は1日、AP通信のインタビューで、連邦検事や連邦捜査局(FBI)が不正の申し立てを受けて調べたが、「(大統領選に)異なる結果をもたらす可能性がある規模の不正は、これまで目にしていない」と語ったという。
だが、全米各地で湧き上がる「(票の)盗みをやめろ」キャンペーンは、ますます勢いづいている。米大統領選をめぐる未曾有の事態−混乱と分断は、トランプ氏の「悪あがき」で片づけていいはずがない。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。2020年、アパ日本再興財団が主催する、第13回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀藤誠志賞を受賞。著書・共著に『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)、『習近平が隠蔽したコロナの正体』(同)など多数。
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最終更新:12/9(水) 1:04
夕刊フジ
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