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2021年5月20日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/105296
厚生労働省は20日、専門部会を開き、米モデルナ製と英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの薬事承認の可否を判断する。モデルナ製は承認される見通し。アストラゼネカ製は接種後、ごくまれに血栓症が発生すると海外で報告され、接種を年齢で制限する国もある。承認されても、国内でも何らかの制限を設けるか議論になりそうだ。(藤川大樹)
◆接種スピード加速
現在、国内では米ファイザー製ワクチンしか承認されていない。今回、2種類のワクチンが承認されれば、供給量は一気に増え、接種スピードの加速が期待される。厚労省が契約しているのは、3種類の合計で3億6400万回分(1億8200万人分)になる。
海外の臨床試験(治験)と接種事例から、政府はモデルナ製が承認されることを前提に、東京と大阪の大規模接種センター開設を急ピッチで進めている。センターでは、モデルナ製を使う予定だ。
モデルナ製は米ファイザー製と同じ「m(メッセンジャー)RNAワクチン」。海外の治験での有効率(発症を予防する効果)は94・1%で、ファイザー製の94・6%と遜色ない。米疾病対策センター(CDC)によると、副反応もファイザー製に似ていて、接種部位の疼痛や全身の倦怠感、頭痛などが高い頻度で報告されている。
◆アストラ製の利点と懸念
一方、アストラゼネカ製は、ファイザー、モデルナ製とは異なる「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれるタイプ。英オックスフォード大と共同でワクチンを開発した。新型コロナのスパイクタンパク質の遺伝情報を、アデノウイルスに組み込み、作られている。
3月、米国などでの治験で有効率は76%だったと発表。mRNAワクチンには及ばないものの、超低温ではなく2〜8度で保管ができるという利点がある。政府高官は「扱いやすい」と期待する。
懸念されるのが、欧州などで報告されている「血小板減少症を伴う血栓症」だ。血小板が減ると血が固まりにくくなるのに、血栓ができるという症例だ。英国では3月末時点で100万人当たり約4人に発生し、接種との関連が指摘される。年齢や性別による発生のしやすさ、原因は特定されていない。
◆欧州は慎重
厚労省によると、デンマークとノルウェーは、アストラゼネカ製の使用中止を決めた。英国では、基礎疾患のない40歳未満は、他のワクチンを使うように推奨。ドイツは60歳以上、フランスは55歳以上に限定して使用を勧めるなど、欧州各国はアストラゼネカ製の使用に慎重だ。
アストラゼネカ製が承認された場合、厚労省の予防接種・ワクチン分科会で対象者などを議論することになる。委員からは「とても責任の重い仕事だ」との声が漏れる。
日本医師会の釜萢敏常任理事は「薬事承認後、年齢をどうするか検討しなければいけないが、非常に厳しい。今回の有害事象は非常に頻度が低いので、リスク評価は難しいと思う」と話している。
【関連記事】アストラ製ワクチン巡り割れる欧州 独伊は再開も、北欧などは慎重
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- アストラ製ワクチン、当面不使用 血栓の副反応に懸念(東京新聞・共同) 蒲田の富士山 2021/5/21 13:07:00
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