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2021年5月2日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/101838
◆アメリカは承認済み、各国で臨床試験
新型コロナウイルスの治療法を研究する国立国際医療研究センター(東京都新宿区)など全国6カ所の研究機関が、新型コロナからの回復者に血漿けっしょうの提供を呼びかけている。回復者の血漿を患者に投与し、重症化を防ぐ「血漿療法」の効果を検証するためだ。変異株からの回復者の血漿は、同じ変異株の患者に効果がある可能性があり、まん延する変異株の治療法としても期待がかかる。(沢田千秋)
血漿療法 血漿とは血液の中から赤血球や白血球、血小板などを取り除いたもので、病原体の働きを抑える抗体を含む。新型コロナウイルス感染症から回復した人の血漿には、新型コロナの抗体があり、これが患者の治療に役立つ可能性がある。かつてスペイン風邪の治療に使われ、最近では重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)などの治療でも試みられている。
回復者血漿による治療は米国で既に承認されている。ちなみに、トランプ前米大統領は新型コロナに感染した際、人の免疫細胞から人工的に作ったモノクローナル抗体を治療薬として使用した。原理は血漿療法と同じだが、多額の費用がかかるのがネックだ。
血漿療法は回復者から採取後すぐ使用でき、コスト面でも優位で、臨床試験が各国で行われているが、有効性の評価は分かれる。理由について、同センターの代表研究者、忽那 賢志医師は「重症患者が対象の研究では効果が出なかった。重症患者は体内でウイルス増殖がすでに終わり、過剰な免疫反応が起きた状態で、血漿を投与しても遅い」と説明。主に軽症者の重症化を防ぐ治療として可能性を探っている。
◆国立国際医療研究センターでは11人に投与
昨年10月〜今年2月に忽那医師が実施した研究では、中等症の新型コロナ患者11人に回復者血漿を投与。90代の女性1人が死亡し、残り10人は軽快した。その後、より規模が大きい研究を開始。軽症患者200人を、血漿投与を受ける人、受けない人に分けて比較する予定で、血漿の提供を広く呼びかけている。
忽那医師は「重症化した人ほど強い抗体を持ち、抗体の強さは半年ほどしてからゆっくり下がる」と話す。血漿採取前に、採血で抗体の強さや感染症の有無など適格性を検査。これまで回復者約600人を調べ、実際に血漿を採取したのは3割程度だったという。
血漿採取は約1時間で、献血と同程度の400ミリリットルほど。分離器を使い、いったん採取した血液から血漿だけを取り出し、赤血球は体内に戻す。抽出された血漿は、すぐに同じ血液型の患者に投与できる。
献血する人、投与を受ける人の安全性に、忽那医師は「基本的には献血や輸血と同じで、特別な副反応があるわけではない」とし、「新型コロナで苦しんだみなさんの抗体が、次に苦しむ人に役立つかもしれない」と期待する。
回復者を募集しているのは東京都、愛知県、大阪府の計6つの医療機関。詳しくはホームページ「COVID-19回復者の抗体測定・血漿採取の参加者募集」まで。
https://covipla.ncgm.go.jp/
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