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「高齢者の重症化原因? 新型コロナは全身の血管に感染することが判明」
(ナゾロジー 2020/4/23)
https://nazology.net/archives/57616
point
- 新型コロナウイルスに対して高齢者や持病がある人が脆弱である医学的理由が判明した
- 新型コロナウイルスは全身の血管に感染するため、血管が弱っていると重篤化する
- 血管の健康を保つには生活習慣病を予防するのが一番である
新型コロナウイルスは初期には新型肺炎と呼ばれており、呼吸器系に感染するウイルスだと思われていました。
ですが増加する死亡者の検死解剖を行った結果、死者の多くに、複数の臓器にまたがる甚大な損壊が生じていることが明らかになってきました。
これは呼吸器系の症状からだけでは説明がつきません。
そこでスイスの研究者は、原因を探るために、ウイルスにより亡くなった患者の臓器の詳細な観察を行いました。
その結果、コロナウイルスは肺だけでなく、全身の血管に感染する能力をもっていることがわかりました。死んだ患者の血管内皮に、ウイルス粒子がビッシリとこびりついていたのです。
そのため死者の臓器では末梢の血管が崩壊しており、血液の流出を引き起こし、臓器の壊死引き起こしていました。
また追加の分析で、高齢者や糖尿病や高血圧、心疾患などにより、既に身体中の血管にダメージを受けている患者ほど、ウイルスによる血管への感染に脆弱であることがわかりました。
これは既知の知識である「高齢者や持病がある人ほど重症化しやすい」という現象の最終的な原因になると、研究者は結論付けています。
全身の血管を狙う新型コロナウイルスに対して、人類はどのような治療を行えばよいのでしょうか?
■ 新型コロナウイルスは全身の血管内皮に感染できる
新型コロナウイルスは、表面にあるスパイクと呼ばれる構造を、人間の細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することで感染します。
今回の研究により、ウイルスは肺に存在するACE2にだけ感染するのではなく、体全体の血管内皮に存在するACE2にも感染することが判明しました。
上の画像では、ウイルスが腎臓の血管内皮に入り込んでいる様子が示されています。
ウイルスが感染した血管内皮は炎症を引き起こすだけでなく、ウイルスが細胞を喰い破る物理的な破壊を受けて体内で出血を引き起こします。
高齢者や血管系にかかわる生活習慣病などの持病がある人は既に血管が弱っているため、ウイルスによる感染と破壊に血管が耐えきれず、症状が重篤化すると考えられます。
■ 血管を守るためにできることは健康維持
今回の研究成果により、新型コロナウイルスの正体はただの肺炎ではなく「全身性血管炎症」であることがわかりました。
そのため、感染した患者が高齢者や血管系にかかわる持病がある場合は、優先して血管を保護する必要性が生じます。
リスクを抱えた感染患者の救護には、既存の血管保護の医療技術が役立つ可能性があります。
また現在、生活習慣病などに陥っている人は一刻も早く健康体に近づくことが、ウイルス感染による症状の重篤化を避ける一番の手となります。
ウイルス対策で生活習慣病から抜け出せるなら、一石二鳥と言えるかもしれません。
研究内容はチューリッヒ大学のズザナ・ヴァルガ氏らによってまとめられ、4月20日に、世界五大医学雑誌の一つである「THE LANCET」に掲載されまし。
Endothelial cell infection and endotheliitis in COVID-19
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2820%2930937-5/fulltext#
------(引用ここまで)---------------------------------------
元記事に写真が多数あるので見てください。
すでに福島原発事故による放射能被ばくで、循環器系の疾患をかかえている人が
多いのですが、さらに新型コロナに感染したら大変なことになります。
感染しないよう、十分にご注意下さい。
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